半期報告書-第23期(2026/01/01-2026/12/31)

【提出】
2026/08/14 15:47
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの状況
(経営成績)
当社は、前事業年度より決算期日を2月末日から12月31日に変更しております。当中間会計期間(2026年1月1日から2026年6月30日まで)と比較対象となる前中間会計期間(2025年3月1日から2025年8月31日まで)は期間が異なるため、前年同期との比較は記載しておりません。
当中間会計期間(2026年1月1日~2026年6月30日)においては、前年度に引き続きパイプラインの着実な開発の進展と、社内・社外両方のソースによるパイプラインの拡大に取り組んでまいりました。2025年2月にCORXEL Pharmaceuticals Hong Kong Limited(以下「CORXEL」)により開始されたTMS-007(JX10)のグローバル第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験「ORION」(Optimizing Reperfusion to Improve Outcomes and Neurologic function)は、昨年5月に最初の患者さんへの投与(FPI:First Patient In)が行われ、その後順調に被験者登録が進んでおります。日本国内においても、当中間会計期間に被験者登録が開始されました。また同じく臨床開発段階にあるTMS-008については、患者さんを対象とした初めての投与となる前期第Ⅱ相臨床試験の開始に向けて準備を進めました。
①TMS-007関連(JX10)の活動
急性期脳梗塞を適応症とするTMS-007(JX10)は、当社が前期第Ⅱ相臨床試験までの開発を行い、現在はCORXELを主体として、第Ⅱ/Ⅲグローバル相臨床試験「ORION」が進められています。当社はTMS-007の日本における独占的な開発販売権と、日本を除く全世界における開発・販売に対するマイルストーン一時金及びロイヤリティを受領する権利を有しています。
TMS-007(JX10)は、プラスミノーゲンの立体構造変化を介した血栓溶解による血流再建と、可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)阻害を機序とする抗炎症作用に基づく虚血再灌流障害の抑制というメカニズムを持っており、単剤で「血流再建」と「虚血再灌流障害抑制」の双方の治療戦略に対応する薬剤候補です。そのため、従来の薬剤に対する優位性を示す可能性があると考えています。
当社が日本国内で実施した前期第Ⅱ相臨床試験において、TMS-007(JX10)は良好な結果を収めております。現在、急性期脳梗塞治療薬として認可されている血栓溶解剤には、頭蓋内出血を助長する副作用のリスクがあることが知られております。かかるリスクを踏まえ、t-PAの使用は原則として発症後4.5時間以内に制限されています。TMS-007(JX10)の前期第Ⅱ相臨床試験においては、発症後12時間まで(TMS-007群の平均9.5時間)被験者を組入れました。その結果、プラセボ群では米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)4以上の悪化を伴う症候性頭蓋内出血の発生頻度が2.6%(1/38)であったのに対して、TMS-007群では0%(0/52)であり、TMS-007(JX10)の安全性が示唆されました。また有効性においても、生活自立度を評価するモディファイド・ランキン・スケール(mRS)スコアのゼロ(全く症候がない)又は1(症候はあっても明らかな障害はない)への転帰率において、TMS-007はプラセボ群に対して統計的な有意差を示しました。
当中間会計期間においては、CORXEL主導にて進めているグローバル第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験「ORION」の被験者登録が順調に進んでおります。当社は日本における治験依頼者として参加しており、2026年2月に日本における最初の被験者への投与が行われました。
②TMS-008関連の活動
急性腎障害及びがん悪液質を適応症と想定し開発を進めているTMS-008については、血栓溶解作用をほとんど持たず、sEH阻害による抗炎症作用を有するSMTP化合物です。炎症性疾患を標的として広範な適応症が期待できると考えられます。
当社は、CORXELよりTMS-008における特定の適応に関して、全世界における独占的な開発製造販売権の許諾を得ています。
当中間会計期間においては、心臓手術後の急性腎障害(CSA-AKI)を対象とした前期第Ⅱ相臨床試験の実施に向けた試験デザインを策定し、実施体制の整備を進めました。CSA-AKIは虚血再灌流障害とそれに引き続く炎症が関与する疾患ですが、未だ使用可能な医薬品はありません。臨床試験計画については、PMDAとの二度の事前面談を経て、2026年8月の対面助言の実施が決定しました。
③JX-09関連の活動
JX09は、治療抵抗性又はコントロール不良の高血圧患者さんの治療を適応とした、経口の低分子アルドステロン合成阻害剤としてCORXELによって開発が進められ、オーストラリアで実施された第Ⅰ相臨床試験が完了いたしました。当該臨床試験において、安全性や忍容性に重大な懸念は認められませんでした。なお、CORXELは戦略的な配慮からJX09のさらなる開発を保留しています。
④TMS-010関連の活動
脊髄損傷を適応症とし、2022年7月に北海道大学とオプション契約を締結して評価を行ってきたシーズについて、2024年7月3日に同大学との間でライセンス契約を締結し、TMS-010として当社のパイプラインに追加いたしました。当社は当該ライセンス契約により全世界における独占的な開発製造販売権を取得しております。
