有価証券報告書-第67期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
ア. 完成工事高
エンジニアリングソリューション事業、システムソリューション事業ともに大型案件の進捗が順調で完成工事高は、前連結会計年度と比べ 487億6千5百万円増加し、5,733億3千9百万円(前年同期比 109.3%)となりました。
イ. 営業利益
完成工事高が増加したことにより、営業利益は、前連結会計年度と比べ 55億2千3百万円増加し、366億円2千3百万円(前年同期比 117.8%)となりました。
ウ. 経常利益
営業利益の増加により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 75億1千6百万円増加し、381億8千6百万円(前年同期比 124.5%)となりました。
エ. 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 85億8千9百万円増加し、241億9千2百万円(前年同期比 155.0%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 2.9ポイント増加し、8.8%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 77.58円増加し、217.33円となりました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルスの流行による影響は、限定的でした。
また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
(注)1.「受注高」「完成工事高」については外部顧客への取引高を記載しております。
2.報告セグメントにおける協和エクシオグループには、シーキューブグループ、西部電気工業グループ、日本電通グループは含んでおりません。
② 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末と比較して 466億6千9百万円増加し、 4,915億7千4百万円(前年同期比 110.5%)となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して 278億9千4百万円増加し、2,026億8千9百万円(前年同期比 116.0%)となりました。これは主に支払手形・工事未払金及び短期借入金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して 187億7千5百万円増加し、2,888億8千4百万円(前年同期比 107.0%)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 47億6千6百万円減少し、412億4千6百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は 63億1百万円(前期は 172億9千9百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び法人税等の支払によるものであります。
イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は 92億4千9百万円(前期は 170億8千5百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は 17億5千万円(前期は 42億2千7百万円の獲得)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア. 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度の受注実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。
イ. 売上実績
当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度の売上実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
3.主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により当初景気が急速に悪化しましたが、段階的な経済活動の再開や政府・自治体の各種政策の効果により、夏以降緩やかながら持ち直しの動きが見られました。しかしながら、秋口から感染者数が再び増加に転じ、緊急事態宣言が再発令されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
そのような社会情勢にあるものの、当社の事業領域である情報通信分野におきましては、モバイル事業において新たな通信キャリアが本格参入するとともに、各社の5G基地局整備計画が加速したほか、テレワーク等のニューノーマルな働き方の模索や企業のデジタルトランスフォーメーションの推進により、新たなIT投資が加速しております。また、建設分野におきましては、新型コロナウイルスの影響もあり民間設備投資は減少傾向にある一方、公共事業を中心とした政府建設投資は、国土強靭化やインフラの老朽化対策のため堅調に推移しております。
このような事業環境のなか、当社グループは、中期経営計画(2016~2020年度)の最終年度である2020年度、通信キャリア事業では、テレワークによる光回線需要の増加や地方部における高度無線環境整備推進事業によりアクセス分野の工事が堅調であるとともに、新たな通信キャリアの設備を含めた無線基地局工事の受注が好調に推移しました。都市インフラ事業とシステムソリューション事業では、大規模データセンター構築やGIGAスクール関連の大型案件を受注するなど順調に推移し、グローバル分野におきましても、各国のロックダウンにより建設分野は影響を受けたものの、新規事業へのチャレンジも推し進め、今後の成長に向けた事業基盤の確立に努めました。
また、2018年に経営統合を行った西日本子会社とは、各事業分野において施工の相互支援を行うなど協力関係の強化に取り組むとともに、受注・工程管理システムの共同利用を開始するなど、シナジーの創出に尽力しました。
