訂正有価証券報告書-第61期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2021/08/03 15:09
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経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)におけるわが国経済は、全体として緩やかな回復基調が続いており、消費者マインドにも回復の兆しが見られるものの、節約志向は根強く、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要もあり、依然として先行き不透明な状況で推移しております。
当社グループは、超高齢化、世帯人数の減少、共働き世帯の増加、人口減、社会の成熟化に伴うお客様ニーズの多様化という大きな社会変化が進むなか、その変化に適合して持続的な成長を図るべく、2014年度から創立60周年を迎える2018年度までの5ヵ年を対象とした長期的な経営ビジョン「Evolution 60」を推進してまいりました。基本とする戦略方針を「エバラブランドの価値向上」と「ニッチ&トップポジションの確立」と定め、“たれの進化”と“コミュニケーションの進化”を経営の軸とし、国内市場での安定的収益と海外市場での成長基盤の確保に努めてまいりました。ファイナルステージである2018年度は、「Evolution 60」の総仕上げの1年として、時代の変化に適合した価値創造を加速させ、『黄金の味』の価値浸透による収益拡大、ポーション調味料のさらなる拡充、業務用事業の収益改善及び海外事業を含めた新規事業開拓に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、513億6百万円(前期比1.8%増)となりました。その主な要因としましては、テレビCMや消費者キャンペーン等のプロモーション施策や、夏場以降野菜価格が安価に推移した影響等により、『浅漬けの素』が売上を伸ばしたほか、特注品や海外事業等の貢献による業務用商品の業績寄与や、顧客ニーズの効果的な取り込みにより物流事業の売上が伸長したことが挙げられます。また、『プチッと鍋』に代表されるポーション調味料が『プチッとごはんズ』や『プチッとうどん』等のラインアップを拡充し、多様なライフスタイルに対応した価値の訴求を進め、売上を伸ばしております。
利益面につきましては、『黄金の味』の価値訴求を軸とした販売活動の継続による利益貢献のほか、ポーション調味料、業務用商品の収益力の向上により、営業利益は23億92百万円(前期比62.7%増)、経常利益は24億88百万円(前期比60.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、16億49百万円(前期比40.4%増)となりました。また「Evolution 60」の連結業績数値目標である営業利益率4%、海外売上高10億円、ROE5%に関して、全ての項目を達成しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<食品事業>食品事業の売上高は434億92百万円(前期比0.5%増)となりました。
(イ)家庭用商品
家庭用商品は前期売上高を下回りました。
肉まわり調味料群につきましては、『焼肉のたれ』や「たれプラス」シリーズとして展開している『プルコギのたれ』や『生姜焼のたれ』等のボトル入りメニュー専用調味料が好調に推移したものの、『黄金の味』の売上が前年水準を下回ったことにより、売上高は152億60百万円(前期比2.6%減)となりました。
鍋物調味料群につきましては、ラインアップを追加した『プチッと鍋』の貢献のほか、鍋の新たなカテゴリーを創出した『なべしゃぶ』がテレビCMや精肉連動施策等の奏功により、売上を伸ばしたものの、暖冬等の影響により、『すき焼のたれ』や『キムチ鍋の素』等が前年水準に届かず、売上高は113億24百万円(前期比1.1%減)となりました。
野菜まわり調味料群につきましては、野菜価格の安価な推移により、『浅漬けの素』のほか、『キムチ漬けの素』等も売上を伸ばし、売上高は45億72百万円(前期比7.5%増)となりました。
その他群につきましては、ラインアップを追加した『プチッとごはんズ』の貢献のほか、『プチッとうどん』がシリーズを一新し、店舗導入時における店頭プロモーションの充実により、売上を伸ばした結果、売上高は30億71百万円(前期比3.3%増)となりました。
以上の結果、家庭用商品全体の売上高は342億29百万円(前期比0.3%減)となりました。
(ロ)業務用商品
業務用商品は前期売上高を上回りました。
海外事業の売上拡大や業務用事業の収益構造の改善を進めているなか、商品構成の見直し等によりスープ群が前年実績を下回ったものの、肉まわり調味料群が好調に推移し、その他群も特注品の増加等により売上を伸ばした結果、業務用商品全体の売上高は92億63百万円(前期比3.8%増)となりました。
<物流事業>物流事業は前期売上高を上回りました。
既存顧客の保管及び輸送需要の取り込みにより、継続的に取引が伸長したほか、新規受注に伴い取引量が増加した結果、物流事業の売上高は59億63百万円(前期比12.4%増)となりました。
<その他事業>その他事業は前期売上高を上回りました。
人材派遣事業が前年水準を下回ったものの、広告宣伝事業において顧客ニーズに適合した企画提案により、新規顧客獲得と既存顧客の深耕を進め売上を伸ばした結果、その他事業の売上高は18億50百万円(前期比1.4%増)となりました。
売上高の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
事業名称及び商品群名前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
対前期比
(%)
食品事業43,26843,4920.5
家庭用商品34,34734,229△0.3
肉まわり調味料群15,67015,260△2.6
鍋物調味料群11,45211,324△1.1
野菜まわり調味料群4,2514,5727.5
その他群2,9723,0713.3
業務用商品8,9219,2633.8
肉まわり調味料群2,8623,0376.1
スープ群3,3813,209△5.1
その他群2,6783,01612.6
物流事業5,3045,96312.4
その他事業(広告宣伝事業、人材派遣事業等)1,8241,8501.4

