有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの関連するプラント業界は、原材料価格の高騰や人件費の上昇、現場や管理部門等におけるAI導入等のデジタル化、並びに米国の通商政策や地政学リスクによる影響等の懸念や課題を引続き抱えております。一方で、脱炭素社会の実現に向けた環境対応設備への投資や半導体関連プラント建設工事への投資など、設備投資の動きは堅調に推移いたしました。
このような事業環境の下、令和12年(2030年)頃をマイルストーンとする「中長期の展望」の実現に向け、『第5次中期経営計画』で掲げた基本方針に基づき各施策を着実に実行し、TAKADAグループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けた戦略を推進してまいりました。
当連結会計年度における主要施策の進捗状況は、次のとおりです。
<主要施策の内容>○事業の重点施策
『第5次中期経営計画』の主要施策に基づき、変革するプラント業界においてリーディングカンパニーになるべく”設備技術産業の雄”を目指し、主力事業の強化及び事業基盤の整備を進めてまいりました。
◇ プラント事業
①プラント建設・保全
プラント建設・保全につきましては、建設工事の工事量を確保することで売上高の増加を図り、その中でも国内プラントの大型建設工事を中心に対応してまいりました。また、保全工事は、国内化学プラント及び石油・天然ガスプラントの定期修理工事が少なくなる閑散期でありましたが、顧客設備の稼働維持に伴う需要に支えられ、堅調に推移いたしました。
また、保全事業における競争力を強化すべく、設備診断ツールである「電流情報量診断システム」の新規分野への参入や認知度向上を図ってまいりました。当システムは国土交通省運用の「NETIS(新技術情報提供システム)」及び経済産業省が推進する「スマート保安技術カタログ」において新技術として高く評価されております。当連結会計年度においては当システムの適用範囲拡大を図るため、新製品(TMーEDGEWAREⓇ)を投入するとともに、製品サイトの開設及び販促部門の新設、アライアンス強化等を実施し、インフラ施設や半導体分野などの顧客へソリューションを提供してまいりました。
②EPC(Engineering Procurement Construction:設計・調達・施工)
EPC事業につきましては、資本業務提携先であります日揮株式会社との間でEPC運営体制の再構築と強化を進めてまいりました。同社との本業務提携は、人材交流や共同施工など様々な施策の推進による、更なるEPC事業の強化、両社の将来的なプラントエンジニアリング及び保全分野における施工対応力の維持・強化、更には両社の企業価値向上を目的としており、提携推進委員会による活動等を通して連携を図っております。
当連結会計年度においては、詳細な要件定義、概算費用の算出等、EPCを実施するために必要な基本設計を行うFEED(Front End Engineering Design)に取組み、上流工程から一貫した付加価値の高いサービスを顧客へ提供するための体制強化を図ってまいりました。
◇ 装置事業
装置事業につきましては、主にエレクトロニクス関連設備分野における半導体製造向けの生産装置 メーカーとして「超音波カッティング装置」・「枚葉式ウエハ洗浄装置」の開発・製作を手掛け、性能・機能及び品質の向上に努めてまいりました。
「超音波カッティング装置」については、スマートフォン・ウェアラブル機器等のセンサー、車載・エネルギー等のパワーデバイス市場に販路を拡大するとともに、「枚葉式ウエハ洗浄装置」についても環境に配慮した装置を開発し、カーボンニュートラル及びSDGsへの貢献に取組みながら、顧客サービスの充実と収益の拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度においては、光電融合及び車載センサー分野における需要拡大や顧客の多様なニーズに対応すべく、新規市場や顧客の声の獲得に向け取組んでまいりました。
さらに、海外での展示会出展やパートナー企業との連携強化を通じて、装置事業の認知度向上と新規顧客の獲得を図り、持続的な成長に向けた取組みも継続してまいりました。
○財務・経営資源方針
◇ 投資・財務方針
投資・財務方針につきましては、キャッシュ・フロー管理を徹底していく中で、事業継続のための維持・更新投資と成長戦略投資とのバランスを考慮しながら、財務体質の強化と安定的かつ機動的な資金調達の実行と運用を図ってまいりました。
◇ 人材育成・確保の方針
人材育成につきましては、「一人ひとりが新しい仕事・やり方に挑戦し、レベルアップし続ける人材づくり」を方針に掲げ、あらゆる階層の社員に対し能力開発やキャリアアップの機会を提供するとともに、働きがいを生み出す人事制度を導入し、運用を進めております。
また、当社グループは繁忙期の時間外労働への対応として「TAKADAグループにおける『働き方改革』への取組み方針」を公表しております。当連結会計年度においては、本方針に基づく長時間労働対策のガイドラインを改訂するなど、諸施策を実施し、働きやすい職場環境の創出に努めてまいりました。
人材確保につきましては、国籍、性別、年齢等にかかわらない多様な人材を確保し、個々がいきいきと活躍できる組織の活性化を図ってまいりました。国内の労働人口減少に伴い採用環境は厳しさを増す中、積極的な採用活動を行い優秀な人材確保に努めてまいりました。その他、給与水準の改善、完全週休二日制及び半日有給休暇制度の導入など、福利厚生の更なる充実により「選ばれる企業」になるべく、取組んでまいりました。
◇ ICTを活用したシステムの検討及び運用
ICTを活用したシステムの検討及び運用につきましては、外部専門家のアドバイスを受けながら、デジタル化とデジタル技術の活用を進め、ICTをイノベ ーションの手法の一つとし、現場管理及び業務の効率化に取組んでまいりました。
