有価証券報告書-第33期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/30 15:01
【資料】
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【項目】
113項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における我が国の景気動向は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束し経済活動の正常化が進んでおります。
当社の顧客が属する不動産業界におきましては、全体としては住宅建設は横ばいの推移となっております。その一方で、当社が事業展開している三大都市圏の新築マンション業界においては資材価格や人件費等の建築コストの高止まり及び円安の進展による海外からの不動産需要の拡大等を背景として新築マンションの平均価格が年々上昇を続けており、底堅い動きが継続しております。
このような事業環境のもと、不動産情報提供サービスを行う当社はサービスの拡大を積極的に推進しております。当社の主力事業である新築マンション事業者向けのマンションサマリにおいては、当社サービスの利用アカウントの増加に向けた機能強化及びサービスの拡充等を推進しております。
また、不動産仲介事業者向けのサービスであるデータダウンロードサービスにおいては、新規サービスの開発に引き続き注力しております。
コスト面におきましては、システム開発力の充実のためのエンジニア職の採用及び新規サービスの開発等の投資を先行させたことにより、利益面では前事業年度を下回る結果となっております。
この結果、当事業年度の売上高は1,437,040千円(前事業年度比1.6%増)、営業利益は56,818千円(同59.1%減)、経常利益は59,088千円(同58.2%減)及び当期純利益は48,380千円(同47.6%減)となりました。
なお、当社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は679,073千円となり、前事業年度末に比べ16,022千円減少しました。これは主に、法人税等の納税及び借入金の返済により現預金が34,402千円減少した一方で、売上高の伸長に伴い売掛金が13,694千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は272,579千円となり、前事業年度末に比べ822千円減少しました。有形固定資産は2,388千円増加しておりますが、これは主に東海支社のリフォームに伴うものであります。無形固定資産は14,042千円減少しておりますが、これはソフトウエアが25,241千円増加した一方で、ソフトウエアの完成による勘定振替及び「マンションサマリ」の一部機能について、開発計画の変更により、開発再開の時期が決まっていないことから遊休資産としたことに伴う減損損失9,993千円の計上によりソフトウエア仮勘定が39,284千円減少したことによるものであります。投資その他の資産は10,831千円増加しておりますが、これは主に繰延税金資産が16,799千円増加した一方で、保有株式の一部売却に伴い投資有価証券が4,178千円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は951,652千円となり、前事業年度末に比べ16,845千円減少しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は185,974千円となり、前事業年度末に比べ57,905千円減少しました。これは主に前期分の納税により未払法人税等が44,453千円減少したこと及び返済により借入金が17,000千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,975千円となり前事業年度末に比べ13,322千円減少しております。これは主に、返済により長期借入金が15,000千円減少した一方で、資産除去債務を1,975千円計上したことによるものであります。
この結果、負債合計は187,950千円となり、前事業年度末に比べ71,228千円減少しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は763,702千円となり、前事業年度末に比べ54,383千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上等により利益剰余金が45,430千円増加したこと及び従業員のストックオプションの権利行使に伴い自己株式が5,920千円減少したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ34,402千円減少し、当事業年度末には445,319千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は61,353千円となりました。これは主に、減価償却費が86,808千円及び税引前当期純利益が65,872千円あった一方で、法人税等の支払に76,971千円を使用したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は65,628千円となりました。これは主に、有価証券の売却により21,004千円の資金を獲得した一方で、無形固定資産の取得により83,687千円を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は30,128千円となりました。これは主に、借入金の返済による支出が短期と長期を合わせて32,000千円あった一方で、従業員のストックオプションの権利行使に伴う自己株式処分により2,970千円を獲得したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を行っておりません。
セグメントの名称第33期事業年度
(自 2023年3月1日
至 2024年2月29日)
前年
同期比
(%)
不動産マーケティングソリューション事業(千円)1,437,040+1.6
合計(千円)1,437,040+1.6

