有価証券報告書-第29期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の概況、認識及び分析・検討内容
①全般的状況
当連結会計年度における世界経済は、景気持ち直しの動きが緩やかに継続しましたが、一部の国や地域においては需要の減少や米国の通商政策等を背景とする回復鈍化の傾向がみられました。また、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の不安定化により、エネルギー供給や国際物流に関する不透明感が高まりました。
日本経済においては、雇用や所得環境の改善による景気持ち直しの動きが継続したものの、米国の通商政策や国際情勢の影響による不透明感が高まりました。
また、化学工業界においては、川下製品の需要鈍化の影響を受け、国内のナフサクラッカーの稼働率は低調に推移しました。加えて、中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー供給や原料調達に対する不透明感が高まりました。
このような情勢のもとで、当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、ESGを中核に据えた経営を行っていくことで、事業活動を通じた社会課題解決に取り組んでおります。また、目指すべき企業グループ像として、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」を掲げており、2021年度に策定した長期経営計画「VISION 2030」のもと、当社グループが目指す未来社会に向けて、変革を加速しております。
ライフ&ヘルスケア・ソリューション領域では、先進国の少子高齢化や新興国の経済成長・人口増加に伴い、生活の質(QOL)向上や、食資源の不足等の社会課題への関心が高まっています。世界トップシェアのビジョンケア材料では、メガネレンズの長寿命化や防曇・調光などに貢献する高機能コーティング材・機器の製造・販売・研究を行う当社子会社であるSDC Technologies, Inc.が、研究開発機能及び製造機能を大幅に強化するため、本社を米国のカリフォルニア州アーバインから同州ランチョサンタマルガリータに移転することを決定しました。また、ライフケア、ウェルネスに次ぐ第3の収益の柱として育成しているメディカル領域においては、高度な遺伝子解析技術を強みとし、がん等の疾患を対象に遺伝子診断サービスを提供する「診断事業」や、大学や研究機関、企業向けに実験解析サービスを提供する「受託事業」を展開する㈱DNAチップ研究所へのTOBが成立し、同社は当社の完全子会社となりました。
モビリティソリューション領域では、自動車業界においては、燃費向上ニーズや電動化へのシフトに加え、軽量化・快適性の向上といった多様化したニーズが生まれています。自動車の軽量化、高機能化に貢献する複合材料においては、米州、欧州、中国、インド地域密着での開発・生産・販売一貫体制を深化し、複合材料全体で地域連携を強化するとともに、各製品の差別化戦略も推進しております。高い耐熱性等を有するエンジニアリングプラスチック製品であるアーレン®及びオーラム®については、自動車及び電気・電子分野で拡大する高機能製品への需要に対応するため、ポリプラスチックス㈱と営業業務の提携に関する契約を締結しました。同社が有するお客様ネットワーク及びソリューション提供力を活用することで、更なる事業成長を目指します。なお、同契約により委託する営業業務は、同社グループの再編に伴い、2026年4月1日付で同社の親会社である㈱ダイセルへ包括的に事業承継されております。
ICTソリューション領域では、高速通信、AIの開発等、世界的なデジタル化の進展に伴い、安全・快適なインフラ、持続可能な地球環境を支えるAI、Beyond 5G等の情報通信(ICT)分野における進化の重要性が高まっております。生成AI向けに需要が拡大している半導体の製造工程で使用されるイクロステープ™においては、技術サービス機能を活かして周辺領域への提案を加速するため、昨年度に当社名古屋工場にて開所した「Creating Integration Lab.®」の他、当社グループの台湾工場に評価・試作機能を加え、現地での開発体制を拡充しました。また、拡大するAR/VR市場に向けて、ARグラスに用いられるWaveguide(光導波路)向け樹脂ウェハDiffrar®(ディフラ®)の開発を進め、世界初(当社調べ)となる屈折率1.67および1.74で12インチサイズのARグラス向け光学樹脂ウェハの開発に成功しました。
ベーシック&グリーン・マテリアルズ領域では、国内産業全体を支える強靭な事業体実現に向けて、更なる再構築を推進するとともに、他社連携を加速しております。石油化学産業の上流に位置するエチレン製造設備については、西日本地区においては旭化成㈱及び三菱ケミカル㈱が保有する設備を、千葉地区においては出光興産㈱が保有する設備をそれぞれ停止(※)し、当社グループの設備に生産を集約することで合意しました。また、自動車、電子材料、医療機器などの多岐にわたる用途に使用される素材であるポリオレフィン事業については、出光興産㈱及び当社の合弁会社である㈱プライムポリマーに、住友化学㈱の国内におけるポリプロピレン事業及びLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)事業を統合することについて最終契約を締結し、2026年7月の事業統合に向け準備を進めています。
※時期:西日本地区 2030年度を目途、千葉地区 2027年7月(出光興産㈱千葉事業所の定修後)
このような情勢のもとで、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
なお、当社は経営指標の一つとしてコア営業利益を採用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
| 売上収益 | コア営業利益 | 営業利益 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | |
| 当連結会計年度(億円) | 16,688 | 1,000 | 738 | 344 |
