有価証券報告書-第87期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
a 財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べて45,831百万円増加し、396,813百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて31,695百万円増加し、124,566百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて14,136百万円増加し、272,246百万円となりました。
b 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、8.1%増加の140,043百万円となりました。
利益につきましては、営業利益20,916百万円(前連結会計年度比6.5%減)、経常利益23,453百万円(前連結会計年度比9.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,482百万円(前連結会計年度比12.5%減)となりました。
売上原価率は、51.2%(前連結会計年度比2.5ポイント上昇)となりました。また、販管費率は、33.8%(前連結会計年度比0.2ポイント低下)となりました。これらの結果として、営業利益率は、14.9%(前連結会計年度比2.4ポイント低下)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが16,452百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが15,493百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが24,423百万円の収入となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,452百万円の収入となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益23,018百万円、支出項目では法人税等の支払額6,134百万円であります。前連結会計年度との比較では、4,861百万円収入が減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、15,493百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12,224百万円であります。前連結会計年度との比較では、6,382百万円支出が増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、24,423百万円の収入となりました。主な内訳は、社債の発行による収入29,857百万円であります。前連結会計年度との比較では、32,604百万円収入が増加しております。
以上の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて27,194百万円増加し、94,730百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
b 受注実績
当社グループは、見込生産を主体としているため記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記の相手先のうち、持株会社制を採用している会社は当該持株会社の名称を付すとともに、属する関係会社の取引高を集計して記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は396,813百万円で、前連結会計年度末に比べ45,831百万円の増加となりました。流動資産は、社債の新規発行に伴う現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて38,900百万円の増加となりました。固定資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,931百万円の増加となりました。
負債合計は124,566百万円で、前連結会計年度末に比べて31,695百万円の増加となりました。流動負債は、買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,329百万円の増加となりました。固定負債は、社債の増加等により前連結会計年度末に比べて30,365百万円の増加となりました。
純資産合計は272,246百万円で、前連結会計年度末に比べて14,136百万円の増加となりました。株主資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて10,915百万円の増加となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,360百万円の増加となりました。また、非支配株主持分は、前連結会計年度末に比べて1,860百万円の増加となりました。
以上の結果、自己資本比率は4.8ポイント減少して、63.5%となりました。
b 経営成績
売上高は、前連結会計年度と比べ8.1%増加し、140,043百万円となりました。
国内の売上高は、前連結会計年度と比べ4.3%増加し、124,684百万円となりました。医療用漢方製剤129処方の売上高は、e-プロモーションの拡充を進めたことに加え、新型コロナウイルス感染時の症状(発熱、咳等)や後遺症(咳、倦怠感、不安等)に関連する処方及び7~8月の猛暑による季節性の症状(食欲不振、夏やせ等)に用いられる処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べ4.6%増加しました。育薬処方の合計は、前連結会計年度と比べ0.6%増加し、主力である大建中湯は前連結会計年度と比べ1.8%増加しました。Growing処方の合計は、前連結会計年度と比べ10.3%増加しました。
[ 育薬・Growing処方の売上高 ] (単位:百万円)
また、国内の一般用漢方製剤等の売上高は、取り扱い店舗数の拡大及び新型コロナウイルス感染時の症状に関連する処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べ3.2%増加し、3,966百万円となりました。
海外の売上高は、原料生薬と飲片(刻み生薬)の販売を中心とする生薬プラットフォーム(平安津村薬業有限公司、深セン津村薬業有限公司等)の売上高が大きく寄与し、15,359百万円となりました。
売上原価は、売上高の伸長と原資材価格の高騰等により前連結会計年度と比べ13.8%増加し、71,762百万円となりました。売上原価率は、前連結会計年度と比べ2.5ポイント上昇し、51.2%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ7.4%増加し、47,365百万円となりました。主に天津工場の稼働に向けた一時費用によるものです。販管費率は、前連結会計年度と比べ0.2ポイント低下し、33.8%となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度と比べ6.5%減少し、20,916百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度と比べ2.4ポイント低下し、14.9%となりました。経常利益は、為替差益の減少等により、前連結会計年度と比べ9.5%減少し、23,453百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、中薬研究センターの建設計画の変更に伴う特別損失の影響もあり、前連結会計年度と比べ12.5%減少し、16,482百万円となりました。
