有価証券報告書-第39期(平成26年9月1日-平成27年8月31日)

【提出】
2015/11/26 9:07
【資料】
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【項目】
120項目

対処すべき課題

(1) 当企業グループの現状認識と経営戦略について
今後の当企業グループを取り巻く経営環境を展望すると、ブライダル市場は、日本国内の少子高齢化が進展し、結婚適齢期世代の減少は避けられない状況であります。また、当企業グループの主要販売先である婚礼衣裳業界は、挙式・披露宴の多様化や新規挙式施設の増加等により競争がますます熾烈になっております。
このような状況を踏まえ、当企業グループの経営戦略として、婚礼衣裳業界への販売を積極的に進めるとともに、川中市場(貸衣裳市場)、川下市場(挙式・披露宴市場)の事業展開を積極的に推進し、当企業グループの市場拡大をさらに推し進めてまいります。
(2) 当面の対処すべき課題の内容
当企業グループが対処すべき当面の課題は、以下のようなものが挙げられます。
① サービス事業領域の市場拡大
② 製造原価の低減
③ 自己資本比率の向上
(3) 対処方針と具体的な取組状況等
① サービス事業領域の市場拡大
当企業グループは、主たる販売先である貸衣裳業界の需要動向に左右されない企業体質を作るため、川中市場、川下市場の事業展開を積極的に推進しております。
川中市場は、業務提携を軸にしたショップ事業に注力し、市場のシェアアップを図ってまいります。また、最終消費者に直結するセル市場には、主に「銀座クチュールNAOCO」ブランドで展開するオープンショップ事業を積極的に展開してまいりました。平成27年8月期末現在でインショップ店舗39店、オープンショップ店舗18店を有しております。
ショップ事業につきましては、国内ショップ事業は、インショップ店舗の増加を、年間4、5店程度計画するとともに、写真事業の業務提携強化による売上高の増加を図ってまいります。リゾート挙式事業は、引き続き、「アイネス ヴィラノッツェ 沖縄」(沖縄県名護市)の受注獲得に注力してまいります。
川下市場は、式場事業として「アイネス ヴィラノッツェ」及び「ル・センティフォーリア」名を冠した結婚式場を展開、平成27年8月期末現在で京都、大阪、沖縄で5店舗展開しております。また、平成27年9月には新式場「ル・センティフォーリア 大阪」(大阪市北区)が開業いたしました。
式場事業につきましては、広告宣伝強化による来館数・受注獲得率の増加を図るとともに、諸施策の実行により売上原価率の低下を図ってまいります。
以上のように、長期的には川中、川下の市場を見据えた事業展開を推進し、当企業グループの市場規模を拡大することで業績の向上に努めてまいります。
② 製造原価の低減
当企業グループは、最終消費者のニーズを反映した商品づくりを心掛け、商品への付加価値向上を推進してまいりました。近年、衣裳等の販売価格は、価格水準を堅持しておりますが、海外から流入する低価格品や国内の他メーカーとの価格競争に打ち勝つため、また、より一層の収益力向上を達成するために、製造原価の低減を推進しております。
当企業グループは、生産加工費の削減の軸として、中国青島工場(青島瑪莎礼服有限公司)を主として海外調達比率の向上に努めております。また、平成20年12月に設立した第2の海外生産拠点であるベトナム工場の生産を軌道にのせ、海外調達比率を高めていく方針です。また、一方では国内の生産拠点を見直し、生産の効率化を推進することにより、全体の加工費削減を図ってまいります。
また、原材料コストの削減については、品質維持を最重点としながら、海外からの原材料調達比率を高めるとともに、中国青島工場における現地での原材料調達の拡大に努めてまいります。
今後も品質重視の生産体制を確保しつつ、徹底したコスト管理を進めていく方針であります。
③ 自己資本比率の向上
当企業グループの自己資本比率(平成27年8月期末現在48.0%)の向上は、今後、積極的に事業展開を図るうえで長期かつ安定した資金を調達するための最重要課題と認識しております。
こうした環境を充分認識し、財務体質を強化し、安定的かつ高い収益力を実現できる企業グループ体制を構築してまいります。