有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/08/11 15:00
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【項目】
129項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりで
あります。
① 財政状態の状況
第21期事業年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
(資産)
流動資産は前事業年度末と比較して44,361千円増加し、277,179千円となりました。これは主に、現金及び預
金の増加49,084千円によるものであります。
固定資産は前事業年度末と比較して3,666千円減少し、21,420千円となりました。これは主に、長期前払費用
の減少3,323千円によるものであります。
この結果、総資産は、前事業年度末と比較して40,695千円増加し、298,600千円となりました。
(負債)
流動負債は前事業年度末と比較して23,711千円増加し、114,911千円となりました。これは主に、未払法人税
等が8,026千円、その他流動負債に含まれる未払消費税等が10,507千円、前受金が8,828千円増加したものの、未
払金が6,253千円減少したことによるものであります。
固定負債は前事業年度末と比較して5,747千円減少し、45,226千円となりました。これは主に、その他固定負
債に含まれる長期前受金が5,260千円増加したものの、長期借入金が4,008千円、社債が7,000千円減少したこと
によるものであります。
この結果、総負債は、前事業年度末と比較して17,964千円増加し、160,138千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比較し22,730千円増加し、138,462千円となりました。
これは主に、当期純利益の計上等により繰越利益剰余金が23,081千円増加したことによるものであります。
第22期第3四半期累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
(資産)
流動資産は前事業年度末と比較して111,415千円増加し、388,595千円となりました。これは主に、現金及び預
金が30,945千円、売掛金が73,600千円増加したことによるものであります。
固定資産は前事業年度末と比較して495千円減少し、20,924千円となりました。これは主に、無形固定資産に
含まれるソフトウエアが2,579千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、前事業年度末と比較して110,920千円増加し、409,520千円となりました。
(負債)
流動負債は前事業年度末と比較して60,406千円増加し、175,317千円となりました。これは主に、未払法人税
等が18,470千円、賞与引当金が6,296千円、その他流動負債に含まれる未払金が11,778千円、その他流動負債に
含まれる前受金が4,100千円増加したことによるものであります。
固定負債は前事業年度末と比較して7,452千円減少し、37,773千円となりました。これは主に、社債が3,500千
円、長期借入金が3,006千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前事業年度末と比較して52,953千円増加し、213,091千円となりました。
(純資産)
純資産合計は前事業年度末と比較して57,966千円増加し、196,428千円となりました。これは主に、四半期純
利益の計上等により繰越利益剰余金が54,229千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第21期事業年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当事業年度における我が国経済は、緩やかな回復基調が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世
界規模での拡大に伴い急速な景気減速がみられ、厳しい状況にあります。当社の属する情報サービス業界では、企業のIT関連投資は堅調に推移してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、先行きは不透明
な状況にあります。
このような環境の中、当社は企業各社への既存サービスの販売に注力したほか、自治体の移住・定住や観光分
野関連の施策であるウェブサービスの開発提案や、行政官庁に向けてのサイバー犯罪防止に関連した各種研修の
請負及びウェブサービスの提案を行ってまいりました。その一方で、第4四半期会計期間において、新型コロナ
ウイルス感染症の影響により、一部顧客のサービス利用量が大きく減少したことで、売上の増加を見込んでいた
複数サービスの売上の伸びが鈍化し、また、インターネット広告の利用頻度が大きく落ち込んだことにより、
「どこどこad」の売上が対前年で減少いたしました。コスト面では、既存サービスの拡充のため外部データの購
入費用が増加したことにより売上原価が増加いたしましたが、全社テレワーク化を推進したことにより諸費用が
大きく減少して販売費及び一般管理費を対前年で低く抑えることができました。
これらの結果、当事業年度の売上高は475,145千円(前年同期比3.4%増)、営業利益は32,172千円(同88.1%
増)、経常利益は31,556千円(同74.4%増)、当期純利益は22,730千円(同7.5%増)となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
(IP Geolocation事業)
主力サービスである「どこどこJP」で新規顧客の獲得が当初に計画していたほどには積みあがらず、また、