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定の変更により、将来の課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産について、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定は慎重に検討しておりますが、将来の事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定の変更により、回収可能価額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、1,437,040千円(前事業年度比1.6%増)となりました。事業別にはプラットフォーム事業939,035千円、デジタルマーケティング事業404,968千円及びその他93,036千円でありました。
プラットフォーム事業においては、新築マンション領域が増収となる一方で、中古マンション領域は減収となっております。新築マンション領域におきましては、ライセンス追加に伴うアップセル等により既存顧客の売上が伸長したことにより前事業年度比3.1%増の売上高増加となりました。中古マンション領域におきましてはデータダウンロードサービスの顧客数は順調に増加しているものの、顧客単価が伸び悩んでいるほか予定していた新サービスの遅延等の影響もあり前事業年度比17.3%減の売上高減少となっております。
デジタルマーケティング事業では、既存顧客の深耕が順調に進み受注件数が増加したこと及びSNS広告などの新商材への取り組みを強化した結果、前事業年度比14.3%増の売上高増加となりました。
その他事業は前事業年度比32.0%減となりましたが、その主な要因は前事業年度においてリフォーム案件の取扱いを中止したことによる売上高減少です。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、既存サービスのユーザビリティ向上のための追加機能開発コストの増加とそれに伴う減価償却費(ソフトウエア償却)の増加により、865,731千円(前事業年度比16.1%増)となりました。
この結果、売上総利益は571,309千円(前事業年度比14.6%減)となりました。
なお、当事業年度における減価償却費の増加が利益を圧迫しておりましたが、新規のソフトウエア開発投資は概ね終了しており2025年2月期以降は新規のソフトウエア開発が抑制される見通しであるため、2026年2月期以降には減価償却費が減少に転じるものと見込んでおります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、514,490千円(前事業年度比3.0%減)となりました。主な要因は、新サービスの開発のための研究開発活動を前事業年度から23,069千円減少させたこと等によるものであります。
この結果、営業利益は56,818千円(前事業年度比59.1%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、2,428千円(前事業年度比15.9%減)、営業外費用は158千円(前事業年度比72.9%減)となりました。営業外費用の減少は、前事業年度の自己株式取得費用404千円が当事業年度には発生しなかったためであります。
この結果、経常利益は59,088千円(前事業年度比58.2%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益は16,837千円、特別損失は10,053千円となりました。特別利益は主に投資有価証券売却益であります。また、特別損失は主にソフトウエアの減損損失ですが、これはソフトウエア仮勘定に計上していたマンションサマリの開発中の一部機能について、開発計画の変更により開発再開の時期が決まっていないことから遊休資産とし、当該資産の帳簿価額を回収可能額まで減額したことによるものです。
法人税等(法人税等調整額を含む)は17,492千円となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は48,380千円(前事業年度比47.6%減)となりました。
③目標とする経営指標等の達成状況について
当社は、全社的に重視する指標として売上高及び営業利益を設定しております。
また、サービス毎には、主に新築マンション事業者向けに提供している月額課金制サービス(サマリネット及びリアナビ)における平均顧客単価(サマリネット)、平均顧客数(サマリネット)、ARR(サマリネット・リアナビ)及び解約率(サマリネット・リアナビ)を、不動産仲介事業者(中古領域)向けのデータダウンロードサービスにおいては売上高及び平均顧客数を事業運営上重視する経営指標としております。
それぞれの指標の推移は下表のとおりであります。
第32期事業年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
第33期事業年度
(自 2023年3月1日
至 2024年2月29日)
売上高(千円)1,414,5671,437,040
営業利益(千円)138,96956,818
サマリネット・リアナビ平均顧客単価(千円)233241
平均顧客数(社)267281
ARR(千円)755,925800,636
解約率(%)0.60.5
データダウン
ロードサービス
売上高(千円)65,68154,327
平均顧客数(社)2,4202,817

サマリネット・リアナビについては平均顧客数が267社から281社へ増加すると同時に、ライセンス追加等のアップセルを推進したことにより平均顧客単価が上昇し、ARRは順調に増加しております。また、解約率は0.5%と依然として低い水準に抑えられております。
データダウンロードサービスについては、平均顧客数は堅調に増加しておりますが、売上高は大幅な減少となっております。売上高の減少要因としましては、データダウンロードサービスの利用件数が減少したことが主要因ですが、当該減少を補うために注力している不動産仲介業者向け新サービスのリリースが遅延したことも影響していると考えております。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金の手許流動性や財務健全性を考慮したうえで、原則として自己資金を財源とする方針に基づき事業運営、設備投資を実施しております。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の財政状態及び経営成績の分析については、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、新規住宅及び既存住宅の流通動向や不動産会社の販売促進活動の動向等があります。また、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
⑦経営者の問題意識と今後の方針
当社が今後更なる成長を遂げるために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している課題に対処することが重要であると認識しております。そのため、当社の経営成績等に重要な影響を与える要因に対応すべく、当社では新規住宅及び既存住宅を含めた不動産全体の市場動向を鑑みて、顧客のニーズに合わせたサービスを開発・提供していく方針であります。

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