四半期報告書-第84期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

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2021/02/08 13:58
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18項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、次のとおりです。
当第3四半期連結累計期間は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大を受けて世界各地域における経済・社会活動が大きく制限される状況が継続しました。世界経済については中国や米国等で景気持ち直しの動きが見られましたが、全体としては厳しい状況が続きました。当社グループの事業領域においては、第1四半期連結会計期間を底として、第2四半期連結会計期間以降は需要回復の動きが継続しました。しかしながら、当第3四半期連結累計期間で見ると前年同期比では需要が減少しました。この結果、売上収益は、前年同期比19.3%減の541,403百万円となりました。
調整後営業損益(注)は、固定費削減等の実施に加え第2四半期連結会計期間以降は売上収益の回復に伴い損益の改善が見られました。しかしながら、当第3四半期連結累計期間では、売上収益の減少等により前年同期比20,406百万円減の8,585百万円の損失となりました。
その他の営業収益については、2020年4月1日付で三菱日立ツール株式会社(現 株式会社MOLDINO)の当社保有の株式を三菱マテリアル株式会社に全て譲渡したことに伴い、特殊鋼製品セグメントにおいて、事業再編等利益として1,971百万円を計上しました。その他の営業費用については、第2四半期連結会計期間に、特殊鋼製品セグメントにおいて、航空機エネルギー事業の将来における収益性を見直した結果、6,812百万円の減損損失を計上しました。また、磁性材料・パワーエレクトロニクスセグメントにおいて、磁性材料事業の将来における収益性を見直した結果、15,657百万円の減損損失を計上しました。また、電線材料セグメントにおいて、自動車部品事業の将来における収益性を見直した結果、2,000百万円の減損損失を計上しました。この結果、営業損益は前年同期比3,219百万円悪化し、37,927百万円の損失となりました。税引前四半期損益は、前年同期比3,656百万円悪化し、39,402百万円の損失、親会社株主に帰属する四半期損益は前年同期比5,215百万円改善の33,719百万円の損失となりました。
なお、当社グループでは中期経営計画における重要経営課題として、キャッシュ・フローの改善と資本効率の向上を掲げ、ROIC(投下資本利益率)による経営管理を導入しております。特に当連結会計年度は、COVID-19拡大により、経営環境の先行きが不透明な状況において、財務の健全性担保のために十分な流動性を確保すること、また、需要等の外部要因に関わらず自社で実効性をあげられる取り組みを着実に推進することが、より一層、重要と考えております。このため、運転資本効率を向上するとともに、重点領域に対する厳選投資により投資額の抑制に取り組んでおります。
セグメントの業績は、次のとおりです。各セグメントの売上収益は、セグメント間の内部売上収益を含んでおります。当第3四半期連結累計期間において、当社グループが営む事業の内容について、重要な変更はありません。
① 特殊鋼製品
当セグメントの売上収益は、前年同期比16.3%減の158,694百万円となりました。
売上収益について事業別に見ますと、工具鋼は、年末には流通を含めて在庫調整が終了したと見られるものの、当第3四半期連結累計期間で見ると需要減少に伴い前年同期を下回りました。産機材は、第2四半期連結会計期間以降、自動車関連製品で需要回復の動きが顕著となりましたが、前年同期との比較では減少となりました。航空機エネルギーは、主力の航空機関連材料が民間需要を中心に減少したことにより、前年同期を下回りました。電子材は、有機ELパネル関連部材が伸長し、クラッド材がスマートフォンや電池向けで増加しましたが、半導体パッケージ材料が自動車関連製品向けを中心に減少したこと等により、電子材全体としては前年同期並となりました。
ロールは、各種ロール、射出成形機用部品、鉄骨構造部品とも、需要が減少したことにより前年同期を下回りました。
調整後営業損益は、主力の工具鋼や産機材の需要が減少したこと等により、前年同期比4,961百万円減の1,607百万円の損失となりました。また、営業損益は、2020年4月1日付で三菱日立ツール株式会社(現 株式会社MOLDINO)の当社保有の株式を三菱マテリアル株式会社に全て譲渡したことに伴い、その他の営業収益に事業再編等利益として1,971百万円を計上しました。また、航空機エネルギー事業の将来における収益性を見直した結果、第2四半期連結会計期間においてその他の営業費用に6,812百万円の減損損失を計上しました。この結果、前年同期比10,449百万円減の7,952百万円の損失となりました。
② 素形材製品
当セグメントの売上収益は、前年同期比24.4%減の171,489百万円となりました。
売上収益について事業別に見ますと、自動車鋳物のうち、鋳鉄製品は、第1四半期連結会計期間にCOVID-19の拡大に伴い世界各地域の主要顧客が操業を停止したことにより、同期間を底として大きく落ち込みました。その後、各地域の自動車販売台数の回復や各主要顧客の再稼働が順次立ち上がったこと等に伴い、当社グループの事業も回復基調が継続しましたが、前年同期との比較では減少となりました。耐熱鋳造部品も需要の減少に伴い、前年同期を下回りました。アルミホイールについては、事業から撤退することを決定し、2020年9月末に生産を終了しました。この結果、自動車鋳物全体として前年同期を下回りました。
配管機器のうち、半導体製造装置用機器は、設備投資需要の回復等により前年同期を上回りました。主力の継手類は、国内の住宅着工戸数や大規模建設工事案件の減少等により、前年同期を下回りました。この結果、配管全体としては前年同期を下回りました。
