有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 10:43
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場につきまして、国際レコード産業連盟(IFPI)によりますと、2025年の世界の音楽市場の売上高は、ストリーミング配信市場の続伸により、前年比106.4%の317億ドルと11年連続でプラス成長を続けています。
また、国内においては一般社団法人日本レコード協会によりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年比105%(2025年1月~12月)と順調に推移し、有料音楽配信売上金額は前年比107%(2025年1月~12月)と、12年連続のプラス成長となりました。音楽配信売上の内訳をみると、ダウンロードは縮小傾向にあるものの、当社グループの業績において牽引役となっているサブスクリプション型を中心としたストリーミング配信は引き続き拡大しております。ただし、その伸長率は足元では緩やかに推移しております。
このような状況の中、当社グループは2025年5月に公表した中期業績計画の達成に向け、以下の取り組みを実施いたしました。
・海外での著作権使用料徴収の精度向上
・取扱原盤に係る放送二次使用料の再分配業務の開始
・キャスティングサービスにおける体制強化
・デジタルコンテンツディストリビューション(以下、「DD」)事業におけるゲーム音楽に特化した新たな取り組みの開始
・子会社である株式会社レコチョク(以下、「レコチョク」)における新しいDDサービス「FLAGGLE」の提供開始及び法人向け原盤利用許諾スキーム「レコチョク play」の提供開始
・子会社である株式会社NexToneシステムズ(以下、「NexToneシステムズ」)における音楽出版社業務をDX化する著作権管理クラウドサービス「Virco」の提供開始
また、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業を中心に、継続的に以下の取り組みを行っております。
・公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配
・著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応
・各事業間シナジーを活かした複合的な提案による管理楽曲数及び取扱原盤数の拡大
・楽曲・コンテンツの更なる利用促進
・権利者へのきめ細やかなサービスの提供
・DX推進やAI活用による業務効率化
・インフラコストを中心としたコスト削減
なお、当社グループは、経営資源の最適配分と事業効率化のため、2026年3月31日付で連結子会社である株式会社エッグス(2026年4月1日付で連結子会社であるレコチョクに吸収合併、以下、「エッグス」)の一部事業を第三者に事業譲渡いたしました。本事業譲渡に伴い当連結会計年度において減損損失として239百万円を特別損失に計上しております。詳しくは2026年3月26日公表の「連結子会社における事業譲渡及び特別損失の発生に関するお知らせ」をご覧ください。
以上の結果、売上高は20,774百万円(前年同期比107.0%)、営業利益は1,301百万円(前年同期比129.4%)、経常利益は1,334百万円(前年同期比129.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は791百万円(前年同期比114.3%)と増収増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 著作権管理事業
楽曲の著作権に関わる2つの事業である、当社の基幹事業である音楽著作権管理事業と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を「著作権管理事業」としております。著作権者からの委託を受け、音楽著作物の利用の許諾と音楽著作権使用料の徴収・分配を行うほか、音楽出版社に向けた業務代行サービス等を提供しております。
音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2024年10月~2025年12月となります。
(利用時期と計上時期のイメージ)
利用区分利用時期
第1四半期計上第2四半期計上第3四半期計上第4四半期計上
録音権1月~3月4月~6月7月~9月10月~12月
インタラクティブ配信1月~3月4月~6月7月~9月10月~12月
放送10月~12月1月~3月4月~6月7月~9月

(注)表中の「利用区分」は主要な区分のみを記載しております。
当該期間における著作権管理事業の業績は、徴収額全体で前年同期比112.2%を記録し、当社発足以来10期連続の増収を達成いたしました。
国内利用におけるインタラクティブ配信の使用料徴収額は、前年同期比102.4%と伸び率は鈍化しましたが、堅調に推移しております。録音権の使用料徴収額は、アイドル系楽曲の音楽ソフト等における利用が極めて好調に推移し、前年同期比124.4%と大幅な伸長を見せました。
また、放送・有線放送の使用料徴収額は、当社管理楽曲の番組利用が着実に増加した結果、前年同期比116.6%となりました。
加えて、海外地域での使用料徴収額は、2024年7月より開始したYouTube動画視聴における世界規模での直接徴収や各国管理事業者との直接契約拡大が奏功し、飛躍的に増大いたしました。
当連結会計年度末における管理楽曲数、及び期中の新規管理楽曲数は以下のとおりです。
(著作権管理事業)2025年3月期2026年3月期
管理楽曲数(曲)691,490823,341
期中新規楽曲数(曲)167,229135,167