「どこどこad」は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で第4四半期会計期間に売上高が大きく落ち込みまし
た。その一方でweb制作は大きく売上高を伸ばし、これら以外のサービスも堅調に推移して、同事業の売上高は
459,809千円(前年同期比3.9%増)、セグメント利益は20,759千円(同288.7%増)となりました。
(IPアドレス移転事業)
大口案件は発生しなかったものの、買い手候補、売り手候補それぞれの確保に注力して複数の仲介を成約した
ことにより、同事業の売上高は15,336千円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益は11,412千円(同3.0%減)
となりました。
第22期第3四半期累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で停滞していた経済活動
が、政府及び都道府県の各種政策や海外経済の改善もあり持ち直しの兆しを見せていたものの、2020年12月以
降、同感染症感染者数の増加と緊急事態宣言の再発令により、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社の属する情報サービス業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により企業のIT関連投資は全般的に
鈍っているものの、アフターコロナを見据えた社会の変化に対応するためのIT活用に積極的な企業や自治体では
具体的なサービス導入の検討や設備投資を始めており、当社もこの流れに乗って有望な商談を数多く獲得できる
よう営業、開発の両面で引き続き成果を上げる努力を続けております。
これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は453,325千円、営業利益は80,734千円、経常利益80,018千
円、四半期純利益は53,966千円となりました。
当第3四半期累計期間のセグメント別の業績の詳細は、以下のとおりであります。なお、当四半期累計期間は
四半期財務諸表の作成初年度であるため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。
(IP Geolocation事業)
インターネット広告プラットフォーム運営サービスである「どこどこad」が新型コロナウイルス感染症拡大の
影響で低調な推移であるものの、IPアドレスに様々な情報を紐づけしたデータベースの利用サービスである
「SURFPOINT™」が好調に推移し、同サービスをウェブ上で利用できる「どこどこJP」においては大口利用顧客の
獲得により月次売上高が緩やかな増加傾向となり、「らくらくログ解析」や「IPひろば」も堅調に推移しており
ます。また、web制作や各種受託開発では、静岡県内の複数の自治体からの大口案件を獲得し、当第3四半期累
計期間における同事業の売上高は423,235千円、セグメント利益は55,813千円となりました。
なお、受注活動では来期からサービス利用が始まる警察関連の大口案件を獲得することができ、全国の自治体
向け業務とともに今後この分野で積極的に売上を拡大するため、「SURFPOINT™」のデータ量を増やす試み等、サ
ービスの運用と受託開発業務の準備に着手しております。
(IPアドレス移転事業)
複数案件の仲介を手掛け、年間で計画していた成約金額を大幅に超過する仲介手数料を獲得することができ、当第3四半期累計期間における同事業の売上高は30,089千円、セグメント利益は24,921千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ49,082千円増加し、196,108千円となりまし
た。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によりキャッシュ・フローは、63,265千円の収入となりました(前年同期は
6,149千円の支出)。これは主に、税引前当期純利益31,556千円、前受金の増加額14,089千円、前払費用の減少
額6,431千円、未払消費税等の増加額10,507千円、未払金の減少額6,253千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,175千円の支出となりました(前年同期は
6,035千円の支出)。これは主に、無形固定資産の取得による支出3,372千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、11,008千円の支出となりました(前年同期は
11,008千円の支出)。これは、長期借入金の返済による支出4,008千円及び社債の償還による支出7,000千円によ
るものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、サービスの提供にあたり、製品の生産を行っていないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社の提供する主要サービスは、顧客の申込み又は契約締結から売上計上までの期間が短期間であるため記載
しておりません。
c.販売実績
第21期事業年度及び第22期第3四半期累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりでありま
す。
セグメントの名称第21期事業年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
第22期第3四半期累計期間
(自 2020年7月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)構成比(%)前年比(%)金額(千円)構成比(%)
IP Geolocation事業459,80996.8103.9423,23593.4
IPアドレス移転事業15,3363.291.730,0896.6
