有価証券報告書-第145期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績の状況
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して
算出しております。また、当連結会計年度より、組織変更に伴い、従来
「その他」に含めておりました一部の連結子会社を「タイヤ」に含めて
開示しております。前連結会計年度のセグメント情報は当連結会計年度
の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
当期における当社グループをとり巻く環境は、国内では第2四半期までは、新型コロナウイルス感染防止のための各種規制や、個人消費の悪化により景気は大きく減速しましたが、政府、自治体の経済活動活性化策等による経済活動の再開により、業種毎に差はあるものの、全体として景気は緩やかに回復しつつあります。
海外では、中国は景気回復を持続していますが、米国、欧州等は新型コロナウイルス感染症の再拡大による活動抑制により、景気回復に向けては不透明な状況が続いています。
こうした状況の中、当社グループは、中期経営計画 GD2020(ジーディーニイゼロニイゼロ)に基づいた成長戦略と経営基盤強化に加え、設備投資およびコストの見直しによるキャッシュアウトの削減、機動的な資金調達による手元流動性の確保、役員・理事の月額報酬および管理職の給与の減額など、新型コロナウイルス感染症の影響に向けた各種対策に加え、地域、需要に応じた販促活動、増産対応に取り組んだ結果、第4四半期は、利益面で過去最高益を記録するなど大きく回復し、当期の連結売上収益は5,705億72百万円(前期比12.3%減)となり、利益面では、連結事業利益は367億99百万円(前期比26.6%減)、連結営業利益は364億9百万円(前期比37.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は263億12百万円(前期比37.3%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①タイヤ
売上収益は3,992億2百万円(前期比11.6%減)で、当社グループの連結売上収益の70.0%を占めており、事業利益は239億85百万円(同22.2%減)となりました。
新車用タイヤは、第2四半期までの需要の減少が大きく、国内、海外ともに売上収益は前期を下回りましたが、国内では第3四半期以降緩やかに持ち直しつつあるほか、海外においても中国については前期を上回りました。
市販用タイヤも、第2四半期までの新型コロナウイルス感染症の影響に伴う消費活動の停滞の影響が大きく、売上収益は前期を下回りましたが、積極的にグローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」シリーズや、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」シリーズ、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」シリーズ等の高付加価値商品の拡販など各種戦略を進めたほか、国内では第4四半期の冬用タイヤの販売が好調でした。
②MB(MB:マルチプル・ビジネスの略)
売上収益は985億25百万円(前期比17.4%減)で、当社グループの連結売上収益の17.3%を占めており、事業利益は38億22百万円(同54.1%減)となりました。
各事業において、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、ホース配管事業は、第2四半期までの需要減少の影響が大きく、売上収益は前期を下回りました。
工業資材事業では、国内、海外ともに売上が低調で売上収益は前期を下回りました。
またハマタイト事業も、第2四半期までの需要の減少が大きく、売上収益は前期を下回りました。
航空部品事業では、民需向け販売の減少が継続したことで売上収益は前期を下回りました。
③ATG
売上収益は650億96百万円(前期比8.0%減)で、当社グループの連結売上収益の11.4%を占めており、事業利益は88億12百万円(同15.3%減)となりました。
農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤは、世界的な新型コロナウイルス感染拡大による需要減少がありましたが、農機用タイヤのアフターマーケットに回復が見られたことで、第3四半期以降の売上収益は前期を上回りました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて471億88百万円減少し、8,603億72百万円となりました。
流動資産は営業債権の減少等により、3,092億52百万円(前期比6.7%減)となりました。非流動資産は減価償却累計額の増加等により、5,511億19百万円(前期比4.3%減)となりました。
流動負債は短期借入金、社債の返済等により、2,274億1百万円(前期比9.5%減)となりました。非流動負債は長期借入金の返済等により、2,101億9百万円(前期比8.1%減)となりました。
資本合計は親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により4,228億62百万円(前期比1.1%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて28億50百万円増加し、307億60百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、782億94百万円(前連結会計年度比29億20百万円の収入増加)となりました。
これは主として、税引前利益339億13百万円、減価償却費444億67百万円の計上等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、278億65百万円(前連結会計年度比157億72百万円の支出減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出308億円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、465億53百万円(前連結会計年度は355億12百万円の資金の減少)となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出232億74百万円等であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格を基礎として算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当社は、ごく一部を除いてすべて見込生産であります。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこ
れらに相当する項目との差異に関する事項は以下のとおりであります。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で均等償却を行っておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降、償却せず毎期減損テストを行っております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、「販売費及び一般管理費」が4,162百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準において、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」、「特別損失」として表示していた項目を、IFRSでは財務関連損益については「金融収益」及び「金融費用」として表示し、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」として表示しております。
(6)重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成に当たって、必要と思わ
れる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の判断、見積り及び仮定は、「第5.経理
の状況 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
百万円 | 百万円 | % | ||
売上収益 | 650,462 | 570,572 | △12.3 | |
タイヤ | 451,726 | 399,202 | △11.6 | |
MB | 119,337 | 98,525 | △17.4 | |
ATG | 70,787 | 65,096 | △8.0 | |
その他 | 8,612 | 7,750 | △10.0 | |
事業利益 | 50,129 | 36,799 | △26.6 | |
タイヤ | 30,823 | 23,985 | △22.2 | |
MB | 8,322 | 3,822 | △54.1 | |
ATG | 10,404 | 8,812 | △15.3 | |
その他 | 503 | 78 | △84.6 | |
調整額 | 78 | 103 | ||
営業利益 | 58,564 | 36,409 | △37.8 | |
