有価証券報告書-第83期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか緩やかな回復基調が続いたものの、通商問題を巡る動向や中国経済の先行きに加え、足下では新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を背景に経済活動が抑制される動きもあり、先行きの不透明感は一段と高まったまま推移いたしました。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、原油及び為替の相場は期末に大きく変動しましたが、期中は比較的安定的に推移したこともあり、化成品原材料価格の安定要因となりました。ただし、消費税率引き上げの影響等による個人消費の節約志向は依然として根強く、各セグメントにおいて売上が伸び悩み、加えて物流コストの上昇等による影響もあり、厳しい状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社グループは『営業/調達の改革』を基本方針に、安定した収益を確保すべく、営業部門においては「売上の確保・拡大」「取引採算の向上」、調達部門においては「調達原価の低減」、生産部門においては「生産の効率化」、また物流部門をはじめとする全部門において「経費削減」等を重点課題とし、引き続き需要の開拓と徹底したコスト削減に取り組み、業績回復に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は31,895百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益477百万円(前年同期は営業損失206百万円)、経常利益476百万円(前年同期は経常損失164百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益351百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失933百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、各セグメントのセグメント損益(営業損益)は、「セグメント情報等」に記載のとおり、各セグメントに配分していない全社費用741百万円を配分する前の金額であります。
「紙製品事業」
紙製品事業につきましては、主力の手提袋、角底袋、平袋、紙器の販売金額減少などにより、売上高は前年同期に比べ339百万円減少して12,950百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は生産金額は減少したものの、生産効率の向上やコスト削減に努め生産利益が増加、また仕入品の利益率改善や販売価格修正の進捗により粗利益額が増加し、加えて物流コスト増加を経費削減で補い販売管理費が減少したことから、前年同期に比べ164百万円増加して484百万円となりました。
「化成品事業」
化成品事業につきましては、主力のレジ袋、ポリ手提袋、おむつ用製品の販売数量・金額減少などにより、売上高は前年同期に比べ766百万円減少して12,297百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は原材料価格低下等により生産利益が増加、また仕入品の価格低下により粗利益額が増加し、加えて販売管理費が減少したことから、前年同期に比べ475百万円増加して667百万円となりました。
「その他事業」
その他事業につきましては、S・V・S(スーパーバッグ・ベンダー・システム)を主たる事業として展開しておりますが、主な得意先である流通業界における経費削減の流れは継続しているものの、様々なニーズへの対応などから、売上高は前年同期に比べ6百万円増加して6,647百万円となりました。品目ごとの販売構成では、レジ用紙、販売用品、SVS商品が増加する一方で、包装用品、事務用品、梱包用品が減少しております。セグメント損益(営業損益)は粗利益額の増加により、前年同期に比べ69百万円増加して67百万円の利益となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症が当連結会計年度の当社グループ業績に与える影響につきましては、当社の3月期の売上に対して若干の下振れ要因となりましたが、期末のごく短期間にとどまったこと、また連結子会社である上海世霸包装材料有限公司及び持分法適用関連会社であるNARAI SUPERBAG CO., LTD.の決算期は12月であるため、連結決算上その影響を全く受けていないことを理由に、非常に軽微なものでありました。
②生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙製品事業 | 9,178 | △0.6 |
| 化成品事業 | 3,456 | △9.0 |
| 合計 | 12,634 | △3.0 |
(注) 1.金額は販売価格により算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 紙製品事業 | 12,974 | △2.5 | 1,105 | +2.2 |
| 化成品事業 | 12,148 | △7.7 | 987 | △13.1 |
| その他事業 | 6,507 | △2.4 | 425 | △24.8 |
| 合計 | 31,629 | △4.6 | 2,517 | △9.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙製品事業 | 12,950 | △2.6 |
| 化成品事業 | 12,297 | △5.9 |
| その他事業 | 6,647 | +0.1 |
| 合計 | 31,895 | △3.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べ851百万円減少して16,288百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が1,069百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が719百万円減少、電子記録債権が130百万円減少、たな卸資産が320百万円減少、前渡金が61百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ227百万円減少の10,934百万円となりました。固定資産は、設備投資等により204百万円増加した一方、投資有価証券の時価評価差額が320百万円減少、有形固定資産の売却及び減価償却費で526百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ623百万円減少の5,353百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ837百万円減少して13,032百万円となりました。これは、電子記録債務及び設備電子記録債務が444百万円増加、未払消費税等が214百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が974百万円減少、短期借入金及び長期借入金が456百万円減少、リース債務が86百万円減少したことなどによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14百万円減少して3,256百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益計上により351百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が226百万円減少、剰余金の配当で91百万円減少したことなどによるものであります。この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ20.22円減少し2,029.08円に、自己資本比率は、前連結会計年度末の18.3%から19.0%になりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,777百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,062百万円増加しております。その内訳は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,779百万円(前年同期は0百万円の減少)となりました。
これは、仕入債務の減少555百万円等資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益529百万円、減価償却費413百万円、売上債権の減少850百万円、棚卸資産の減少320百万円等資金が増加したことなどによるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、46百万円(前年同期は896百万円の減少)となりました。
これは、固定資産の売却による収入137百万円等資金が増加したものの、投資有価証券及び固定資産の取得による支出176百万円等資金が減少したことなどによるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、649百万円(前年同期は820百万円の増加)となりました。
これは、借入金が純額で446百万円減少、リース債務の返済による支出108百万円、配当金の支払額93百万円等資金が減少したことなどによるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出や資金調達手段の確保に努めております。設備投資などの長期資金需要につきましては、自己資金及び主に金融機関からの長期借入など、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また運転資金需要につきましては、自己資金、営業活動から得られるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの当座貸越枠を利用した短期借入金により対応しております。
(4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年度からの3カ年を『営業/調達改革の3カ年』と位置づけて策定した中期経営計画のなかで、売上高、営業利益、営業利益率及び自己資本比率、ROE(自己資本利益率)などについて目標値を設け業績の回復に努めております。中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度は、売上高31,895百万円、営業利益477百万円、営業利益率1.5%となりました。また、自己資本比率は19.0%、ROEについては11.3%となっており、売上高を除く各指標において初年度を上回る結果となりました。
2020年度は中期経営計画の最終年度にあたり、当社グループは上記を踏まえ、業績向上、財務体質強化及び株主の持分に対する投資収益率の向上を目指し、企業体質の変革に引き続き取り組むことを目標としております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、同(追加情報)に記載しております。当該感染症の影響については不確実性が大きく、将来事業計画等の見込に反映させることが難しい事象ではありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上し、回収が不確実と判断した部分に対して評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、見積り額が減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、見積り額が減少した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。