四半期報告書-第77期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)経営成績
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きがみられるものの、足下では変異株による感染の再拡大が懸念されています。
当業界におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の長期化により、特に外食需要の減退による業務用商品の低迷の継続や、原材料の世界的な需要増と穀物市況の高騰によるコストの上昇など、先行き不透明な状況ではありますが、一部では回復傾向が見られるなど、明るい兆しも出てきております。
このような中、当社グループは、「2030年の目指す姿」として掲げたニッポンハムグループ「Vision2030」“たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向けたマイルストーンとして 2021年4月からスタートした「中期経営計画2023」において、4つの経営方針「収益性を伴ったサステナブルな事業モデルへのシフト」「海外事業における成長モデルの構築」「新たな商品・サービスによる、新しい価値の提供」「ビジョン実現に向けたコーポレート機能の強化」に基づく事業展開を推進してまいりました。当第3四半期におきましては、国内では、引き続き新型コロナウイルス感染症対策の徹底により安定供給体制を維持するとともに、新たな生活様式の定着やSDGsの達成を目的としたESGなどの社会課題への意識の高まりを背景として、環境変化に柔軟に対応するための調達、生産、物流、営業体制の継続強化を図りました。加えて、「疲労感の軽減」と「記憶力の維持」をサポートする機能性表示食品「IMIDEA(イミディア)」の発売やD2C(Direct to Consumer)の取組みなど新規領域へのチャレンジ、2023年の新球場開業を見据えた北海道プロジェクトや、経営基盤強化のためのDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進などに取り組みました。海外では、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えるための対応策を講じるとともに、国内への安定供給に向けた調達先の確保に努めました。グループ横断の施策については、「Vision2030」“たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向けたグループ従業員への周知活動や「中期経営計画2023」の各種施策に連動したKPIマネジメントによるROIC経営の推進、「ニッポンハムグループ・コーポレートガバナンス基本方針」に沿って、その充実に努めました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、対前年同四半期比5.6%増の953,239百万円となりました。事業利益は対前年同四半期比0.5%増の44,130百万円、税引前四半期利益は対前年同四半期比13.2%増の50,237百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は対前年同四半期比28.9%増の36,747百万円となりました。
(注)事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRSへの調整及び非経常項目を除外して算出しております。
セグメントの概況は次のとおりです。
当社グループは、第1四半期連結累計期間より、新たな事業領域への拡充を図る目的で、球団事業及び新規事業等を「その他」に区分して開示しております。
① 加工事業本部
ハム・ソーセージ部門の売上げにおいては、主力の「シャウエッセン」の拡販や、SNSを活用した広告を投入したことで若年層顧客の獲得を図りましたが、新型コロナウイルス感染症の影響をカバーできず、量販チャネル向けは前年を下回りました。業務用チャネル向けについては、感染状況が落ち着いたことによる需要増により前年を上回りました。歳暮商戦においては、ブランドギフトが堅調に推移し、市場並みに推移しましたが、歳暮ギフト全体の売上げは前年を下回りました。
加工食品部門の売上げにおいては、主力の「石窯工房」がスナック需要の拡大により大きく伸長したことや、常温で保存可能な新商品「あじわいレンジ」の上乗せなどにより昨年の新型コロナウイルス感染症の影響をカバーし、量販店チャネル向けが増加しました。さらにエキス・一次加工品を含む業務用チャネル向けの売上げも回復し、売上げは前年を上回りました。
乳製品部門の売上げにおいては、主力の「バニラヨーグルト」が好調に推移したことに加え、業務用チーズの外食チャネルや食品メーカー向けが伸長したことにより、前年を上回りました。
水産部門の売上げにおいては、ダイスサーモンを中心とした自社工場製品や寿司種の拡販に努めたことにより、量販店チャネル向けが好調に推移したことに加え、寿司店を中心とした外食チャネル向けも伸長し、前年を上回りました。
加工事業本部全体の利益につきましては、原材料価格や燃料費などが想定を上回る急激な上昇となったことに加え、数量増加に伴う労務費の上昇やDX構築に向けた先行費用が増加したことで減益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の加工事業本部の売上高は対前年同四半期比1.5%増の382,846百万円、事業利益は対前年同四半期比11.8%減の14,133百万円となりました。
② 食肉事業本部
