有価証券報告書-第70期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
ア. 売上高
都市インフラにおける事業拡大が続く一方、モバイル分野におけるキャリア事業者の投資抑制やグローバル分野における市場環境の悪化などにより、売上高は、前連結会計年度と比べ 135億1千2百万円減少し、6,140億9千5百万円(前期比 2.2%減)となりました。
イ. 営業利益
グローバル分野における減益が大きく影響したものの、通信キャリアの利益率低下に歯止めがかかるとともに国内システムソリューションの採算性が向上し、営業利益は、前連結会計年度と比べ 15億6千8百万円増加し、341億2千1百万円(前期比 4.8%増)となりました。
ウ. 経常利益
営業利益の増加に加え円安に伴う為替差益の拡大により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 31億5千1百万円増加し、369億2千2百万円(前期比 9.3%増)となりました。
エ. 親会社株主に帰属する当期純利益
海外子会社における棚卸資産評価損を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 21億7千4百万円減少し、200億5千8百万円(前期比 9.8%減)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 0.8ポイント減少し、6.5%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 7.73円減少し、94.76円となりました。なお、当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
(注)1.記載金額は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
2.「受注高」「売上高」については外部顧客への取引高を記載しております。
② 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末と比較して136億9千6百万円増加し、5,916億3千7百万円(前期比 2.4%増)
となりました。これは主に有形固定資産及び退職給付に係る資産の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して25億7千8百万円増加し、2,725億7千7百万円(前期比 1.0%増)
となりました。これは主に未払法人税等の増加及び長期借入金の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して111億1千7百万円増加し、3,190億5千9百万円(前期比 3.6%増)
となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 27億7千3百万円減少し、474億3千万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は 419億2百万円(前期は 54億8千3百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は 135億9千1百万円(前期は 133億3千2百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は 305億5千5百万円(前期は 32億9千8百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少及び配当金の支払いによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア. 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
イ. 売上実績
当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
また、主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する各種規制が緩和され、半導体関連をはじめ設備投資に持ち直しの傾向がみられるなど景気は緩やかに回復いたしました。そのような経済情勢を背景に、2024年3月に日本銀行によるマイナス金利政策の解除が行われる一方、不安定な世界情勢の継続や電気料金をはじめとするエネルギー価格の高騰、急激な円安進行による国内物価上昇など、依然としてリスクに対し注視が必要な状況が続いています。
当社の事業領域である情報通信分野については、社会全体のデジタル化進展に伴い、あらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラとして、大規模自然災害やサイバーセキュリティの脅威・データ通信量の増大に対応可能な高度かつ強靭な通信ネットワークの構築が求められており大量のデータを蓄積・処理するデータセンターの重要性も更に増している状況です。
建設分野については、エネルギー価格の高騰による影響が続いているものの、民間設備投資は半導体関連産業や更なる生産性向上に向けたソフトウェアへの投資拡大などに持ち直しの傾向が見られ、防災・減災、国土強靭化に資する道路等の設備の更新・維持に向けた公共投資も底堅く推移する見通しです。さらに、エネルギー関連事業においては、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、蓄電池や送配電インフラ等の関連投資が今後さらに加速すると想定されます。
このような事業環境のなか、当社グループは、効率化を進めながら成長分野における積極投資を継続し、メリハリのある事業運営を行ってまいりました。通信キャリア事業におきましては、モバイル分野については、各通信キャリアが足元の設備投資を抑制し発注を絞っている状況に対応するため、大胆な人員シフトを含めた柔軟な施工体制の実現により生産性向上を加速する仕組みづくりを行い、効率的な業務運営に努めてまいりました。一方、アクセス分野については、コロナ禍によるリモートワークに伴う光回線需要は一巡したものの、通信インフラ設備の維持・更新に係る工事等については堅調に推移しております。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンター構築や新築ビル・工場等の電気工事の受注などが引き続き好調に推移しており、公共関連では、高速道路インフラ関連工事についても堅調に推移しました。旺盛な建設需要に対して、選別受注を強化するなど収益性の向上にも引き続き取り組んでおります。システムソリューション事業におきましては、当社グループが強みを持つお客様に対して引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、昨年実施した子会社を含む事業の再編により、上流から下流までの一気通貫でのサービスが可能となり、効率的かつ積極的に事業を運営してまいりました。グローバル分野については、IT機器を利活用するリファービッシュビジネスやインフラシェアリング設備構築のほか、EV充電設備構築を手掛けるなど、新たな事業の展開を行う一方、経営資源の効率的な活用を図るための構造改革を進めております。
当社グループは、自社利用電力の再生可能エネルギー化等の取り組みに加え、地域の未利用材を活用した木質バイオマス発電事業の展開など、環境経営にも積極的に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
(通信キャリア事業の概況)
