有価証券報告書-第81期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調が続いておりますが、地政学的リスクや世界経済の不確実性により、先行き不透明な状況で推移しました。
菓子・食品業界におきましても、消費動向は予断を許さない状況の中、企業間の競争は激化し、人件費や物流コストが上昇するなど、厳しい経営環境が続いています。
このような状況のもと、期初の4月21日~5月14日に地元三重県伊勢市で開催されたお菓子の祭典、第27回全国菓子大博覧会・三重「お伊勢さん菓子博2017」に積極的に参加し、成果を上げる事ができました。また、当年度は創業120年、会社設立70周年、持株会社制移行7年目となる周年記念年次を迎えました。当社グループは周年のテーマを“挑む!(Challenge)”として、「変わる(Change)」「創る(Create)」「つなげる(Continue)」の3つのCを実践するとともに、経営実行項目である「リスクマネジメントの実践による新たなBCPの確立」と「生産性の向上」に取り組み、中期3カ年計画「One imuraya 2017」の最終年度の経営目標達成に向け事業活動を展開しました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、流通事業では点心・デリカテゴリーを中心に全カテゴリーの売上が増加しました。また、4月1日に事業会社2社が合併し、新たにスタートした井村屋フーズ株式会社のBtoB事業の受注も堅調に推移しました。その結果、連結売上高は、前期比30億63百万円(7.3%)増の450億61百万円となりました。
損益面では、設備投資の効果や生産性向上活動によりコスト低減が図られ、利益率が向上いたしました。また、海外事業では損益の改善が図られました。
その結果、営業利益は14億90百万円(前期比2億57百万円(20.9%)の増加)、経常利益は14億95百万円(前期比1億89百万円(14.5%)の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億12百万円(前期比3億95百万円(55.2%)の増加)となり、売上高、各利益とも過去最高の業績となりました。
また、2017年12月7日に当社株式は東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。併せて実施したエクイティ・ファイナンスによる調達資金は新工場の設備投資に有効活用し、将来への継続的発展を目指して挑み続けてまいります。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
① 流通事業
菓子カテゴリー、食品カテゴリーでは、技術的な評価が高まっている煮あずき製法を活用した新商品や健康・機能性をテーマとした新商品を発売し、2N(Next New)の創造に取り組みました。冷菓カテゴリーでは主力商品「あずきバー」シリーズの売上が増加し、年間売上本数は2億75百万本と過去最高の売上本数となりました。「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーでは新工場が7月より稼動し、より付加価値の高い商品販売を行い売上が伸長しました。食品カテゴリーの「冷凍まん」、デイリーチルドカテゴリーの「チルドまん」を含めた「肉まん・あんまん類」の売上高は前年同期比17億50百万円(14.9%)増の134億95百万円となり、過去最高の売上高となりました。また、SNSを活用し、顧客とのダイレクトなつながりを強化する事で話題性が高まり、広告宣伝、販売促進にも効果を発揮しました。その結果、流通事業の売上高は、前期比26億12百万円(7.1%)増の394億83百万円となり、セグメント利益は前期比2億62百万円(11.9%)増の24億71百万円となりました。
流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。
(菓子カテゴリー)
ようかん類で新商品の「煮小豆ようかん」が順調に推移しました。焼き菓子では、「和菓子屋のどら焼き」シリーズが着実に売上を伸ばし、新商品の「煮小豆どら焼」が好評をいただきました。中国のカステラ事業では井村屋(北京)食品有限公司(IBF)において中国国内のOEM商品受託など新規ルート開拓が進むとともに米国向けの輸出が増加しました。その結果、菓子カテゴリーの売上高は、前年比2億45百万円(5.4%)増の47億90百万円となりました。
(食品カテゴリー)
健康・機能性をテーマとした新技術商品「煮小豆」や「カロリーハーフゆであずき(煮あずき製法)」が順調に推移しました。また、冬物商品の「おしるこ」「ぜんざい」シリーズ、「冷凍まん」シリーズも売上が増加しました。BtoB事業の井村屋フーズ株式会社では、加工食品のOEM受託事業で売上を伸ばしました。その結果、食品カテゴリーの売上高は前期比4億2百万円(6.1%)増の69億64百万円となりました。
(デイリーチルドカテゴリー)
「豆腐」類は「美し豆腐」や業務用商品が堅調に推移しました。また、「チルドまん」シリーズの売上が伸長しました。その結果、デイリーチルドカテゴリーの売上高は、前期比1億8百万円(4.0%)増の28億5百万円となりました。
(冷菓カテゴリー)
主力商品「あずきバー」シリーズが順調に推移し、過去最高の売上本数となりました。また、「やわもちアイス」シリーズは新商品の「やわもちアイス 安納芋カップ」、「やわもちアイス みたらし」が好評をいただきました。米国アイス事業のIMURAYA USA, INC.では、井村屋ブランド商品「もちアイス」の大手量販店への導入が計画に沿って進み、売上が伸長しました。その結果、冷菓カテゴリーの売上高は前期比3億1百万円(2.3%)増の136億30百万円となりました。
(点心・デリカテゴリー)
「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーではコンビニエンスストアへの付加価値の高い商品提案を行い売上が大きく増加しました。また、新ジャンルの「ベイクド・デリ」シリーズも売上を伸ばしました。その結果、点心・デリカテゴリーの売上高は前期比15億35百万円(16.7%)増の107億18百万円となりました。
(スイーツカテゴリー)