販売部門においては、緊急事態宣言の解除により、外食・卸売向け市場が回復の兆しを見せ、また、輸入品を中心に調達価格が上昇する中、販売価格への反映に向けて商談を実施しましたが、量販店を中心とした内食需要において消費者の節約志向が継続し、減益となりました。そのような状況の中、外食・ドラッグストアへの提案強化や、羊肉の食文化普及に向けた報道向けセミナーの開催、リブランディングした国産牛肉「玄米牛」の積極提案などにより、販路や利益の拡大に努めました。
調達部門においては、主要調達国の内需拡大・労働力不足、世界的な輸送費の上昇・コンテナ不足、入船の遅れなどにより、商品調達に混乱が生じました。このような状況の中、「たんぱく質の安定供給による食生活への貢献」に向け、ウルグアイ産ビーフをはじめとした第三国からの商品調達や様々な調達手段を駆使しつつ安定供給の継続に努めました。また、国産牛肉・豚肉・鶏肉の輸出における販路・アイテムの拡大にも取り組んだ結果、利益を確保いたしました。
生産部門においては、防疫体制を徹底し、内部コストの改善や、自社処理工場の稼働率向上などに取り組みましたが、飼料相場高騰の影響を受け、減益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の食肉事業本部の売上高は対前年同四半期比3.6%増の522,693百万円、事業利益は対前年同四半期比5.9%減の30,460百万円となりました。
③ 海外事業本部
アジア・欧州事業においては、加工品販売がアセアンで昨年並み、中華圏では減少したものの、トルコでの鶏肉販売や英国での食肉輸出が好調に推移したことにより、売上げは前年を上回りました。利益につきましては、タイでの加工品原料高や中華圏での販売数量減少による減益が発生したものの、トルコでの販売価格の高値維持による収益増の影響により、増益となりました。
米州事業においては、米国での豚肉輸出数量や量販店での加工食品の販売数量、チリやメキシコでの豚肉輸出数量が順調に推移したことにより、売上げは前年を上回りました。利益につきましては、米国での輸出用豚肉原料価格や加工食品原料価格の高値維持により、減益となりました。
豪州事業においては、オーストラリアでの牛集荷頭数に苦戦する中、輸出および内販ともに販売価格が好調に推移し、ウルグアイは中国向け販売が順調に推移したことにより、売上げは前年を上回りました。利益につきましては、オーストラリアでは牛集荷価格の高値が継続しましたが、販売価格が好調に推移したことや工場稼働の効率化に取り組んだ結果、増益となりました。ウルグアイでも中国向け販売などの高値継続により、増益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の海外事業本部の売上高は対前年同四半期比17.4%増の199,323百万円、事業利益は対前年同四半期比575.5%増の2,209百万円となりました。
④その他
球団事業である北海道日本ハムファイターズにおいては、2021年レギュラーシーズンをパシフィック・リーグ5位で終えました。新型コロナウイルス感染症による入場者数の制限により、観客動員数は低迷しましたが、感染症対策の徹底で主催試合を開催できたことにより、売上げ、利益ともに前年を上回りました。来シーズンは新たに新庄監督を迎え、今後のキャンプを通じて新チームを作り上げ、引き続き感染症対策を講じながら万全の態勢で来シーズンの開幕を迎えられるよう、取り組んでまいります。
中央研究所で取り組んでいるヘルスサポート事業においては、国内では、「食品開発展2021」に出展し、機能性食品素材や食品検査キットの紹介を行うなど積極的な販売促進活動を行いました。また、健康食品においては、自社のECサイトにおいて機能性表示食品「IMIDEA(イミディア)」の発売を開始しました。海外では、台北で開催された「BIO Asia-Taiwan2021」に出展し、機能性食品素材の紹介やオンライン商談を実施しました。
新規事業においては、将来の環境変化を見据えた新たな成長領域への取組みを加速し、具体的な事業化を推進するとともに、グループの挑戦する風土の醸成にもつなげるため、4月1日より新規事業推進部を新設し、新たな顧客層の獲得に向けた商品、サービスの検討を進めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のその他の売上高は対前年同四半期比20.1%増の11,361百万円、事業損失は208百万円(前年同四半期は805百万円の事業損失)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び現金同等物が23,877百万円、使用権資産が3,973百万円それぞれ減少しましたが、営業債権及びその他の債権が62,287百万円、棚卸資産が18,509百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比9.3%増の902,437百万円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べ未払法人所得税が8,077百万円減少しましたが、有利子負債24,094百万円、営業債務及びその他の債務が30,513百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比13.0%増の430,744百万円となりました。なお、有利子負債は217,844百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は前連結会計年度末に比べ27,330百万円増加の460,925百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は1.4ポイント減の51.