四半期報告書-第75期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/08 14:57
【資料】
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【項目】
19項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続き、個人消費の持ち直しや企業収益が堅調に推移するなど、景気は緩やかな回復が続きました。その一方で、世界経済の先行きや、政策に関する不確実性、通商問題の動向など、経済環境は依然として予断を許さない状況が続きました。
当業界におきましては、一部原材料価格の上昇や、人手不足を背景とした人件費、物流費の上昇、販売競争の激化、国内外における家畜の疾病など、引き続き厳しい経営環境が続きました。
このような中、当社グループは、2018年4月からスタートした「中期経営計画2020」において、「未来につなげる仕組み作り」をテーマとし、5つの経営方針「既存事業の効率化による収益力の強化」、「消費者との対話を通じた価値の創造」、「食の未来の構想/実現のための技術力強化・育成」、「海外市場展開のギアチェンジ」、「持続可能性(サスティナビリティ)の追求」に基づく事業展開を推進してまいりました。具体的施策としては、国内ファーム事業の強化、前期に稼動を開始した食肉加工品製造工場やヨーグルト・乳酸菌飲料製造工場での増産、人財の育成やリスク管理の徹底などに取り組みました。海外においては、オーストラリアにおける牛肉事業の収益性改善に引き続き努めました。経営体制については、「ニッポンハムグループ・コーポレートガバナンス基本方針」に沿って、その充実に努めました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、対前年同四半期比0.3%減の616,266百万円となりました。事業利益は対前年同四半期比0.2%減の21,832百万円、税引前四半期利益は当第2四半期連結会計期間において、2018年10月31日開催の取締役会で決議された選択定年制度の拡充に基づく募集を実施したことに伴う特例加算金等8,472百万円を計上したことなどにより、対前年同四半期比35.4%減の14,963百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は対前年同四半期比36.9%減の10,331百万円となりました。
(注)事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRSへの調整及び非経常項目を除外して算出しております。
セグメントの概況は次のとおりです。
① 加工事業本部
ハム・ソーセージ部門のコンシューマ商品では、主力の「シャウエッセン」において、「シャウエッセンホットチリ」に続く、新たなテイストである「シャウエッセンチェダー&カマンベール」との相乗効果に加え、顧客層の拡大を目的にWebを活用したプロモーションを実施するなど、積極的な拡販に努めました。また、アイテムを拡充し引き続き好調に推移した「アンティエ」やPB商品などが伸長したことにより、売上げは前年を上回りました。業務用商品については、大手外食チャネル、CVSチャネルでのキャンペーンの実施や定番商品の導入により第2四半期から伸長し、ハム・ソーセージ部門全体の売上げは増収となりました。
加工食品部門のコンシューマ商品では、エリアCMの投入や、店頭での積極的な販促活動を行った「石窯工房」の他、ハンバーグ・ミートボール群の売上げが堅調に推移しましたが、飲茶群やカレー等の常温商品群が苦戦した事により、売上げは前年並みとなりました。業務用商品では、惣菜・中食チェーン向けの売上げが減少したことにより、加工食品部門全体の売上げは前年を下回り、加工事業本部の売上げは減収となりました。
利益につきましては、主力ブランド商品の伸長による単価上昇で粗利益率が改善した事に加え、効果的な販促経費の活用や、製造部門における省人化の取組みなどにより、増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の加工事業本部の売上高は対前年同四半期比0.8%減の173,093百万円、事業利益は対前年同四半期比65.9%増の4,566百万円となりました。
② 食肉事業本部
食肉事業においては、ゴールデンウィークや夏場の需要期において、当社ブランド食肉である国産豚肉「麦小町」や国産鶏肉「桜姫」を中心に拡販を行ったほか、北海道日本ハムファイターズを活用した桜姫ナイターの開催や、SNSでのレシピ投稿、バーベキュー情報サイト「BBQ GO!」の更新など、消費者の皆様とのコミュニケーションの強化にも尽力しました。各地の量販店では、3~5月の桜前線と連動したキャンペーンや、当社ブランド食肉の提案、デリカ部門への販売強化を行いました。CVS、外食チャネル向けには、新たにカナダ産、ウルグアイ産牛肉や、抗生物資不使用の豚肉・鶏肉の提案など、幅広いチャネルに向けて営業活動を行いました。その結果、輸入鶏肉をはじめ各畜種および食肉加工品の販売量が伸長し、売上げは前年を上回りました。
利益につきましては、生産部門においては、飼育成績の向上やスマート養豚プロジェクトをはじめ、現場の効率化・省力化に繋がる設備の導入などに努めましたが、国産鶏肉の相場が軟調に推移したことや、人件費の上昇などにより昨年を下回りました。販売部門においては、ブランド食肉や付加価値商品の提案強化に加え、国内外での家畜の疾病や米中貿易交渉の影響による相場変動リスクを踏まえた、幅広い原産国からの安定した商品調達と提案に努めましたが、国産・輸入牛肉が仕入価格高で苦戦したこと、輸入豚肉や国産鶏肉の供給増加により国内の豚肉・鶏肉の販売価格が低迷したこと、夏場の天候不順や物流コストの上昇の影響を受けたことなどにより、全体で減益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の食肉事業本部の売上高は対前年同四半期比2.2%増の387,487百万円、事業利益は対前年同四半期比19.5%減の14,690百万円となりました。
③ 関連企業本部
水産部門は、主力の寿司種の販売強化に取り組みましたが、主要販売先の寿司店や量販店で、価格競争の激化により販売が苦戦したことや、一部魚種で漁獲量減少の影響により取扱い量が減少したことで、売上げは前年を下回りました。
乳製品部門のうち、ヨーグルト・乳酸菌飲料は、量販店チャネルにおいて、価格改定を実施した主力の「バニラヨーグルト」の売上げは伸長しましたが、CVSチャネル向け商品の販売減少や、市場成長の伸び悩みにより競争が激化した乳酸菌飲料の販売が減少し、売上げは前年を下回りました。チーズは、主力の業務用商品において、外食チャネル向けの販売が好調に推移した他、CVSチェーンのデザート向け商品の売上げが増加したこと等により、売上げは前年を上回りました。
