有価証券報告書-第151期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
研究開発活動
(1) 創薬研究
当期は、継続的なグローバル開発品の創製と創薬研究プログラムの充実に加え、外部連携も活用した研究の生産性向上ならびに競争力の高い研究基盤の構築に取り組みました。その結果、シオノギ研究所が創製した多剤耐性菌感染症治療薬候補を英国グラクソ・スミスクライン社へ導出した他、米国ジョンソン・エンド・ジョンソン社のグループ企業との共同研究によりアルツハイマー病治療薬候補を創製し、前臨床研究ステージに進めることができました。さらに、外部との連携においては、ペプチドリーム株式会社や日産化学工業株式会社等との産産連携及び外部ファンドの活用を進めることにより、疼痛・神経領域ならびに新興・再興感染症領域の創薬研究を加速させました。また、産学連携においては、国内大学との連携に加え、英国ケンブリッジ地区での産学連携コンソーシアムに参画することにより、英国での新たな創薬研究に向けた取り組みにも着手しました。
(2) グローバル開発
当期は、新薬開発活動の生産性向上を目指し、日米欧亜を俯瞰するグローバル開発体制の整備と、戦略の意思決定機能のさらなる向上に取り組みました。その結果、当社グループの次期主力製品の一つと位置付けているオピオイド誘発性便秘症治療薬候補「ナルデメジン(一般名)」を単独でグローバル開発し、本年3月に日本と米国で同時に承認申請しました。また、インフルエンザ感染症治療薬候補「S-033188」が、厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けました。さらに海外では、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補「S-649266」の第Ⅲ相臨床試験を開始しました。国内では、リリー社と国内で共同開発を進めてきた「サインバルタ」が、昨年5月に「線維筋痛症に伴う疼痛」、そして本年3月には「慢性腰痛症に伴う疼痛」の適応追加承認を取得するとともに、「変形性関節症に伴う疼痛」の適応追加の承認申請を行いました。
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は497億87百万円となりました。
開発品(平成28年5月現在)
<導出品>
*: Long acting parenteral formulation
<「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において開発要請を受けた品目>
当期は、継続的なグローバル開発品の創製と創薬研究プログラムの充実に加え、外部連携も活用した研究の生産性向上ならびに競争力の高い研究基盤の構築に取り組みました。その結果、シオノギ研究所が創製した多剤耐性菌感染症治療薬候補を英国グラクソ・スミスクライン社へ導出した他、米国ジョンソン・エンド・ジョンソン社のグループ企業との共同研究によりアルツハイマー病治療薬候補を創製し、前臨床研究ステージに進めることができました。さらに、外部との連携においては、ペプチドリーム株式会社や日産化学工業株式会社等との産産連携及び外部ファンドの活用を進めることにより、疼痛・神経領域ならびに新興・再興感染症領域の創薬研究を加速させました。また、産学連携においては、国内大学との連携に加え、英国ケンブリッジ地区での産学連携コンソーシアムに参画することにより、英国での新たな創薬研究に向けた取り組みにも着手しました。
(2) グローバル開発
当期は、新薬開発活動の生産性向上を目指し、日米欧亜を俯瞰するグローバル開発体制の整備と、戦略の意思決定機能のさらなる向上に取り組みました。その結果、当社グループの次期主力製品の一つと位置付けているオピオイド誘発性便秘症治療薬候補「ナルデメジン(一般名)」を単独でグローバル開発し、本年3月に日本と米国で同時に承認申請しました。また、インフルエンザ感染症治療薬候補「S-033188」が、厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けました。さらに海外では、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補「S-649266」の第Ⅲ相臨床試験を開始しました。国内では、リリー社と国内で共同開発を進めてきた「サインバルタ」が、昨年5月に「線維筋痛症に伴う疼痛」、そして本年3月には「慢性腰痛症に伴う疼痛」の適応追加承認を取得するとともに、「変形性関節症に伴う疼痛」の適応追加の承認申請を行いました。
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は497億87百万円となりました。
開発品(平成28年5月現在)
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
感染症 | S-649266 | セフェム系抗生物質 (注射) | 多剤耐性グラム陰性菌感染症 | グローバル:フェーズⅡ・Ⅲ | 自社 | 自社 |
S-033188 | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザ感染症 | 日本:フェーズⅡ 米国:フェーズⅠ | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
疼痛・神経 | LY248686 (デュロキセチン塩酸塩) [サインバルタ®] | SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) (経口) | 慢性腰痛症に伴う疼痛 | 日本:承認(2016年3月) | Eli Lilly社(米国) | 自社/日本イーライリリー社 |
S-877503 (グアンファシン塩酸塩) | 非中枢神経刺激薬 (経口) | 小児ADHD | 日本:申請中(2016年1月) | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