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益50,237百万円、営業債務及びその他の債務の増加30,809百万円などがありましたが、営業債権及びその他の債権の増加62,610百万円、棚卸資産の増加18,640百万円、法人所得税の支払額20,193百万円などにより、5,293百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は34,724百万円の純キャッシュ増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産等の取得34,862百万円などにより、30,449百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は44,064百万円の純キャッシュ減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、現金配当9,610百万円、借入債務の返済38,809百万円などがありましたが、短期借入金の増加36,719百万円、借入債務による調達23,024百万円などにより、11,695百万円の純キャッシュ増(前年同四半期は809百万円の純キャッシュ増)となりました。
これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ23,877百万円減少し、59,954百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、2,497百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、抗酸化作用を持ち日常生活の一時的な身体的・精神的疲労感を軽減するとともに加齢によって低下する中高年の方の記憶力(情報を覚え、思い出す力)を維持する機能を有する鶏由来成分「イミダゾールジペプチド(以下、イミダ)」を配合した機能性表示食品「IMIDEA(イミディア)」を開発し、自社ECサイトにて発売を開始いたしました。当社中央研究所が2019年に国内と欧州で取得した「イミダ」を成分とする認知機能改善の特許権を活用した商品となります。(特許第6588666号、欧州特許第3124034号)
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当第3四半期連結累計期間において著しい変動があったものは、次の通りであります。
なお、当社グループは、第1四半期連結累計期間より、新たな事業領域への拡大を図る目的で、球団事業及び新規事業を「その他」に区分して開示しており、前連結会計年度末の球団事業及び新規事業の設備計画については、「消去調整他」に887百万円を含めておりました。
(1)経営成績
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きがみられるものの、足下では変異株による感染の再拡大が懸念されています。
当業界におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の長期化により、特に外食需要の減退による業務用商品の低迷の継続や、原材料の世界的な需要増と穀物市況の高騰によるコストの上昇など、先行き不透明な状況ではありますが、一部では回復傾向が見られるなど、明るい兆しも出てきております。
このような中、当社グループは、「2030年の目指す姿」として掲げたニッポンハムグループ「Vision2030」“たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向けたマイルストーンとして 2021年4月からスタートした「中期経営計画2023」において、4つの経営方針「収益性を伴ったサステナブルな事業モデルへのシフト」「海外事業における成長モデルの構築」「新たな商品・サービスによる、新しい価値の提供」「ビジョン実現に向けたコーポレート機能の強化」に基づく事業展開を推進してまいりました。当第3四半期におきましては、国内では、引き続き新型コロナウイルス感染症対策の徹底により安定供給体制を維持するとともに、新たな生活様式の定着やSDGsの達成を目的としたESGなどの社会課題への意識の高まりを背景として、環境変化に柔軟に対応するための調達、生産、物流、営業体制の継続強化を図りました。加えて、「疲労感の軽減」と「記憶力の維持」をサポートする機能性表示食品「IMIDEA(イミディア)」の発売やD2C(Direct to Consumer)の取組みなど新規領域へのチャレンジ、2023年の新球場開業を見据えた北海道プロジェクトや、経営基盤強化のためのDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進などに取り組みました。海外では、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えるための対応策を講じるとともに、国内への安定供給に向けた調達先の確保に努めました。グループ横断の施策については、「Vision2030」“たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向けたグループ従業員への周知活動や「中期経営計画2023」の各種施策に連動したKPIマネジメントによるROIC経営の推進、「ニッポンハムグループ・コーポレートガバナンス基本方針」に沿って、その充実に努めました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、対前年同四半期比5.6%増の953,239百万円となりました。事業利益は対前年同四半期比0.5%増の44,130百万円、税引前四半期利益は対前年同四半期比13.2%増の50,237百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は対前年同四半期比28.9%増の36,747百万円となりました。