スイーツカテゴリーでは、「Anna Miller's(アンナミラーズ)高輪店」が堅調に推移しました。「JOUVAUD(ジュヴォー)」では、「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)KITTE名古屋店」において特長あるメレンゲ菓子の「生ロカイユ」がテイクアウト商品として継続して人気を集めております。また、東京、名古屋、京都、福岡においてバレンタイン催事、ホワイトデー催事に出店し、好評をいただきました。その結果、スイーツカテゴリーの売上高は前期比18百万円(3.4%)増の5億74百万円となりました。
② 調味料事業
国内では井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業において、ODM(Original Design Manufacturing)市場での新規顧客獲得やお客様ニーズに対応した商品提案に取り組み、引き続き順調に推移しました。また、継続的な生産性向上活動によりロス、ミス、ムダの削減が図られ、原価が低減しました。中国の調味料事業では、北京の北京京日井村屋食品有限公司(JIF)において中国国内の新規販路ルート拡大により、売上が増加しました。大連の井村屋(大連)食品有限公司(IDF)でもコストの低減が図られました。その結果、調味料事業の売上高は、前期比4億57百万円(9.3%)増の53億49百万円となり、セグメント利益は前期比93百万円(25.6%)増の4億56百万円となりました。
③ その他の事業
イムラ株式会社が行っているリース代理業は堅調に推移しました。また、井村屋商品のアウトレット販売を行っております「MOTTAINAI屋」はお客様へのサービス向上に取り組み、地域住民の皆様から引き続き好評をいただきました。本社所在地である三重県津市の近鉄津駅構内に出店している「imuraya Sweets Shop irodori」では特色のあるスイーツ商品を中心に販売し、人気を得ております。また、井村屋グループ株式会社の賃貸事業を加えた、売上高は2億28百万円となり、セグメント利益は51百万円となりました。
2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、33億75百万円となり、前連結会計年度末比で25億81百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は14億98百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は7億79百万円減少いたしました。この減少の主な要因は、当連結会計年度末日が金融機関の休日だったことによる売上債権の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は31億88百万円となり、前連結会計年度に比べ、支出は6億33百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の収入は43億23百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は41億18百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、自己株式の売却、新株発行実施によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産等の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
1) 生産等の状況
(1) 生産実績
(注) 1.金額は、製造原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他の事業における生産実績はありません。
(2) 製品仕入実績
(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.調味料事業、その他の事業における製品仕入はありません。
(3) 商品仕入実績
(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.調味料事業における商品仕入はありません。
2) 受注状況
当社グループでは、流通事業及び調味料事業において一部受注生産を行っております。なお、金額は僅少のため記載を省略しております。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣による重要な会計方針に関する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。
経営陣は、売掛債権、たな卸資産等について継続して評価を行っておりますが、その見積り及び判断は、判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字の基礎となります。しかし、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループでは、重要な会計方針のうち特に以下の事項が、連結財務諸表において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響があるものと考えております。
①その他有価証券の減損において50%超の投資価値の下落は強制減損しているが下落30%から50%までのものの取扱い
②不動在庫等があった場合の販売見込み金額の検討による期末評価及び“不動”の定義
③貸倒懸念債権等についての回収不能見込額
④退職給付会計における退職給付費用及び債務算出の前提となる割引率や年金資産の期待収益率等の検討・判断
⑤継続的な税務計画の検討による繰延税金資産の将来実現の検討・判断
⑥減損会計における資産の収益性および投資回収率の低下に伴う資産価値の下落
⑦有形固定資産の除去に伴う資産除去債務費用の計上
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から30億63百万円増加(前期比7.3%増)し、450億61百万円となりました。売上高等の詳細については「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]の1)業績」に記載のとおりですが、さらに前連結会計年度と比較した当連結会計年度の事業別売上高実績を示すと下記のとおりであります。
(営業利益)
