有価証券報告書-第66期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 13:07
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「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるグローバルの経済情勢を見ますと、米国を中心に総じて堅調な推移を示す一方、年度末にかけてはトランプ政権の保護主義的な通商政策に起因する貿易戦争などの影響により中国の景気減速が進み、アジア諸国や欧州の一部でも弱含みとなるなど、しだいに減速の気配が強まり、楽観を許さない状況を呈しました。
わが国におきましては、西日本豪雨などの被災に苦しみながらも、内需を軸とした企業業績の好調や雇用情勢の安定などを背景に、景況感は概ね緩やかな回復傾向を示しました。一方、金融市場ではグローバルの経済情勢の影響を受けて株価と為替の変動に悩まされるなど、引き続き不透明感の拭えない状況が続いております。
当社グループの主要顧客先である自動車産業におきましては、EV化等に代表される市場構造の変化が加速する中、エリアごとの経済情勢によって販売動向に浮き沈みが見られ、グローバル全体の生産についてもしだいに頭打ちの傾向を示すようになってきました。
このような状況下、当社グループの受注は概ね底堅く推移し、連結売上高は前年同期比3.6%増の779億49百万円となりました。損益面では、米中貿易摩擦に起因する市場や為替の変調、材料費や人件費の上昇、主要事業のプロダクトミックスの変化、製造移管の遅れや合理化の遅れ等々の要因が重なり、営業利益は前年同期比29.7%減の19億83百万円、経常利益が同23.7%減の21億7百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益については主に当社の機能品事業セグメントにおける固定資産の減損損失等の計上により、26億90百万円の損失(前年同期は2億43百万円の損失)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
機能品事業
中国においてワイパーブレードラバーやシール部品等の販売に若干の下振れが見られたものの、国内外における受注は概ね堅調に推移したことから、売上高は前年同期比1.4%増の342億61百万円となりました。一方、セグメント利益については、材料費や人件費の上昇、子会社間の製造移管の遅れや合理化の遅れ、為替変動の影響等によって前年同期比34.8%減の16億58百万円となりました。
本セグメントでは、当社が保有する事業用資産において収益性の低下による減損の兆候が見られたことから、将来の回収可能性を検討した結果、減損損失34億91百万円を特別損失として計上しました。同様に、当社の連結子会社である上海フコク有限公司においても減損損失46百万円を特別損失として計上しました。
防振事業
中国では韓国車向けダンパーの不振が尾を引いているものの、日本車や鉄道、建機向けの販売がカバーするなど全体としては好調な受注に支えられ、売上高は前年同期比6.0%増の299億45百万円となりました。一方、セグメント利益については、中国の減収インパクト、増産投資先行の負担、材料費や人件費の上昇、為替変動の影響等によって前年同期比7.7%減の25億46百万円となりました。
本セグメントでは、当社の連結子会社である東莞フコク有限公司が保有する事業用資産において、他の連結子会社への生産移管を完了したことから、遊休設備の減損損失9百万円を特別損失として計上しました。
金属加工事業
主に国内トラック及び小型建機関連の受注が堅調に推移したことから、売上高は前年同期比3.6%増の71億6百万円となりました。一方、セグメント利益については、採用難や人件費上昇の影響等によって同61.6%減の41百万円となりました。
ホース事業
国内外とも主に商用車向けの受注が堅調に推移したことから、売上高は前年同期比6.6%増の37億5百万円となりました。損益面ではタイの事業が引き続き改善の途上にあり、1億71百万円の損失となりました(前年同期は2億76百万円の損失)。
新事業
OA関連部品の上振れなど、国内を中心に堅調な受注に支えられ、売上高は前年同期比3.1%増の36億5百万円となりました。また、この増収効果によってセグメント利益は同30.0%増の3億27百万円となりました。
本セグメントでは、当社が保有する事業用資産において収益性の低下による減損の兆候が見られたことから、将来の回収可能性を検討した結果、減損損失1億36百万円を特別損失として計上しました。
財政状態の状況は次のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べて27億82百万円減少し、675億84百万円となりました。
主な要因は、減損損失に伴う有形固定資産の減少等による固定資産の減少28億56百万円によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて13億59百万円増加し、355億48百万円となりました。
主な要因は、電子記録債務の増加等による流動負債の増加9億85百万円によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて41億41百万円減少し、320億36百万円となりました。