また、デジタル人材育成プロジェクト「TAKADA DX University」(以下、「DX Univ.」)の推進、AI ポータルの導入等により、ICT推進を通じた生産性向上及び競争力強化に努めてまいりました。また「DXUniv.」は、日本デジタルトランスフォーメーション推進協会が主催するPeople Innovation Awards 2026において、「チャレンジ賞」を受賞しました。本アワードは、「人の成長を企業・組織の成長へと結びつけ、変化し続ける組織文化を創造している取組み」を発掘・表彰されており、「DX Univ.」は、実践的なプログラムにより社員が”自ら変革を進める人材”へと成長する仕組みが評価され、今回の受賞に至りました。
◇ その他
当社は、内閣府、中小企業庁等が推進する『パートナーシップ構築宣言』に賛同・宣言し、サプライ チェーン全体の共存共栄に向けた関係構築を推進してまいりました。
また、令和7年9月に迎えた創業85周年の記念事業として、西日本旅客鉄道株式会社と北九州市が連携して整備した「KOKURA DANCE STATION」(JR小倉駅 新幹線口1階)の開設に協賛し、若い世代の活動を応援するとともに、地域活性化に貢献いたしました。
更に、当社は若手社員を中心とした「2040みらいプロジェクト」や「組織活性化委員会」などの活動を通じて、令和22年(2040年)に迎える創業100周年に向けた取組みを積極的に進めております。
このように、当社は持続的な成長の実現と社会に貢献できる魅力ある組織づくりや、若手・中堅社員の自律性・主体性の育成を前提とした組織活力の向上を目指した活動を継続してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25億6千万円増加し、477億1千6百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ10億9千8百万円増加し、256億9千万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億6千2百万円増加し、220億2千6百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高536億9千3百万円(前連結会計年度比7.5%減)、連結営業利益17億7千8百万円(前連結会計年度比39.4%減)、連結経常利益16億9千2百万円(前連結会計年度比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億5千4百万円(前連結会計年度比45.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ4億2千4百万円減少し、45億2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金収支は11億4千6百万円の支出(前連結会計年度比77.7%増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益17億5千2百万円の収入と、売上債権の増減額12億円、仕入債務の増減額11億9千8百万円、法人税等の支払額10億7千1百万円の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は18億4千4百万円の支出(前連結会計年度比25.0%減少)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出14億7千2百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は23億9百万円の収入(前連結会計年度比42.5%減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額27億円の収入と、配当金の支払額5億1千1百万円の支出によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
b.売上実績
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産状況」は記載しておりません。
2 売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
プラント事業における受注工事高及び完成工事高の状況
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比です。
c.完成工事高
(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
前事業年度
当事業年度
d.次期繰越工事高(令和8年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、477億1千6百万円で前連結会計年度末より25億6千万円増加となりました。増加の主な要因は、完成工事未収入金及び契約資産が13億8千2百万円、未収消費税等が4億5千9百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は256億9千万円で、前連結会計年度末より10億9千8百万円増加となりました。増加の主な要因は、支払手形・工事未払金等が11億3千万円、未払法人税等が5億8千4百万円減少したものの、短期借入金が27億円増加したこと等によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は220億2千6百万円で、前連結会計年度末より14億6千2百万円増加となりました。増加の主な要因は、利益剰余金が7億7千万円、為替換算調整勘定が3億8千万円増加したこと等によるものです。
b.経営成績
(売上面)
売上面につきましては、国内化学プラント及び石油・天然ガスプラントの定期修理工事の閑散期による工事量の減少、一部の建設工事における外部環境の変化等による予定工期の翌期以降への繰り延べ等により、連結売上高は43億7千3百万円減の536億9千3百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