さらに、当社グループ内におきましても、新型コロナウイルス対策や働き方改革を推進し、本社オフィスの全面フリーアドレス化や、在宅勤務等にも対応できるセキュリティ強化や業務プロセス改革を行うなど、デジタルトランスフォーメーションを加速してまいりました。
なお、当社は2021年3月、経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進に優れた上場企業を選定する、令和2年度「準なでしこ」に選定されました。2016年より組織活性化を目指した経営戦略としてダイバーシティ推進に取り組んできたことが引き続き評価されております。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の状況は、次のとおりであります。
(協和エクシオグループ)
通信キャリア事業におきましては、東京オリンピック・パラリンピックが延期された影響もあり、NTTグループのネットワーク分野の受注に遅れが若干見られたものの、アクセス分野では、コロナ禍に伴うテレワークの増加等により光開通工事が受注高・完成工事高ともに堅調に推移したほか、NCC分野では、5G無線基地局工事が本格化し好調に推移しました。また、都市インフラ事業では、データセンター等の大型工事を受注したほか、高速道路の電気通信設備工事などにも積極的に取り組みました。システムソリューション事業では、カンボジアで電子情報処理システム整備案件を受注したほか、GIGAスクール関連の受注が好調に推移しました。
なお、2020年11月に開催されました技能五輪全国大会の情報ネットワーク職種において、当社社員が金メダルを獲得し、2022年に上海で開催予定の技能五輪国際大会の日本代表に内定しました。今後も優秀な技術者の育成を図り、高い施工技術で社会に貢献してまいります。
(シーキューブグループ)
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野においてテレワーク需要の増加による光開通工事が堅調に推移したほか、高度無線環境整備推進事業においてグループ内で施工支援を行いました。ネットワーク・モバイル・NCC分野におきましては、支給物品の納入遅延等により、工事に若干遅れがあったものの、5G関連工事が堅調に推移しました。都市インフラ事業におきましては、鉄道ホーム監視設備工事やトンネル照明等の道路インフラ設備工事が堅調に推移し、また、工場の電源設備工事を昨年度に続き円滑に進めました。システムソリューション事業におきましては、テレワークや感染症対策ソリューションへの取り組みに加え、東海エリアのGIGAスクール案件の受注が大幅に伸長しました。
(西部電気工業グループ)
通信キャリア事業におきましては、高度無線環境整備推進事業に伴う光開通工事および熊本地域の豪雨災害等の復旧工事に取り組みました。また、モバイル分野におきましては、5G無線基地局工事等の施工に注力しました。都市インフラ事業におきましては、大型の太陽光発電設備工事を順調に進めたほか、新築ビルの電気・機械設備工事に取り組みました。システムソリューション事業におきましては、防災行政無線設備工事の大型案件を受注したほか、九州自動車道の交通システム関連工事などに取り組みました。
その他、分散していた拠点の集約化のため建設を進めていた「熊本徳王ビル」が2020年9月に竣工し、新ビルでの業務を開始しました。
(日本電通グループ)
通信キャリア事業におきましては、NTTグループのアクセス系工事やNCC分野の無線基地局工事の効率化を図り収益性を向上させました。都市インフラ事業におきましては、CATV工事の大型案件を受注したほか、高いエンジニアリング技術により、サービスエリアPOSシステム導入案件や防災行政無線設備等の大規模工事を順調に進めることができました。システムソリューション事業におきましては、関西エリアのGIGAスクール案件に積極的な営業展開を図り、PCやタブレットの導入やネットワーク設備工事を受注し、収益に大きく貢献しました。
なお、「受注拡大」、「グループ協業の推進」、「人材育成」、「ITの活用」の4項目の重点施策について継続して取り組み、事業基盤の確立と収益力の強化に努めました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要の動向
当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、生産性向上を目的とした不動産等への設備投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の投資資金であります。
また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、DOE(連結自己資本配当率)3.5%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。
ウ.資金調達の方法
当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、普通社債やSDGs債発行を主に検討し、対応しております。
また、国内子会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
ア. 完成工事高
エンジニアリングソリューション事業、システムソリューション事業ともに大型案件の進捗が順調で完成工事高は、前連結会計年度と比べ 487億6千5百万円増加し、5,733億3千9百万円(前年同期比 109.3%)となりました。
イ. 営業利益
完成工事高が増加したことにより、営業利益は、前連結会計年度と比べ 55億2千3百万円増加し、366億円2千3百万円(前年同期比 117.8%)となりました。
ウ. 経常利益
営業利益の増加により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 75億1千6百万円増加し、381億8千6百万円(前年同期比 124.5%)となりました。
エ. 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 85億8千9百万円増加し、241億9千2百万円(前年同期比 155.0%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 2.9ポイント増加し、8.8%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 77.58円増加し、217.33円となりました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルスの流行による影響は、限定的でした。
