有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/10 15:00
【資料】
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【項目】
127項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、個人消費は急速に悪化しました。企業収益は、新型コロナウイルス感染症による世界的な経済活動抑制の影響を強く受け、国内消費の急減速、輸出の大幅な減少と海外生産の急速な低下、さらには原油価格が急落したことを受け、多くの企業が年央にかけて業況判断を大きく引き下げました。これに対して日本、米国、EU等主要国での積極的な金融・財政政策の実施により経済状況は一部持ち直しの動きも見られました。
このような環境の下、インターネットサービス事業は、一部顧客でのプロジェクトの中断、一部社員の自宅待機は生じたものの、大幅な工事遅延等は発生せず、受注案件の消化は順調に進み2020年12月期におけるサービス提供棟数は4,684棟となっており、2019年12月期末3,705棟と比較し26.4%増加しております。また、優秀な人材の採用も積極的に進めており、当事業年度末における従業員数は68名となっています。一方で、資金調達にかかる費用や株式公開に係る手数料などが発生したことにより、当事業年度における売上高は、1,588,854千円(前事業年度比11.8%増)となりました。営業利益は、250,035千円(前事業年度比は26.2%増)、経常利益は、196,108千円(前事業年度比は3.9%減)、当期純利益は、135,512千円(前事業年度比17.2%増)となりました。
第22期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)のわが国経済におきましては、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言の発出と解除、新規感染数の増加と抑制に合わせて経済活動の制限と緩和が繰り返され、景気動向についてもいまだ予断を許さない状況が続いております。
このような環境の下、当社を取り巻く業界におきましては、引き続きインターネット環境が注目されており、需要は高まることが見込まれております。
当社においても、マンションへの付加価値であるインターネット設備の重要性の認知度が上がり、空室対策の一環として検討されるお客様が増加いたしました。その結果、B-CUBICサービスに対して多くのお問い合わせをいただき、受注件数は順調に推移いたしました。また、マンションの付加価値をあげるIoTへの注目も上がってきており、IoTサービスであるオートロックシステムへの問い合わせも増えてきております。
一方で、お客様及び当社従業員の安全を最優先に考え、お客様とのWEBを使った商談の増加及び当社従業員に対するPCR検査の実施等、新型コロナウイルスへの対策を最優先しながらも、お客様のニーズに応えるべくオートロックシステムの販売体制強化、回線品質の維持・向上にも取組んでまいりました。
その結果、当第3四半期累計期間における売上高は1,587,561千円、営業利益は230,939千円、経常利益は215,973千円、四半期純利益は135,410千円となりました。
今後も新型コロナウイルス感染症の影響が不透明な中、変異株も出現し、ウィズコロナ、アフターコロナの新常態として、在宅勤務や在宅授業は定着していくと見込まれ、インターネット環境整備に対する需要の高まりは継続することが見込まれます。今後もこれらの市場環境と当社の事業経験を最大限に活用して中期的な事業成長を実現してまいります。
なお、当社はインターネットサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。
② 財政状態の状況
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は2,049,512千円となり、前事業年度末に比べ653,424千円(46.8%)増加いたしました。流動資産は、前事業年度末に比べ494,210千円(42.4%)増加し、1,659,891千円となりました。これは主に現金及び預金が201,413千円(38.8%)増加したこと、売上増加に伴い売掛金が282,575千円(45.7%)増加したことなどによるものです。固定資産は、前事業年度末に比べ159,213千円(69.1%)増加し、389,620千円となりました。これは、主に工具、器具及び備品が増加131,715千円(82.1%)したことなどによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,595,433千円となり、前事業年度末に比べ517,911千円(48.1%)増加いたしました。流動負債は、前事業年度末に比べ107,634千円(23.1%)増加し、572,965千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が137,936千円(73.9%)増加したことなどによるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ410,277千円(67.0%)増加し、1,022,467千円となりました。これは主に各借入先銀行からの借入により長期借入金が407,965千円(69.9%)増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は454,078千円となり、前事業年度末に比べ135,512千円(42.5%)増加いたしました。これは当期純利益を計上したことより利益剰余金が増加したことによるものであります。
第22期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における総資産は2,383,683千円であり、前事業年度末に比べ334,171千円増加いたしました。主な要因は現金及び預金が361,611千円減少したものの、売掛金が496,375千円、工具、器具及び備品が169,992千円、それぞれ増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債は1,794,193千円であり、前事業年度末に比べ198,760千円増加いたしました。主な要因は賞与引当金が7,222千円減少したものの、長期借入金(1年内返済予定含む)が135,581千円、未払法人税等が30,432千円、それぞれ増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は589,489千円であり、前事業年度末に比べ135,410千円増加しました。これは四半期純利益計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ155,709千円増加し、595,214千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金は、129,056千円の支出(前事業年度は196,549千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益177,957千円(前事業年度は202,324千円の収入)、減価償却費25,215千円(前事業年度は11,477千円の収入)などの収入がありましたものの、売上債権の増加額282,575千円(前事業年度は152,354千円の支出)、法人税等の支払額73,594千円(前事業年度は1,368千円の支出)などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金は、260,300千円の支出(前事業年度は174,372千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産(B-CUBICサービス導入に伴うインターネット環境構築工事のために使用する機器等)の取得による支出185,743千円(前事業年度は154,805千円の支出)、定期預金の預入による支出45,704千円(前事業年度は11,402千円の支出)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金は、545,065千円の収入(前事業年度は254,834千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出274,099千円(前事業年度は251,171千円の支出)などがありましたものの、長期借入れによる収入820,000千円(前事業年度は511,764千円の収入)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、インターネットサービス事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社は、インターネットサービス事業を行っており、提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
セグメントの名称第21期事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第22期第3四半期累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
インターネットサービス事業1,588,854111.81,587,561
合計1,588,854111.81,587,561

1.当社のセグメントは、インターネットサービス事業の単一セグメントであります。
2.最近事業年度及び第22期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、この財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択及び適用、損益又は資産の報告金額等に与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断につきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りと異なる場合があります。なお、当社が財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当社の当事業年度の経営成績等につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、
②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
第22期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当社の当第3四半期累計期間の経営成績等につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績
の状況、②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・
フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社における資金需要は、主として運転資金とインターネットサービス事業における設備投資であります。運転資金需要のうち主なものは売上原価であるインターネットサービス事業の外注費及び回線原価や販売費及び一般管理費である広告宣伝費や人件費であります。これらに加えインターネットサービス事業における設備投資につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金による調達資金により充当することとしております。
自己資金及び上記の資金調達を併用することにより、当社の事業を継続していくうえで十分な手元流動性を確保するとともに、必要とされる運転資金及び設備投資資金を調達することは可能であると判断しております。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社は、経営上の目標の達成状況をサービスの提供棟数を重視して判断しております。
当第3四半期累計期間におけるサービス提供棟数は5,731棟となっており、2020年12月期末4,684棟と比較し22.3%増加しております。新規の案件獲得によって順調に推移しているものと認識しております。