[ 限定出荷の状況について ]
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の流行及び7~8月の猛暑等の季節的要因に伴い、想定を大きく超える受注が発生したため、8月より28品目を限定出荷にしました。増産体制の確保、生産計画の調整により限定出荷の解除を順次行っております。2023年6月29日時点においては、2品目が限定出荷となっており、以降順次解除する見通しです。引き続き社員一丸となって、安定供給に向けた生産体制の整備に尽力してまいります。
c 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、経営成績に重要な影響を与える要因はございません。
d 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」「営業利益」「売上高営業利益率」「親会社株主に帰属する当期純利益」「EPS」「ROE」を、目指すべき方向性等を示す数値目標として設定しております。
2022年度計画との比較では、売上高は140,043百万円(計画比1.1%増)、営業利益は20,916百万円(計画比0.6%増)、売上高営業利益率は14.9%(計画比0.1ポイント減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は16,482百万円(計画比9.9%増)となりました。
EPSは215.63円(計画比19.57円増)となり、ROEは6.7%(計画比0.7ポイント増)となりました。
e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは医薬品事業の単一セグメントであります。
(医薬品事業)
売上高は、前連結会計年度に比べ8.1%増の140,043百万円となりました。
セグメント利益は、前連結会計年度に比べ6.5%減の20,916百万円となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ45,831百万円増加の396,813百万円となりました。
f 今後の見通し
2024年3月期の業績予想につきましては、売上高は国内医療用漢方製剤ならびに中国事業の伸長傾向をふまえ150,500百万円を見込んでおります。このうち海外の売上高は17,200百万円の見込みです。利益につきましては、為替(円安)、エネルギーコストや原資材の高騰、一部の生薬調達価格上昇の影響等により、営業利益18,000百万円(13.9%減)、経常利益18,600百万円(20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益
13,000百万円(21.1%減)を見込んでおります。
国内事業においては、漢方医学に基づき医療用漢方製剤を10処方以上処方する医師が過半数となる医療現場の実現を目指し、MR活動とe-プロモーションとのハイブリッド型プロモーションを推進してまいります。医療従事者一人ひとりが求める情報を最適なチャネルから適切なタイミングで入手しご活用いただけるよう取り組みを進め、漢方市場の継続的拡大を目指してまいります。
中国事業においては、生薬プラットフォームにおける原料生薬、飲片(刻み生薬)の販売を拡大させるとともに、製剤プラットフォームにおける中成薬事業展開を目的として、2023年4月に陝西紫光辰済薬業有限公司の持分を100%取得する持分譲渡契約書を締結いたしました。同社は147の中成薬のライセンスを持ち、この中には古典処方のライセンスも多く含まれております。これらの古典処方はツムラの漢方製剤と類似しております。当社の品質管理、エビデンス構築、製造技術などのノウハウ・経験を活かすことにより、買収先の紫光辰済が所有する古典処方の品質をさらに向上させ、中成薬企業としてのブランドを確立し事業の拡大を図ってまいります。
(単位:百万円)
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、社債、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は社債及び長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は80,046百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は94,730百万円となっております。
c 資金使途
当社グループは2022年度にスタートした第1期中期経営計画を長期経営ビジョン実現のための基盤構築のステージとして位置づけ、成長(事業規模の拡大)と収益力(利益率の向上)による企業価値の向上を目指し、適切なリスクをとりながら将来のために必要な投資を行ってまいります。
国内事業関連投資として、国内での製造工程(抽出・乾燥、造粒、包装・表示)及び天津工場での抽出・乾燥工程に投資を計画しており、中国事業関連投資として、中薬研究やIT基盤構築への投資を計画しております。また、中成薬企業の提携・買収等を実施し、中国国民の健康に広く貢献できる企業となるべく事業基盤の構築を進めてまいります。
なお、当社グループの2023年度設備投資金額は29,500百万円、研究開発費は8,500百万円を計画しております。
今後もさらなる事業基盤の構築に向けて、適切な資金調達及び中長期的な視点から経営の意思を反映した資源配分を行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
a 財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べて45,831百万円増加し、396,813百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて31,695百万円増加し、124,566百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて14,136百万円増加し、272,246百万円となりました。
b 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、8.1%増加の140,043百万円となりました。
利益につきましては、営業利益20,916百万円(前連結会計年度比6.5%減)、経常利益23,453百万円(前連結会計年度比9.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,482百万円(前連結会計年度比12.5%減)となりました。
