有価証券報告書-第117期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:45
【資料】
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【項目】
153項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されているが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがある。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、前連結会計年度と同水準で推移した。
利益面では、当社の建築工事の総利益が減少した一方で、当社の土木工事及び国内・海外の連結子会社の総利益が増加したこと等により、営業利益及び経常利益は増益となったが、当期純利益は、特別利益の減少と税金費用の増加により、減益となった。
(3) 経営戦略の現状と見通し
土木・建築・開発事業を柱として、連結経常利益350億円以上を安定的に確保できる企業体質の確立を目指す方針である。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の手許資金(現金及び現金同等物)の残高は、前連結会計年度末に比べ582億円増加し、2,594億円(前連結会計年度末は2,011億円)となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、329億円の収入超過(前連結会計年度は584億円の収入超過)となった。これは、税金等調整前当期純利益428億円に減価償却費182億円等の調整を加味した収入に加えて、未成工事受入金及び開発事業等受入金の増加285億円の収入があった一方で、売上債権の増加628億円の支出があったこと等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、366億円の収入超過(前連結会計年度は367億円の収入超過)となった。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入475億円及び投資有価証券の売却等による収入244億円があった一方で、有形固定資産の取得による支出167億円及び貸付けによる支出118億円があったこと等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金、長期借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の資金調達と返済の収支が106億円の支出超過となったことに加えて、配当金の支払額51億円の支出等により、171億円の支出超過(前連結会計年度は586億円の支出超過)となった。
なお、当社においては、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、総額1,500億円のコミットメントライン契約を締結している。
(5) 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比1,034億円増加し、1兆7,894億円(前連結会計年度末は1兆6,860億円)となった。これは、受取手形・完成工事未収入金等の増加691億円及び現金預金の増加666億円があった一方で、販売用不動産の減少332億円があったこと等によるものである。
負債合計は、前連結会計年度末比574億円増加し、1兆4,253億円(前連結会計年度末は1兆3,679億円)となった。これは、未成工事受入金の増加301億円、繰延税金負債の増加160億円及び支払手形・工事未払金等の増加123億円があった一方で、有利子負債残高※が354億円減少したこと等によるものである。その結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は、4,447億円(前連結会計年度末は4,801億円)となった。
純資産合計は、株主資本2,692億円、その他の包括利益累計額989億円、少数株主持分△41億円を合わせて、前連結会計年度末比460億円増加の3,641億円(前連結会計年度末は3,181億円)となった。
また、自己資本比率は、前連結会計年度末比1.6ポイント好転し、20.6%(前連結会計年度末は19.0%)となった。
(注) ※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
我が国経済の今後の見通しについては、世界経済の緩やかな回復が続き、各種政策効果が発現する中で、消費・生産・所得の好循環が動き出すことにより、次第に景気回復に向かっていくと考えられる。
国内建設市場においては、復興需要に加え、東京オリンピックを見据えた公共投資や民間非製造業の設備投資が底堅く推移すると見込まれるが、需要増加に伴う労務費や資材費の上昇基調も踏まえると、建設業界を取り巻く経営環境は厳しさが続くものと思われる。
こうした中、当社グループでは、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現していくため、各事業の収益性の向上及びグループ各社の連携強化を推進することで、安定的な利益を確保するとともに、財務体質の改善に努めていく方針である。