| 前連結会計年度(億円) | 18,092 | 1,010 | 783 | 322 |
| 増減率(%) | △7.8 | △0.9 | △5.8 | 6.6 |
売上収益は、前連結会計年度に比べ1,404億円減(7.8%減)の1兆6,688億円となりました。これは、ナフサ等原料価格の下落に伴う販売価格の下落や、主にベーシック&グリーン・マテリアルズセグメントにおける販売の減少などによるものです。
海外売上収益は8,647億円となり、売上収益全体に占める割合は前連結会計年度に比べ0.1ポイント増の51.8%となりました。
コア営業利益は、前連結会計年度に比べ10億円減(0.9%減)の1,000億円となりました。これは、ナフサ等原料価格の下落に伴う在庫評価損益の悪化などによるものです。
なお、当連結会計年度の為替レートは151円/$、国産ナフサ価格は65,300円/KLとなりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ45億円減(5.8%減)の738億円となりました。これは、コア営業利益の減少に加え、中国でフェノール事業を展開する持分法適用会社の投資に対する減損損失等を計上したことなどによるものです。
金融収益・費用は、前連結会計年度に比べ15億円改善の52億円の損失となりました。
以上により、税引前利益は、前連結会計年度に比べ30億円減(4.2%減)の686億円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ22億円増(6.6%増)の344億円となり、基本的1株当たり当期利益は91.62円となりました。なお、当社は、2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。
②セグメント別の状況
セグメント別の業績は、次のとおりです。
なお、当社は、2025年4月1日に実施した組織改正に伴い、エム・エーライフマテリアルズ㈱他一部の連結子会社の帰属セグメントを見直しております。これに伴い、前連結会計年度比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後のセグメントに組み替えて行っております。
(ライフ&ヘルスケア・ソリューション)
当セグメントの売上収益は、前連結会計年度に比べ74億円増の2,591億円、売上収益全体に占める割合は15%となりました。また、コア営業利益は、大牟田工場製造設備の稼働停止影響があったものの、主にビジョンケア及び農業化学品の販売が堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ1億円増の342億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
ビジョンケアのメガネレンズ用材料は、販売が堅調に推移しました。一方、大牟田工場製造設備の稼働停止影響により固定費等が悪化しました。
オーラルケアは、販売が前連結会計年度並で推移しました。また、事業構造改善により固定費が良化しました。
農業化学品は、販売が堅調に推移しました。
(モビリティソリューション)
当セグメントの売上収益は、子会社株式の譲渡等により、前連結会計年度に比べ397億円減の5,154億円、売上収益全体に占める割合は31%となりました。また、コア営業利益は、主に米国関税や半導体供給不足、及び米国アルミ工場火災に起因したOEM各社の減産によるPPコンパウンドの販売の減少や、為替差等による交易条件の悪化により、前連結会計年度に比べ41億円減の510億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。
エラストマーは、販売が前連結会計年度並で推移しました。また、為替差等により交易条件が悪化しました。
PPコンパウンドは、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。一方、為替差等による悪化があるものの、価格改定により交易条件が改善しました。
ソリューション事業は、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。
(ICTソリューション)
当セグメントの売上収益は、子会社株式の譲渡があるものの、前連結会計年度に比べ19億円増の2,795億円、売上収益全体に占める割合は17%となりました。また、コア営業利益は、主に半導体・光学材料及びICTフィルム・シートの販売が堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ102億円増の369億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
半導体・光学材料は、半導体市場の需要回復により販売が堅調に推移しました。
コーティング・機能材は、販売が前連結会計年度並で推移しました。
ICTフィルム・シートは、半導体市場の需要回復により販売が堅調に推移しました。
不織布は、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。
(ベーシック&グリーン・マテリアルズ)
当セグメントの売上収益は、前連結会計年度に比べ1,101億円減の5,999億円、売上収益全体に占める割合は36%となりました。また、コア営業損失は、事業構造改善による固定費等の良化や持分法投資利益の増加があるものの、ナフサ等原料価格の下落に伴う在庫評価損益の悪化や市況の悪化により、前連結会計年度に比べ70億円増の184億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・コア営業損失の増加となりました。
フェノール類は、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。
ポリオレフィンは、価格改定により交易条件が改善しました。
ナフサクラッカーの稼働率は、川下製品の需要減少及び大規模な定期修理の影響により低調に推移しました。
(その他)
当セグメントの売上収益は、前連結会計年度に比べ1億円増の149億円、売上収益全体に占める割合は1%となりました。また、コア営業損失は、前連結会計年度に比べ25億円減の1億円となりました。