税引前利益 | 57,764 | 33,913 | △41.3 | |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 41,971 | 26,312 | △37.3 |
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して
算出しております。また、当連結会計年度より、組織変更に伴い、従来
「その他」に含めておりました一部の連結子会社を「タイヤ」に含めて
開示しております。前連結会計年度のセグメント情報は当連結会計年度
の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
当期における当社グループをとり巻く環境は、国内では第2四半期までは、新型コロナウイルス感染防止のための各種規制や、個人消費の悪化により景気は大きく減速しましたが、政府、自治体の経済活動活性化策等による経済活動の再開により、業種毎に差はあるものの、全体として景気は緩やかに回復しつつあります。
海外では、中国は景気回復を持続していますが、米国、欧州等は新型コロナウイルス感染症の再拡大による活動抑制により、景気回復に向けては不透明な状況が続いています。
こうした状況の中、当社グループは、中期経営計画 GD2020(ジーディーニイゼロニイゼロ)に基づいた成長戦略と経営基盤強化に加え、設備投資およびコストの見直しによるキャッシュアウトの削減、機動的な資金調達による手元流動性の確保、役員・理事の月額報酬および管理職の給与の減額など、新型コロナウイルス感染症の影響に向けた各種対策に加え、地域、需要に応じた販促活動、増産対応に取り組んだ結果、第4四半期は、利益面で過去最高益を記録するなど大きく回復し、当期の連結売上収益は5,705億72百万円(前期比12.3%減)となり、利益面では、連結事業利益は367億99百万円(前期比26.6%減)、連結営業利益は364億9百万円(前期比37.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は263億12百万円(前期比37.3%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①タイヤ
売上収益は3,992億2百万円(前期比11.6%減)で、当社グループの連結売上収益の70.0%を占めており、事業利益は239億85百万円(同22.2%減)となりました。
新車用タイヤは、第2四半期までの需要の減少が大きく、国内、海外ともに売上収益は前期を下回りましたが、国内では第3四半期以降緩やかに持ち直しつつあるほか、海外においても中国については前期を上回りました。
市販用タイヤも、第2四半期までの新型コロナウイルス感染症の影響に伴う消費活動の停滞の影響が大きく、売上収益は前期を下回りましたが、積極的にグローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」シリーズや、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」シリーズ、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」シリーズ等の高付加価値商品の拡販など各種戦略を進めたほか、国内では第4四半期の冬用タイヤの販売が好調でした。
②MB(MB:マルチプル・ビジネスの略)
売上収益は985億25百万円(前期比17.4%減)で、当社グループの連結売上収益の17.3%を占めており、事業利益は38億22百万円(同54.1%減)となりました。
各事業において、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、ホース配管事業は、第2四半期までの需要減少の影響が大きく、売上収益は前期を下回りました。
工業資材事業では、国内、海外ともに売上が低調で売上収益は前期を下回りました。
またハマタイト事業も、第2四半期までの需要の減少が大きく、売上収益は前期を下回りました。
航空部品事業では、民需向け販売の減少が継続したことで売上収益は前期を下回りました。
③ATG
売上収益は650億96百万円(前期比8.0%減)で、当社グループの連結売上収益の11.4%を占めており、事業利益は88億12百万円(同15.3%減)となりました。
農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤは、世界的な新型コロナウイルス感染拡大による需要減少がありましたが、農機用タイヤのアフターマーケットに回復が見られたことで、第3四半期以降の売上収益は前期を上回りました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて471億88百万円減少し、8,603億72百万円となりました。
流動資産は営業債権の減少等により、3,092億52百万円(前期比6.7%減)となりました。非流動資産は減価償却累計額の増加等により、5,511億19百万円(前期比4.3%減)となりました。
流動負債は短期借入金、社債の返済等により、2,274億1百万円(前期比9.5%減)となりました。非流動負債は長期借入金の返済等により、2,101億9百万円(前期比8.1%減)となりました。
資本合計は親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により4,228億62百万円(前期比1.1%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて28億50百万円増加し、307億60百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、782億94百万円(前連結会計年度比29億20百万円の収入増加)となりました。
これは主として、税引前利益339億13百万円、減価償却費444億67百万円の計上等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、278億65百万円(前連結会計年度比157億72百万円の支出減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出308億円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、465億53百万円(前連結会計年度は355億12百万円の資金の減少)となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出232億74百万円等であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産金額(百万円) | 前年同期比(%) |
タイヤ | 293,605 | △13.3 |
M B | 79,594 | △16.5 |
ATG | 58,924 | △6.5 |
そ の 他 | 287 | △18.9 |
合 計 | 432,410 | △13.0 |
(注)1.金額は、販売価格を基礎として算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当社は、ごく一部を除いてすべて見込生産であります。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売金額(百万円) | 前年同期比(%) |
タイヤ | 399,202 | △11.6 |
M B | 98,525 | △17.4 |
ATG | 65,096 | △8.0 |
そ の 他 | 7,750 | △10.0 |
合 計 | 570,572 | △12.3 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこ
れらに相当する項目との差異に関する事項は以下のとおりであります。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で均等償却を行っておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降、償却せず毎期減損テストを行っております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、「販売費及び一般管理費」が4,162百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準において、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」、「特別損失」として表示していた項目を、IFRSでは財務関連損益については「金融収益」及び「金融費用」として表示し、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」として表示しております。
(6)重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成に当たって、必要と思わ
れる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の判断、見積り及び仮定は、「第5.経理
の状況 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。