四半期報告書-第76期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/09 13:13
【資料】
PDFをみる
【項目】
18項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間のわが国経済は持ち直しの動きがみられるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として予断を許さない状況となっています。
当業界におきましては、4月の緊急事態宣言発令以降、内食需要の高まりと買い置き特需により、コンシューマ商品が伸長する一方で、外食需要の低迷により業務用商品が苦戦するという状況が続いています。
このような中、当社グループは、2018年4月からスタートした「中期経営計画2020」において、「未来につなげる仕組み作り」をテーマとし、5つの経営方針「既存事業の効率化による収益力の強化」「消費者との対話を通じた価値の創造」「食の未来の構想/実現のための技術力強化・育成」「海外市場展開のギア・チェンジ」「持続可能性(サステナビリティ)の追求」に基づく事業展開を推進してまいりました。具体的施策としては、新型コロナウイルス感染症の影響による内食需要増加に対応した安定供給体制を維持するとともに、組織統合によるシナジー効果の早期発現や内食需要の高まりに対応した新商品の提案、伸長する量販チャネルに向けた販売体制の見直しなどに取り組みました。海外においては、引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えるための対応策を講じるとともに、国内への安定供給に向けた調達先の確保に努めました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、対前年同四半期比6.9%減の573,484百万円となりました。事業利益は対前年同四半期比0.4%増の21,923百万円、税引前四半期利益は前第2四半期連結会計期間において選択定年制度拡充による特例加算金等8,472百万円をその他の費用に計上していたことや、当第2四半期連結累計期間において持分法による投資利益2,308百万円を計上したことなどにより、対前年同四半期比92.0%増の28,730百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は対前年同四半期比88.5%増の19,476百万円となりました。
(注)事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRSへの調整及び非経常項目を除外して算出しております。
セグメントの概況は次のとおりです。
当社グループは、2020年4月1日付で「関連企業本部」を「乳製品・水産事業部」に名称変更し、加工事業本部に統合しました。なお、前年同四半期との比較については、前第2四半期連結累計期間の数値を、当第2四半期連結累計期間のセグメント区分に基づき、組替えた数値で比較をしております。
① 加工事業本部
ハム・ソーセージ部門においては、コンシューマ商品では、TVCM投入効果により主力の「シャウエッセン」が好調に推移し、売上げは前年を上回りました。中元商戦においては、リニューアルした「本格派」が堅調に推移しましたが、中元市場全体の落ち込みの影響などにより、売上げは前年を下回りました。業務用商品では、大手CVSや大手外食チャネル向けの売上げが減少しましたが、コンシューマの伸長に伴いハム・ソーセージ部門全体の売上げは前年を上回りました。
加工食品部門においては、コンシューマ商品では、「石窯工房」を含むピザ群や「中華名菜」を含むワンクック群、常温商品群などが好調に推移し、売上げは前年を上回りました。業務用商品では、ラーメン店向けのエキス加工品や居酒屋チェーンなどの外食チャネル向けの売上げが減少した事により、加工食品部門全体の売上げは前年を下回りました。
乳製品部門においては、ヨーグルト・乳酸菌飲料では、主力の「バニラヨーグルト」が好調に推移しましたが、チーズでは、主力の製パンルートや外食チャネル向け売上げの落ち込みをカバーできず、売上げは前年を下回りました。
水産事業部門においては、寿司種やサーモン加工品の拡販に努め、量販店チャネル向け売上げは伸長しましたが、寿司店を含む外食チャネル向けが苦戦し、売上げは前年を下回りました。
利益につきましては、主力ブランド商品の伸長に伴う売上単価上昇で粗利益率が改善したことに加え、販促費用の見直しや、製造部門における機械化、省人化の取組みなどにより、増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の加工事業本部の売上高は対前年同四半期比2.8%減の253,290百万円、事業利益は対前年同四半期比22.7%増の6,414百万円となりました。
② 食肉事業本部
食肉事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中、健康志向の高まりや、自宅での料理需要に応えるべく、ブランド食肉への栄養成分量を表示した販促物の活用や、SNSでのレシピ発信、さらには当該レシピのQRコードを店頭販促物にも拡大展開するなど、伸長した量販店チャネルへの取組みを強化しました。また、外食店の営業自粛要請などにより需要の高まりを見せるテイクアウト・宅配といった新たな伸長チャネルに対しても、積極的に販売提案を実施しました。