利益につきましては、水産部門では、工場の生産性改善等が寄与し、前年を上回りました。乳製品部門のうち、ヨーグルト・乳酸菌飲料は、販売数量の減少に伴う粗利益の減少や、新工場稼動に伴う経費の増加等により、前年を下回りました。チーズは、販売数量の増加に伴う粗利益の増加により、前年を上回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の関連企業本部の売上高は対前年同四半期比8.3%減の69,621百万円、事業利益は対前年同四半期比21.2%増の234百万円となりました。
④ 海外事業本部
売上高につきましては、アジア・欧州事業では、トルコでの鶏肉販売や、中国、台湾での加工食品の販売が伸長しましたが、シンガポールやタイでの原料の輸出入が減少したことにより、微減となりました。米州事業では、米国内における販売が順調に推移し、前年を上回りました。豪州事業では、販売価格が安定して推移したものの、生産の最適化に取り組んだことにより牛生体の集荷頭数が前年より減少し、前年を下回りました。
利益につきましては、アジア・欧州事業では、タイでの加工原料コストが削減できたこと、英国における食肉調達コストが安定的に推移したこと、また、トルコにおける鶏肉の販売が好調であったことなどにより、前年を上回りました。米州事業では、米国内販売で利益が確保できたことや、日本向け輸出原料の調達価格が安定したことなどにより、前年を上回りました。豪州事業では、オーストラリアにおいては安定した販売価格を維持できたことに加え生産・処理コストの改善が進んだこと、また、ウルグアイにおいても生産コストの改善が進んだことなどから、前年を上回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の海外事業本部の売上高は対前年同四半期比0.1%増の131,768百万円、事業利益は1,902百万円(前年同四半期は855百万円の事業損失)となりました。
(2)財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ営業債権及びその他の債権が22,457百万円減少しましたが、棚卸資産が15,090百万円、有形固定資産が23,611百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比4.0%増の770,867百万円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べ営業債務及びその他の債務が1,847百万円、その他の金融負債が2,512百万円それぞれ減少しましたが、有利子負債が34,089百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末比9.0%増の366,397百万円となりました。なお、有利子負債は181,098百万円となりました。有形固定資産及び有利子負債は、当期より適用したIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」)による使用権資産の計上、リース負債の増加によりそれぞれ増加しております。
親会社の所有者に帰属する持分は前連結会計年度末に比べ1,199百万円減少し、399,815百万円となったことに加え、総資産が増加したことから親会社所有者帰属持分比率は2.2ポイント減の51.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加15,743百万円、法人所得税の支払額4,869百万円などがありましたが、税引前四半期利益14,963百万円、営業債権及びその他の債権の減少21,745百万円、減価償却費及び償却費16,437百万円などにより、33,298百万円の純キャッシュ増(前年同四半期は8,911百万円の純キャッシュ増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産等の取得19,385百万円などにより、19,434百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は23,888百万円の純キャッシュ減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加8,903百万円、借入債務による調達19,606百万円などがありましたが、現金配当9,271百万円、借入債務の返済20,099百万円などにより、571百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は1,195百万円の純キャッシュ増)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ12,502百万円増加し、60,610百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は事業及び財務の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。
基本方針の内容
当社の株式は譲渡自由が原則であり、株式市場を通じて多数の投資家の皆様により、自由で活発な取引をしていただいております。よって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方についても、当社株式の自由な取引により決定されることを基本としております。従って、当社の財務及び事業の方針の決定を支配することが可能な量の株式を取得する買付提案等があった場合は、賛同されるか否かの判断についても、最終的には株主の皆様の自由な意思に依拠すべきであると考えております。
但し、当社は株主共同の利益確保と企業価値の毀損防止の観点から、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対し、株主の皆様が当該行為の是非を適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための情報と時間の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じるものといたします。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、1,558百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。