(注)事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRSへの調整及び非経常項目を除外して算出しております。
セグメントの概況は次のとおりです。
当社グループは、第1四半期連結累計期間より、新たな事業領域への拡充を図る目的で、球団事業及び新規事業等を「その他」に区分して開示しております。
① 加工事業本部
ハム・ソーセージ部門の売上げにおいては、主力の「シャウエッセン」の拡販や、SNSを活用した広告を投入したことで若年層顧客の獲得を図りましたが、新型コロナウイルス感染症の影響をカバーできず、量販チャネル向けは前年を下回りました。業務用チャネル向けについては、感染状況が落ち着いたことによる需要増により前年を上回りました。歳暮商戦においては、ブランドギフトが堅調に推移し、市場並みに推移しましたが、歳暮ギフト全体の売上げは前年を下回りました。
加工食品部門の売上げにおいては、主力の「石窯工房」がスナック需要の拡大により大きく伸長したことや、常温で保存可能な新商品「あじわいレンジ」の上乗せなどにより昨年の新型コロナウイルス感染症の影響をカバーし、量販店チャネル向けが増加しました。さらにエキス・一次加工品を含む業務用チャネル向けの売上げも回復し、売上げは前年を上回りました。
乳製品部門の売上げにおいては、主力の「バニラヨーグルト」が好調に推移したことに加え、業務用チーズの外食チャネルや食品メーカー向けが伸長したことにより、前年を上回りました。
水産部門の売上げにおいては、ダイスサーモンを中心とした自社工場製品や寿司種の拡販に努めたことにより、量販店チャネル向けが好調に推移したことに加え、寿司店を中心とした外食チャネル向けも伸長し、前年を上回りました。
加工事業本部全体の利益につきましては、原材料価格や燃料費などが想定を上回る急激な上昇となったことに加え、数量増加に伴う労務費の上昇やDX構築に向けた先行費用が増加したことで減益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の加工事業本部の売上高は対前年同四半期比1.5%増の382,846百万円、事業利益は対前年同四半期比11.8%減の14,133百万円となりました。
② 食肉事業本部
販売部門においては、緊急事態宣言の解除により、外食・卸売向け市場が回復の兆しを見せ、また、輸入品を中心に調達価格が上昇する中、販売価格への反映に向けて商談を実施しましたが、量販店を中心とした内食需要において消費者の節約志向が継続し、減益となりました。そのような状況の中、外食・ドラッグストアへの提案強化や、羊肉の食文化普及に向けた報道向けセミナーの開催、リブランディングした国産牛肉「玄米牛」の積極提案などにより、販路や利益の拡大に努めました。
調達部門においては、主要調達国の内需拡大・労働力不足、世界的な輸送費の上昇・コンテナ不足、入船の遅れなどにより、商品調達に混乱が生じました。このような状況の中、「たんぱく質の安定供給による食生活への貢献」に向け、ウルグアイ産ビーフをはじめとした第三国からの商品調達や様々な調達手段を駆使しつつ安定供給の継続に努めました。また、国産牛肉・豚肉・鶏肉の輸出における販路・アイテムの拡大にも取り組んだ結果、利益を確保いたしました。
生産部門においては、防疫体制を徹底し、内部コストの改善や、自社処理工場の稼働率向上などに取り組みましたが、飼料相場高騰の影響を受け、減益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の食肉事業本部の売上高は対前年同四半期比3.6%増の522,693百万円、事業利益は対前年同四半期比5.9%減の30,460百万円となりました。
③ 海外事業本部
アジア・欧州事業においては、加工品販売がアセアンで昨年並み、中華圏では減少したものの、トルコでの鶏肉販売や英国での食肉輸出が好調に推移したことにより、売上げは前年を上回りました。利益につきましては、タイでの加工品原料高や中華圏での販売数量減少による減益が発生したものの、トルコでの販売価格の高値維持による収益増の影響により、増益となりました。
米州事業においては、米国での豚肉輸出数量や量販店での加工食品の販売数量、チリやメキシコでの豚肉輸出数量が順調に推移したことにより、売上げは前年を上回りました。利益につきましては、米国での輸出用豚肉原料価格や加工食品原料価格の高値維持により、減益となりました。
豪州事業においては、オーストラリアでの牛集荷頭数に苦戦する中、輸出および内販ともに販売価格が好調に推移し、ウルグアイは中国向け販売が順調に推移したことにより、売上げは前年を上回りました。利益につきましては、オーストラリアでは牛集荷価格の高値が継続しましたが、販売価格が好調に推移したことや工場稼働の効率化に取り組んだ結果、増益となりました。ウルグアイでも中国向け販売などの高値継続により、増益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の海外事業本部の売上高は対前年同四半期比17.4%増の199,323百万円、事業利益は対前年同四半期比575.5%増の2,209百万円となりました。
④その他
球団事業である北海道日本ハムファイターズにおいては、2021年レギュラーシーズンをパシフィック・リーグ5位で終えました。新型コロナウイルス感染症による入場者数の制限により、観客動員数は低迷しましたが、感染症対策の徹底で主催試合を開催できたことにより、売上げ、利益ともに前年を上回りました。来シーズンは新たに新庄監督を迎え、今後のキャンプを通じて新チームを作り上げ、引き続き感染症対策を講じながら万全の態勢で来シーズンの開幕を迎えられるよう、取り組んでまいります。
