四半期報告書-第82期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/06 9:24
【資料】
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【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は349億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億45百万円の増加となりました。流動資産は、最盛期に向けた冬物商品販売に伴う売掛金の増加などにより、15億25百万円増の160億41百万円となりました。固定資産は、有形固定資産は増加となりましたが、投資有価証券の時価の下落による減少もあり、1億23百万円増の188億67百万円となりました。
負債は191億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億29百万円の増加となりました。流動負債は、冬物商品の生産に連動した買掛金、未払金、短期借入金の増加などにより、12億33百万円増の169億86百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少などにより、2億4百万円減の21億30百万円となりました。
純資産は親会社株主に帰属する四半期純利益の増加などにより、6億15百万円増の158億1百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末45.6%から45.2%へ減少しました。
(2) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いておりますが、米中貿易摩擦の拡大や世界経済の不確実性などにより、先行き不透明な状況で推移しました。
菓子・食品業界におきましても、消費動向は予断が許されない状況の中、企業間競争の激化に加え、原材料価格やエネルギーコストが上昇し、厳しい経営環境が続きました。第4四半期においても経営環境の過酷さは継続するものと予想されます。
このような状況のもと、当社グループは、更なる成長性を確保するために、新しいステージへ挑戦する計画として2018年度から2020年度を期間とする新中期3カ年計画「新・維新 Next Stage 2020」を策定しました。
初年度となる2018年度は①SCMの経営的視点での取り組み ②双方向を土台とする「報・連・相」の実行 ③2N(Next New)の継続の3項目を活動目標として、新しい付加価値を生み出し、誠実に、確実に成果を出すべく、事業活動を展開しました。
経営活動の基軸として2011年よりグループ全体で経営品質向上活動に取り組んでおり、井村屋株式会社は11月に日本経営品質賞委員会より「2018年度経営革新推進賞」を受賞いたしました。今後も更なるスパイラルレベルアップを目指し活動を行ってまいります。また、井村屋株式会社は継続した環境負荷低減活動を評価され、12月に「平成30年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞しました。今後も環境負荷低減の推進とともにCSR経営を進化させてまいります。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、流通事業においては、井村屋株式会社の冬物の主力商品「肉まん・あんまん」が好調に売上を伸ばしました。また、井村屋フーズ株式会社のBtoB事業の受託が伸長しました。海外事業では中国の調味料事業の売上が増加し、中国から米国へのカステラ輸出も順調に推移しました。その結果、連結売上高は、前年同期比3億81百万円(1.1%)増の351億8百万円となりました。
コスト面では、生産性向上活動の継続やSCM効果により販管費の削減が図られましたが、原材料費やエネルギーコストが上昇しました。これら経営活動の結果、営業利益は前年同期比44百万円(3.0%)減の14億38百万円となりましたが、経常利益は前年同期比9百万円(0.6%)増の15億47百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期と比較し特別利益が減少した事により、前年同期比40百万円(3.3%)減の11億79百万円となりました。第3四半期連結累計期間においては、売上高、経常利益が過去最高の業績となりました。
各セグメントの概況は次のとおりであります。
① 流通事業
「点心・デリ」カテゴリーでは下期の主力商品「肉まん・あんまん」が好調に推移しました。食品カテゴリーの「冷凍パックまん」シリーズやデイリーチルドカテゴリーの「チルドパックまん」シリーズを含めた「肉まん・あんまん」類の売上高は前年同期比9億6百万円(10.1%)増の98億53百万円となりました。また、各カテゴリーの主力商品も順調に推移しました。その結果、流通事業の売上高は、前年同期比1億79百万円(0.6%)増の306億75百万円となりました。セグメント利益は上記のコスト上昇要因により、前年同期比1億2百万円(4.7%)減の20億66百万円となりました。
流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。
(菓子カテゴリー)