(損益面)
損益面につきましては売上高の減少等に伴い、連結営業利益は11億5千4百万円減の17億7千8百万円(前連結会計年度比39.4%減)、連結経常利益は11億8千5百万円減の16億9千2百万円(前連結会計年度比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億5千4百万円減の12億5千4百万円(前連結会計年度比45.7%減)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、労務費、外注費、諸経費や、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は128億4千9百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は45億2百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの関連するプラント業界は、原材料価格の高騰や人件費の上昇、現場や管理部門等におけるAI導入等のデジタル化、並びに米国の通商政策や地政学リスクによる影響等の懸念や課題を引続き抱えております。一方で、脱炭素社会の実現に向けた環境対応設備への投資や半導体関連プラント建設工事への投資など、設備投資の動きは堅調に推移いたしました。
このような事業環境の下、令和12年(2030年)頃をマイルストーンとする「中長期の展望」の実現に向け、『第5次中期経営計画』で掲げた基本方針に基づき各施策を着実に実行し、TAKADAグループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けた戦略を推進してまいりました。
当連結会計年度における主要施策の進捗状況は、次のとおりです。
<主要施策の内容>○事業の重点施策
『第5次中期経営計画』の主要施策に基づき、変革するプラント業界においてリーディングカンパニーになるべく”設備技術産業の雄”を目指し、主力事業の強化及び事業基盤の整備を進めてまいりました。
◇ プラント事業
①プラント建設・保全
プラント建設・保全につきましては、建設工事の工事量を確保することで売上高の増加を図り、その中でも国内プラントの大型建設工事を中心に対応してまいりました。また、保全工事は、国内化学プラント及び石油・天然ガスプラントの定期修理工事が少なくなる閑散期でありましたが、顧客設備の稼働維持に伴う需要に支えられ、堅調に推移いたしました。
また、保全事業における競争力を強化すべく、設備診断ツールである「電流情報量診断システム」の新規分野への参入や認知度向上を図ってまいりました。当システムは国土交通省運用の「NETIS(新技術情報提供システム)」及び経済産業省が推進する「スマート保安技術カタログ」において新技術として高く評価されております。当連結会計年度においては当システムの適用範囲拡大を図るため、新製品(TMーEDGEWAREⓇ)を投入するとともに、製品サイトの開設及び販促部門の新設、アライアンス強化等を実施し、インフラ施設や半導体分野などの顧客へソリューションを提供してまいりました。
②EPC(Engineering Procurement Construction:設計・調達・施工)
EPC事業につきましては、資本業務提携先であります日揮株式会社との間でEPC運営体制の再構築と強化を進めてまいりました。同社との本業務提携は、人材交流や共同施工など様々な施策の推進による、更なるEPC事業の強化、両社の将来的なプラントエンジニアリング及び保全分野における施工対応力の維持・強化、更には両社の企業価値向上を目的としており、提携推進委員会による活動等を通して連携を図っております。
当連結会計年度においては、詳細な要件定義、概算費用の算出等、EPCを実施するために必要な基本設計を行うFEED(Front End Engineering Design)に取組み、上流工程から一貫した付加価値の高いサービスを顧客へ提供するための体制強化を図ってまいりました。
◇ 装置事業
装置事業につきましては、主にエレクトロニクス関連設備分野における半導体製造向けの生産装置 メーカーとして「超音波カッティング装置」・「枚葉式ウエハ洗浄装置」の開発・製作を手掛け、性能・機能及び品質の向上に努めてまいりました。
「超音波カッティング装置」については、スマートフォン・ウェアラブル機器等のセンサー、車載・エネルギー等のパワーデバイス市場に販路を拡大するとともに、「枚葉式ウエハ洗浄装置」についても環境に配慮した装置を開発し、カーボンニュートラル及びSDGsへの貢献に取組みながら、顧客サービスの充実と収益の拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度においては、光電融合及び車載センサー分野における需要拡大や顧客の多様なニーズに対応すべく、新規市場や顧客の声の獲得に向け取組んでまいりました。
さらに、海外での展示会出展やパートナー企業との連携強化を通じて、装置事業の認知度向上と新規顧客の獲得を図り、持続的な成長に向けた取組みも継続してまいりました。
○財務・経営資源方針
◇ 投資・財務方針
投資・財務方針につきましては、キャッシュ・フロー管理を徹底していく中で、事業継続のための維持・更新投資と成長戦略投資とのバランスを考慮しながら、財務体質の強化と安定的かつ機動的な資金調達の実行と運用を図ってまいりました。
◇ 人材育成・確保の方針
人材育成につきましては、「一人ひとりが新しい仕事・やり方に挑戦し、レベルアップし続ける人材づくり」を方針に掲げ、あらゆる階層の社員に対し能力開発やキャリアアップの機会を提供するとともに、働きがいを生み出す人事制度を導入し、運用を進めております。
