訂正有価証券報告書-第117期(平成28年1月1日-平成28年12月31日)

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2017/08/10 14:36
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有報資料

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は次のとおりです。
なお、文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2017年3月28日)現在における当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。
① 有形固定資産
当社グループでは、有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に比較可能な市場価格に基づいて行っています。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えていますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
② のれん、商標権及びその他の無形固定資産
当社グループでは、のれん、商標権及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っています。のれん、商標権及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定に当たっては、外部専門家などによる評価を活用しています。公正価値の見積りは、主に割引キャッシュ・フロー方式により行いますが、この方式では、将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積り・前提を使用しています。これらの見積り・前提は、減損判定や認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。経営者は、当該判定における公正価値の見積りは合理的であると判断していますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。
③ 有価証券
当社グループでは、その他有価証券のうち、取得原価に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っています。時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合には回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満下落した場合には当該有価証券の発行会社の財政状態及び経営成績を勘案し、回復可能性を判断しています。時価のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っています。経営者は、回復可能性の判断が適切なものであると判断していますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されています。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断していますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。
⑤ 退職給付費用及び債務
当社グループの主要な退職給付制度は、日本における企業年金制度及び退職一時金制度です。従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件は年に一度見直しています。割引率と長期期待運用収益率は、退職給付費用及び債務を決定する上で、重要な前提条件です。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しています。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しています。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 概要
当社グループは、2015年度より、100年先も輝き続ける企業となるための中長期戦略 VISION 2020 をスタートさせ、実現に向け大きく動き出しました。2015年度からの最初の3カ年を事業基盤の再構築の期間と位置づけ、戦略の根幹となるブランド価値向上のため、すべての活動をお客さま起点とし、マーケティングとイノベーションの強化、それらを支える多様な人材の活用とグローバル組織の構築などに取り組みました。
なお、売上高及び営業利益のセグメントの分析については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しています。
② 売上高
当連結会計年度の連結売上高は、プレステージ領域を中心に各地域において伸長したことに加え、新規に取得したブランドの売上が上乗せとなったことから、現地通貨ベースで前年同一期間比 5.2%増となりました。円換算後では円高による為替影響を大きく受け、前年同一期間比 1.5%減の 850,306百万円となりました。
③ 売上原価、販売費及び一般管理費
(売上原価)
