有価証券報告書-第84期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、二度にわたり緊急事態宣言が発出され、個人消費・企業活動は急激に縮小し、厳しい状況にありました。また、各種政策による経済の押し上げ、ワクチンの普及による感染収束への期待などから、経済活動に一部持ち直しの動きが見られるものの、緊急事態宣言解除後の感染者数のリバウンドが懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、飲食店のテイクアウト用包装資材、ECサイト向け宅配資材及び衛生用品の販売金額が増加したものの、個人消費の縮小を受け、主要顧客である小売店の包装資材需要は冷え込み、非常に厳しい状況で推移いたしました。
また、プラスチック資源循環戦略(2019年5月31日決定)の取り組みの一環として、2020年7月1日より全国一律でプラスチック製レジ袋の有料化が開始されました。スーパーマーケット・コンビニエンスストア・ドラッグストアなど多くの小売り店舗でレジ袋が有料提供され、さらに紙袋についても有料化する動きが進んだことで、消費者の廃プラスチック問題・環境問題への意識改革とライフスタイル変革への契機となりました。当社グループでは、主力製品であるレジ袋の大幅な需要低下を受け、需給バランスの調整を行ったほか、新素材の開発、環境配慮型素材を使用したレジ袋への切り替えや、ゴミ袋の拡販といった新たな販売機会の創出として、販路拡大に努めてまいりました。
このような環境のもと、当社グループは『市場の多様なニーズと変化への挑戦』を主軸とし、営業部門においては「売上確保・拡大」「採算性の向上」、調達部門においては「調達原価の低減及び収益の取れる調達先の開拓」、生産部門においては「効率化」、また企業活動全体で『ITの強化とDX(デジタル・トランスフォーメーション)化』を推進し、引き続き需要の開拓と徹底したコスト削減に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は26,253百万円(前年同期比17.7%減)、営業損失137百万円(前年同期は営業利益477百万円)、経常損失150百万円(前年同期は経常利益476百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失383百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益351百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、各セグメントのセグメント損益(営業損益)は、「セグメント情報等」に記載のとおり、各セグメントに配分していない全社費用696百万円を配分する前の金額であります。
「紙製品事業」
紙製品事業につきましては、新型コロナウイルス感染症及び紙袋有料化の影響により、主力の手提袋、平袋及び紙器の販売数量・金額が減少し、売上高は前年同期に比べ2,864百万円減少して10,085百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は生産利益や仕入品の粗利益額が減少し、経費削減により販売管理費が減少したものの、前年同期に比べ332百万円減少して151百万円となりました。
「化成品事業」
化成品事業につきましては、新型コロナウイルス感染症及びレジ袋有料化の影響により、主力のレジ袋、ポリ手提袋、平ポリ袋及びおむつ用製品の販売数量・金額が減少、ポリ宅配袋が増加したものの、売上高は前年同期に比べ2,666百万円減少して9,631百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上高の減少に加えて原材料価格上昇等により生産利益が減少したことなどから粗利益額が減少し、販売管理費が減少したものの、前年同期に比べ346百万円減少して321百万円となりました。
「その他事業」
その他事業につきましては、S・V・S(スーパーバッグ・ベンダー・システム)を主たる事業として展開しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、百貨店や量販店向け用度品等の販売が減少し、売上高は前年同期に比べ110百万円減少して6,537百万円となりました。品目ごとの販売構成では、包装用品、事務用品及びSVS商品が減少する一方で、感染症拡大を背景に衛生用品が増加しております。セグメント利益(営業利益)は粗利益額の微増、販売管理費の減少により、前年同期に比べ19百万円増加して86百万円となりました。
②生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙製品事業 | 6,680 | △27.2 |
| 化成品事業 | 2,346 | △32.1 |
| 合計 | 9,026 | △28.6 |
(注) 1.金額は販売価格により算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、紙製品事業及び化成品事業の生産実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症及び紙袋、レジ袋有料化の影響によるものであります。
ロ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 紙製品事業 | 9,793 | △24.5 | 813 | △26.4 |
| 化成品事業 | 9,288 | △23.5 | 644 | △34.7 |
| その他事業 | 6,602 | +1.5 | 490 | +15.3 |
| 合計 | 25,684 | △18.8 | 1,948 | △22.6 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、紙製品事業及び化成品事業の受注実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症及び紙袋、レジ袋有料化の影響によるものであります。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙製品事業 | 10,085 | △22.1 |
| 化成品事業 | 9,631 | △21.7 |
| その他事業 | 6,537 | △1.7 |