また、当社グループは繁忙期の時間外労働への対応として「TAKADAグループにおける『働き方改革』への取組み方針」を公表しております。当連結会計年度においては、本方針に基づく長時間労働対策のガイドラインを改訂するなど、諸施策を実施し、働きやすい職場環境の創出に努めてまいりました。
人材確保につきましては、国籍、性別、年齢等にかかわらない多様な人材を確保し、個々がいきいきと活躍できる組織の活性化を図ってまいりました。国内の労働人口減少に伴い採用環境は厳しさを増す中、積極的な採用活動を行い優秀な人材確保に努めてまいりました。その他、給与水準の改善、完全週休二日制及び半日有給休暇制度の導入など、福利厚生の更なる充実により「選ばれる企業」になるべく、取組んでまいりました。
◇ ICTを活用したシステムの検討及び運用
ICTを活用したシステムの検討及び運用につきましては、外部専門家のアドバイスを受けながら、デジタル化とデジタル技術の活用を進め、ICTをイノベ ーションの手法の一つとし、現場管理及び業務の効率化に取組んでまいりました。
また、デジタル人材育成プロジェクト「TAKADA DX University」(以下、「DX Univ.」)の推進、AI ポータルの導入等により、ICT推進を通じた生産性向上及び競争力強化に努めてまいりました。また「DXUniv.」は、日本デジタルトランスフォーメーション推進協会が主催するPeople Innovation Awards 2026において、「チャレンジ賞」を受賞しました。本アワードは、「人の成長を企業・組織の成長へと結びつけ、変化し続ける組織文化を創造している取組み」を発掘・表彰されており、「DX Univ.」は、実践的なプログラムにより社員が”自ら変革を進める人材”へと成長する仕組みが評価され、今回の受賞に至りました。
◇ その他
当社は、内閣府、中小企業庁等が推進する『パートナーシップ構築宣言』に賛同・宣言し、サプライ チェーン全体の共存共栄に向けた関係構築を推進してまいりました。
また、令和7年9月に迎えた創業85周年の記念事業として、西日本旅客鉄道株式会社と北九州市が連携して整備した「KOKURA DANCE STATION」(JR小倉駅 新幹線口1階)の開設に協賛し、若い世代の活動を応援するとともに、地域活性化に貢献いたしました。
更に、当社は若手社員を中心とした「2040みらいプロジェクト」や「組織活性化委員会」などの活動を通じて、令和22年(2040年)に迎える創業100周年に向けた取組みを積極的に進めております。
このように、当社は持続的な成長の実現と社会に貢献できる魅力ある組織づくりや、若手・中堅社員の自律性・主体性の育成を前提とした組織活力の向上を目指した活動を継続してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25億6千万円増加し、477億1千6百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ10億9千8百万円増加し、256億9千万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億6千2百万円増加し、220億2千6百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高536億9千3百万円(前連結会計年度比7.5%減)、連結営業利益17億7千8百万円(前連結会計年度比39.4%減)、連結経常利益16億9千2百万円(前連結会計年度比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億5千4百万円(前連結会計年度比45.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ4億2千4百万円減少し、45億2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金収支は11億4千6百万円の支出(前連結会計年度比77.7%増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益17億5千2百万円の収入と、売上債権の増減額12億円、仕入債務の増減額11億9千8百万円、法人税等の支払額10億7千1百万円の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は18億4千4百万円の支出(前連結会計年度比25.0%減少)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出14億7千2百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は23億9百万円の収入(前連結会計年度比42.5%減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額27億円の収入と、配当金の支払額5億1千1百万円の支出によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) | 当連結会計年度 (自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日) |
| プラント事業(千円) | 53,594,199 | 65,759,329(22.7%増) |
b.売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) | 当連結会計年度 (自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日) |
| プラント事業 (千円) | 58,067,410 | 53,693,589( 7.5%減) |
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産状況」は記載しておりません。
2 売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