売上収益とコア営業利益のセグメント別増減内訳はそれぞれ以下のとおりであります。
(売上収益)
| (単位:億円) |
| 第28期 | 第29期 | 増減 | ||||
| 計 | 数量差 | 価格差 | ||||
| ライフ& ヘルスケア・ ソリューション | 2,517 | 2,591 | 74 | 111 | △37 | |
| モビリティ ソリューション | 5,511 | 5,154 | △397 | △226 | △171 | |
| ICT ソリューション | 2,776 | 2,795 | 19 | 24 | △5 | |
| 成長領域 | 10,844 | 10,540 | △304 | △91 | △213 | |
| ベーシック& グリーン・ マテリアルズ | 7,100 | 5,999 | △1,101 | △735 | △366 | |
| その他 | 148 | 149 | 1 | - | 1 | |
| 消去又は全社 | - | - | - | - | - | |
| 合計 | 18,092 | 16,688 | △1,404 | △826 | △578 | |
(コア営業損益)
| (単位:億円) |
| 第28期 | 第29期 | 増減 | |||||
| 計 | 数量差 | 交易条件 | 固定費差他 | ||||
| ライフ& ヘルスケア・ ソリューション | 341 | 342 | 1 | 34 | △5 | △28 | |
| モビリティ ソリューション | 551 | 510 | △41 | △24 | △9 | △8 | |
| ICT ソリューション | 267 | 369 | 102 | 67 | 27 | 8 | |
| 成長領域 | 1,159 | 1,221 | 62 | 77 | 13 | △28 | |
| ベーシック& グリーン・ マテリアルズ | △114 | △184 | △70 | △20 | △98 | 48 | |
| その他 | △26 | △1 | 25 | - | - | 25 | |
| 消去又は全社 | △9 | △36 | △27 | - | - | △27 | |
| 合計 | 1,010 | 1,000 | △10 | 57 | △85 | 18 | |
(注) 交易条件=価格差+変動費差(主として原燃料価格差)
③経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、以下のとおりであります。なお、当社グループは、ライフ&ヘルスケア・ソリューション、モビリティソリューション、ICTソリューション及びベーシック&グリーン・マテリアルズの各セグメントにおいて、多種多様な製品を取り扱っており、それぞれの製品によって経営成績に影響を与える要因及びその程度は異なります。
a 売上収益について
売上収益は、販売数量及び販売価格等により変動します。
販売数量については、主に顧客の状況、市場環境及び競合他社の事業展開等の要因によって影響を受ける可能性があります。
販売価格については、主にナフサ等の原燃料価格の変動の製品価格への転嫁状況、製品市況の変動及び為替変動等の要因によって影響を受ける可能性があります。
b コア営業利益について
コア営業利益は、販売数量、交易条件及び固定費等により変動します。
販売数量については、主に顧客の状況、市場環境及び競合他社の事業展開等の要因によって影響を受ける可能性があります。
交易条件については、主にナフサ等の原燃料価格の変動、原燃料価格の製品価格への転嫁状況、製品市況の変動及び為替変動等の要因によって影響を受ける可能性があります。
固定費については、主に生産設備の新増設、研究開発の状況等の要因によって影響を受ける可能性があります。
④生産、受注及び販売の実績
a 生産実績及び受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産実績及び受注実績については、「(1) 経営成績の概況、認識及び分析・検討内容 ②セグメント別の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しております。
b 販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | 前年同期比(%) |
| ライフ&ヘルスケア・ソリューション(百万円) | 259,076 | 2.9 |
| モビリティソリューション(百万円) | 515,406 | △7.2 |
| ICTソリューション(百万円) | 279,436 | 0.7 |
| ベーシック&グリーン・マテリアルズ(百万円) | 599,922 | △15.5 |
| 報告セグメント計(百万円) | 1,653,840 | △7.8 |
| その他(百万円) | 14,914 | 1.2 |
| 合計(百万円) | 1,668,754 | △7.8 |
(注)1.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 | 当連結会計年度 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三井物産㈱ | 346,951 | 19.2 | 300,257 | 18.0 |
(2) 財政状態の概況、認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億円減の2兆1,517億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ205億円減の1兆1,629億円となりました。また、有利子負債は41億円増の7,958億円となりました。この結果、資産合計に対する有利子負債の比率は前連結会計年度末に比べ0.2ポイント増の37.0%となりました。
| 第25期 | 第26期 | 第27期 | 第28期 | 第29期 | |
| 有利子負債残高(億円) | 7,151 | 7,947 | 8,115 | 7,917 | 7,958 |
| 有利子負債比率(%) | 37.0 | 38.4 | 36.6 | 36.8 | 37.0 |
