四半期報告書-第82期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/07 11:53
【資料】
PDFをみる
【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は356億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億36百万円の増加となりました。流動資産は、夏物商品の売上増加及び月末銀行休業日に伴う売掛金の増加などにより、16億64百万円増の161億80百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の増加及び投資有価証券の時価の上昇もあり、6億75百万円増の194億19百万円となりました。
負債は198億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億42百万円の増加となりました。流動負債は、冬物商品の生産に連動した未払金の増加及び、計画的な設備投資による短期借入金の増加などにより、19億61百万円増の177億14百万円となりました。固定負債は、長期借入金及びリース債務の減少などにより、2億19百万円減の21億15百万円となりました。
純資産は親会社株主に帰属する四半期純利益の増加などにより、5億94百万円増の157億79百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末45.6%から44.2%へ減少しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、31億19百万円となり、前連結会計年度末比で2億56百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の減少は3億58百万円となり、前年同四半期に比べ、収入は3億96百万円増加いたしました。この増加の主な要因は、売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は12億40百万円となり、前年同四半期に比べ、支出は6億61百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の増加は13億円となり、前年同四半期に比べ、収入は14億76百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、短期借入金の借入に伴う収入の減少によるものであります。
(3) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いておりますが、貿易摩擦の拡大や世界経済の不確実性などにより、先行き不透明な状況で推移しました。
菓子・食品業界におきましても、消費動向は予断が許されない状況の中、企業間競争の激化に加え、原材料価格やエネルギーコストが上昇し、また、猛暑や台風など天候要因の影響もあって厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、更なる成長性を確保するために、新しいステージへ挑戦する計画として2018年度から2020年度を期間とする新中期3カ年計画「新・維新 Next Stage 2020」を策定しました。
初年度となる2018年度は①SCMの経営的視点での取り組み ②双方向を土台とする「報・連・相」の実行 ③2N(Next New)の継続の3項目を活動目標として、新しい付加価値を生み出し、誠実に、確実に成果を出すべく、事業活動を展開しました。また、井村屋株式会社では、エクイティ・ファイナンスによる調達資金を活用した新工場AZUKI・FACTORYの建設を計画に沿って進めました。第1次工事の餡加工ラインが完成し、10月24日に竣工式を行いました。今後第2次工事を進め、更なる成長戦略に取り組んでまいります。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、流通事業においては、井村屋株式会社の夏場の主力商品「あずきバー」シリーズを中心に各カテゴリーの主力商品が順調に推移しました。また井村屋フーズ株式会社のBtoB事業の受託売上が伸長しました。海外事業では中国の調味料事業の売上が増加し、中国から米国へのカステラ輸出も順調に推移しました。その結果、連結売上高は、前年同期比2億92百万円(1.4%)増の219億77百万円となりました。
コスト面では、原材料費やエネルギーコストが上昇する中、生産性向上活動の継続やSCM効果により販管費の削減が図られました。それら経営活動の結果、営業利益は前年同期比9百万円(1.0%)減の9億37百万円となりましたが、経常利益は前年同期比39百万円(4.0%)増の10億46百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比16百万円(1.9%)増の8億75百万円となり、第2四半期連結累計期間では、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益において過去最高の業績となりました。
各セグメントの概況は次のとおりであります。
① 流通事業
冷菓カテゴリーでは上期の主力商品「あずきバー」シリーズが順調に推移し、4月~9月の売上本数は188万本(0.8%)増の2億34百万本と前年同期を上回り、過去最高の売上本数となりました。また、下期の主力商品である点心・デリ商品が好調な立ち上がりとなり売上が増加しました。その結果、流通事業の売上高は、前年同期比1億78百万円(0.9%)増の192億15百万円となり、セグメント利益は前年同期比9百万円(0.7%)増の14億49百万円となりました。
流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。
(菓子カテゴリー)
