有価証券報告書-第142期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/24 13:38
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1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド消費の増加等により緩やかな回復基調にあるものの、物価上昇の継続が個人消費や企業の設備投資を下押しし、一部に弱さが見られる状況となりました。先行きについては、長期化するウクライナ情勢や中東地域の不安定な政情、為替の円安推移等によりエネルギー価格や原材料価格の高止まりをもたらしているほか、米国新政権の保護主義的な政策運営が金利・為替・株式相場の変動を引き起こすなど、将来の不確実性はいっそう高まっております。
当社グループにおいては、2024年3月期に公表いたしました当社一部製品に係る不適切行為を受けて、再発防止策の推進及びコンプライアンス遵守の徹底に取り組んでまいりましたが、同活動を進めるなかで新たな不適切事案を確認いたしました。これを受け、当社は当事案に該当するJIS認証製品の出荷を自粛し、その後2024年11月29日付で該当製品はJISマーク表示の一時停止となりました。
当社グループの経営成績については、照明機器事業の堅調な推移により、売上高は725億1千1百万円(前期比 0.8%増)となりました。利益面は、国内塗料事業における費用増加や海外塗料事業における売上減少に伴う利益率低下により、営業利益は47億1千6百万円(同 1億8千5百万円減)、経常利益は51億9千9百万円(同 1億3千7百万円減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月18日付で神東塗料株式会社を子会社化したことに伴う負ののれん発生益の計上及び政策保有株式の縮減による投資有価証券売却益の計上により、94億3千7百万円(同 48億3千6百万円増)となりました。
なお、当連結会計年度においては、連結貸借対照表には神東塗料株式会社の資産及び負債を含んでおりますが、連結損益計算書には神東塗料株式会社の損益を含んでおりません。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[国内塗料事業]
一般用分野は、不適切行為問題による需要の減少影響により、売上高は前期を下回りました。工業用分野は、金属建材用途などの一部市況の回復や過年度より進めてきた価格是正の進展により、売上高は前期を上回りました。インク・分散技術関連では、新製品の拡販やディスプレイ用途への採用が進展し、売上高は前期を上回りました。
この結果、売上高は509億2千1百万円(前期比 0.7%増)となりました。営業利益は、基幹システム更新に伴う一過性の費用増加や人件費等の増加により、19億6千8百万円(同 2億3千2百万円減)となりました。
[海外塗料事業]
東南アジアは、自動車生産台数の減少影響や建材用塗料の需要減少により、売上高は前期を下回りました。メキシコは、自動車生産台数の増加及び新規取引の需要増加により、売上高は前期を上回りました。中国は、日系自動車メーカーの低迷や金属建材向けの需要減少により、売上高は前期を下回りました。
この結果、売上高は81億3千3百万円(前期比 4.7%減)となりました。営業利益は、東南アジア及び中国における売上減少に伴う利益率低下により、2億3千8百万円(同 1億7千7百万円減)となりました。
[照明機器事業]
業務用LED照明分野は、好調なインバウンド需要や都市部再開発を背景に商業施設や宿泊施設向けを中心に需要が堅調に推移したほか、販売価格の改善が進展し、売上高は前期を上回りました。UVランプ分野は、紫外線殺菌用途の需要は堅調なものの、一部製品の需要が減少し、売上高は前期を下回りました。蛍光ランプ分野は、販売価格の改善に継続して努めておりますが市場縮小に伴う需要の減少により、売上高は前期を下回りました。
この結果、売上高は104億1千8百万円(前期比 7.6%増)となりました。営業利益は、人件費の増加や本社移転による減価償却費の増加等がありましたが、業務用LED照明分野における大幅な増収により費用増加を吸収し、20億6千3百万円(同 1億7千3百万円増)となりました。
[蛍光色材事業]
顔料分野は、EU地域等の海外向け需要が回復し、売上高は前期を上回りました。加工品分野では、安全対策用塗料の需要は堅調に推移しておりますが、テープ製品の需要が減少し、売上高は前期を下回りました。