合計475,145100.0103.4453,325100.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引は発生しておりません。
3.当社では相手先別の販売実績において総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先は存在しな
いため、主要な相手先の販売実績の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されて
おります。この財務諸表の作成に当たっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロ
ーの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理
的と判断される前提に基づいて、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有
の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は
「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
第21期事業年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
a.売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度末に比べ15,769千円増加し、475,145千円となりました。セグメント別の
内訳としては、IP Geolocation事業が459,809千円(前年同期比3.9%増)、IPアドレス移転事業が15,336千円
(前年同期比8.3%減)となっております。IP Geolocation事業においては、主力サービスである「どこどこJP」
では当初想定よりも顧客数の積み増しが少なく、インターネット広告プラットフォームの提供サービスである
「どこどこad」で新型コロナウイルス感染症拡大の影響による売上高の落ち込みがあったものの、その他のサー
ビスは堅調に推移し、特にweb制作で多くの案件の受注に成功して売上高の伸張に寄与いたしました。IPアドレ
ス移転事業においては、前期と比較して大口案件がなかったものの、小口の案件をこまめに開拓して仲介を成約
できたことにより、想定以上の売上高を計上いたしました。
b.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、前事業年度末に比べ23,534千円増加し、156,979千円となりました。主な要因は既
存サービスのリニューアルのため外部データの購入を追加したことによる材料費の増加10,118千円と開発要員の
増加に伴う労務費の増加11,758千円によります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度末に比べ7,764千円減少し、318,165千円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度末に比べ22,831千円減少し、285,992千円となりました。
主な要因は、採用広告費が22,590千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度末に比べ15,067千円増加し、32,172千円となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は370千円となり、これは主に子育て支援に関連する助成金収入を計上したことによ
るものであります。また、営業外費用は986千円となり、これは労働基準監督署によるあっせんに基づく解決金
の支払い420千円と、借入金及び社債の支払利息及び社債の信用保証手数料の支払いによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度末に比べ13,465千円増加し、31,556千円となりました。
e.当期純利益
以上の結果、当事業年度末の法人税、住民税及び事業税は10,067千円となり、また、法人税等調整額は
△1,242千円となり、当期純利益は、前事業年度末に比べ1,588千円増加し、22,730千円となりました。
第22期第3四半期累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
a.売上高
当第3四半期累計期間の売上高は、453,325千円となりました。主な内訳としては、IP Geolocation事業が
423,235千円、IPアドレス移転事業が30,089千円となっております。IP Geolocation事業においては、インター
ネット広告プラットフォーム運営サービスである「どこどこad」が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で低調
な推移であったものの、「SURFPOINT™」及び「どこどこJP」が好調であったこと、また、静岡県を始めとする複
数の自治体からweb制作案件を獲得ができたことが売上高の増加に寄与しております。IPアドレス移転事業にお
いては、複数の仲介を手掛けることができ、当第3四半期累計期間の売上高が期初に策定した通期予算額を大幅
に超過いたしました。
b.売上原価、売上総利益
当第3四半期累計期間の売上原価は、開発要員及びweb制作要員の増加、自治体案件の複数受注に伴う外注費
の増加、IPアドレス移転に関する紹介手数料の発生等により145,411千円となりました。
この結果、当第3四半期累計期間の売上総利益は、307,913千円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は、2020年12月11日の東京証券取引所 TOKYO PRO Marketへの
上場に伴う上場関連手数料の発生、全社によるテレワークの開始に伴う通勤手当や旅費交通費等の減少、三島本