売上原価は、前連結会計年度から22億36百万円増加(前期比7.9%増)し、305億58百万円となりました。売上原価率は前年より0.4%増加の67.8%となっております。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から5億69百万円増加(前期比4.6%増)し、130億12百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度から2億57百万円増加(前期比20.9%増)し、14億90百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度から1億89百万円増加(前期比14.5%増)し、14億95百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から3億95百万円増加(前期比55.2%増)し、11億12百万円となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
(資産の部)
総資産は333億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億84百万円の増加となりました。流動資産は、増資に伴う現預金の増加や月末銀行休業日の影響による売掛金の増加などにより、49億48百万円増の149億7百万円となりました。固定資産は、点心・デリ工場の新設などにより、22億44百万円増の184億40百万円となりました。
(負債の部)
負債は181億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億23百万円の増加となりました。流動負債は、夏物商品の生産に連動した買掛金の増加や短期借入金の増加などにより、32億65百万円増の157億52百万円となりました。固定負債は長期借入金の増加などにより、57百万円増の24億21百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は増資及び自己株式処分に伴う株主資本の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより、38億60百万円増の151億85百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末43.2%から45.4%へ増加しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境は、需要の低迷から価格競争の激化が進むなど厳しい状況が続いております。
これらの個人消費基調に加え、当社グループでは流通事業の製品の季節商品の占める割合が高いこと及び調味料事業の主要取引先が即席麺業界であることなどから、気象状況が経営成績に大きな影響を及ぼします。
また製造過程では、原料として使用する農作物の天候条件による不作等での高騰、国際原油価格の動向による包装資材の上昇等直接・間接的な影響が考えられます。
それら経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」にも記載しております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループとしては、このような状況を踏まえて、「和と自然」の味を食に生かし、楽しさと健康に寄与する食メーカーを目指すことをビジョンに掲げ、継続的なイノベーションで、特色経営をさらに磨き、着実な成長によって社会に貢献するグループ企業を目指すため、グループ経営の大事な要素として、“①長期的に、継続的に安定した利益を創出できる経営体制の創出、②コーポレート・ガバナンス(企業統治)の適正化による企業価値の向上”を中心に経営戦略を実施し、業績の向上、持続的成長に向け今後も邁進する所存であります。これらの具体的な取り組みは、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
新年度につきましては「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」にも記載しておりますが、強固なグループ体質を構築するため営業利益に強い意識を注ぎ、営業利益の確保に向けた変革の実行に取り組んでまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の状況は、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]の2)キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営者は経営方針の策定に当たり、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の立案を行うよう努めておりますが、当社グループを取り巻く環境におきましては、消費動向は依然不透明で企業間競争もさらに厳しさが続くものと予測され、また様々なリスクの可能性もあり予断を許さない状況であります。
当社グループは、2018年4月より策定した中期3ヶ年計画に取り組んでおり、目標達成に向け取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調が続いておりますが、地政学的リスクや世界経済の不確実性により、先行き不透明な状況で推移しました。
菓子・食品業界におきましても、消費動向は予断を許さない状況の中、企業間の競争は激化し、人件費や物流コストが上昇するなど、厳しい経営環境が続いています。
このような状況のもと、期初の4月21日~5月14日に地元三重県伊勢市で開催されたお菓子の祭典、第27回全国菓子大博覧会・三重「お伊勢さん菓子博2017」に積極的に参加し、成果を上げる事ができました。また、当年度は創業120年、会社設立70周年、持株会社制移行7年目となる周年記念年次を迎えました。当社グループは周年のテーマを“挑む!(Challenge)”として、「変わる(Change)」「創る(Create)」「つなげる(Continue)」の3つのCを実践するとともに、経営実行項目である「リスクマネジメントの実践による新たなBCPの確立」と「生産性の向上」に取り組み、中期3カ年計画「One imuraya 2017」の最終年度の経営目標達成に向け事業活動を展開しました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、流通事業では点心・デリカテゴリーを中心に全カテゴリーの売上が増加しました。また、4月1日に事業会社2社が合併し、新たにスタートした井村屋フーズ株式会社のBtoB事業の受注も堅調に推移しました。その結果、連結売上高は、前期比30億63百万円(7.3%)増の450億61百万円となりました。
損益面では、設備投資の効果や生産性向上活動によりコスト低減が図られ、利益率が向上いたしました。また、海外事業では損益の改善が図られました。