売上原価率は、51.2%(前連結会計年度比2.5ポイント上昇)となりました。また、販管費率は、33.8%(前連結会計年度比0.2ポイント低下)となりました。これらの結果として、営業利益率は、14.9%(前連結会計年度比2.4ポイント低下)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが16,452百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが15,493百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが24,423百万円の収入となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,452百万円の収入となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益23,018百万円、支出項目では法人税等の支払額6,134百万円であります。前連結会計年度との比較では、4,861百万円収入が減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、15,493百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12,224百万円であります。前連結会計年度との比較では、6,382百万円支出が増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、24,423百万円の収入となりました。主な内訳は、社債の発行による収入29,857百万円であります。前連結会計年度との比較では、32,604百万円収入が増加しております。
以上の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて27,194百万円増加し、94,730百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
医薬品事業 | 137,150 | +14.1 |
合計 | 137,150 | +14.1 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
b 受注実績
当社グループは、見込生産を主体としているため記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
医薬品事業 | 140,043 | +8.1 |
合計 | 140,043 | +8.1 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
アルフレッサ ホールディングス㈱ | 28,866 | 22.3 | 31,889 | 22.8 |
㈱メディパルホールディングス | 27,725 | 21.4 | 30,488 | 21.8 |
㈱スズケン | 19,659 | 15.2 | 22,574 | 16.1 |
東邦ホールディングス㈱ | 14,142 | 10.9 | 15,194 | 10.9 |
2 上記の相手先のうち、持株会社制を採用している会社は当該持株会社の名称を付すとともに、属する関係会社の取引高を集計して記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は396,813百万円で、前連結会計年度末に比べ45,831百万円の増加となりました。流動資産は、社債の新規発行に伴う現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて38,900百万円の増加となりました。固定資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,931百万円の増加となりました。
負債合計は124,566百万円で、前連結会計年度末に比べて31,695百万円の増加となりました。流動負債は、買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,329百万円の増加となりました。固定負債は、社債の増加等により前連結会計年度末に比べて30,365百万円の増加となりました。
純資産合計は272,246百万円で、前連結会計年度末に比べて14,136百万円の増加となりました。株主資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて10,915百万円の増加となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,360百万円の増加となりました。また、非支配株主持分は、前連結会計年度末に比べて1,860百万円の増加となりました。
以上の結果、自己資本比率は4.8ポイント減少して、63.5%となりました。
b 経営成績
売上高は、前連結会計年度と比べ8.1%増加し、140,043百万円となりました。
国内の売上高は、前連結会計年度と比べ4.3%増加し、124,684百万円となりました。医療用漢方製剤129処方の売上高は、e-プロモーションの拡充を進めたことに加え、新型コロナウイルス感染時の症状(発熱、咳等)や後遺症(咳、倦怠感、不安等)に関連する処方及び7~8月の猛暑による季節性の症状(食欲不振、夏やせ等)に用いられる処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べ4.6%増加しました。育薬処方の合計は、前連結会計年度と比べ0.6%増加し、主力である大建中湯は前連結会計年度と比べ1.8%増加しました。Growing処方の合計は、前連結会計年度と比べ10.3%増加しました。
[ 育薬・Growing処方の売上高 ] (単位:百万円)
売上 順位 | 製品No. / 処方名 | 前期 (2022年3月期) | 当期 (2023年3月期) | 対前期比 | |||
育薬処方 | 1 | 100 | 大建中湯 | 9,569 | 9,739 | +169 | +1.8% |
3 | 54 | 抑肝散 | 7,379 | 7,380 | +1 | +0.0% | |
4 | 43 | 六君子湯 | 7,231 | 7,300 | +69 | +1.0% | |
8 | 107 | 牛車腎気丸 | 3,509 | 3,421 | △87 | △2.5% | |
24 | 14 | 半夏瀉心湯 | 1,358 | 1,390 | +32 | +2.4% | |
育薬処方合計 | 29,048 | 29,233 | +184 | +0.6% | |||
Growing処方 | 2 | 41 | 補中益気湯 | 7,232 | 7,727 | +494 | +6.8% |
5 | 17 | 五苓散 | 5,298 | 6,208 | +910 | +17.2% | |
6 | 24 | 加味逍遙散 | 4,833 | 5,050 | +217 | +4.5% | |
17 | 108 | 人参養栄湯 | 1,936 | 2,128 | +191 | +9.9% | |
18 | 137 | 加味帰脾湯 | 1,722 | 2,067 | +344 | +20.0% | |
Growing処方合計 | 21,023 | 23,182 | +2,159 | +10.3% | |||
育薬・Growing処方以外の119処方合計 | 64,093 | 66,946 | +2,853 | +4.5% | |||
医療用漢方製剤129処方合計 | 114,165 | 119,362 | +5,197 | +4.6% |
また、国内の一般用漢方製剤等の売上高は、取り扱い店舗数の拡大及び新型コロナウイルス感染時の症状に関連する処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べ3.2%増加し、3,966百万円となりました。