主な要因は、為替換算調整勘定の減少10億36百万円、利益剰余金の減少30億21百万円等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億84百万円増加し、97億89百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は70億26百万円(前年同期は70億31百万円)となりました。これは主に減価償却費51億21百万円、仕入債務の増加4億64百万円、売上債権の減少1億86百万円による資金の増加等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は58億20百万円(前年同期は60億55百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が59億97百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2億49百万円(前年同期は2億36百万円)となりました。これは主に配当金の支払が3億31百万円あったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
機能品(百万円)34,215101.9
防振(百万円)30,150105.3
金属加工(百万円)7,066104.2
ホース(百万円)3,588107.5
新事業(百万円)3,652102.8
合計(百万円)78,673103.7

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
機能品33,53499.72,73386.7
防振29,841104.22,51496.4
金属加工7,105104.1578113.1
ホース3,674108.0309116.5
新事業3,575101.329188.1
合計77,731102.26,42793.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
機能品(百万円)33,735101.3
防振(百万円)29,944106.0
金属加工(百万円)7,039103.7
ホース(百万円)3,624106.9
新事業(百万円)3,605103.1
合計(百万円)77,949103.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社が連結財務諸表を作成する際の会計基準、および当社の重要な判断と見積りに大きな影響を与える会計方針については「第5 経理の状況」を参照願います。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
資産
当連結会計年度末の総資産は、前年同期比27億82百万円(4.0%)減の675億84百万円となりました。うち流動資産は同74百万円(0.2%)増の382億51百万円、固定資産は同28億56百万円(8.9%)減の293億33百万円となっております。固定資産の減少は、減損損失に伴う建物及び構築物、土地、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の減少等によるものです。
負債
当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比13億59百万円(4.0%)増の355億48百万円となりました。うち流動負債は同9億85百万円(3.8%)増の267億80百万円、固定負債は同3億74百万円(4.5%)増の87億67百万円となっております。流動負債の増加は、主として仕入債務の増加および短期借入金の増加等によるものです。仕入債務の増加は売上高の増加によるものであり、短期借入金の増加は当社において為替リスクヘッジ目的のため、外貨借入(米ドル建)を実施したことによるものです。また固定負債の増加は、繰延税金負債の増加等によるものです。これは当社において今後の業績見通しを勘案し、繰延税金資産の一部を取り崩したことによって、相殺される繰延税金負債が増加したことによるものです。
純資産
当連結会計年度末における純資産は、前年同期比41億41百万円(11.4%)減の320億36百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失26億90百万円の計上による利益剰余金の減少と、為替換算調整勘定が主として韓国ウォン及び中国元の為替変動の影響により前連結会計年度末の12億81百万円から2億45百万円に減少したこと等によるものです。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益1億94百万円の計上による増加よりも、為替換算調整勘定と支払配当金による減少が上回ったことにより、前年同期比39百万円(1.6%)減の24億2百万円となりました。
上記の結果、自己資本比率は前年同期比4.1ポイント減の43.8%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産は前年同期比247.69円減の1,789.20円となりました。
b. 経営成績の分析
当連結会計年度(以下「当期」という)における当社グループの連結売上高は前年同期比で3.6%増加し、779億49百万円となりました。
世界経済は概ね堅調に推移しておりましたが、米中貿易摩擦等の影響によってしだいに減速の気配を強め、わが国でも外需の弱含みが懸念材料となるなど、当社グループの客先であるグローバルの自動車産業に対しても成長鈍化の不安が影を落とし始めました。そのような中、中国における減収、アセアンその他における増収など、エリアによる浮き沈みは見られましたが、当社グループの各事業セグメントは総じて堅調に売上を伸ばしました。