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野は概ね計画通り推移しました。NCC各社を含むモバイル分野では、都市部を中心とした繋がりにくさ解消のための投資も行われている一方で、一部キャリア事業者の投資抑制が続いており、着実に手持ち工事の消化を進めるとともに、キャリア別の施工体制を一本化し、発生した人的余力を都市インフラ事業やシステムソリューション事業といった成長事業へシフトする取り組みを進めるなど、効率的な業務運営に努めております。
(都市インフラ事業の概況)
都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターに関する引き合いが引き続き強く、その他の大型開発ビル案件も含め電気関連工事が好調に推移しました。また、鉄道関連通信工事や高速道路トンネルの通信線路工事等も堅調に推移しました。エネルギー関連では、EV充電設備や蓄電池設備工事の需要が拡大しているほか、今後の事業拡大に向けた洋上風力発電の電力自営線構築を担う人財育成を引き続き進めております。また、一昨年来進めておりました2箇所の木質バイオマス発電事業について、栃木県足利市に建設した発電所は2024年3月に本格運用開始、福島県古殿町に建設中の発電所についても、2024年上半期に本格運用を開始する予定です。
さらに、東急不動産株式会社様と連携し、再生可能エネルギーを活用した地域共生プロジェクトの拠点施設であるTENOHA 東松山において、「営農型太陽光発電」や「EV車」を核としたエネルギーマネジメントシステム(EMS)構築の実証実験を開始しました。再生可能エネルギーの効率利用を促進し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(システムソリューション事業の概況)
システムソリューション事業におきましては、システム開発・運用保守における中核会社2社を中心に、上位コンサルから保守運用までワンストップでのサービス提供を行うことで、更なる収益向上を目指す取り組みを続けるとともに、文教系や地方自治体向けに当社グループの強みを生かしたソリューションを展開し、新たな収益基盤の構築に向けてアプローチを継続しております。
グローバル分野におきましては、リファービッシュビジネスにおける市場環境悪化に伴う在庫の評価損や、デジタル貿易プラットフォーム事業の低迷など、全体としては計画を下回る状況で推移しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要の動向
当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、人財育成やR&D、DX等の成長基盤構築のための投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の資金であります。
また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、連結自己資本配当率(DOE)4.0%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。
ウ.資金調達の方法
当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、サステナブルファイナンスを主に検討し、対応しております。
また、グループ会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
ア. 売上高
都市インフラにおける事業拡大が続く一方、モバイル分野におけるキャリア事業者の投資抑制やグローバル分野における市場環境の悪化などにより、売上高は、前連結会計年度と比べ 135億1千2百万円減少し、6,140億9千5百万円(前期比 2.2%減)となりました。
イ. 営業利益
グローバル分野における減益が大きく影響したものの、通信キャリアの利益率低下に歯止めがかかるとともに国内システムソリューションの採算性が向上し、営業利益は、前連結会計年度と比べ 15億6千8百万円増加し、341億2千1百万円(前期比 4.8%増)となりました。
ウ. 経常利益
営業利益の増加に加え円安に伴う為替差益の拡大により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 31億5千1百万円増加し、369億2千2百万円(前期比 9.3%増)となりました。
エ. 親会社株主に帰属する当期純利益
海外子会社における棚卸資産評価損を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 21億7千4百万円減少し、200億5千8百万円(前期比 9.8%減)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 0.8ポイント減少し、6.5%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 7.73円減少し、94.76円となりました。なお、当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| 報告セグメント | 通信キャリア | 都市インフラ | システム ソリューション | |||
| 金額 | 増減率 | 金額 | 増減率 | 金額 | 増減率 | |
| 受注高 (注)2 | 242,440 | △5.3% | 230,679 | 29.7% | 183,413 | △4.4% |
| 売上高 (注)2 | 253,494 | △6.5% | 177,239 | 7.2% | 183,361 | △4.0% |
| セグメント利益 | 16,829 | △3.1% | 11,035 | 7.1% | 6,256 | 28.0% |
(注)1.記載金額は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
2.「受注高」「売上高」については外部顧客への取引高を記載しております。
② 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末と比較して136億9千6百万円増加し、5,916億3千7百万円(前期比 2.4%増)
となりました。これは主に有形固定資産及び退職給付に係る資産の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して25億7千8百万円増加し、2,725億7千7百万円(前期比 1.0%増)
となりました。これは主に未払法人税等の増加及び長期借入金の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して111億1千7百万円増加し、3,190億5千9百万円(前期比 3.6%増)
となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 27億7千3百万円減少し、474億3千万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は 419億2百万円(前期は 54億8千3百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は 135億9千1百万円(前期は 133億3千2百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は 305億5千5百万円(前期は 32億9千8百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少及び配当金の支払いによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア. 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