社オフィスの縮小による地代家賃の減少等があり、227,179千円となりました。
この結果、当第3四半期累計期間の営業利益は、80,734千円となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常利益
当第3四半期累計期間の営業外収益は1,737千円となり、これは主に子育て支援に関連する助成金収入の計上
によるものであります。また、営業外費用は2,453千円となり、これは主に三島本社オフィスの縮小に係る原状
回復費用の発生によるものであります。
この結果、当第3四半期累計期間の経常利益は、80,018千円となりました。
e.四半期純利益
以上の結果、当第3四半期累計期間の法人税、住民税及び事業税は28,319千円となり、また、法人税等調整額
は△2,267千円となり、四半期純利益は53,966千円となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に含めて記
載しております。
④資本の財源及び資金の流動性
第21期事業年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。現状、新規拠点の設置やソ
フトウェア開発は、内部留保の資金によって賄っており、資金の源泉は営業活動によるキャッシュ・フロー及び
過年度の財務活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
第22期第3四半期累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。現状、新規拠点の設置やソ
フトウェア開発は、内部留保の資金によって賄っており、資金の源泉は営業活動によるキャッシュ・フロー及び
過年度の財務活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、目標とする経営指標として売上高と、安定的に推移する当社の主力事業でありますIP Geolocation事
業の売上高及び同事業の売上高成長率を掲げています。当事業年度の売上高は475,145千円となり、前事業年度
末に比べて15,769千円増加しました。IP Geolocation事業の売上高は459,809千円となり、同事業の売上高成長
率は3.9%となりました。売上高の増加は主にIP Geolocation事業の売上高の増加によります。IP Geolocation
事業の売上高と同事業の売上高成長率の上昇は、「どこどこad」の売上高が新型コロナウイルス感染症拡大の影
響により落ち込んだ半面、それ以外のサービスは堅調に推移し、web制作で多くの案件を受注して売上高を伸ば
したことによります。今後もこの3つの指標を目標として経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確
保を図ります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績は、取引先のニーズ、当社データベースへの情報の集積状況、人材の確保、競合先等、様々な
要因による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、営業努力及び開発・
運用の体制強化、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応していきます。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
今後の我が国経済は、緩やかな回復傾向が続くことが期待されておりますが、一方で、国際的な貿易摩擦の深
刻化や近隣諸国における政治・経済情勢の不安により、海外リスクが膨らみ依然として先行き不透明な情勢が続
くものと予想されます。
当社を取り巻く環境は、より効果的なマーケティングの手法を求めたり、自社サイトへの不正なアクセスをい
かに検知し、それらに対応するかを考えたり、コンテンツ等の配信を正しく安全に行うためのツールを欲したり
といった法人各社の様々なニーズがますます高まる一方で、それらに対応できる多様なサービスが生まれてお
り、競争は激しさを増してきております。こうした中で、当社としましては、中期計画(2020年6月期からの3
事業年度)の損益計画にも盛り込んでありますが、IPアドレス移転事業については大口商談が成約すれば収益へ
の貢献度が高いものの、競争が激化していることもあり、収益の多寡と予算の精度において見通しが十分にたて
づらく、毎期10百万円程度で推移するものとしています。
IP Geolocation事業では、過去の推移から、「SURFPOINT™」、「らくらくログ解析」、「IPひろば」について
は、毎期一定の金額で推移するものとしています。
「どこどこJP」、「どこどこad」、「web制作」については、従来同一の顧客に異なるサービスの営業をして
おらず、効果的に顧客単価を上げる試みがなされませんでしたが、これを改め、顧客のニーズに合わせて複数の
サービスを提案し、適宜当社でウェブサイトの改修等を請け負うことも提案することで、成約率を高め、顧客単
価を引き上げていきます。
これら営業活動を効果的に行っていくために、今後も引き続き優秀な営業担当者や電話による営業活動を行う
人員の採用を続け、人員数の緩やかな拡大を続けつつ、教育・研修にも力を入れて、質の向上にも注力していき
ます。
開発に係る業務では、前事業年度に特許を1つ取得しておりますが、今後も年間1つ乃至2つ程度の特許を取
得できるよう、新規の開発を進め、あわせて既存の開発成果の見直しを行い、また、取得した特許を活用した新
規事業開発を加速させ、将来の収益の柱を構築する努力を継続して行っていきます。また、競合先に対抗するた
めに、データベースの更新と更なる情報の集積を行い、他社の追随を許さないレベルを維持し続けていきます。
さらに、新しいインターネットの通信方法に関する規格であるIPv6に対する対応のため外部の研究会等に積極
的に参画し、データベースのIPv6対応を進めていきます。