損益面についても当初は増益見通しでしたが、全体の増収がプロダクトミックスの変化で原価率の上昇につながったほか、増産対応の中でのフコク本体の構造改革の進捗や合理化の遅れ、拠点間の移管の遅れ、材料費や人件費の上昇等々の要因が重なったことにより、営業利益は前年同期比29.7%減の19億83百万円、経常利益は同23.7%減の21億7百万円と伸び悩みました。このような傾向は全てのエリアと、新事業を除く全ての事業セグメントに及んでおります。
親会社株主に帰属する当期純損益は、主としてフコク本体の機能品事業セグメントにおける固定資産の減損損失等の計上によって26億90百万円の損失(前年同期は2億43百万円の損失)となり、2期連続の赤字を計上しました。これにより、1株当たりの当期純損益は162.45円の損失(前年同期は14.72円の損失)となっております。
なお、セグメント別の業績分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」を参照願います。
c. キャッシュ・フローの分析
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比4百万円減の70億26百万円となりました。税金等調整前当期純損失が16億15百万円(前年同期は7億40百万円の利益)となりましたが、そのうち非資金損益項目である減損損失が36億84百万円及び減価償却費が51億21百万円(前年同期は48億84百万円)あったことで、前年同期と同程度の営業活動によるキャッシュ・フローとなりました。なお法人税等の支払額は6億70百万円(前年同期は11億97百万円)となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比2億35百万円減の58億20百万円の支出となりました。主として当社、サイアムフコク株式会社及びタイフコク株式会社における機械装置等の有形固定資産の取得による支出が59億97百万円(前年同期は57億17百万円)あったこと、また資金需要に備えた定期預金の払戻と預入の差による収入が2億27百万円(前年同期は3億10百万円の支出)あったことが主な要因となります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比12百万円増の2億49百万円の支出となりました。配当金の支払額が前年同期と同等の3億31百万円あったこと、非支配株主への配当金の支払額が1億2百万円(前年同期は1億14百万円)あったこと、また借入れによる収入が借入金の返済を上回り2億52百万円(前年同期は3億53百万円)の収入となったことが主な要因となります。
現金及び現金同等物に係る換算差額は、主に韓国ウォン及び中国元の為替変動の影響により2億72百万円の減少要因となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて6億84百万円増加し、97億89百万円となりました。
d. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資並びに配当金の支払いであります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくことを基本方針としております。
また、突発的な資金需要に備え、当社は主要な取引銀行との間で合計40億円のコミットメントライン契約を締結し、手許流動性リスクに備えております。なお、これについて当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当連結会計年度末における有利子負債は111億円となっており、前連結会計年度末に比べ92百万円増加しております。
キャッシュ・フローの状況の詳細については、「c.キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
e. 戦略的現状と見通し
当社グループは収益の多くの部分を自動車産業に依存しておりますが、リーマンショック以降の急激な市場並びに技術動向の変化の中、各国の自動車メーカー、部品メーカーも大きな転機を迎えております。グローバルでは引き続き北米や中国の市場動向に左右され、さらにインド市場が存在感を増す一方で、欧州が環境対応や自動運転等の新技術を牽引しております。その中で各国の政策や地政学的リスクが影響を与えるということで、日系メーカーも予断を許さない複雑な事業環境の下で対応を迫られている状況です。特に、CASEに代表される近年の技術的な「潮目」を意識しながらの舵取りが重要性を増しているという認識の下、当社グループも積極的な情報収集や事業ポートフォリオの見直し等を進めております。同時に建機や鉄道、OAその他の産業機器など、自動車以外の事業領域においても一層の発展を図り、収益の柱を増やしていくことが重要な課題となっております。
このような変化を見据えつつ、当社グループといたしましても、確固とした企業理念の制定、10年先を目指した経営ビジョンの構築と浸透、中期計画の再確認等を行い、目まぐるしい市場と顧客の動きに対応するためのグローバル化戦略を模索してきました。また、昨今のコンプライアンスやコーポレートガバナンス重視の社会的な要請にも十分に応えるべく、資本と経営の分離、透明性の高い経営体制の構築を推進しております。
現在はアセアン、中国、韓国、インド、北米、メキシコ、チェコに拠点を築き、顧客志向で主要市場の動向に追随していくエリア拡販体制を整えており、拠点の増設や再整備、商品群の海外展開、R&Dやグローバル管理を始めとする本社機能の強化等のコストが継続的な負担となっている状況ですが、引き続き既存事業の拡大と改善によって収益を確保しながら、新たな将来性のある分野への投資並びに一層の高収益体質の獲得を目指してまいります。

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