コスト面については、楽曲数増加に伴い人件費及びシステム関連費が増加いたしました。
以上の結果、売上高は1,604百万円(前年同期比105.2%)、セグメント利益は704百万円(前年同期比101.8%)となり、増収増益となりました。
また、委託権利者や管理楽曲が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2026年4月から当社が新たに著作権管理を受託する3,930楽曲(うち、新規移管による純増2,321楽曲、委託範囲拡大1,609楽曲)の移管も実施いたしました。移管楽曲の中には、著名アーティストの楽曲やVTuber等のネットクリエイター関連の楽曲が多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
当社、レコチョク及びエッグスで行う、国内外の音楽配信プラットフォームに向けた、原盤(音源・映像)供給サービスを「DD事業」としております。
当連結会計年度におけるDD事業は、取扱原盤の着実な増加、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の伸長、当社の強みであるアニメ・ゲーム関連及びVTuber等のネットクリエイター関連の原盤再生の増加、大手権利者のサブスクリプション解禁等により増収となりました。
また、2025年7月よりレコチョクにおいて新しいDDサービス「FLAGGLE」を提供開始いたしました。なお、エッグス運営のDDサービスにつきましては、2026年4月1日付でレコチョクへ吸収統合し、今後はレコチョクが主体となって運営を継続いたします。
当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数(純増数)は以下のとおりです。なお、レコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。
(DD事業)2025年3月期2026年3月期
取扱原盤数1,470,2941,657,158
期中新規原盤数(純増数)206,942186,864

以上の結果、売上高は10,345百万円(前年同期比106.8%)、セグメント利益は1,045百万円(前年同期比108.6%)となり、増収増益となりました。
c.音楽配信事業
レコチョクにおける基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」としております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。
当連結会計年度における音楽配信事業は、個人向け主力サービスである「dヒッツ」のサービス料金を2024年12月より改定したことが奏功し、安定的に推移いたしました。また、6月より新たに法人向け原盤利用許諾スキーム「レコチョク play」を構築し、カラオケ機器メーカーへの提供を開始いたしました。
コスト面については、引き続き人件費及びシステム関連費の抑制を行いました。
以上の結果、売上高は7,726百万円(前年同期比101.9%)、セグメント利益は1,565百万円(前年同期比117.0%)となり、増収増益となりました。
d. その他
上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。
「その他」に含まれる事業といたしましては、キャスティング事業、リユースプロダクト事業、子会社のNexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。なお、2026年3月31日付でその他に含まれるエッグスの一部事業を第三者へ事業譲渡しております。
当連結会計年度では、キャスティング事業でライブビューイングの大型案件を複数実施した一方で、エッグスの新規サービスの取引先開拓やサービス拡大が想定より遅延いたしました。
以上の結果、売上高は1,978百万円(前年同期比132.1%)と増収となりましたが、セグメント損失は325百万円(前年同期は425百万円の損失)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて995百万円増加し、15,827百万円となりました。これは主に、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業が堅調に推移したことに伴い現金及び預金が1,435百万円増加し、さらに固定資産の取得により793百万円増加した一方で、レコチョクにおける移転補償金の入金による未収入金の減少221百万円、固定資産の償却や除却に伴う減少721百万円、及びエッグスにおけるソフトウェアの減損損失239百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて248百万円増加し、9,365百万円となりました。これは主に、著作権管理事業が堅調に推移したことに伴い、著作権者への分配に係る未払金が763百万円増加した一方で、その他事業において権利者への分配が減少したことに伴う買掛金の減少181百万円、未払法人税等の減少199百万円、長期未払金の減少123百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて746百万円増加し、6,461百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加791百万円のほか、非支配株主持分の減少59百万円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益791百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して1,435百万円増加し、11,064百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,226百万円(前連結会計年度は2,152百万円)となりました。これは主に、業績が好調に推移したことにより税金等調整前当期純利益が1,094百万円と増加したこと及び減価償却費647百万円、減損損失239百万円の計上のほか、著作権管理事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加782百万円、レコチョクにおいて移転補償金の入金221百万円があった一方で、主にその他事業において権利者への分配が減少したことに伴う買掛金の減少181百万円、長期未払金の減少123百万円、法人税等の支払額524百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△791百万円(前連結会計年度は△569百万円)となりました。これは主に、各事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出757百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△0百万円(前連結会計年度は-百万円)となりました。これは端株の買取り請求に基づく自己株式の取得によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
著作権管理事業1,471107.6
DD事業10,126107.4
音楽配信事業7,726101.9
その他1,450140.7
合計20,774107.0

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第25期連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
第26期連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Google LLC4,34222.45,25325.3
株式会社NTTドコモ5,30927.35,24525.2


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

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