有価証券報告書-第49期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/24 15:57
【資料】
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【項目】
148項目
業績等の概要
(1)業績
当社グループは、「コーヒーをコアに人と環境にやさしい企業を目指す」の企業理念の下、2020年8月31日に「2020年~2024年中期経営計画(骨子)ResilientPlan2020」を策定し開示しております。このレジリエントプランに基づき、コロナショックへの環境適応のために既存方針の加速を決断し、構造改革の推進及び一杯抽出事業への設備投資、業務用事業におけるプレゼンスの向上、工場再編によるコスト優位性をレジリエントプランにおける成長ドライバーと位置付け、レジリエントカンパニーを目指し取組みを始めております。
また、政府や各自治体のガイドラインに基づき、引続き従業員の感染拡大の抑制に取り組み、お客様へ安全・安心な製品の安定した供給を徹底する一方、売上減少が著しい中、業務効率化を図り、経費削減に努めてまいりました。
工業用コーヒーにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛に伴い、各主要大手取引先への取扱数量が大幅に減少したことにより、前年を大きく下回ることとなりました。
業務用コーヒーにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言後も、引続き業務用事業の主要取引先であるカフェチェーン・レストラン・コンビニエンスストア・オフィスコーヒーサービスやホテル等のコーヒー需要が低迷したことが大きく影響し、売上高、出荷数量ともに減少し、前年を下回りました。
家庭用コーヒーにつきましては、巣ごもり消費による内食へのシフトなど食の消費行動が大きく変化したことによって個人消費に拡大傾向がみられるものの、業務用事業の消費の減少を補完することはできず、また当社は2019年3月末において当社自社販売からの撤退をしていることから、前年に比べて下回りました。
また、2019年に事業を取得しました一杯抽出事業「キューリグ関連事業」につきましては、2020年4月に既存事業であるドリップコーヒーバックと共に一杯抽出事業の中心となるカプセル型コーヒーシステムを当社の中期事業計画の重要な位置づけとして展開しておりましたが、更なる成長戦略のためUCCグループの各社のリソースへのアクセスが必要であると判断し、当社キューリグ関連事業の販売機能につきまして、当社が新設した100%子会社株式会社ユニカフェ・カプセル事業分割準備会社(現株式会社カップス)に吸収分割し、当社が保有する株式会社カップスの株式の一部を当社の親会社であるユーシーシーホールディングス株式会社に49%譲渡しております。また2020年9月に当社が保有する株式会社カップスの株式の一部をユーシーシーホールディングス株式会社に譲渡したことにより、株式会社カップスは当社の連結子会社から持分法適用会社といたしましたが、現在当社は、引続き国内で唯一のキューリグカプセルを製造できる会社として、キューリグ関連事業の製造面に注力しております。
株式会社アートコーヒーについては、新型コロナウイルス感染拡大による自粛、緊急事態宣言に伴い、主に外食関係の取引先の臨時休業及び時短営業により、業務用の取引先が主体であった株式会社アートコーヒーの売上高に大きな影響を受けました。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛、4月7日に政府が発令した緊急事態宣言に伴う期間において取引先への売上高に大きく影響を受け、将来収益に関する不透明感が高まったことを踏まえて、連結決算ではのれん、顧客関連資産、有形固定資産及びその他無形固定資産の減損損失として、特別損失2,170百万円を計上しております。さらに、個別決算では、財政状態や今後の事業計画を見直した結果、株式の実質価額が著しく低下し、その回復可能性が認められないことから当事業年度において、関係会社株式及びのれんの減損損失として、2,003百万円の特別損失を計上しております。
以上の取組の結果、当連結会計年度の売上高は14,609百万円となりました。営業損失は315百万円、経常損失は268百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は2,085百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,227百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、371百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が2,407百万円、減価償却費409百万円、売上債権の減少754百万円、仕入債務の減少464百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は111百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入216百万円、貸付金の回収による収入100百万円、投資計画に基づいた401百万円の有形固定資産の取得による支出、事業展開に合わせた購買管理システムの更新等に関する65百万円の無形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,040百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,500百万円、配当金の支払106百万円及び長期借入金の返済による支出350百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業(千円)11,628,55079.3
合計11,628,55079.3

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業(千円)175,41734.5
合計175,41734.5

(注)1.金額は仕入価額によります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)主要原材料の実績
①主要原材料の入手量、使用量及び在庫量
原材料名当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
入手量
(トン)
前年同期比
(%)
使用量
(トン)
前年同期比
(%)
在庫量
(トン)
前年同期比
(%)
コーヒー生豆27,44696.128,09399.31,81779.3

②主要原材料の価格の推移
原材料名当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
2020年3月2020年6月2020年9月2020年12月
コーヒー生豆(円/kg)365.41389.34390.28382.02

(注)1.価格は購入価格の平均で表示しております。
2.当社製品の主要原材料でありますコーヒー生豆は国際商品であり、かつわが国では全量輸入のため、当社の仕入価格は国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)受注実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
コーヒー関連事業14,433,46875.8237,653101.8
合計14,433,46875.8237,653101.8

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(5)販売実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業(千円)14,609,72676.7
合計(千円)14,609,72676.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社MCアグリアライアンス4,583,90524.13,449,38423.6
アサヒ飲料株式会社2,047,03410.71,636,82011.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年12月31日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この作成にあたり、当社グループは、当連結会計年度末日における資産・負債、並びに当連結会計年度における収益・費用に影響を与える見積りを必要としております。ただし、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
貸倒引当金
当社グループは、売上債権や貸付金等の貸倒損失に備えて、回収不能見込額を貸倒引当金に計上しております。将来、顧客の財政状態の悪化等により引当金の追加計上が必要となった場合、当社グループの財務諸表に影響を与える可能性があります。
(2)経営成績の分析
① 売上高
売上高の詳細については、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析][業績等の概要](1)業績に記載のとおりであります。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は2,729百万円となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業損失は315百万円となりました。
④ 経常利益
当連結会計年度の経常損失は268百万円となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純損失
減損損失を計上した影響により、当連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
なお、セグメントの分析は、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析][業績等の概要](1)業績の項目を、また今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]の項目を、それぞれご参照ください。
(3)財政状態の分析
① 資産
流動資産は、8,205百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金4,227百万円、受取手形及び売掛金2,490百万円、原材料及び貯蔵品801百万円であります。固定資産は、6,341百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産6,000百万円、無形固定資産90百万円であります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、14,546百万円となりました。
② 負債
流動負債は、4,136百万円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金3,203百万円、未払金392百万円であります。固定負債は、4,509百万円となりました。主な内訳は長期借入金4,006百万円、繰延税金負債140百万円であります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は8,646百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、5,900百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は40.6%となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は371百万円、投資活動の結果使用した資金は111百万円、財務活動の結果得られた資金は1,040百万円となりました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は4,227百万円となりました。
② キャッシュ・フロー指標
主要項目当連結会計年度
(2020年12月31日)
自己資本比率(%)40.6
時価ベースの自己資本比率(%)99.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)11.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)17.2

・自己資本比率:自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)によって算出しております。
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(4)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりです。
②資金需要
当社グループの運転資金需要は、原材料費、製造経費、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修等に係る投資資金によるものであります。
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。