脊髄損傷は、運動麻痺・感覚麻痺・排尿排便障害などに至ることがある重篤な疾患ですが、未だ効果的な薬剤がない状況にあります。北海道大学で見出された当該治療薬候補化合物は、血液脳脊髄関門(BBSCB:blood-brain spinal cord barrier)の破綻を防ぐことで、脊髄の二次損傷を抑制する神経保護作用が期待できます。
当中間会計期間においては、臨床応用を想定した薬効薬理試験を進めました。また、引き続き臨床試験計画の策定を進めております。
⑤パイプラインの拡充に関する活動
当社は、当中間会計期間において、社内プログラム及び社外プログラムの2つの軸において、パイプラインの拡充を図るための研究開発活動を積極的に推進いたしました。
社内プログラムにおいては、当社がこれまでSMTP化合物の研究開発によって培ったsEH阻害に関する知識と経験を活かし、AIを活用した化合物生成による阻害剤のデザインや天然物ライブラリーのスクリーニングを含む複数のアプローチを活用し、新たなsEH阻害剤の候補となる化合物の探索を行いました。その中から有望な候補化合物を取得し、当該化合物の薬理・薬効評価及び毒性試験を進め、予備的安全性と複数の疾患動物モデルで効果を確認しています。これらの結果得られた100種に及ぶ新規化合物群について、2026年1月に特許出願しました。また、TMS-008の適応拡大についても検討を進め、新たに九州大学、および東北大学と共同研究を開始しました。
社外プログラムにおいては、アカデミア等の研究機関や創薬企業等の早期研究開発段階にあるプログラムの探索及び評価を継続いたしました。2025年11月に北海道大学より導入した生理活性脂質レゾルビンの新規安定類縁体については、引き続き複数の対象疾患に対する適応可能性の検討を進めました。
以上の活動の結果、当中間会計期間における営業費用は、TMS-007及びTMS-008をはじめとする研究開発費として239,806千円を、その他の販売費及び一般管理費として152,455千円を計上したことから、合計では392,262千円となりました。
これらの結果、営業損失は392,262千円、経常損失は392,479千円、中間純損失は393,538千円となりました。
なお、当社は医療品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績については記載を省略しております。
(財政状態)
(資産)
当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ350,949千円減少し、2,514,328千円となりました。
これは主に、研究開発費等の営業費用等の支出により現金及び預金が321,903千円減少したこと、研究開発案件の進捗に伴い前渡金が22,307千円減少したこと、並びに未収消費税等が21,538千円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ9,868千円増加し、104,014千円となりました。
これは主に、外注先への研究開発費等の未払費用が6,899千円、未払法人税等が4,780千円それぞれ増加したことに
よるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ360,817千円減少し、2,410,313千円となりました。
これは主に、新株予約権の行使があったことにより、資本金及び資本準備金がそれぞれ9,274千円増加した一方で、中間純損失393,538千円を計上したことによるものであります。
(キャッシュ・フローの状況)
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ321,903千円減少し2,459,128千円となりました。当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動に使用した資金は、339,104千円(前年同期は476,386千円の支出)となりました。これは主に、税引前中間純損失の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動に使用した資金は、641千円(前年同期は2,544千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動により獲得した資金は、17,842千円(前年同期は640,576千円の収入)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入によるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間会計期間における研究開発費の総額は239,806千円であります。
なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」を参照ください。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、創薬等のコンセプトやシーズの研究費及びパイプラインの製品化に向けた開発費及び会社運営のた
めの管理費用について資金需要を有しております。当社は、それらの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は増資により資金調達しております。当中間会計期間末における現金及び現金同等物は2,459,128千円
と当面の事業運営に問題のない資金水準となっております。

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