イ. 売上実績
当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
また、主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 売上高 (百万円) | 割合(%) | 売上高 (百万円) | 割合(%) | |
| 西日本電信電話株式会社 | 82,183 | 13.1 | 78,265 | 12.7 |
| 東日本電信電話株式会社 | 78,024 | 12.4 | 73,971 | 12.0 |
| 株式会社NTTドコモ | 39,278 | 6.3 | 31,828 | 5.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する各種規制が緩和され、半導体関連をはじめ設備投資に持ち直しの傾向がみられるなど景気は緩やかに回復いたしました。そのような経済情勢を背景に、2024年3月に日本銀行によるマイナス金利政策の解除が行われる一方、不安定な世界情勢の継続や電気料金をはじめとするエネルギー価格の高騰、急激な円安進行による国内物価上昇など、依然としてリスクに対し注視が必要な状況が続いています。
当社の事業領域である情報通信分野については、社会全体のデジタル化進展に伴い、あらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラとして、大規模自然災害やサイバーセキュリティの脅威・データ通信量の増大に対応可能な高度かつ強靭な通信ネットワークの構築が求められており大量のデータを蓄積・処理するデータセンターの重要性も更に増している状況です。
建設分野については、エネルギー価格の高騰による影響が続いているものの、民間設備投資は半導体関連産業や更なる生産性向上に向けたソフトウェアへの投資拡大などに持ち直しの傾向が見られ、防災・減災、国土強靭化に資する道路等の設備の更新・維持に向けた公共投資も底堅く推移する見通しです。さらに、エネルギー関連事業においては、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、蓄電池や送配電インフラ等の関連投資が今後さらに加速すると想定されます。
このような事業環境のなか、当社グループは、効率化を進めながら成長分野における積極投資を継続し、メリハリのある事業運営を行ってまいりました。通信キャリア事業におきましては、モバイル分野については、各通信キャリアが足元の設備投資を抑制し発注を絞っている状況に対応するため、大胆な人員シフトを含めた柔軟な施工体制の実現により生産性向上を加速する仕組みづくりを行い、効率的な業務運営に努めてまいりました。一方、アクセス分野については、コロナ禍によるリモートワークに伴う光回線需要は一巡したものの、通信インフラ設備の維持・更新に係る工事等については堅調に推移しております。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンター構築や新築ビル・工場等の電気工事の受注などが引き続き好調に推移しており、公共関連では、高速道路インフラ関連工事についても堅調に推移しました。旺盛な建設需要に対して、選別受注を強化するなど収益性の向上にも引き続き取り組んでおります。システムソリューション事業におきましては、当社グループが強みを持つお客様に対して引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、昨年実施した子会社を含む事業の再編により、上流から下流までの一気通貫でのサービスが可能となり、効率的かつ積極的に事業を運営してまいりました。グローバル分野については、IT機器を利活用するリファービッシュビジネスやインフラシェアリング設備構築のほか、EV充電設備構築を手掛けるなど、新たな事業の展開を行う一方、経営資源の効率的な活用を図るための構造改革を進めております。
当社グループは、自社利用電力の再生可能エネルギー化等の取り組みに加え、地域の未利用材を活用した木質バイオマス発電事業の展開など、環境経営にも積極的に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
(通信キャリア事業の概況)
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野は概ね計画通り推移しました。NCC各社を含むモバイル分野では、都市部を中心とした繋がりにくさ解消のための投資も行われている一方で、一部キャリア事業者の投資抑制が続いており、着実に手持ち工事の消化を進めるとともに、キャリア別の施工体制を一本化し、発生した人的余力を都市インフラ事業やシステムソリューション事業といった成長事業へシフトする取り組みを進めるなど、効率的な業務運営に努めております。
(都市インフラ事業の概況)
都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターに関する引き合いが引き続き強く、その他の大型開発ビル案件も含め電気関連工事が好調に推移しました。また、鉄道関連通信工事や高速道路トンネルの通信線路工事等も堅調に推移しました。エネルギー関連では、EV充電設備や蓄電池設備工事の需要が拡大しているほか、今後の事業拡大に向けた洋上風力発電の電力自営線構築を担う人財育成を引き続き進めております。また、一昨年来進めておりました2箇所の木質バイオマス発電事業について、栃木県足利市に建設した発電所は2024年3月に本格運用開始、福島県古殿町に建設中の発電所についても、2024年上半期に本格運用を開始する予定です。
さらに、東急不動産株式会社様と連携し、再生可能エネルギーを活用した地域共生プロジェクトの拠点施設であるTENOHA 東松山において、「営農型太陽光発電」や「EV車」を核としたエネルギーマネジメントシステム(EMS)構築の実証実験を開始しました。再生可能エネルギーの効率利用を促進し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(システムソリューション事業の概況)
システムソリューション事業におきましては、システム開発・運用保守における中核会社2社を中心に、上位コンサルから保守運用までワンストップでのサービス提供を行うことで、更なる収益向上を目指す取り組みを続けるとともに、文教系や地方自治体向けに当社グループの強みを生かしたソリューションを展開し、新たな収益基盤の構築に向けてアプローチを継続しております。
グローバル分野におきましては、リファービッシュビジネスにおける市場環境悪化に伴う在庫の評価損や、デジタル貿易プラットフォーム事業の低迷など、全体としては計画を下回る状況で推移しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要の動向
当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、人財育成やR&D、DX等の成長基盤構築のための投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の資金であります。
また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、連結自己資本配当率(DOE)4.0%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。
ウ.資金調達の方法
当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、サステナブルファイナンスを主に検討し、対応しております。
また、グループ会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。