売上原価は、前年同一期間比4.0%減の207,553百万円となりました。売上高に対する比率は前年同一期間より0.7ポイント改善され、24.4%となりました。これは、主に原価率の低い日本の売上構成比の増加や、プレステージブランドの売上伸長によるプロダクトミックスの改善、コスト構造改革の効果によるものです。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前年同一期間比0.5%増の605,972百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
(イ) マーケティングコスト
マーケティングコストの売上高に対する比率は、事業基盤の再構築に向けた成長投資や新ブランドの投資強 化等により、36.3%と前年同一期間比0.1ポイント増加しました。
(ロ) ブランド開発費・研究開発費
ブランド開発費・研究開発費の売上高に対する比率は、前年同一期間比0.4ポイント増の4.6%となりました。
(ハ) 人件費
人件費の売上高に対する比率は、日本の退職給付費用の計上等により、前年同一期間比0.1ポイント増の13.2%となりました。
(二) 経費
経費(その他の費用)の売上高に対する比率は、前年同一期間比0.9ポイント増の17.2%となりました。これは、主に新ブランド取得及びライセンス契約に関わる費用の計上によるものです。
販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は18,264百万円となり、売上高に対する比率は2.1%となりました。なお、研究開発活動についての詳細は、「6 研究開発活動」に記載しています。
④ 営業利益
営業利益は、売上増に伴う差益増やプレステージブランドの売上伸長によるプロダクトミックスの改善、コスト構造改革の効果などがあったものの、新たに取得したブランドやライセンス契約に係る一時費用、米国ベアエッセンシャルInc.の構造改革費用に加え、想定以上の円高の影響もあり、前年同一期間比17.0%減の36,780百万円となりました。
⑤ 営業外損益
営業外損益は、前年同一期間に対し474百万円増の394百万円の利益となりました。
⑥ 経常利益
経常利益は、営業利益が減少したことから、前年同一期間比16.0%減の37,174百万円となりました。
⑦ 特別損益
特別損益は、「Jean Paul GAULTIER」のフレグランスに関する知的財産権の譲渡益や鎌倉工場跡地の売却益の計上により、12,692百万円の利益となりました。
⑧ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前年同一期間比6.1%減の49,866百万円となりました。
⑨ 法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等は、前年同一期間比24.9%減の15,941百万円となりました。
⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同一期間比24.2%減の1,823百万円となりました。
⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同一期間比9.0%増の32,101百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「4 事業等のリスク」に記載しています。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「1 業績等の概要」及び「3 対処すべき課題」に記載しています。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金調達と流動性マネジメント
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入や社債発行により調達しています。資金調達に関しては、有利な条件で調達が可能な財務体質を維持すべく、ベンチマークとなる有利子負債比率は25%を目安としており、大型投資案件による資金調達が必要となった場合には、経営動向や財務状況及び市場環境などを勘案して、最適な方法でタイムリーに実施します。
手元流動性については、連結売上高の1.5カ月程度を一つの目安としています。当連結会計年度末の現金及び預金、有価証券の総額は128,032百万円となり、手元流動性は連結売上高(2016年1月1日から2016年12月31日までの期間)の1.8カ月分となりました。
一方、当連結会計年度末現在の有利子負債残高は175,832百万円となっています。国内普通社債の発行登録枠の未使用枠1,400億円、当社及び欧米子会社2社を発行体とするプログラム型シンジケート・ローンの未使用枠3.0億米ドル、並びに米国子会社のCPプログラムの未使用枠55百万米ドルなどを有し、資金調達手段は分散化されています。
当連結会計年度末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。
② 格付け
当社グループは、流動性及び資本政策に対する財務の柔軟性を確保し、資本市場を通じた十分な資金リソースへのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持が必要であると考えています。当社グループは、グローバルな資本市場から円滑な資金調達を行うため、ムーディーズ・ジャパン株式会社(以下「ムーディーズ」)及びスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(以下「S&P」)の2社より格付けを取得しています。
2017年2月28日現在の債券格付けの状況(長期/短期)は以下のとおりです。
ムーディーズS&P
長期A2(見通し:安定的)A-(見通し:安定的)
短期P-1A-2