この結果、売上高は11億5千8百万円(前期比 1.4%減)となりました。営業利益は、製品ミックスの改善や経費抑制により、5千9百万円(同 3千1百万円増)となりました。
[その他事業]
物流事業は、物流業界における各種コストの上昇に対して単価改善に努めたものの取扱量が減少し、売上高は前期を下回りました。塗装工事事業は、工事受注が減少し、売上高は前期を下回りました。
この結果、売上高は18億7千9百万円(前期比 5.9%減)、営業利益は、7千9百万円(同 5千8百万円減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末より36億1百万円増加し、114億6千9百万円となりました。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、35億7千万円(前連結会計年度は34億6千3百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益及び減価償却費等による収入と、退職給付に係る資産の増加、法人税等の支払等の支出が主因とするものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、3億6千4百万円(前連結会計年度は7億7千2百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の売却、投資有価証券の売却、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得等による収入と、有形固定資産の取得、無形固定資産の取得等の支出が主因とするものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、7千5百万円(前連結会計年度は16億5千7百万円の支出)となりました。これは短期借入金の借入、長期借入金の借入等の収入と、配当金の支払、長期借入金の返済等の支出が主因とするものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、営業活動から得られたキャッシュ・フローの収入を財源に運転資金、製造設備や研究開発設備の購入、配当金の支払い及び借入金の返済等に利用しております。
事業活動の持続的成長に欠かせない資金の流動性や安定的確保において、短期運転資金については、自己資金及び取引金融機関からの短期借入を基本とし、また設備投資など長期運転資金の調達については、長期借入を基本としております。当連結会計年度においては、重要な資金調達はありません。その結果、短期借入金残高は105億3千6百万円(前連結会計年度は44億円)、長期借入金残高は10億4千万円(前連結会計年度は7億円)となっております。
当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は140億7千5百万円となっております。また、現金及び預金残高は126億4千9百万円となっております。一部の国内子会社については、各社の余剰資金を効率的に活用するため、CMS(キャッシュマネジメントサービス)を導入し、資金及び財務効率性を目的とした一元管理を行っております。なお、在外子会社については、現地での設備投資や運転資金等の資金需要のために必要な現預金を保有しており、余剰資金が発生した場合には、将来的な資金需要を考慮しながら配当金を通じて、当社が余剰資金を回収しております。
ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化及び米国新政権の保護主義的な政策運営が金利・為替・株式相場の変動を引き起こす等、足元の業績が不透明な中で、当社としては手元資金の流動性の確保に向け金融機関と日々連携しており、当面の資金繰りについては、十分に担保されております。今後、運転資金等の需要が増加した場合には、コミットメントライン契約の活用の検討や、主力銀行等からの追加の短期資金調達を実施いたします。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比(%)
国内塗料(百万円)50,75998.5
海外塗料(百万円)7,22893.6
照明機器(百万円)6,291100.0
蛍光色材(百万円)945100.2
合 計(百万円)65,22598.1