その結果、営業利益は14億90百万円(前期比2億57百万円(20.9%)の増加)、経常利益は14億95百万円(前期比1億89百万円(14.5%)の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億12百万円(前期比3億95百万円(55.2%)の増加)となり、売上高、各利益とも過去最高の業績となりました。
また、2017年12月7日に当社株式は東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。併せて実施したエクイティ・ファイナンスによる調達資金は新工場の設備投資に有効活用し、将来への継続的発展を目指して挑み続けてまいります。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
① 流通事業
菓子カテゴリー、食品カテゴリーでは、技術的な評価が高まっている煮あずき製法を活用した新商品や健康・機能性をテーマとした新商品を発売し、2N(Next New)の創造に取り組みました。冷菓カテゴリーでは主力商品「あずきバー」シリーズの売上が増加し、年間売上本数は2億75百万本と過去最高の売上本数となりました。「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーでは新工場が7月より稼動し、より付加価値の高い商品販売を行い売上が伸長しました。食品カテゴリーの「冷凍まん」、デイリーチルドカテゴリーの「チルドまん」を含めた「肉まん・あんまん類」の売上高は前年同期比17億50百万円(14.9%)増の134億95百万円となり、過去最高の売上高となりました。また、SNSを活用し、顧客とのダイレクトなつながりを強化する事で話題性が高まり、広告宣伝、販売促進にも効果を発揮しました。その結果、流通事業の売上高は、前期比26億12百万円(7.1%)増の394億83百万円となり、セグメント利益は前期比2億62百万円(11.9%)増の24億71百万円となりました。
流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。
(菓子カテゴリー)
ようかん類で新商品の「煮小豆ようかん」が順調に推移しました。焼き菓子では、「和菓子屋のどら焼き」シリーズが着実に売上を伸ばし、新商品の「煮小豆どら焼」が好評をいただきました。中国のカステラ事業では井村屋(北京)食品有限公司(IBF)において中国国内のOEM商品受託など新規ルート開拓が進むとともに米国向けの輸出が増加しました。その結果、菓子カテゴリーの売上高は、前年比2億45百万円(5.4%)増の47億90百万円となりました。
(食品カテゴリー)
健康・機能性をテーマとした新技術商品「煮小豆」や「カロリーハーフゆであずき(煮あずき製法)」が順調に推移しました。また、冬物商品の「おしるこ」「ぜんざい」シリーズ、「冷凍まん」シリーズも売上が増加しました。BtoB事業の井村屋フーズ株式会社では、加工食品のOEM受託事業で売上を伸ばしました。その結果、食品カテゴリーの売上高は前期比4億2百万円(6.1%)増の69億64百万円となりました。
(デイリーチルドカテゴリー)
「豆腐」類は「美し豆腐」や業務用商品が堅調に推移しました。また、「チルドまん」シリーズの売上が伸長しました。その結果、デイリーチルドカテゴリーの売上高は、前期比1億8百万円(4.0%)増の28億5百万円となりました。
(冷菓カテゴリー)
主力商品「あずきバー」シリーズが順調に推移し、過去最高の売上本数となりました。また、「やわもちアイス」シリーズは新商品の「やわもちアイス 安納芋カップ」、「やわもちアイス みたらし」が好評をいただきました。米国アイス事業のIMURAYA USA, INC.では、井村屋ブランド商品「もちアイス」の大手量販店への導入が計画に沿って進み、売上が伸長しました。その結果、冷菓カテゴリーの売上高は前期比3億1百万円(2.3%)増の136億30百万円となりました。
(点心・デリカテゴリー)
「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーではコンビニエンスストアへの付加価値の高い商品提案を行い売上が大きく増加しました。また、新ジャンルの「ベイクド・デリ」シリーズも売上を伸ばしました。その結果、点心・デリカテゴリーの売上高は前期比15億35百万円(16.7%)増の107億18百万円となりました。
(スイーツカテゴリー)
スイーツカテゴリーでは、「Anna Miller's(アンナミラーズ)高輪店」が堅調に推移しました。「JOUVAUD(ジュヴォー)」では、「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)KITTE名古屋店」において特長あるメレンゲ菓子の「生ロカイユ」がテイクアウト商品として継続して人気を集めております。また、東京、名古屋、京都、福岡においてバレンタイン催事、ホワイトデー催事に出店し、好評をいただきました。その結果、スイーツカテゴリーの売上高は前期比18百万円(3.4%)増の5億74百万円となりました。
② 調味料事業
国内では井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業において、ODM(Original Design Manufacturing)市場での新規顧客獲得やお客様ニーズに対応した商品提案に取り組み、引き続き順調に推移しました。また、継続的な生産性向上活動によりロス、ミス、ムダの削減が図られ、原価が低減しました。中国の調味料事業では、北京の北京京日井村屋食品有限公司(JIF)において中国国内の新規販路ルート拡大により、売上が増加しました。大連の井村屋(大連)食品有限公司(IDF)でもコストの低減が図られました。その結果、調味料事業の売上高は、前期比4億57百万円(9.3%)増の53億49百万円となり、セグメント利益は前期比93百万円(25.6%)増の4億56百万円となりました。
③ その他の事業
イムラ株式会社が行っているリース代理業は堅調に推移しました。また、井村屋商品のアウトレット販売を行っております「MOTTAINAI屋」はお客様へのサービス向上に取り組み、地域住民の皆様から引き続き好評をいただきました。本社所在地である三重県津市の近鉄津駅構内に出店している「imuraya Sweets Shop irodori」では特色のあるスイーツ商品を中心に販売し、人気を得ております。また、井村屋グループ株式会社の賃貸事業を加えた、売上高は2億28百万円となり、セグメント利益は51百万円となりました。