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ182億円増の9,888億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増の40.2%となりました。
以上により、当連結会計年度末のネットD/Eレシオ(ネット有利子負債(有利子負債-現預金・長期性預金)/親会社の所有者に帰属する持分)は、前連結会計年度末に比べ0.03ポイント減の0.70となりました。
ネットD/Eレシオの推移は以下のとおりであります。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ125億円増の1,831億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ125億円増の2,130億円となりました。これは主に、運転資本が減少したことなどによるものです。
この結果、営業キャッシュ・フローに対する有利子負債の比率は前連結会計年度の3.9から3.7に減少し、インタレスト・カバレッジ・レシオは25.0倍から25.3倍に増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ302億円減の1,348億円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ15億円増の759億円となりました。
なお、キャッシュ・フローに関する指標は以下のとおりであります。
| 第25期 | 第26期 | 第27期 | 第28期 | 第29期 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 36.8 | 38.0 | 38.9 | 39.4 | 40.2 |
| 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) | 30.9 | 31.3 | 37.2 | 29.1 | 31.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 7.7 | 7.8 | 5.0 | 3.9 | 3.7 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 23.3 | 17.2 | 21.6 | 25.0 | 25.3 |
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
キャッシュ・フローの推移は以下のとおりであります。

②資金の調達について
当社グループの資金調達については、
1)高い格付けを維持し、資金需要に応じて都度、社債、借入及びコマーシャル・ペーパーを主体に低コストの資金調達を行うこと。
2)一定割合の間接金融を導入し、資金調達の安定化を図ること。
3)売上債権流動化等の資産の流動化により、資金調達の多様化を図ること。
を基本的な考え方として実施しております。
また、子会社(日米欧、中国、シンガポール)の資金調達については、原則として、当社及び地域統括会社を通じたグループファイナンスを行うことにより、グループ全体での有利子負債削減と資金効率の向上に努めております。
③資金の流動性について
資金の流動性については、資金効率を考慮しながら、手元流動性を確保すると共に、コミットメント・ライン、当座貸越枠等の代替調達手段を備えております。
④資本政策のための基本方針
当社は、資本コストを意識した経営が重要との認識の下、投資効率性の向上と資本コストの低減に向けた取り組みを通じて、企業価値の最大化を図っております。投資効率性向上の取り組みとして、当社は「ポートフォリオマネジメント」、「KPIマネジメント」、「投資評価適正化」を推進しています。一方資本コスト低減に向けては、「収益ボラティリティの低減」、「最適資本構成の実現」、「投資家とのコミュニケーション強化」に取り組んでおります。
このうち、最適資本構成については、財務健全性と資本コスト最小化を両立できる資本構成を追及しております。足下のネットD/Eレシオの状況は財政状態に記載のとおり安定して推移しており、営業キャッシュ・フローも高水準な状況が継続しております。
今後につきましては、現状の財政状態の水準を維持しつつ、積極投資を継続して事業の成長・拡大による更なる企業価値の向上を推進してまいります。
一方で、当社は株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題と位置づけています。翌連結会計年度以降の株主還元方針としましては、資本効率を向上させながら、安定的かつ継続的な配当の実現と、機動的かつ柔軟な自己株式の取得により、株主還元の充実を図ることといたします。

(4) 目標とする経営指標の達成状況等
2030年度長期経営目標に対する2025年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
| 当連結会計年度(計画) | 当連結会計年度 (実績) | 当連結会計年度 (計画比) | 2030年度長期経営目標 | |
| コア営業利益 | 1,100億円 | 1,000億円 | 100億円減 (9.1%減) | 2,500億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 550億円 | 344億円 | 206億円減 (37.5%減) | 1,500億円以上 |
| 親会社所有者帰属持分当期利益率 (ROE) | 6.4% | 4.0% | 2.4ポイント減 | 13%以上 |
| Net D/E | 0.70 | 0.70 | - | 0.8以下 |
| 投下資本利益率 (ROIC) | 4.8% | 4.5% | 0.3ポイント減 | 9%以上 |
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しております。また、当社は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定を適用しております。連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。