| 合計 | 26,253 | △17.7 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、紙製品事業及び化成品事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症及び紙袋、レジ袋有料化の影響によるものであります。
(2) 財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べ1,736百万円減少して14,551百万円となりました。流動資産は、未収入金が95百万円増加した一方、現金及び預金が224百万円減少、受取手形及び売掛金が637百万円減少、電子記録債権が197百万円減少、たな卸資産が618百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,551百万円減少の9,383百万円となりました。固定資産は、設備投資等により213百万円増加、投資有価証券の時価評価差額が236百万円増加した一方、有形固定資産及び無形固定資産の減価償却で371百万円減少、繰延税金資産が300百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ184百万円減少の5,168百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,533百万円減少して11,498百万円となりました。これは、短期借入金及び長期借入金が51百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が951百万円減少、電子記録債務及び設備電子記録債務が217百万円減少、未払法人税等が82百万円減少、未払消費税等が188百万円減少、賞与引当金が80百万円減少したことなどによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ202百万円減少して3,053百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が166百万円増加、退職給付に係る調整累計額が107百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失計上により383百万円減少、剰余金の配当で91百万円減少したことなどによるものであります。この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ127.54円減少し1,901.54円に、自己資本比率は、前連結会計年度末の19.0%から20.0%になりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,546百万円となり、前連結会計年度末に比べ231百万円減少しております。その内訳は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、118百万円(前年同期は1,779百万円の増加)となりました。
これは、減価償却費326百万円、売上債権の減少835百万円、棚卸資産の減少618百万円等資金が増加したものの、税金等調整前当期純損失159百万円、仕入債務の減少1,208百万円、未払債務の減少82百万円、未払消費税等の減少188百万円、事業税・法人税等の支払額221百万円等資金が減少したことなどによるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、19百万円(前年同期は46百万円の減少)となりました。
これは、投資有価証券及び固定資産の取得による支出173百万円等資金が減少したものの、投資有価証券の売却による収入207百万円等資金が増加したことなどによるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、147百万円(前年同期は649百万円の減少)となりました。
これは、借入金が純額で60百万円増加したものの、リース債務の返済による支出116百万円、配当金の支払額91百万円等資金が減少したことなどによるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出や資金調達手段の確保に努めております。設備投資などの長期資金需要につきましては、自己資金及び主に金融機関からの長期借入など、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また運転資金需要につきましては、自己資金、営業活動から得られるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの当座貸越枠を利用した短期借入金により対応しております。
(4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年度からの3カ年を『営業/調達改革の3カ年』と位置づけて策定した中期経営計画のなかで、売上高、営業利益、営業利益率及び自己資本比率、ROE(自己資本利益率)などについて目標値を設け業績の回復に努めてまいりました。中期経営計画の最終年度にあたる当連結会計年度は、売上高26,253百万円、営業損失137百万円、営業利益率△0.5%となりました。また、自己資本比率は20.0%、ROEについては△12.8%となっており、中期経営計画3カ年のうち、2度目となる営業赤字、各指標も自己資本比率を除き、2年目を下回る結果となりました。
2021年度は新たに策定される中期経営計画の初年度にあたり、当社グループは上記を踏まえ、業績向上、財務体質強化及び株主の持分に対する投資収益率の向上を目指し、企業体質の変革に引き続き取り組むことを目標としております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、同(重要な会計上の見積り)に記載しております。当該感染症の影響については不確実性が大きく、将来事業計画等の見込に反映させることが難しい事象ではありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上し、回収が不確実と判断した部分に対して評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、見積り額が減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、見積り額が減少した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。