有価証券報告書-第52期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 13:11
【資料】
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【項目】
115項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、少子高齢化による社会構造の変化や円安による輸入原材料の高騰やエネルギーコストの増大、企業間競争の激化等、厳しい状況が続いております。
このような状況の下、当社グループは中長期的な事業展開に向けた新たな課題に対応するとともに、業務の効率化・最適化を図るため組織変更を行い、「お客様のニーズにお応えした商品戦略、事業戦略の構築」を主眼に置いた経営戦略を実践し、市場に左右されない強靭な企業体質を構築してまいります。
国内きのこ事業におきましては、現在、試験販売中の新製品「霜降りひらたけ」につきまして、昨年9月より出荷を開始いたしました新潟第二きのこセンターが通年稼働となります。今後の国内での販売拡大と量産化の準備をさらに進めてまいります。また、シイタケの量産化に向けた研究を進めており、その栽培技術の開発のための研究施設を現在建設中であり、平成27年7月には完成予定であります。本施設の建設により、シイタケの量産化と安定出荷に向けた研究を加速してまいります。その他、「ホンシメジ」の量産化に向けた栽培技術の開発や新種のきのこの開発を進めるなど、今後も、消費者のニーズにお応えできるような付加価値の高い新製品の開発に、ピッチを上げて取り組んでまいります。
加工食品事業におきまして、生鮮品としてのきのこ販売だけでなく、健康食品への参入や加工用としての市場開拓など、将来のきのこ事業の拡大のため、複合的な戦略を効果的かつスピーディに展開し、きのこ総合企業として、食材としての提供にとどまらない幅広い事業を展開してまいります。自社きのこを活用した新商品の開発、冷凍・乾燥アイテムの開発に注力し、マーケティング力を強化しながら提案型営業を推進してまいります。平成25年8月に完全子会社といたしました株式会社アーデンにおいては、OEMを中心とした製造に自社きのこを活用したオリジナリティ溢れるレトルト食品の開発に着手し、営業力を強化しながら業務を拡大してまいります。また、健康食品、レトルト食品を中心に、通販事業も拡大してまいります。
海外事業におきましては、これまで米国、台湾及びマレーシアにおいて子会社を設立し、きのこ事業を展開してまいりましたが、今後はそれぞれの国内はもとより近隣諸国への営業活動を積極的に展開してまいります。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、平成26年4月より二番目となるきのこセンターが通年の出荷となり、またマレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、平成27年2月より出荷を開始いたしました。きのこの需要の拡大が期待できる東南アジア及び中国におけるきのこの販売の拡大や工場建設を視野に入れたマーケットリサーチを行い、台湾、マレーシアに限らず広くアジアのマーケットを捉えていくところであります。米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、日本食ブームと相まって販売は拡大していくものと考えており、新規開拓に注力し提案営業を推進し販売の拡大を目指してまいります。また、さらなる海外展開拡大のため、欧州での市場調査を開始いたしました。
化成品事業におきましては、化成品事業の中核であります包装資材部門におきまして、量販店分野は膨大なアイテムを集約し効率化・利益率を改善しながら販売促進強化に注力し、工業系分野ではエリアの拡大を図り、業務を拡大してまいります。また、医療、介護分野等、新たな分野にも進出してまいります。
その他、食の安心・安全、環境問題への対応等企業の社会的責任が高まってきている中、きのこ総合研究所におきましてより一層消費者のみなさまの期待にお応えできるよう品質管理体制を強化していくとともに、引き続き新たな品種開発や改良、きのこの生理活性機能に対する研究を、より一層スピードをあげて取り組んでまいります。