有価証券報告書-第46期(令和3年3月1日-令和4年2月28日)

【提出】
2022/05/26 15:03
【資料】
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【項目】
136項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、ワクチン接種などの対策の進展はありましたが、変異株により感染が再拡大するなど、厳しい状況が続いております。今後、各種政策により経済社会活動が正常化することが期待されているものの、景気の持ち直しの動きには一部に弱さも見られており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、巣ごもり需要が継続したことにより内食需要は底堅く推移しました。一方、外食需要については、営業時間の短縮や酒類提供の制限・禁止の要請などにより需要が低迷しておりましたが、緊急事態宣言の解除後には、外食需要は高まっており、引き続き一定の対策は必要なものの、明るい兆しも見えております。しかしながら、原油価格や原材料の高騰により、厳しい事業環境となっております。
このような状況のなか、当社グループは、北海道から九州まで全国に展開している製造・販売のネットワークを活用し、新規取引先や新しい販路の開拓及び既存得意先の拡販に取り組みました。
販売面では、㈱フードレーベルにおいて、牛角韓国直送キムチなどを対象としたキャンペーンを実施しました。当社では、「お家でおいしくご飯!ご飯がススムプレゼントキャンペーン」と題し、ご飯がススムシリーズを対象としたプレゼントキャンペーンを実施しており、賞品には5種の選べるギフトやクオカードなどを用意しました。また、企業ブランドをアピールする新しいCMを制作し、2021年11月から全国で順次放送しております。
製品開発面では、当社の看板商品であるご飯がススムシリーズの辛口キムチ・カクテキをリニューアルし、2022年2月に発売しております。リニューアル後の包装パッケージには、バイオマスインキの使用やバイオマスマークの表示など、持続可能な環境・社会に向けた取り組みを実施しております。また、手軽にぬか漬を楽しめるぬか漬の素「発酵の魔法 かんたん糠床」などを発売しました。量販店などへの提案の幅を広げるため「ご飯がススム豆腐チゲの素」をリニューアルして発売しております。その他、コラボ商品の開発、既存商品のリニューアル等を実施いたしました。
新規事業については、「発酵」をテーマに外食事業及び小売事業を行う「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」(所在地:埼玉県飯能市)を2020年10月に開業しております。セレクトショップ、レストラン、カフェ、ワークショップの4つの施設を展開しており、新型コロナウイルス感染症対策を講じたうえで営業しており、多くの方にご来場いただいております。
新型コロナウイルス感染症対策として、出勤前及び出勤時の検温、業務中のマスクの着用、手指消毒、定期的な換気、事務所の休憩室や会議室におけるアクリル板の設置、WEB会議の活用、時差出勤や在宅勤務などを継続して実施しております。また、感染状況を考慮し、当社グループの従業員を対象として、ワクチン接種者に見舞金を支給しております。
売上高は、外出自粛に伴う巣ごもり需要により、家庭内での食事の機会が増加している状況や家飲みによる消費が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染者数が減少し、緊急事態宣言が解除されたことにより、巣ごもり需要が落ち着いたことによる反動減などの影響を受け、減収となりました。
利益については、天候が比較的順調に推移したことで、原料価格が年間を通じて安定したことや生産アイテムの集約を継続したことによる生産の効率化などにより増益となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ141百万円増加し、26,091百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,886百万円減少し、9,334百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,028百万円増加し、16,757百万円となりました。
ロ 経営成績
当連結会計年度における売上高は45,006百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は2,942百万円(同8.5%増)、経常利益は3,068百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,128百万円(同16.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
主要項目前連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前年同期比
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)3,0473,521474
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△1,312△712599
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△607△1,212△604
現金及び現金同等物の増減額(百万円)1,1271,597469
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)4,4376,0341,597

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,597百万円増加し、当連結会計年度末には、6,034百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は3,521百万円(前年同期は3,047百万円の増加)となりました。収入の主な要因は税金等調整前当期純利益3,147百万円、減価償却費963百万円及び売上債権の減少額1,085百万円であり、支出の主な要因は仕入債務の減少額634百万円及び法人税等の支払額1,247百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は712百万円(前年同期は1,312百万円の減少)となりました。支出の主な要因は有形固定資産の取得による支出615百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,212百万円(前年同期は607百万円の減少)となりました。収入の主な要因は長期借入れによる収入700百万円であり、支出の主な要因は長期借入金の返済による支出1,278百万円及び配当金の支払額224百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
事業の種類当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前年同期比(%)
浅漬・その他(百万円)29,63098.7

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
事業の種類当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前年同期比(%)
漬物・その他(百万円)15,39996.4

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 受注実績
当社グループは受注当日または翌日に製造・出荷を行っておりますので、受注高および受注残高の記載は省略しております。
ニ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
事業の種類当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前年同期比(%)
製品
浅漬・その他(百万円)29,63198.7
商品
漬物・その他(百万円)15,37496.1
合計(百万円)45,00697.8

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン7,95517.37,74117.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は10,864百万円(前年同期末比499百万円増加)となりました。主な増減の要因は現金及び預金の増加1,597百万円、受取手形及び売掛金の減少1,085百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は15,227百万円(同357百万円減少)となりました。主な増減の要因は建物及び構築物の減少300百万円、のれんの減少98百万円によるものであります。よって、当連結会計年度末の資産合計は26,091百万円(同141百万円増加)となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は7,345百万円(同1,587百万円減少)となりました。主な増減の要因は買掛金の減少634百万円、短期借入金の減少400百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少258百万円、未払法人税等の減少188百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は1,989百万円(同299百万円減少)となりました。主な増減の要因は長期借入金の減少320百万円によるものであります。よって、当連結会計年度末の負債合計は9,334百万円(同1,886百万円減少)となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は16,757百万円(同2,028百万円増加)となりました。主な増減の要因は利益剰余金の増加1,903百万円によるものであります。
ロ 経営成績
売上高につきましては、外出自粛に伴う巣ごもり需要により、家庭内での食事の機会が増加している状況や家飲みによる消費が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染者数が減少し、緊急事態宣言が解除されたことにより、巣ごもり需要が落ち着いたことによる反動減などの影響を受け、減収となりました。この結果、当連結会計年度における売上高は、45,006百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
利益につきましては、天候が比較的順調に推移したことで、原料価格が年間を通じて安定したことや生産アイテムの集約を継続したことによる生産の効率化などにより、営業利益は、2,942百万円(同8.5%増)となりました。営業外収益は151百万円であり、主なものとしては受取賃貸料33百万円及び負ののれん償却額37百万円であります。営業外費用は25百万円であり、その内訳は支払利息7百万円と賃貸費用17百万円であります。よって、経常利益は3,068百万円(同8.5%増)となりました。特別利益として補助金収入35百万円と受取保険金60百万円、特別損失として固定資産処分損17百万円を計上しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は3,147百万円(同11.8%増)となり、法人税、住民税及び事業税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は2,128百万円(同16.2%増)となりました。
ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、さらなる事業規模の拡大が必要であると考えており、そのため、連結売上高、連結営業利益を経営指標として設定しております。具体的には2025年2月期に連結売上高42,000百万円、連結営業利益2,600百万円を目標としております。なお、当連結会計年度においては、連結売上高45,006百万円、連結営業利益2,942百万円となっており、目標達成に向けて、業績の向上に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&Aによる株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、2,949百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,034百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (重要な会計上の見積り) 2.新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積り」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ロ 固定資産の減損処理
固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (重要な会計上の見積り) 1.固定資産の減損」に記載のとおりであります。