| 前連結会計年度 | 日本製鉄㈱ | 11,680,517千円 | 20.1% |
| 当連結会計年度 | 日本製鉄㈱ | 16,290,625千円 | 30.3% |
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
プラント事業における受注工事高及び完成工事高の状況
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | 区分 | 前期繰越 工事高 (千円) | 当期受注 工事高 (千円) | 計 (千円) | 当期完成 工事高 (千円) | 次期繰越 工事高 (千円) |
| 前事業年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) | 製鉄プラント | 5,236,713 | 16,667,519 | 21,904,232 | 13,889,898 | 8,014,334 |
| 化学プラント | 4,843,953 | 21,910,540 | 26,754,493 | 22,263,435 | 4,491,058 | |
| 石油・天然ガスプラント | 1,970,239 | 960,683 | 2,930,922 | 2,645,127 | 285,795 | |
| 電力設備 | 453,474 | 1,281,493 | 1,734,967 | 1,378,036 | 356,931 | |
| エレクトロニクス関連設備・装置 | 4,500,155 | 3,681,474 | 8,181,629 | 5,955,834 | 2,225,795 | |
| 社会インフラ設備 | 274,959 | 322,084 | 597,043 | 524,299 | 72,744 | |
| その他 | 920,220 | 2,507,994 | 3,428,214 | 1,977,865 | 1,450,349 | |
| 計 | 18,199,713 | 47,331,787 | 65,531,500 | 48,634,494 | 16,897,006 | |
| 当事業年度 (自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日) | 製鉄プラント | 8,014,334 | 23,857,632 | 31,871,966 | 19,013,102 | 12,858,864 |
| 化学プラント | 4,491,058 | 24,073,331 | 28,564,389 | 17,589,084 | 10,975,305 | |
| 石油・天然ガスプラント | 285,795 | 2,155,632 | 2,441,427 | 2,096,879 | 344,548 | |
| 電力設備 | 356,931 | 576,759 | 933,690 | 470,513 | 463,177 | |
| エレクトロニクス関連設備・装置 | 2,225,795 | 3,757,202 | 5,982,997 | 5,055,074 | 927,923 | |
| 社会インフラ設備 | 72,744 | 949,036 | 1,021,780 | 358,977 | 662,803 | |
| その他 | 1,450,349 | 3,775,301 | 5,225,650 | 2,385,099 | 2,840,551 | |
| 計 | 16,897,006 | 59,144,893 | 76,041,899 | 46,968,728 | 29,073,171 |
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) | 建設工事 | 65.9 | 34.1 | 100.0 |
| 保全工事 | 96.2 | 3.8 | 100.0 | |
| 当事業年度 (自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日) | 建設工事 | 52.0 | 48.0 | 100.0 |
| 保全工事 | 90.6 | 9.4 | 100.0 |
(注) 百分比は請負金額比です。
c.完成工事高
| 期別 | 区分 | 国内 | 海外 | 計 (B) (千円) | ||
| 官公庁 (千円) | 民間 (千円) | (A) (千円) | (A)/(B) (%) | |||
| 前事業年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) | 製鉄プラント | - | 13,889,898 | - | - | 13,889,898 |
| 化学プラント | - | 22,247,494 | 15,941 | 0.0 | 22,263,435 | |
| 石油・天然ガスプラント | - | 2,645,127 | - | - | 2,645,127 | |
| 電力設備 | - | 1,378,036 | - | - | 1,378,036 | |
| エレクトロニクス関連設備・装置 | - | 5,955,834 | - | - | 5,955,834 | |
| 社会インフラ設備 | - | 524,299 | - | - | 524,299 | |
| その他 | - | 1,977,865 | - | - | 1,977,865 | |
| 計 | - | 48,618,553 | 15,941 | 0.0 | 48,634,494 | |
| 当事業年度 (自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日) | 製鉄プラント | - | 19,013,102 | - | - | 19,013,102 |
| 化学プラント | - | 17,579,137 | 9,947 | 0.1 | 17,589,084 | |
| 石油・天然ガスプラント | - | 2,096,879 | - | - | 2,096,879 | |