また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| 報告セグメント | 協和エクシオ グループ (注)2 | シーキューブ グループ | 西部電気工業 グループ | 日本電通 グループ | ||||
| 金額 | 前年 同期比 | 金額 | 前年 同期比 | 金額 | 前年 同期比 | 金額 | 前年 同期比 | |
| 受注高 (注)1 | 422,692 | 110.5% | 94,792 | 127.0% | 64,386 | 107.7% | 49,217 | 124.9% |
| 完成工事高 (注)1 | 376,916 | 105.5% | 87,433 | 120.6% | 59,129 | 104.5% | 49,860 | 130.6% |
| セグメント利益 | 25,206 | 108.3% | 5,630 | 121.2% | 3,174 | 151.1% | 2,830 | 212.1% |
(注)1.「受注高」「完成工事高」については外部顧客への取引高を記載しております。
2.報告セグメントにおける協和エクシオグループには、シーキューブグループ、西部電気工業グループ、日本電通グループは含んでおりません。
② 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末と比較して 466億6千9百万円増加し、 4,915億7千4百万円(前年同期比 110.5%)となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して 278億9千4百万円増加し、2,026億8千9百万円(前年同期比 116.0%)となりました。これは主に支払手形・工事未払金及び短期借入金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して 187億7千5百万円増加し、2,888億8千4百万円(前年同期比 107.0%)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 47億6千6百万円減少し、412億4千6百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は 63億1百万円(前期は 172億9千9百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び法人税等の支払によるものであります。
イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は 92億4千9百万円(前期は 170億8千5百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は 17億5千万円(前期は 42億2千7百万円の獲得)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア. 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度の受注実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。
| 事業区分の名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 次期繰越工事高 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
| エンジニアリングソリューション | 461,563 | 106.9 | 254,460 | 121.5 | |
| システムソリューション | 169,525 | 136.2 | 34,801 | 161.4 | |
| 合計 | 631,088 | 113.4 | 289,262 | 125.3 | |
イ. 売上実績
当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度の売上実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。
| 事業区分の名称 | 売上高(百万円) | 前期比(%) | |
| エンジニアリングソリューション | 417,646 | 103.4 | |
| システムソリューション | 155,693 | 129.0 | |
| 合計 | 573,339 | 109.3 | |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
3.主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 売上高 (百万円) | 割合(%) | 売上高 (百万円) | 割合(%) | |
| 西日本電信電話株式会社 | 79,612 | 15.2 | 86,068 | 15.0 |
| 東日本電信電話株式会社 | 81,731 | 15.6 | 81,411 | 14.2 |
| 株式会社NTTドコモ | 59,037 | 11.3 | 50,197 | 8.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により当初景気が急速に悪化しましたが、段階的な経済活動の再開や政府・自治体の各種政策の効果により、夏以降緩やかながら持ち直しの動きが見られました。しかしながら、秋口から感染者数が再び増加に転じ、緊急事態宣言が再発令されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
そのような社会情勢にあるものの、当社の事業領域である情報通信分野におきましては、モバイル事業において新たな通信キャリアが本格参入するとともに、各社の5G基地局整備計画が加速したほか、テレワーク等のニューノーマルな働き方の模索や企業のデジタルトランスフォーメーションの推進により、新たなIT投資が加速しております。また、建設分野におきましては、新型コロナウイルスの影響もあり民間設備投資は減少傾向にある一方、公共事業を中心とした政府建設投資は、国土強靭化やインフラの老朽化対策のため堅調に推移しております。