備蓄・保存用商品の「えいようかん」や煮あずき製法を用いた「煮小豆ようかん」「煮小豆どら焼」の売上が伸長しました。また、「缶プリン」の発売50周年に合わせて企画した手土産ギフト商品「昔ながらの缶プリン」は好評をいただき、公益社団法人 日本パッケージデザイン協会が主催する「日本パッケージデザイン大賞2019」において入選いたしました。今後もギフト商品の成長に向けて取り組んでまいります。中国のカステラ事業では井村屋(北京)食品有限公司(IBF)において米国向けの輸出が堅調に推移しました。また、カステラの生産拠点を北京から大連に移管し、生産能力の増強とコストダウンを図っております。その結果、菓子カテゴリーの売上高は、前年同期比41百万円(1.4%)増の28億99百万円となりました。
(食品カテゴリー)
夏物商品の「氷みつ」が順調に推移しました。また、冬物商品の「4個入り冷凍パックまん」シリーズや「2個入りゴールドまん」シリーズの販売が好調にスタートし、売上が伸長しました。井村屋フーズ株式会社の加工食品事業ではOEM受託商品の売上が増加しました。その結果、食品カテゴリーの売上高は前年同期比3億85百万円(13.4%)増の32億74百万円となりました。
(デイリーチルドカテゴリー)
「豆腐類」では「美し豆腐」やその他の業務用商品が堅調に推移しました。また、「3個入りチルドパックまん」シリーズの導入が順調に進み、売上が増加しました。その結果、デイリーチルドカテゴリーの売上高は、前年同期比37百万円(5.0%)増の7億73百万円となりました。
(冷菓カテゴリー)
最盛期の7月~8月は記録的な猛暑となって氷菓系商品の需要が高まり、主力商品である「あずきバー」シリーズは売上が順調に推移し、過去最高の売上本数を更新しました。一方でクリーム系アイス商品は苦戦し、「やわもちアイス」シリーズや「クリームチーズアイス」シリーズは酷暑の影響がマイナスに働き、売上は前年同期を下回りました。米国でアイス事業を展開しているIMURAYA USA, INC.では、大手量販店の販売キャンペーンを実施し積極的な販売促進活動を行いましたが、競争激化のため、売上は前年同期を下回りました。その結果、冷菓カテゴリーの売上高は前年同期比5億96百万円(5.9%)減の95億13百万円となりましたが、秋冬物の新商品として「やわらか仕立てのミルクあずき・抹茶あずき」や「クリームチーズデザートカップアイス」を発売し、“冬アイス”の需要に向けた商品戦略を進めております。
(点心・デリカテゴリー)
「肉まん・あんまん」などの「点心・デリ」カテゴリーは生産設備の増強やコンビニエンスストアとの取り組み強化など、本格的なシーズンに向けて成長戦略を進めてきました。付加価値の高い商品が好評をいただき、8月からのコンビニエンスストアへの導入が好調に推移しました。その結果「点心・デリ」カテゴリーの売上高は前年同期比3億70百万円(17.4%)増の25億6百万円となり、冬場の最需要期に向け期待がもてる状況となっております。
(スイーツカテゴリー)
スイーツカテゴリーでは、「Anna Miller's(アンナミラーズ)高輪店」が堅調に推移しました。催事販売の効果により認知度が高まっております「JOUVAUD(ジュヴォー)」では、5月に関西地区初出店として京都に「La maison JOUVAUD (ラ・メゾン・ジュヴォー)京都祇園店」を出店し、順調に推移しました。「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)KITTE名古屋店」では特長あるメレンゲ菓子の「生ロカイユ」がテイクアウト商品として引き続き人気を集めております。しかし、今期は前期4月から5月に開催された「お伊勢さん菓子博2017」へ出店した「aiai Café(アイアイカフェ)」の売上がなく、スイーツカテゴリーの売上高は、前年同期比59百万円(19.4%)減の2億49百万円となりました。「JOUVAUD(ジュヴォー)」におきましては京都祇園店に続き「La maison JOUVAUD (ラ・メゾン・ジュヴォー)JR京都伊勢丹店」を12月に新規出店する予定であり、今後、更なるブランド戦略を進めてまいります。
② 調味料事業
国内では井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業において、新規顧客獲得やお客様ニーズに対応した商品提案に取り組み、ODM(Original Design Manufacturing)、OEM、海外輸出の売上が増加しました。中国での調味料事業では、北京の北京京日井村屋食品有限公司(JIF)の積極的な販路拡大により中国国内で売上が伸長し、大連の井村屋(大連)食品有限公司(IDF)では海外への輸出が増加しました。その結果、調味料事業の売上高は、前年同期比1億18百万円(4.7%)増の26億53百万円となりました。セグメント利益はコスト削減活動を継続しましたが、原材料価格やエネルギーコストなどの上昇分を吸収するまでには至らず、前年同期比11百万円(5.9%)減の1億86百万円となりました。
③ その他の事業
イムラ株式会社が行っているリース代理業は堅調に推移しました。また、井村屋商品のアウトレット販売を行っております「MOTTAINAI屋」はお客様へのサービス向上に取り組み、地域住民の皆様から引き続き好評をいただきました。本社所在地である三重県津市の近鉄津駅構内に出店している「imuraya Sweets Shop irodori」では特色のあるスイーツ商品を中心に販売し、人気を得ております。また、本社近隣で11月にオープンするイオンスタイル津南店に「ソフトアイスクリーム&スイーツ店WaiWai」を出店し、地域の皆様に新たなサービスを提供してまいります。
井村屋グループ株式会社の賃貸事業を加えた、その他事業の売上高は1億8百万円となり、セグメント利益は14百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億70百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。