| 電力設備 | - | 470,513 | - | - | 470,513 | |
| エレクトロニクス関連設備・装置 | - | 5,055,074 | - | - | 5,055,074 | |
| 社会インフラ設備 | - | 358,977 | - | - | 358,977 | |
| その他 | - | 2,384,065 | 1,034 | 0.0 | 2,385,099 | |
| 計 | - | 46,957,747 | 10,981 | 0.0 | 46,968,728 | |
(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
| 〇出光興産㈱ | 徳山事業所東地区2024年度エチレン課SDM工事 |
| 〇大成建設㈱ | UBE㈱4BF建設工事 |
| 〇UBE㈱ | 宇部藤曲工場2024年度設備定検工事 |
| 〇九州電力㈱ | 玄海原子力発電所3/4号機緊急時対策棟設置に伴う配管工事 |
| ○AGC㈱ | 鹿島工場2024年度有機課定修工事 |
当事業年度
| 〇旭化成㈱ | 水島製造所2025年度ANプラント定修工事 |
| 〇三菱ケミカル旭化成エチレン㈱ | 水島工場2025年度定修工事 |
| 〇AGC㈱ | 千葉工場2025年度ファイン課定修工事 |
| 〇AGC㈱ | 千葉工場2024年度FP課定修配管工事 |
| ○日本製鉄㈱ | 九州製鉄所既設ホルダー本体撤去機械工事 |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
前事業年度
| 日本製鉄㈱ | 11,680,517千円 | 24.0% |
当事業年度
| 日本製鉄㈱ | 16,290,625千円 | 34.7% |
d.次期繰越工事高(令和8年3月31日現在)
| 区分 | 国内 | 海外 (千円) | 計 (千円) | |
| 官公庁 (千円) | 民間 (千円) | |||
| 製鉄プラント | - | 12,858,864 | - | 12,858,864 |
| 化学プラント | - | 10,974,405 | 900 | 10,975,305 |
| 石油・天然ガスプラント | - | 344,548 | - | 344,548 |
| 電力設備 | - | 463,177 | - | 463,177 |
| エレクトロニクス関連設備・装置 | - | 927,923 | - | 927,923 |
| 社会インフラ設備 | - | 662,803 | - | 662,803 |
| その他 | - | 2,840,551 | - | 2,840,551 |
| 計 | - | 29,072,271 | 900 | 29,073,171 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
| 〇日本製鉄㈱ | 瀬戸内製鉄所堺地区鋼板工場機械炉設備据付工事 | (令和8年6月完成予定) |
| ○日本製鉄㈱ | 九州製鉄所八幡地区エネルギー設備1・6工区配管移設工事 | (令和10年3月完成予定) |
| ○日本製鉄㈱ | 九州製鉄所八幡地区1RH機械工事 | (令和11年5月完成予定) |
| ○日本製鉄㈱ | 九州製鉄所八幡地区エネルギー設備1・2工区配管移設工事 | (令和9年3月完成予定) |
| ○三菱ケミカルエンジニアリング㈱ | Rapidus㈱千歳機械工事 | (令和8年4月完成予定) |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、477億1千6百万円で前連結会計年度末より25億6千万円増加となりました。増加の主な要因は、完成工事未収入金及び契約資産が13億8千2百万円、未収消費税等が4億5千9百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は256億9千万円で、前連結会計年度末より10億9千8百万円増加となりました。増加の主な要因は、支払手形・工事未払金等が11億3千万円、未払法人税等が5億8千4百万円減少したものの、短期借入金が27億円増加したこと等によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は220億2千6百万円で、前連結会計年度末より14億6千2百万円増加となりました。増加の主な要因は、利益剰余金が7億7千万円、為替換算調整勘定が3億8千万円増加したこと等によるものです。
b.経営成績
(売上面)
売上面につきましては、国内化学プラント及び石油・天然ガスプラントの定期修理工事の閑散期による工事量の減少、一部の建設工事における外部環境の変化等による予定工期の翌期以降への繰り延べ等により、連結売上高は43億7千3百万円減の536億9千3百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
(損益面)
損益面につきましては売上高の減少等に伴い、連結営業利益は11億5千4百万円減の17億7千8百万円(前連結会計年度比39.4%減)、連結経常利益は11億8千5百万円減の16億9千2百万円(前連結会計年度比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億5千4百万円減の12億5千4百万円(前連結会計年度比45.7%減)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、労務費、外注費、諸経費や、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は128億4千9百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は45億2百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。