LY248686 (デュロキセチン塩酸塩) [サインバルタ®] | SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) (経口) | 変形性関節症に伴う疼痛 | 日本:申請中(2016年2月) | Eli Lilly社(米国) | 自社/日本イーライリリー社 | |
S-297995 (ナルデメジントシル酸塩) | 末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト (経口) | オピオイド誘発性の便秘症 | 米国・日本:申請中(2016年3月) | 自社 | 自社 |
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
疼痛・神経 | S-877489 (lisdexamfetami ne) | 中枢神経刺激薬 (経口) | 小児ADHD | 日本:フェーズⅢ | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 |
S-877503 (グアンファシン塩酸塩) | 非中枢神経刺激薬 (経口) | 成人ADHD | 日本:フェーズⅢ | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-120083 | 炎症性疼痛治療薬 (経口) | 炎症性疼痛 | 日本:フェーズⅠ 米国:フェーズⅠ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
S-010887 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-117957 | 不眠症治療薬 (経口) | 不眠症 | 米国:フェーズⅠ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
代謝疾患 | S-237648 | ニューロペプチド Y Y5受容体アンタゴニスト (経口) | 肥満症 | 日本:フェーズⅡ | 自社 | 自社 |
S-707106 | インスリン抵抗性改善薬 (経口) | 2型糖尿病 | 米国:フェーズⅡa | 自社 | 自社 | |
フロンティア | S-888711 (ルストロンボパグ) [日本:ムルプレタ®] | トロンボポエチン受容体作動薬 (経口) | 慢性肝疾患による血小板減少症 | 日本:承認(2015年9月) グローバル:フェーズⅢ | 自社 | 自社 |
オスペミフェン [米国:オスフィーナ®] [欧州:センシオ] | 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (経口) | 閉経後膣萎縮症に伴う膣乾燥感 | 米国:フェーズⅢ | QuatRx社(米国) | 自社 | |
S-524101 [アシテア®] | ダニ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | ダニ抗原による 小児通年性アレルギー性鼻炎 | 日本:フェーズⅢ | Stallergenes社 (フランス) | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 食道がん | 日本:フェーズⅢ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-555739 | プロスタグランジンD2受容体アンタゴニスト (経口) | アレルギー性鼻炎 | 日本:フェーズⅢ 米国:フェーズⅡa 欧州:POM | 自社 | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 膀胱がん | 日欧:フェーズⅡ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-525606 | スギ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | スギ抗原による アレルギー性鼻炎 | 日本:フェーズⅡ | Stallergenes社 (フランス) | 自社 | |
S-488210 | がんペプチドワクチン (注射) | 頭頸部がん | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-222611 | HER2/EGFRデュアル阻害薬 (経口) | 悪性腫瘍 | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | 自社 | 自社 |
<導出品>
開発No. (一般名) | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
S/GSK1265744 LAP* (cabotegravir) | インテグラーゼ阻害薬 (注射) | HIV感染症(治療及び予防) | 米国:フェーズⅡ | Shionogi-ViiV Healthcare社 | ViiV Healthcare社 (英国) |
S-0373 | 非ペプチド型TRHミメティック (経口) | 脊髄小脳変性症 | 日本:フェーズⅢ | 自社 | キッセイ薬品(日本) |
Janssen/シオノギ β-セクレターゼ阻害薬 | β-セクレターゼ阻害薬 (経口) | アルツハイマー病 | グローバル:フェーズⅡ/Ⅲ | 自社 | Janssen Pharmaceuticals社 (米国) |
*: Long acting parenteral formulation
<「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において開発要請を受けた品目>
一般名 [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
オキシコドン塩酸塩水和物 [オキシコンチン®] | アヘンアルカロイド系麻薬 (経口) | 中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛 | 日本:フェーズⅢ | Napp社(英国) | 自社 |