このような事業環境のなか、当社グループは、中期経営計画(2016~2020年度)の最終年度である2020年度、通信キャリア事業では、テレワークによる光回線需要の増加や地方部における高度無線環境整備推進事業によりアクセス分野の工事が堅調であるとともに、新たな通信キャリアの設備を含めた無線基地局工事の受注が好調に推移しました。都市インフラ事業とシステムソリューション事業では、大規模データセンター構築やGIGAスクール関連の大型案件を受注するなど順調に推移し、グローバル分野におきましても、各国のロックダウンにより建設分野は影響を受けたものの、新規事業へのチャレンジも推し進め、今後の成長に向けた事業基盤の確立に努めました。
また、2018年に経営統合を行った西日本子会社とは、各事業分野において施工の相互支援を行うなど協力関係の強化に取り組むとともに、受注・工程管理システムの共同利用を開始するなど、シナジーの創出に尽力しました。
さらに、当社グループ内におきましても、新型コロナウイルス対策や働き方改革を推進し、本社オフィスの全面フリーアドレス化や、在宅勤務等にも対応できるセキュリティ強化や業務プロセス改革を行うなど、デジタルトランスフォーメーションを加速してまいりました。
なお、当社は2021年3月、経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進に優れた上場企業を選定する、令和2年度「準なでしこ」に選定されました。2016年より組織活性化を目指した経営戦略としてダイバーシティ推進に取り組んできたことが引き続き評価されております。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の状況は、次のとおりであります。
(協和エクシオグループ)
通信キャリア事業におきましては、東京オリンピック・パラリンピックが延期された影響もあり、NTTグループのネットワーク分野の受注に遅れが若干見られたものの、アクセス分野では、コロナ禍に伴うテレワークの増加等により光開通工事が受注高・完成工事高ともに堅調に推移したほか、NCC分野では、5G無線基地局工事が本格化し好調に推移しました。また、都市インフラ事業では、データセンター等の大型工事を受注したほか、高速道路の電気通信設備工事などにも積極的に取り組みました。システムソリューション事業では、カンボジアで電子情報処理システム整備案件を受注したほか、GIGAスクール関連の受注が好調に推移しました。
なお、2020年11月に開催されました技能五輪全国大会の情報ネットワーク職種において、当社社員が金メダルを獲得し、2022年に上海で開催予定の技能五輪国際大会の日本代表に内定しました。今後も優秀な技術者の育成を図り、高い施工技術で社会に貢献してまいります。
(シーキューブグループ)
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野においてテレワーク需要の増加による光開通工事が堅調に推移したほか、高度無線環境整備推進事業においてグループ内で施工支援を行いました。ネットワーク・モバイル・NCC分野におきましては、支給物品の納入遅延等により、工事に若干遅れがあったものの、5G関連工事が堅調に推移しました。都市インフラ事業におきましては、鉄道ホーム監視設備工事やトンネル照明等の道路インフラ設備工事が堅調に推移し、また、工場の電源設備工事を昨年度に続き円滑に進めました。システムソリューション事業におきましては、テレワークや感染症対策ソリューションへの取り組みに加え、東海エリアのGIGAスクール案件の受注が大幅に伸長しました。
(西部電気工業グループ)
通信キャリア事業におきましては、高度無線環境整備推進事業に伴う光開通工事および熊本地域の豪雨災害等の復旧工事に取り組みました。また、モバイル分野におきましては、5G無線基地局工事等の施工に注力しました。都市インフラ事業におきましては、大型の太陽光発電設備工事を順調に進めたほか、新築ビルの電気・機械設備工事に取り組みました。システムソリューション事業におきましては、防災行政無線設備工事の大型案件を受注したほか、九州自動車道の交通システム関連工事などに取り組みました。
その他、分散していた拠点の集約化のため建設を進めていた「熊本徳王ビル」が2020年9月に竣工し、新ビルでの業務を開始しました。
(日本電通グループ)
通信キャリア事業におきましては、NTTグループのアクセス系工事やNCC分野の無線基地局工事の効率化を図り収益性を向上させました。都市インフラ事業におきましては、CATV工事の大型案件を受注したほか、高いエンジニアリング技術により、サービスエリアPOSシステム導入案件や防災行政無線設備等の大規模工事を順調に進めることができました。システムソリューション事業におきましては、関西エリアのGIGAスクール案件に積極的な営業展開を図り、PCやタブレットの導入やネットワーク設備工事を受注し、収益に大きく貢献しました。
なお、「受注拡大」、「グループ協業の推進」、「人材育成」、「ITの活用」の4項目の重点施策について継続して取り組み、事業基盤の確立と収益力の強化に努めました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要の動向
当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、生産性向上を目的とした不動産等への設備投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の投資資金であります。
また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、DOE(連結自己資本配当率)3.5%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。
ウ.資金調達の方法
当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、普通社債やSDGs債発行を主に検討し、対応しております。
また、国内子会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。