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
財政状態の概況は、以下のとおりであります。
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産額につきましては、前連結会計年度末に比べ26億5百万円増加(前期比7.3%増)し、381億49百万円となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ29億52百万円増加(前期比13.7%増)し、245億57百万円となりました。
固定資産につきましては、有形固定資産が5億28百万円減少(前期比5.5%減)し、無形固定資産は24百万円減少(前期比6.4%減)しました。また、繰延税金資産の増加等により、投資その他の資産が2億5百万円増加(前期比5.2%増)したことで、固定資産は3億47百万円減少(前期比2.5%減)して、135億91百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計額につきましては、前連結会計年度末に比べ14億66百万円増加(前期比12.2%増)し、135億25百万円となりました。
流動負債につきましては未払金の増加等により、前連結会計年度末に比べ14億76百万円増加(前期比19.0%増)し、92億56百万円となりました。固定負債は株式給付引当金の減少等により、前連結会計年度末に比べ10百万円減少(前期比0.2%減)し、42億69百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産額につきましては、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ11億39百万円増加(前期比4.9%増)し、246億24百万円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は64.5%(前期は66.1%)、1株当たり純資産額は2,364円71銭(前期は2,256円32銭)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ29億83百万円増加して115億94百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、40億5百万円(前年同期は5百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益において24億81百万円獲得し、減価償却費11億68百万円により増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7億3百万円(前年同期は19億43百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億5百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3億10百万円(前年同期は5億21百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額3億15百万円によるものであります。
なお、キャッシュ・フローの指標のトレンドは、以下のとおりであります。
2018年3月期2019年3月期
自己資本比率(%)66.164.5
時価ベースの自己資本比率(%)61.859.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)-0.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-1,293.5

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に記載されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
※2018年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)及びインタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)につきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
食品事業(百万円)20,86198.3
合計(百万円)20,86198.3

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は受注生産を行っておりませんので該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
食品事業(百万円)43,492100.5
物流事業(百万円)5,963112.4
その他(百万円)1,850101.4
合計(百万円)51,306101.8

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
国分グループ本社株式会社4,9229.85,0879.9
三菱食品株式会社4,3638.74,7289.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
⑤経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しております。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、下記のとおりであります。
(イ)資金需要
当社グループにおきましては、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、さらなる発展と飛躍を目的として、事業分野の拡大や研究及び開発体制の強化、生産設備の拡充等に、資金を活用していきたいと考えております。
(ロ)資金調達
当社グループは、グループ内の資金の一元化と低コストかつ安定的な資金確保の観点から、グループファイナンスシステムを導入しております。これは、グループ内における必要な運転資金や設備資金については、当社にて調達し、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融費用の極小化を図っており、必要な資金は主に営業活動によって得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借り入れ等によって調達しています。
なお、2019年3月31日現在の有利子負債の内訳は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
合計償還1年以内償還1年超
短期借入金8383-
合計8383-

⑦経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な経営戦略と対処すべき課題」に記載しております。