③ 資産及び負債・純資産
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比17.0%増の946,007百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末比8.1%増の443,748百万円となりました。
固定資産は、「Laura Mercier」等のブランド取得や「Dolce&Gabbana」のライセンス契約締結に係る無形固定資産の計上などにより、前連結会計年度末比26.2%増の502,258百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、「Dolce&Gabbana」のライセンス契約締結に伴う長期未払金の計上、借入や社債の発行などにより、前連結会計年度末比34.6%増の532,137百万円となりました。
有利子負債の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表」に記載しています。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定の減少があったものの、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末比0.1%増の413,870百万円となりました。
1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に対し2.77円増の984.13円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比6.9ポイント減の41.5%となりました。
キャッシュ・フローについては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(キャッシュ・フロー指標の推移)
2012年
3月期
第112期
2013年
3月期
第113期
2014年
3月期
第114期
2015年
3月期
第115期
2015年
12月期
第116期
2016年
12月期
第117期
自己資本比率(%)40.340.142.247.048.441.5
時価ベースの自己資本比率(%)78.973.890.3103.3124.8124.9
債務償還年数(年)3.54.41.83.31.43.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)27.322.547.524.271.770.5

(注) 1 自己資本比率 : (純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
債務償還年数 : 有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しています。
5 第114期より、「従業員給付」(国際会計基準第19号 2011年6月16日改訂)を一部の連結子会社において適用し、確定給付負債の純額の変動の認識方法の変更等を行っています。当該会計方針の変更は遡及適用され、第113期の関連する主要な経営指標等については遡及処理後の数値を記載しています。
6 第116期より当社及び3月決算であった連結対象会社は、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。この変更に伴い、当社とすべての連結対象会社の決算日が統一され、第116期においては、当社及び3月決算であった連結対象会社は4月1日から12月31日までの9カ月間、12月決算である連結対象会社は1月1日から12月31日までの12カ月間を連結対象期間としています。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
(中長期戦略 VISION 2020)
当社は、資生堂グループの企業使命である“美しい生活文化の創造”のもと、100年先も輝き続ける資生堂の原型をつくるため、2020年度を一つの節目とした中長期戦略VISION 2020を策定し、2020年度までに“成長エネルギーが充満した会社”“若々しさがみなぎる会社”“世界中で話題になる会社”“若者があこがれてやまない会社”そして“多様な文化が混じりあう会社”となることをめざしています。
また、世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーとして確固たる地位を築くべく、すべての活動をお客さま起点に、マーケティングやイノベーションを強化するとともに、それらを支える多様な人材の活用とグローバル組織の構築などに取り組んでいます。
このVISION 2020の定量的な目標は、2020年度の連結売上高を1兆円超、連結営業利益を1,000億円超、ROEを12%以上と定めています。具体的な戦略推進にあたっては、2020年度までの期間を、2015年度から2017年度までの3カ年と、2018年度から2020年度までの3カ年に分け、最初の3年間を事業基盤の再構築の期間、後半の3年間を成長加速のための新戦略に取り組む期間と位置づけ、以下のロードマップに沿って活動を進めています。
(2015年度から2017年度までの3カ年計画)
事業基盤の再構築の期間である2015年度から2017年度までの前半3カ年においては、不採算ブランドからの撤退、赤字海外子会社の整理、中国での流通在庫水準の適正化、欧米における組織構造改革といった負の遺産への対応・解決を進めます。一方で、将来の成長加速に向けて、選択と集中によるブランド強化、マーケティングやイノベーションへの積極投資、コスト構造改革、人材育成・組織改革、M&Aやライセンス契約によるブランドポートフォリオ強化、地域本社制導入によるグローバル経営体制の構築なども推進します。
(2017年度計画)
3カ年計画の3年目である2017年度は、事業基盤を再構築する最終年度であり、2018年度からの飛躍的な成長に向け、非常に重要な年となります。具体的には、中長期戦略VISION 2020で掲げる目標達成に向けて、プレステージ、日本発ブランド、デジタル・Eコマースなど、今後の拡大が期待できる領域への投資をさらに強化し、高い成長をめざします。また、イノベーションの創出によるブランド強化に向けて、“センター・オブ・エクセレンス”体制を積極的に活用していきます。2016年度にライセンス契約を締結した「Dolce&Gabbana」、M&Aにより取得した「Laura Mercier」については、成長に向けてマーケティング投資を拡大していきます。これらのブランドは、2017年度には売上が通期で寄与するとともに、「Dolce&Gabbana」は当社グループ工場での生産開始により、原価低減も進み収益性向上を図ります。
苦戦をしている米国発のミネラル化粧品ブランド「bareMinerals」や中国の「AUPRES」については、商品力強化や組織の強化・効率化に加え、積極的なマーケティングを展開し、売上・利益ともに成長をめざします。また、日本事業のパーソナルケア領域を中心とする低価格帯における戦略も見直します。さらに、収益性改善に向けて、事業・ブランドポートフォリオの大幅な組み替え、売上・利益への貢献度の低い商品の大胆な削減、ブランドごとのリターンの管理の徹底などにより生産性の向上も行います。
これらの施策を実行していくため、グローバルレベルで人材の育成・獲得を進めるとともに、従業員一人ひとりが最大限の力を発揮するための仕組みを構築します。
なお、取り組みの詳細は「3 対処すべき課題」に記載しています。

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