調整後営業損益は、主力の自動車鋳物の需要が減少したことにより、前年同期比12,355百万円減の11,292百万円の損失となりました。また、営業損益は、前年同期比12,438百万円悪化し、13,355百万円の損失となりました。
③ 磁性材料・パワーエレクトロニクス
当セグメントの売上収益は、前年同期比15.0%減の75,519百万円となりました。
売上収益について事業別に見ますと、磁性材料は希土類磁石、フェライト磁石とも、第1四半期連結会計期間を底として需要が大きく落ち込みましたが、第2四半期連結会計期間以降は自動車用電装部品の需要回復が継続しました。さらに当第3四半期連結会計期間(2020年10月~12月)からはFA・ロボットやエレクトロニクス関連需要が徐々に立ち上がりました。しかしながら、当第3四半期連結累計期間で見ると、前年同期を下回りました。
パワーエレクトロニクスのうち、軟磁性材料およびその応用品は、サーバー機器等の情報通信向けが堅調でしたが、変圧器用のアモルファス金属材料が減少した結果、前年同期を下回りました。一方、セラミックス製品は、医療機器向けの需要が伸長しましたが、通信機器向けが減少したことにより、前年同期を下回りました。この結果、パワーエレクトロニクス全体としても前年同期を下回りました。
調整後営業利益は、前年同期比503百万円増の635百万円となりました。また、営業損益は、第2四半期連結会計期間において磁性材料事業の将来における収益性を見直した結果、その他の営業費用に15,657百万円の減損損失を計上しましたが、2020年3月期第2四半期連結会計期間においてその他の営業費用として42,581百万円の減損損失を計上したこと等により、前年同期比27,620百万円改善し、15,219百万円の損失となりました。
④ 電線材料
当セグメントの売上収益は、前年同期比18.1%減の135,017百万円となりました。
売上収益について事業別に見ますと、電線のうち、機器用電線はFA・ロボット向けが増加したほか、第5世代移動通信システム(5G)基地局向け等が堅調に推移し、前年同期を上回りました。一方、鉄道車両用電線は、国内向けの需要が減少しましたが、中国向けの需要が増加したことにより、前年同期を上回りました。医療向けにおいてケーブルは前年同期並みでしたが、チューブの需要が減少したことにより、前年同期を下回りました。また、巻線は、当第3四半期連結会計期間に入り自動車向けを中心に需要の回復が見られましたが、当第3四半期連結累計期間では前年同期を下回りました。この結果、電線全体としては前年同期を下回りました。
自動車部品は、自動車市場の回復を受けて、自動車用電装部品を中心に需要が回復し、当3四半期連結会計期間においては前年同期を上回りました。当第3四半期連結累計期間では、第1四半期連結会計期間の落ち込みが大きく前年同期を下回りました。
調整後営業利益は、電線、自動車部品とも需要が減少したことにより、前年同期比3,297百万円減の1,975百万円となりました。営業利益は、自動車部品事業の将来における収益性を見直した結果、第2四半期連結会計期間において2,000百万円の減損損失をその他の営業費用に計上したため、前年同期比4,967百万円減の375百万円となりました。
⑤ その他
当セグメントの売上収益は、前年同期比20.4%減の2,030百万円となり、調整後営業利益は前年同期比172百万円増の773百万円となりました。また、営業利益は、前年同期比542百万円増の870百万円となりました。
(注)当社グループは、事業再編等の影響を排除した経営の実態を表示するため、要約四半期連結損益計算書に表示している営業損失からその他の収益、その他の費用を除いた指標である調整後営業利益を記載しています。
財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における当社グループの財政状態として、要約四半期連結財政状態計算書における増減を分析すると、以下のとおりであります。
資産合計は916,191百万円で、前連結会計年度末に比べ61,575百万円減少しました。流動資産は408,766百万円で、前連結会計年度末に比べ2,647百万円増加しました。これは主に、棚卸資産が10,799百万円減少した一方、現金及び現金同等物が6,958百万円、売上債権が6,118百万円増加したこと等によるものです。非流動資産は507,425百万円で、前連結会計年度末に比べ64,222百万円減少しております。有形固定資産が38,927百万円減少しておりますが、これは主に、19,646百万円の減損損失を計上したこと等によるものです。加えて、のれん及び無形資産が12,658百万円減少しておりますが、これは主に、5,310百万円の減損損失を計上したこと等によるものです。また、持分法で会計処理されている投資が17,613百万円減少しておりますが、これは主に、当社が保有する三菱日立ツール株式会社(現 株式会社MOLDINO)の発行済株式の総数の49%を2020年4月1日付をもって、株式譲渡したため、持分法適用の範囲より除外された影響によるものです。
負債合計は435,949百万円で、前連結会計年度末に比べ18,964百万円減少しました。これは主に、短期借入金が42,590百万円増加した一方、償還期長期債務及び長期債務が48,748百万円、その他の金融負債(流動負債)が7,016百万円減少したこと等によるものです。資本合計は480,242百万円で、前連結会計年度末に比べ42,611百万円減少しました。これは主に利益剰余金が39,383百万円減少したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動及び投資活動の結果得られた資金が財務活動で使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末に比べ6,958百万円増加し、49,311百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動に関するキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、13,107百万円となりました。これは主に四半期損失が33,940百万円に対して減価償却費及び無形資産償却費が38,405百万円、減損損失が24,956百万円、運転資金の増加により1,799百万円を支出したこと等によるものです。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、5,530百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得により21,003百万円を支出した一方、主に当社が保有する三菱日立ツール株式会社(現 株式会社MOLDINO)の発行済株式の総数の49%を2020年4月1日付をもって株式譲渡したことに伴う、有価証券等(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の売却による25,813百万円の収入等によるものです。
