有価証券報告書-第122期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により急激に冷え込み、幅広い業種で影響を受ける形となりました。2020年5月の緊急事態宣言解除後は、国内の景気は緩やかに回復傾向となりましたが、年末にかけて感染者数が再び増加し2021年1月には二度目の緊急事態宣言が発出されるなど、極めて厳しい状況が続きました。特殊鋼業界の主要な需要先である自動車産業においては、国内生産は回復基調に転じつつあるものの、いち早く需要回復した中国を除き世界的に販売の不振が続きました。
この結果、当連結会計年度における財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,023百万円増加し、29,786百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ440百万円増加し、5,620百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ582百万円増加し、24,165百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比3,344百万円減の16,186百万円となりました。経常利益は前連結会計年度比459百万円減の1,539百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比1,032百万円減の427百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
○特殊鋼事業
売上高は前連結会計年度比3,261百万円減の13,981百万円、セグメント利益(営業利益)は483百万円減の357百万円となりました。
○不動産賃貸事業
売上高は前連結会計年度比83百万円減の2,205百万円、セグメント利益(営業利益)は116百万円減の990百万円となりました。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ213百万円減少し、5,428百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金収支は、1,633百万円の増加(前連結会計年度は2,373百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益837百万円に、プラス要因として、減価償却費716百万円、減損損失649百万円、仕入債務の増加額396百万円、マイナス要因として、法人税等の支払額445百万円等を調整した結果によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金収支は、1,733百万円の減少(前連結会計年度は2,060百万円の減少)となりました。これは、プラス要因として、定期預金の払戻による収入212百万円、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出1,013百万円、投資有価証券の取得による支出500百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金収支は、152百万円の減少(前連結会計年度は189百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額150百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 特殊鋼事業 | 13,534,254 | 81.0 |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
(注)1.金額は、販売価額により算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 特殊鋼事業 | 14,361,701 | 92.4 | 4,380,555 | 109.5 |
| 不動産賃貸事業 | - | - | - | - |
(注)1.金額は、販売価額により算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 特殊鋼事業 | 13,981,527 | 81.1 |
| 不動産賃貸事業 | 2,205,440 | 96.3 |
| 合計 | 16,186,968 | 82.9 |
(注)1.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| (同)西友 | 2,071,827 | 10.6 | 2,004,153 | 12.4 |
| 佐久間特殊鋼㈱ | 2,043,985 | 10.5 | 1,563,568 | 9.7 |
| 大同興業㈱ | 1,922,178 | 9.8 | 1,496,158 | 9.2 |
| 日鍛バルブ㈱ | 2,350,893 | 12.0 | 1,492,804 | 9.2 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は12,796百万円(前連結会計年度末11,997百万円)となり、798百万円の増加となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・足元の鋼材製品の売上回復等により受取手形及び売掛金が325百万円増加しております。
・足元の鋼材製品の受注回復等により商品及び製品が183百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は16,990百万円(前連結会計年度末16,765百万円)となり、224百万円の増加となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・債券の購入等により投資有価証券が449百万円増加しております。
・溶解設備の更新等により建設仮勘定が324百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は3,457百万円(前連結会計年度末2,973百万円)となり、484百万円の増加となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・足元の売上回復に伴う仕入増加等により支払手形及び買掛金が437百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は2,163百万円(前連結会計年度末2,206百万円)となり、43百万円の減少となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・修繕引当金が56百万円減少しております。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は24,165百万円(前連結会計年度末23,582百万円)となり、582百万円の増加となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が276百万円増加しております。
当社グループは、持続的発展を図るためには安定した財務基盤が必要であると考えており、今後も積極的に戦略投資を行いつつも、安定した財務基盤の維持に努めてまいります。
2)経営成績
当連結会計年度における売上高は16,186百万円(前連結会計年度19,531百万円)であり、3,344百万円の減少となりました。また、営業利益は1,347百万円(前連結会計年度1,946百万円)で599百万円の減少、経常利益は1,539百万円(前連結会計年度1,998百万円)で459百万円の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は427百万円(前連結会計年度1,459百万円)で1,032百万円の減少となりました。
当社グループの特殊鋼事業につきましては、国内外向けの耐熱鋼および磁性材を中心に、売上高は第2四半期を底に回復基調とはなりましたが前年の水準までには至らず、累計期間で前年実績を下回りました。利益面では、売上減による減少を抑制するため大幅な固定費の圧縮を図るとともに、内製化や歩留り向上をはじめとした原価低減活動の推進等に努めたものの前年実績を下回り、減収減益となりました。また、当社の連結子会社であるTOHOKU STEEL INDIA PRIVATE LIMITEDは、主要需要先であるインド自動車産業の落ち込みに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、業績が計画を大きく下回って推移しており、特別損失(固定資産の減損)を計上しております。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年中期計画の最終年度である2020年度計画として売上高22,522百万円、経常利益2,722百万円を目標として掲げ、取組んでまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による年度前半での自動車向け需要の激減とその後の穏やかな回復の影響により、売上高6,335百万円減(△28%)、経常利益1,183百万円減(△43%)の計画未達となりました。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
○特殊鋼事業
売上高は、自動車向け需要が第2四半期を底に回復基調とはなりましたが前年の水準には至らず、累計期間で前年実績を下回り、前連結会計年度比3,261百万円減の13,981百万円となりました。
セグメント利益(営業利益)は、自動車向け需要の減少により、483百万円減の357百万円となりました。
セグメント資産は、設備の増強や更新などにより、前連結会計年度末に比べ688百万円増加の13,392百万円となりました。
○不動産賃貸事業
売上高は、前連結会計年度比83百万円減とほぼ横ばいの2,205百万円となりました。
セグメント利益(営業利益)は、修繕費や工事費などの増加により116百万円減の990百万円となりました。
セグメント資産は、投資有価証券の増加などにより前連結会計年度末に比べ448百万円増加の10,693百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、不動産賃貸事業が毎期安定的な利益を上げており、営業キャッシュ・フローが継続してプラスとなっております。投資活動によるキャッシュ・フローは、特殊鋼事業への合理化投資及び戦略投資等により継続してマイナスとなっております。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、その大半が配当金の支払いであります。当社グループは、今後も収益拡大につとめ、営業キャッシュ・フローの最大化を図ってまいります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な運転資金(材料、外注費及び人件費等)、販売費及び一般管理費等の営業費用、設備の増強、更新及び改造のための設備投資資金、新製品・新技術開発のための研究開発費であります。当社グループは、これらの資金需要に対して、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については、銀行借入(当座借越)により資金を調達することとしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。
b.固定資産の減損損失
当社グループは、これらについては固定資産の減損会計の適用に際して、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与える可能性があります。
当社グループは、これらについては過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。
連結財務諸表の作成にあたっては、新型コロナウイルス感染拡大が業績に与える影響は、2021年3月期第2四半期連結会計期間を底として緩やかに回復するとの仮定も考慮して見積り、予測を行っておりますが、現時点で全ての影響について合理的に見積り、予測を行うことは困難な状況であるため、新型コロナウイルスの収束時期などによって変動する可能性があります。