有価証券報告書-第99期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日銀が推進する経済、財政政策を背景とし、東京五輪関連需要が堅調なこともあって、慢性的な人手不足を抱えつつも引き続き緩やかに企業業績の回復が続いております。一方海外においては、米国を中心に景気は引き続き底堅く推移しているものの、米国政権の政策動向や不安定な中東・朝鮮半島情勢等、多くの懸念材料を抱える不透明な状況で推移しました。
当社グループの主要取引先であります国内鉄鋼業界におきましては、平成29年度の年間粗鋼生産量は前年度比0.3%減の1億483万トンとなりました。このような環境のもと、当社グループは品質第一の考えをもとに売上増加と収益向上に全力で取り組んでまいりました。主力製品である製鋼用耐火物をはじめ、ファインセラミックス等の先端素材技術や環境創造技術へ挑戦し、コスト削減など経営合理化も進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度においては次の通りの財政状態となりました。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ25億5百万円増加(前年同期比6.7%増)し、401億27百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金の増加(8億8百万円)、投資有価証券の増加(7億28百万円)、原材料及び貯蔵品の増加(6億67百万円)等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ46百万円増加(前年同期比0.5%増)し、99億7百万円となりました。これは主に、繰延税金負債の増加(2億36百万円)、未払法人税等の増加(1億34百万円)等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ24億59百万円増加(前年同期比8.9%増)し、302億19百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加(15億46百万円)、その他有価証券評価差額金の増加(4億96百万円)等によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は67.5%となり、前連結会計年度末(66.5%)と比べ1.0%上昇し、1株当たり純資産額は606円51銭と前連結会計年度末に比べ45円89銭増加しております。
当連結会計年度においては次の通りの経営成績となりました。
連結売上高は226億82百万円(前年同期比15.8%増)、また利益面では、営業利益は26億31百万円(前年同期比97.9%増)、経常利益は29億42百万円(前年同期比97.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億69百万円(前年同期比89.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
[日本]
国内の売上高は168億89百万円(前年同期比19.1%増)となりました。また、セグメント利益は24億70百万円(前年同期比82.6%増)となりました。
[北米]
北米の売上高は21億42百万円(前年同期比0.4%減)となりました。また、セグメント利益は49百万円(前年同期比736.1%増)となりました。
[ヨーロッパ]
ヨーロッパの売上高は26億75百万円(前年同期比16.4%増)となりました。また、セグメント利益は2億4百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
[アジア]
アジアの売上高は5億52百万円(前年同期比4.3%増)となりました。また、セグメント利益は73百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
[その他]
その他の売上高は4億22百万円(前年同期比2.6%減)となりました。また、セグメント利益は1億42百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億14百万円減少し、当連結会計年度末には70億98百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は12億50百万円(前年同期比53.2%減)となりました。これは主に棚卸資産の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11億85百万円(前年同期比25.7%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億13百万円(前年同期は92百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少及び配当金の支払い等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 12,896,821 | 12.9 |
| 北米(千円) | 427,658 | △13.3 |
| ヨーロッパ(千円) | 686,331 | 27.2 |
| アジア(千円) | 341,533 | 11.8 |
| 報告セグメント(耐火物関連事業)計(千円) | 14,352,345 | 12.5 |
| その他(千円) | 217,263 | △0.8 |
| 合計(千円) | 14,569,609 | 12.2 |
(注)1.金額は、製造原価、仕入原価によっております。
2.「その他」の金額には、運輸は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 17,561,321 | 23.0 | 4,369,408 | 18.2 |
| 北米 | 2,132,206 | 0.4 | 164,647 | △5.8 |
| ヨーロッパ | 2,803,281 | 24.6 | 352,060 | 56.8 |
| アジア | 550,316 | 2.3 | 204,752 | △1.2 |
| 報告セグメント (耐火物関連事業)計 | 23,047,126 | 20.1 | 5,090,869 | 18.3 |
| その他 | 191,650 | △34.9 | 21,971 | △74.3 |
| 合計 | 23,238,776 | 19.3 | 5,112,840 | 16.5 |
(注)1.「その他」の金額には、運輸は含まれておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 16,889,179 | 19.1 |
| 北米(千円) | 2,142,377 | △0.4 |
| ヨーロッパ(千円) | 2,675,745 | 16.4 |
| アジア(千円) | 552,894 | 4.3 |
| 報告セグメント(耐火物関連事業)計(千円) | 22,260,195 | 16.2 |
| その他(千円) | 422,409 | △2.6 |
| 合計(千円) | 22,682,605 | 15.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| JFEスチール株式会社 | 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) |
| 2,199,940 | 11.2 | 2,129,183 | 9.4 | |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度における財務状況や経営成績及びキャッシュフロー状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、見積りには不確実性が含まれることから、実際の結果とは異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、主要顧客であります製鋼メーカー向け耐火煉瓦及び不定形耐火物等の堅調な売上に支えられ、また新素材関連商品の売上増もあり、前年同期比で30億92百万円の売上増となりました。これに伴い固定費負担が相対的に低下し採算性が向上したことで、原材料費を中心とした調達コストの増加がみられたものの、売上原価は前年同期比で16億33百万円の増加にとどまり、販売費及び一般管理費についても同様に前年同期比で1億56百万円の増加にとどまったことから、営業利益は前年同期比で13億2百万円増加しております。経常利益については、主に保有する有価証券の配当金が増加したことにより、受取利息配当金が前年同期比で35百万円増加しており、また円安傾向の継続により、前連結会計年度は為替差損68百万円を計上していたものが、当連結会計年度は為替差益35百万円を計上したことで、前年同期比で14億50百万円増加しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、お客様における生産販売状況や、マグネシアやジルコニア等の原料や重油・ブタンガス等の燃料の調達コスト上昇、そして当社の技術力維持・向上のために不可欠な人材の慢性的な不足が挙げられます。今後海外関連では、インド・ブラジルといった成長発展が見込まれる国々への更なる展開を、そして国内では窯炉を中心とした生産設備の増強更新を図ることで、利益の伴った成長の実現を目指し、また新素材分野や環境創造分野といった成長分野へ注力することによりグループ全体の体力強化を図ってまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、経営成果を株主の皆様へ適切に還元することとの最適なバランスを考え、実施していくことを基本としております。当連結会計年度末における借入金による有利子負債残高は39億43百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は70億98百万円となっております。設備投資につきましては、窯炉関連投資が大きく伸びた関係で、有形固定資産の取得による支出は11億51百万円と前連結会計年度比で2億98百万円増加しております。これらの投資のための所要資金は、自己資金にて賄っております。
セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
[日本]
国内顧客向けについては、耐火物業界全般に引き合いが強く、その影響もあって当社の販売量・販売価格共に堅調に推移しております。
[北米]
米国景気は引き続き堅調に推移しております。顧客に大きな動きは見られないことから、売上は前年同期比並みとなりました。製品構成が利益を生みやすい製品に変化したことで利益は前年同期比で増加しております。
[ヨーロッパ]
引き続き販売好調で、かつ対ユーロ相場が前年同期比で9.2%円安となっていることから、売上・利益ともに前年同期比で増加しております。
[アジア]
販売は堅調に推移しておりますが、原材料調達コスト上昇分の販売価格への転嫁が遅れたため、利益は前年同期比で減少しております。
[その他]
販売は前年同期比で減少したものの、販売構成の変化により利益は前年同期比で増加しております。