有価証券報告書-第88期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:23
【資料】
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【項目】
137項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されている。この連結財務諸表作成に際し、当社グループ経営陣は、決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っている。
なお、見積り、判断及び評価は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っているが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性がある。
(2) 当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析
① 財政状態
流動資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加した一方で、現金預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ42百万円減少し、1,357億42百万円となった。
固定資産は、太陽光発電事業に関連する有形固定資産や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ71億40百万円増加し、1,262億98百万円となった。
これらの結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ70億97百万円増加し、2,620億40百万円となった。
流動負債は、未成工事受入金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ32億87百万円減少し、970億45百万円となった。
固定負債は、退職給付に係る負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億44百万円増加し、517億95百万円となった。
これらの結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ14億42百万円減少し、1,488億41百万円となった。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ85億40百万円増加し、1,131億99百万円となった。
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の計上と売上債権の増加などから、107億76百万円増加した。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産や投資有価証券の取得による支出があったことなどから、135億97百万円減少した。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得に加え、借入金を返済したことなどから、62億6百万円減少した。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ91億98百万円減少し、267億32百万円となった。
② 経営成績
(売上高)
売上高は、再生可能エネルギー関連工事をはじめ、工事の大型化・長期化に伴う着工・進捗の遅れなどにより、前連結会計年度に比べ46億3百万円(前年同期比1.5%)減少の3,113億46百万円となった。
(営業利益)
営業利益は、徹底したコスト削減により工事採算性が向上したことなどから、前連結会計年度に比べ84億40百万円(前年同期比50.4%)増加の251億97百万円となった。
(経常利益)
経常利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ93億88百万円(前年同期比51.7%)増加の275億51百万円となった。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ63億83百万円(前年同期比55.4%)増加の179億1百万円となった。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 [事業の状況]の3[対処すべき課題]、4[事業等のリスク]及び7[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]の(1)重要な会計方針及び見積り」に記載しているとおりである。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループ経営陣は、「快適な環境づくりを通して社会に貢献します」を企業理念の柱に掲げ、電気、空気調和、冷暖房、給排水、情報通信などの設計・施工を営む総合設備業として、社会的使命を果たすと同時に、お客さまや地域社会とともに発展し続ける企業であることを経営の基本としている。
また、これらの事業に関連する環境、エネルギー効率化、リニューアルなどの分野についても、一層の技術開発の促進と品質の向上に努め、お客さまの信頼と期待に応えると同時に、新規分野・新規市場への積極的な事業展開を図ることで、多様化する市場の変化に適宜適切に対応しながら、企業価値の向上をめざしている。
当社グループは、昨年度「さらなる飛躍への挑戦」をメインテーマとする中期経営計画(2015年度~2019年度:5カ年計画)をスタートさせた。
その中期経営計画は、「九州における安定的な基盤確立」「首都圏事業の強化」「人財の育成」を成長戦略の柱に、「営業力」「技術力」「現場力」「成長力」の一層の強化に総力を結集し、より高いステージを目指すものである。
昨年度は、その初年度として、首都圏における経営基盤の強化・拡大策の推進、コスト競争力の強化などの取り組みとともに、市場環境の好転も相俟って、工事採算性が大幅に改善するなど、業績は予想を大きく上回る結果となった。
中期経営計画に関しては、このように順調なスタートとなったことに加え、当初、計画の最終年度には、ほぼ収束するものと予想していた太陽光発電関連工事が、計画期間を通じて継続が見込めること、さらには東京オリンピック関連工事の具体化などもあり、この機を逃さずさらなる飛躍を目指すために、数値目標について見直すものである。
なお、中期経営計画のテーマや基本的戦略については、これを踏襲し具体的取り組みを着実に実施しつつ、さらに各年度の取り組みの中で顕在化した課題を加え、目標の具現化に向け当社グループの総力を挙げた取り組みを加速させるものである。
[中期経営計画の概要]
1.メインテーマ
中期経営計画2019 さらなる飛躍への挑戦 ~新しい成長のステージへ~
2.重点取り組み施策
○ お客さまの信頼と期待に応える「営業力」の追求
・アフターサービス体制の充実
・首都圏における経営基盤の強化・拡大
・ソリューション営業の拡充
・CSR経営の徹底
○ 競争に打ち勝つ「技術力」の進化
・徹底した品質の確保とコスト競争力の強化
・配電工事部門における採算性向上
・エネルギー分野における研究・開発の促進
○ 収益を生み出す「現場力」の向上
・施工戦力の充実強化
・生産性向上に向けた効率化の推進
・関連会社の強化
○ 未来へ飛躍する「成長力」の強化
・次世代を担う人財の育成
・海外における経営基盤の強化
・再生可能エネルギー発電事業の推進
・新たな領域での事業開拓
3. 連結数値目標(2020年3月期:中期経営計画最終年度)
売上高4,000億円
売上総利益率15.0%以上
営業利益率9.0%以上
ROE14.0%以上