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.前記セグメント区分以外の「その他」は、塗装工事事業、物流事業等であり、提供するサービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
② 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、一部特需関係等を除き主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残等について特に記載すべき事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比(%)
国内塗料(百万円)50,921100.7
海外塗料(百万円)8,13395.3
照明機器(百万円)10,418107.6
蛍光色材(百万円)1,15898.6
報告セグメント計(百万円)70,632101.0
その他(百万円)1,87994.1
合 計(百万円)72,511100.8

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は照明機器事業の堅調な推移により前期を上回りましたが、営業利益は国内塗料事業の費用増加等の影響により前期を下回りました。
売上高と営業利益のセグメントごとの経営成績の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)当連結会計年度における財政状態の分析
前連結会計年度
(2024年3月31日)
当連結会計年度
(2025年3月31日)
増減額
資産 (百万円)101,618133,34431,725
負債 (百万円)39,12857,17318,045
純資産(百万円)62,49076,17013,679
自己資本比率(%)58.648.89.8ポイント減

当連結会計年度末における総資産は、1,333億4千4百万円となり、前連結会計年度末と比較して317億2千5百万円の増加となりました。流動資産は、530億6千6百万円で前連結会計年度末と比較して128億6千7百万円の増加となりましたが、これは現金及び預金の増加、受取手形、売掛金及び契約資産の増加、電子記録債権の増加、棚卸資産の増加が主因であります。固定資産は、802億7千7百万円で前連結会計年度末と比較して188億5千8百万円の増加となりましたが、これは有形固定資産の増加、無形固定資産の増加が主因であります。
負債は、571億7千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して180億4千5百万円の増加となりました。流動負債は、396億4千1百万円で前連結会計年度末と比較して109億4千8百万円の増加となりましたが、これは支払手形及び買掛金の増加、短期借入金の増加が主因であります。固定負債は、175億3千2百万円で前連結会計年度末と比較して70億9千7百万円の増加となりましたが、これは長期借入金の増加、退職給付に係る負債の増加、企業結合に係る特定勘定の増加、繰延税金負債の増加が主因であります。
純資産は、761億7千万円となり、前連結会計年度末と比較して136億7千9百万円の増加となりましたが、これは利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加、非支配株主持分の増加が主因であります。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ビジョン2029及び2026中期経営計画における経営上の目標としての業績指標に、売上高、営業利益、NOPAT-ROEを設定しております。これらの目標を踏まえ、各期においても期初に事業環境等を考慮して計画値を設定し、その達成に向け努めております。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
2024年5月10日公表の業績予想との比較
指 標当連結会計年度当連結会計年度(予想比)(予想比)(%)2026年度2029年度
(予 想)(実 績)(目標)(目標)
売上高(百万円)74,00072,511△1,48898.080,000100,000
営業利益(百万円)4,2504,716466111.08,00010,000
NOPAT-ROE(%)5.35.30.0ポイント-8.0程度8.0程度

2024年5月10日公表の業績予想との比較では、売上高は予想比14億8千8百万円減(予想比 2.0%減)、営業利益は予想比4億6千6百万円増(同 11.0%増)、NOPAT-ROEは予想比0.0ポイントとなりました。
この要因としては、売上高は、国内塗料事業におけるJISマーク表示の一時停止処分に伴う出荷の減少、並びに海外塗料事業における東南アジア・中国市場での日系自動車メーカーの低迷による販売低迷により、期初予想を下回りました。営業利益は、国内塗料事業及び照明機器事業において付加価値の高い製品の拡販注力及びかねてより推進している価格是正の浸透により、期初予想を上回りました。NOPAT-ROEは、営業利益が期初予想を上回ったと同時に、期中における神東塗料の連結子会社化により期初時点の想定よりも自己資本が増加したことで、結果として期初予想水準となりました。
2024年11月8日業績予想発表時(修正)
指 標当連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度
(予 想)(実 績)(予想比)(予想比)(%)
売上高(百万円)74,00072,511△1,48898.0
営業利益(百万円)4,8004,716△8398.3
売上高営業利益率(%)6.56.50.0ポイント-

2025年5月7日業績予想発表時(修正)
指 標当連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度
(予 想)(実 績)(予想比)(予想比)(%)
売上高(百万円)72,51072,5111100.0
営業利益(百万円)4,7104,7166100.1
売上高営業利益率(%)6.56.50.0ポイント-

前連結会計年度実績比較
指 標前連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度
(実 績)(実 績)(実績比)(実績比)(%)
売上高(百万円)71,94072,511570100.8
営業利益(百万円)4,9014,716△18596.2
売上高営業利益率(%)6.86.5△0.3ポイント-

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