2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、33億75百万円となり、前連結会計年度末比で25億81百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は14億98百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は7億79百万円減少いたしました。この減少の主な要因は、当連結会計年度末日が金融機関の休日だったことによる売上債権の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は31億88百万円となり、前連結会計年度に比べ、支出は6億33百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の収入は43億23百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は41億18百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、自己株式の売却、新株発行実施によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産等の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
1) 生産等の状況
(1) 生産実績
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 流通事業 | 21,249,201 | 101.4 |
| 調味料事業 | 4,289,043 | 108.3 |
| 消去(セグメント間取引) | △250,296 | ― |
| 合計 | 25,287,948 | 102.2 |
(注) 1.金額は、製造原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他の事業における生産実績はありません。
(2) 製品仕入実績
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 流通事業 | 5,250,405 | 99.3 |
| 合計 | 5,250,405 | 99.3 |
(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.調味料事業、その他の事業における製品仕入はありません。
(3) 商品仕入実績
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 流通事業 | 61,307 | 100.0 |
| その他の事業 | 49,019 | 100.0 |
| 消去(セグメント間取引) | △29,330 | ― |
| 合計 | 80,995 | 121.0 |
(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.調味料事業における商品仕入はありません。
2) 受注状況
当社グループでは、流通事業及び調味料事業において一部受注生産を行っております。なお、金額は僅少のため記載を省略しております。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 流通事業 | 39,589,680 | 107.1 |
| 調味料事業 | 5,547,511 | 110.1 |
| その他の事業 | 230,075 | 97.6 |
| 消去(セグメント間取引) | △305,627 | ― |
| 合計 | 45,061,638 | 107.3 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱日本アクセス | 12,080,076 | 28.8 | 13,173,370 | 29.2 |
| 三菱商事㈱ | 5,090,907 | 12.1 | 5,072,245 | 11.3 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣による重要な会計方針に関する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。
経営陣は、売掛債権、たな卸資産等について継続して評価を行っておりますが、その見積り及び判断は、判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字の基礎となります。しかし、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループでは、重要な会計方針のうち特に以下の事項が、連結財務諸表において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響があるものと考えております。
①その他有価証券の減損において50%超の投資価値の下落は強制減損しているが下落30%から50%までのものの取扱い
②不動在庫等があった場合の販売見込み金額の検討による期末評価及び“不動”の定義
③貸倒懸念債権等についての回収不能見込額
④退職給付会計における退職給付費用及び債務算出の前提となる割引率や年金資産の期待収益率等の検討・判断
⑤継続的な税務計画の検討による繰延税金資産の将来実現の検討・判断
⑥減損会計における資産の収益性および投資回収率の低下に伴う資産価値の下落
⑦有形固定資産の除去に伴う資産除去債務費用の計上
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から30億63百万円増加(前期比7.3%増)し、450億61百万円となりました。売上高等の詳細については「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]の1)業績」に記載のとおりですが、さらに前連結会計年度と比較した当連結会計年度の事業別売上高実績を示すと下記のとおりであります。
| 企業集団の事業別売上高 | |||||||
| (単位:百万円) | |||||||
| 事業区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比増減 | ||||
| 金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 金額 | 増減率 | ||