(財務活動に関するキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、10,629百万円となりました。これは主に短期借入金が44,248百万円純増した一方、長期借入債務の償還が49,717百万円、配当金の支払により5,566百万円を支出したこと等によるものです。
(3)会社の経営の基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの会社の経営の基本方針について重要な変更はありません。
(4)対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は、2021年1月28日付で「当社製品における不適切な検査等に関する調査報告及び再発防止策並びに役員の処分について」を公表しました。
本件不適切行為が様々な製品において、かつ、長期にわたり行われており、また、過去の他社事例を自社の行動を是正する機会にできなかったことは誠に遺憾であり、本件不適切行為により、お客様、株主様等、ステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを改めて深くお詫び申し上げます。今般策定した再発防止策を最優先課題とし、全力を挙げてその実行に取り組んでまいります。そして、当社グループの製品・サービスが社会の幅広い分野で使用されていることを今一度、心に刻み、あらゆる場面で誠実さを貫く会社に生まれ変わることにより、再び信頼を取り戻せるよう努力を続けてまいります。
(5)目標とする経営指標
当社グループの目標とする経営指標は、第2四半期連結累計期間に記載の内容から重要な変更はありません。
(6)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当社は、「真の開発型企業」をめざし、研究開発の強化に取り組んでいます。次世代の特殊鋼製品、素形材製品、磁性材料・パワーエレクトロニクス、電線材料の研究開発はもちろん、持続的成長と社会貢献に資する先端材料研究開発テーマに継続的に投資しております。
当社の研究開発体制はコーポレート直下の研究所であるグローバル技術開発センター(GRIT)と事業本部下の研究所である冶金研究所(MD研)、機能部材研究所(CD研)で構成されています。
GRITでは新事業の創生を目指した新材料開発及び、AIやマテリアルズインフォマティクスなど、デジタル技術を活用した革新的プロセス技術の開発を進めております。その実現のため、国内外の研究機関・大学・企業とのオープンイノベーションを加速しています。
MD研及びCD研はディビジョンラボとして事業を支える基礎技術開発から現製品の改良及び継続的な新製品開発を中心に推進し、基盤事業の強化を推進しています。
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は10,842百万円であります。各事業セグメント別の主要な研究課題は次のとおりであります。
① 特殊鋼製品
金型・工具、電子材料、産業機器材料、積層造形用材料・製品、航空機・エネルギー関連材料等の分野に向けた高級特殊鋼、各種圧延用ロール等の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は3,376百万円であります。
② 素形材製品
ダクタイル鋳鉄製品、輸送機向け鋳鉄製品、排気系耐熱鋳鋼部品、アルミニウム部品及び管継手・バルブその他の設備配管機器の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は2,377百万円であります。
③ 磁性材料・パワーエレクトロニクス
高性能磁石、高機能セラミックス製品、アモルファス金属材料・ナノ結晶軟磁性材料、その他各種の磁石、高周波部品並びにそれらの応用製品等の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は1,640百万円であります。
④ 電線材料
産業用・車輌/自動車用・機器用、医療用等の各種電線及び巻線に関連する材料、製造プロセス技術と接続技術、並びに自動車用電装部品・ホース、工業用ゴム等の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は3,449百万円であります。
(8)設備の状況
当第3四半期連結累計期間において、有形固定資産(主に機械装置)の減損損失19,646百万円を計上しております。これは主に、磁性材料・パワーエレクトロニクスセグメントの内、磁性材料事業の事業環境の変化により収益性が低下したことに伴い、有形固定資産(主に機械装置)の減損損失10,356百万円を計上したこと及び特殊鋼製品セグメントの内、航空機エネルギー事業の事業環境の変化により収益性が低下したことに伴い、有形固定資産(主に機械装置)の減損損失6,812百万円を計上したこと等によるものです。
本件に関わる減損損失の詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注
記 注7.その他の収益及び費用及び注11.追加情報」に記載しております。

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