海外の売上高は、原料生薬と飲片(刻み生薬)の販売を中心とする生薬プラットフォーム(平安津村薬業有限公司、深セン津村薬業有限公司等)の売上高が大きく寄与し、15,359百万円となりました。
売上原価は、売上高の伸長と原資材価格の高騰等により前連結会計年度と比べ13.8%増加し、71,762百万円となりました。売上原価率は、前連結会計年度と比べ2.5ポイント上昇し、51.2%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ7.4%増加し、47,365百万円となりました。主に天津工場の稼働に向けた一時費用によるものです。販管費率は、前連結会計年度と比べ0.2ポイント低下し、33.8%となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度と比べ6.5%減少し、20,916百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度と比べ2.4ポイント低下し、14.9%となりました。経常利益は、為替差益の減少等により、前連結会計年度と比べ9.5%減少し、23,453百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、中薬研究センターの建設計画の変更に伴う特別損失の影響もあり、前連結会計年度と比べ12.5%減少し、16,482百万円となりました。
[ 限定出荷の状況について ]
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の流行及び7~8月の猛暑等の季節的要因に伴い、想定を大きく超える受注が発生したため、8月より28品目を限定出荷にしました。増産体制の確保、生産計画の調整により限定出荷の解除を順次行っております。2023年6月29日時点においては、2品目が限定出荷となっており、以降順次解除する見通しです。引き続き社員一丸となって、安定供給に向けた生産体制の整備に尽力してまいります。
c 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、経営成績に重要な影響を与える要因はございません。
d 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」「営業利益」「売上高営業利益率」「親会社株主に帰属する当期純利益」「EPS」「ROE」を、目指すべき方向性等を示す数値目標として設定しております。
2022年度計画との比較では、売上高は140,043百万円(計画比1.1%増)、営業利益は20,916百万円(計画比0.6%増)、売上高営業利益率は14.9%(計画比0.1ポイント減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は16,482百万円(計画比9.9%増)となりました。
EPSは215.63円(計画比19.57円増)となり、ROEは6.7%(計画比0.7ポイント増)となりました。
e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは医薬品事業の単一セグメントであります。
(医薬品事業)
売上高は、前連結会計年度に比べ8.1%増の140,043百万円となりました。
セグメント利益は、前連結会計年度に比べ6.5%減の20,916百万円となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ45,831百万円増加の396,813百万円となりました。
f 今後の見通し
2024年3月期の業績予想につきましては、売上高は国内医療用漢方製剤ならびに中国事業の伸長傾向をふまえ150,500百万円を見込んでおります。このうち海外の売上高は17,200百万円の見込みです。利益につきましては、為替(円安)、エネルギーコストや原資材の高騰、一部の生薬調達価格上昇の影響等により、営業利益18,000百万円(13.9%減)、経常利益18,600百万円(20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益
13,000百万円(21.1%減)を見込んでおります。
国内事業においては、漢方医学に基づき医療用漢方製剤を10処方以上処方する医師が過半数となる医療現場の実現を目指し、MR活動とe-プロモーションとのハイブリッド型プロモーションを推進してまいります。医療従事者一人ひとりが求める情報を最適なチャネルから適切なタイミングで入手しご活用いただけるよう取り組みを進め、漢方市場の継続的拡大を目指してまいります。
中国事業においては、生薬プラットフォームにおける原料生薬、飲片(刻み生薬)の販売を拡大させるとともに、製剤プラットフォームにおける中成薬事業展開を目的として、2023年4月に陝西紫光辰済薬業有限公司の持分を100%取得する持分譲渡契約書を締結いたしました。同社は147の中成薬のライセンスを持ち、この中には古典処方のライセンスも多く含まれております。これらの古典処方はツムラの漢方製剤と類似しております。当社の品質管理、エビデンス構築、製造技術などのノウハウ・経験を活かすことにより、買収先の紫光辰済が所有する古典処方の品質をさらに向上させ、中成薬企業としてのブランドを確立し事業の拡大を図ってまいります。
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する 当期純利益 | |
翌連結会計年度 2024年3月期 (増減率) | 150,500 (7.5%) | 18,000 (△13.9%) | 18,600 (△20.7%) | 13,000 (△21.1%) |
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、社債、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は社債及び長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は80,046百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は94,730百万円となっております。
c 資金使途
当社グループは2022年度にスタートした第1期中期経営計画を長期経営ビジョン実現のための基盤構築のステージとして位置づけ、成長(事業規模の拡大)と収益力(利益率の向上)による企業価値の向上を目指し、適切なリスクをとりながら将来のために必要な投資を行ってまいります。
国内事業関連投資として、国内での製造工程(抽出・乾燥、造粒、包装・表示)及び天津工場での抽出・乾燥工程に投資を計画しており、中国事業関連投資として、中薬研究やIT基盤構築への投資を計画しております。また、中成薬企業の提携・買収等を実施し、中国国民の健康に広く貢献できる企業となるべく事業基盤の構築を進めてまいります。
なお、当社グループの2023年度設備投資金額は29,500百万円、研究開発費は8,500百万円を計画しております。
今後もさらなる事業基盤の構築に向けて、適切な資金調達及び中長期的な視点から経営の意思を反映した資源配分を行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。