| 流 通 事 業 | 菓子 | 4,544 | 10.8% | 4,790 | 10.6% | 245 | 5.4% |
| 食品 | 6,562 | 15.6% | 6,964 | 15.6% | 402 | 6.1% | |
| デイリーチルド | 2,697 | 6.4% | 2,805 | 6.2% | 108 | 4.0% | |
| 点心・デリ | 9,182 | 21.9% | 10,718 | 23.8% | 1,535 | 16.7% | |
| 冷菓 | 13,328 | 31.8% | 13,630 | 30.2% | 301 | 2.3% | |
| スイーツ | 555 | 1.3% | 574 | 1.2% | 18 | 3.4% | |
| 流通事業計 | 36,870 | 87.8% | 39,483 | 87.6% | 2,612 | 7.1% | |
| 調味料事業 | 4,892 | 11.6% | 5,349 | 11.9% | 457 | 9.3% | |
| その他の事業 | 234 | 0.6% | 228 | 0.5% | △5 | △2.5% | |
| 合計 | 41,997 | 100.0% | 45,061 | 100.0% | 3,063 | 7.3% | |
(営業利益)
売上原価は、前連結会計年度から22億36百万円増加(前期比7.9%増)し、305億58百万円となりました。売上原価率は前年より0.4%増加の67.8%となっております。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から5億69百万円増加(前期比4.6%増)し、130億12百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度から2億57百万円増加(前期比20.9%増)し、14億90百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度から1億89百万円増加(前期比14.5%増)し、14億95百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から3億95百万円増加(前期比55.2%増)し、11億12百万円となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
(資産の部)
総資産は333億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億84百万円の増加となりました。流動資産は、増資に伴う現預金の増加や月末銀行休業日の影響による売掛金の増加などにより、49億48百万円増の149億7百万円となりました。固定資産は、点心・デリ工場の新設などにより、22億44百万円増の184億40百万円となりました。
(負債の部)
負債は181億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億23百万円の増加となりました。流動負債は、夏物商品の生産に連動した買掛金の増加や短期借入金の増加などにより、32億65百万円増の157億52百万円となりました。固定負債は長期借入金の増加などにより、57百万円増の24億21百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は増資及び自己株式処分に伴う株主資本の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより、38億60百万円増の151億85百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末43.2%から45.4%へ増加しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境は、需要の低迷から価格競争の激化が進むなど厳しい状況が続いております。
これらの個人消費基調に加え、当社グループでは流通事業の製品の季節商品の占める割合が高いこと及び調味料事業の主要取引先が即席麺業界であることなどから、気象状況が経営成績に大きな影響を及ぼします。
また製造過程では、原料として使用する農作物の天候条件による不作等での高騰、国際原油価格の動向による包装資材の上昇等直接・間接的な影響が考えられます。
それら経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」にも記載しております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループとしては、このような状況を踏まえて、「和と自然」の味を食に生かし、楽しさと健康に寄与する食メーカーを目指すことをビジョンに掲げ、継続的なイノベーションで、特色経営をさらに磨き、着実な成長によって社会に貢献するグループ企業を目指すため、グループ経営の大事な要素として、“①長期的に、継続的に安定した利益を創出できる経営体制の創出、②コーポレート・ガバナンス(企業統治)の適正化による企業価値の向上”を中心に経営戦略を実施し、業績の向上、持続的成長に向け今後も邁進する所存であります。これらの具体的な取り組みは、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
新年度につきましては「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」にも記載しておりますが、強固なグループ体質を構築するため営業利益に強い意識を注ぎ、営業利益の確保に向けた変革の実行に取り組んでまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の状況は、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]の2)キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営者は経営方針の策定に当たり、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の立案を行うよう努めておりますが、当社グループを取り巻く環境におきましては、消費動向は依然不透明で企業間競争もさらに厳しさが続くものと予測され、また様々なリスクの可能性もあり予断を許さない状況であります。
当社グループは、2018年4月より策定した中期3ヶ年計画に取り組んでおり、目標達成に向け取り組んでまいります。