中央研究所で取り組んでいるヘルスサポート事業においては、国内では、「食品開発展2021」に出展し、機能性食品素材や食品検査キットの紹介を行うなど積極的な販売促進活動を行いました。また、健康食品においては、自社のECサイトにおいて機能性表示食品「IMIDEA(イミディア)」の発売を開始しました。海外では、台北で開催された「BIO Asia-Taiwan2021」に出展し、機能性食品素材の紹介やオンライン商談を実施しました。
新規事業においては、将来の環境変化を見据えた新たな成長領域への取組みを加速し、具体的な事業化を推進するとともに、グループの挑戦する風土の醸成にもつなげるため、4月1日より新規事業推進部を新設し、新たな顧客層の獲得に向けた商品、サービスの検討を進めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のその他の売上高は対前年同四半期比20.1%増の11,361百万円、事業損失は208百万円(前年同四半期は805百万円の事業損失)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び現金同等物が23,877百万円、使用権資産が3,973百万円それぞれ減少しましたが、営業債権及びその他の債権が62,287百万円、棚卸資産が18,509百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比9.3%増の902,437百万円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べ未払法人所得税が8,077百万円減少しましたが、有利子負債24,094百万円、営業債務及びその他の債務が30,513百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比13.0%増の430,744百万円となりました。なお、有利子負債は217,844百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は前連結会計年度末に比べ27,330百万円増加の460,925百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は1.4ポイント減の51.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益50,237百万円、営業債務及びその他の債務の増加30,809百万円などがありましたが、営業債権及びその他の債権の増加62,610百万円、棚卸資産の増加18,640百万円、法人所得税の支払額20,193百万円などにより、5,293百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は34,724百万円の純キャッシュ増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産等の取得34,862百万円などにより、30,449百万円の純キャッシュ減(前年同四半期は44,064百万円の純キャッシュ減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、現金配当9,610百万円、借入債務の返済38,809百万円などがありましたが、短期借入金の増加36,719百万円、借入債務による調達23,024百万円などにより、11,695百万円の純キャッシュ増(前年同四半期は809百万円の純キャッシュ増)となりました。
これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ23,877百万円減少し、59,954百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、2,497百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、抗酸化作用を持ち日常生活の一時的な身体的・精神的疲労感を軽減するとともに加齢によって低下する中高年の方の記憶力(情報を覚え、思い出す力)を維持する機能を有する鶏由来成分「イミダゾールジペプチド(以下、イミダ)」を配合した機能性表示食品「IMIDEA(イミディア)」を開発し、自社ECサイトにて発売を開始いたしました。当社中央研究所が2019年に国内と欧州で取得した「イミダ」を成分とする認知機能改善の特許権を活用した商品となります。(特許第6588666号、欧州特許第3124034号)
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当第3四半期連結累計期間において著しい変動があったものは、次の通りであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 計画金額(百万円) | 設備等の主な内容・目的 | 資金調達方法 |
加工事業本部 | 11,630 | ハム・ソーセージ及び加工食品の生産設備及び営業設備等の増設及び更新 | 自己資金及び借入金等 |
食肉事業本部 | 18,620 | 食肉の生産飼育設備、加工、処理設備及び営業設備の増設・更新及び充実 | 同上 |
その他 | 20,710 | 新球場の建設及び新規事業関連設備 | 同上 |
なお、当社グループは、第1四半期連結累計期間より、新たな事業領域への拡大を図る目的で、球団事業及び新規事業を「その他」に区分して開示しており、前連結会計年度末の球団事業及び新規事業の設備計画については、「消去調整他」に887百万円を含めておりました。