その結果、量販店向けの国産鶏肉・国産豚肉などの販売数量は伸長したものの、輸入食肉を中心とした外食・卸売向け需要については新型コロナウイルス感染症の影響により十分に回復せず、売上げは前年を下回りました。
利益につきましては、生産部門では、新農場稼働による出荷数量増加に加え、国産鶏肉・国産豚肉の相場上昇、飼料単価低下などの影響もあり、増益となりました。販売部門では、各国で新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、市況を見据え、幅広い原産国からの安定した商品調達と提案を実施しました。特に量販店での定番アイテム拡大に向けた提案や、ブランド食肉の販売強化、抗生物質不使用などの付加価値商品の提案などに努めた結果、増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の食肉事業本部の売上高は対前年同四半期比4.6%減の361,691百万円、事業利益は対前年同四半期比27.9%増の18,197百万円となりました。
③ 海外事業本部
売上高につきましては、アジア・欧州事業では、タイでの販売数量減少が続いたことや、ベトナムやトルコでの新型コロナウイルス感染症の影響による需要の落ち込みが続いたことにより、前年を下回りました。米州事業では、米国での豚肉輸出数量や量販店での加工食品の販売数量が順調に推移したことや、チリにおける水産品および豚肉輸出数量が順調に推移したことにより、前年を上回りました。豪州事業では、オーストラリアでの牛集荷頭数の減少や中国向けの需要の減少に加えて、ウルグアイでの中国向け販売の数量減少により、前年を下回りました。
利益につきましては、アジア・欧州事業では、タイでの製造数量減少や、トルコでの低調な販売単価と飼料価格高などにより、前年を下回りました。米州事業では、米国での加工食品の販売数量が増加したことや、チリでの水産物販売の収益が改善したことにより、前年を上回りました。豪州事業では、オーストラリアにおいて牛集荷価格の高値継続や集荷頭数の減少で集荷環境が悪化したことや中国を中心とした販売価格も低調だったことに加えて、ウルグアイでも牛集荷価格が下がらず、また中国向け輸出の販売単価も低調だったことにより、前年を下回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の海外事業本部の売上高は対前年同四半期比15.5%減の111,385百万円、事業利益は、対前年同四半期比73.3%減の508百万円となりました。
(2)財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び現金同等物が6,965百万円、営業債権及びその他の債権が6,532百万円それぞれ減少しましたが、有形固定資産が21,089百万円、その他の金融資産が1,789百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比1.7%増の782,074百万円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べその他の金融負債が6,003百万円、その他の流動負債が4,909百万円それぞれ減少しましたが、有利子負債が13,372百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末比0.7%増の354,686百万円となりました。なお、有利子負債は189,865百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は前連結会計年度末に比べ11,526百万円増加の415,940百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は0.6ポイント増の53.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税の支払額6,523百万円、その他の負債の減少4,889百万円などがありましたが、税引前四半期利益28,730百万円、減価償却費及び償却費16,935百万円、営業債権及びその他の債権の減少6,684百万円などにより、34,428百万円の純キャッシュ増(前年同四半期は33,298百万円の純キャッシュ増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産等の取得36,919百万円などにより、36,528百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は19,434百万円の純キャッシュ減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入債務による調達15,101百万円などがありましたが、現金配当9,268百万円、借入債務の返済18,393百万円などにより、4,697百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は571百万円の純キャッシュ減)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ6,965百万円減少し、65,434百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、1,601百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。