「ようかん」類では「えいようかん」や「煮小豆ようかん」が順調に推移し、「どら焼」シリーズでは「煮小豆どら焼」や新商品の「3コ入和菓子屋のもっちり餅入りどら焼」の売上が伸長しました。中国のカステラ事業では井村屋(北京)食品有限公司(IBF)における米国向けの輸出が堅調に推移しました。また、カステラの生産拠点を北京から大連に移管し、生産能力の増強とコストダウンを図りました。その結果、菓子カテゴリーの売上高は、前年同期比45百万円(1.2%)増の38億30百万円となりました。
(食品カテゴリー)
冬物商品の「4個入り冷凍パックまん」シリーズや「2個入りゴールドまん」シリーズが好調に推移し、「おしるこ」「ぜんざい」などのホットデザートも売上を伸ばしました。井村屋フーズ株式会社の加工食品事業ではOEM受託商品の売上が増加しました。その結果、食品カテゴリーの売上高は前年同期比3億84百万円(7.1%)増の57億88百万円となりました。
(デイリーチルドカテゴリー)
「3個入りチルドパックまん」シリーズの売上が増加しました。「豆腐類」では「美し豆腐」やその他の業務用商品が堅調に推移しました。その結果、デイリーチルドカテゴリーの売上高は、前年同期比78百万円(4.1%)増の20億7百万円となりました。
(冷菓カテゴリー)
「あずきバー」シリーズは引き続き順調に推移しました。しかし、クリーム系アイス商品は夏の酷暑の影響がマイナスに働き、「やわもちアイス」シリーズや「クリームチーズアイス」シリーズの売上は前年同期を下回りました。米国でアイス事業を展開しているIMURAYA USA, INC.では、競争激化もあって、売上は前年同期を下回りました。その結果、冷菓カテゴリーの売上高は前年同期比9億95百万円(8.4%)減の108億41百万円となりました。
(点心・デリカテゴリー)
「肉まん・あんまん」などの「点心・デリ」カテゴリーは生産設備の増強やコンビニエンスストアとの取り組み強化など成長戦略を進めてきました。10月~12月の需要期が暖冬傾向で逆風の中、付加価値の高い商品が好評をいただき、コンビニエンスストアを中心に順調に売上を伸ばしました。その結果「点心・デリ」カテゴリーの売上高は前年同期比7億9百万円(10.0%)増の78億円となりました。
(スイーツカテゴリー)
スイーツカテゴリーでは、「Anna Miller's(アンナミラーズ)高輪店」が堅調に推移しました。「JOUVAUD(ジュヴォー)」では、関西地区初として5月に京都へ出店した「La maison JOUVAUD (ラ・メゾン・ジュヴォー)京都祇園店」に続き、12月には「La maison JOUVAUD (ラ・メゾン・ジュヴォー)JR京都伊勢丹店」を出店し、順調に推移しています。2017年にオープンした「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)KITTE名古屋店」においても特長あるメレンゲ菓子の「生ロカイユ」がテイクアウト商品として引き続き人気を集めております。また、12月にはJR京都伊勢丹店に「あずきバー」をグレードアップさせた特色ある“アイスクリーム和菓子”を販売する「井村屋 和涼菓堂 京都店」を「La maison JOUVAUD (ラ・メゾン・ジュヴォー)」と同時に出店し、新しい価値提供を行っております。しかし、前期の4月から5月に開催された「お伊勢さん菓子博2017」での「aiai Café(アイアイカフェ)」の催事売上がなく、スイーツカテゴリーの売上高は、前年同期比42百万円(9.5%)減の4億6百万円となりましたが、新店需要により、今後に期待が持てる状況となっております。
② 調味料事業
国内では井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業において、新規顧客獲得やお客様ニーズに対応した商品提案に取り組み、ODM(Original Design Manufacturing)、OEM、海外輸出の売上が順調に増加しました。中国での調味料事業では、北京の北京京日井村屋食品有限公司(JIF)の積極的な販路拡大により中国国内で売上が伸長し、大連の井村屋(大連)食品有限公司(IDF)では海外への輸出が増加しました。その結果、調味料事業の売上高は、前年同期比1億97百万円(4.9%)増の42億54百万円となりました。セグメント利益はコスト上昇により、前年同期比13百万円(3.4%)減の3億69百万円となりました。
③ その他の事業
イムラ株式会社が行っているリース代理業は堅調に推移しました。また、井村屋商品のアウトレット販売を行っている「MOTTAINAI屋」はお客様へのサービス向上に取り組み、地域住民の皆様から引き続き好評をいただきました。本社所在地である三重県津市の近鉄津駅構内に出店している「imuraya Sweets Shop irodori」では特色のあるスイーツ商品を中心に販売し、人気を得ております。また、本社近隣で11月にオープンしたイオンスタイル津南店に「ソフトアイスクリーム&スイーツ店WaiWai(ワイワイ)」を出店し、付加価値の高い商品が人気を集めております。井村屋グループ株式会社の賃貸事業を加えた、その他事業の売上高は1億77百万円となり、セグメント利益は前年同期比7.7%増の22百万円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。