有価証券報告書-第114期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 15:10
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の拡大や雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しました。
このような状況のもとで当社グループは、『1.社会における「信頼」の創造』、『2.社内における「相互信頼」の醸成と「自立人」の育成』、『3.新たな領域への挑戦』を柱とする第5次3カ年計画(2016年~2018年度)を推進し、国内事業の基盤強化に努めてまいりました。
また、海外事業においても、中国の天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司において事業の拡大を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、285億6千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9千2百万円減少いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、156億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億2千9百万円減少いたしました。
当連結会計年度末における純資産合計は、129億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加いたしました。
ロ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高240億1千3百万円(前期 229億4千2百万円)と前年同期比4.7%の増加となりました。
損益面につきましては、国内事業の鋳物関連事業及びその他の事業は総じて堅調に推移しましたが、海外事業の天津虹岡鋳鋼有限公司の稼働率低下や原材料価格高騰分の価格転嫁に苦戦し、営業利益12億8千4百万円(前期 13億3千5百万円)、経常利益13億円(前期 13億3千6百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億3千4百万円(前期 6億5千7百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
鋳物関連事業は、売上高は197億2千5百万円(前期 174億3百万円)、セグメント利益は、10億2千4百万円(前期 11億8百万円)となりました。
環境関連事業は、売上高は、19億8千7百万円(前期 32億6千2百万円)、セグメント利益は、2億5千2百万円(前期 2億8千3百万円)となりました。
その他は、売上高は、23億円(前期 22億7千6百万円)、セグメント利益は 2億1千5百万円(前期 2億5百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて1千1百万円増加し、18億8千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、21億7千9百万円の増加(前連結会計年度 1億9千4百万円 減少)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益12億6千4百万円、減価償却費13億2千6百万円による資金の増加とたな卸資産の増加2億7千2百万円、利息の支払1億5千6百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、14億6千1百万円の減少(前連結会計年度 35億6千9百万円 減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出14億7千2百万円による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、6億8千3百万円の減少(前連結会計年度 26億6千6百万円 増加)となりました。主な内訳は、長期借入金による収入12億円、短期借入金の純増加額2億3千1百万円による資金の増加と長期借入金の返済による支出17億3千1百万円による資金の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
鋳物関連事業19,8694.6
環境関連事業1,981△39.2
その他2,3232.9
合計24,174△1.4

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
鋳物関連事業のうち一部鋳物製品については見込み生産を行っているため、受注高及び受注残高の金額には含まれておりません。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比
(%)
受注残高(百万円)前年同期比
(%)
鋳物関連事業16,87515.53,75718.0
環境関連事業518△84.31,416△50.9
その他2,50011.777434.8
合計19,894△1.25,948△10.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
鋳物関連事業19,72513.3
環境関連事業1,987△39.1
その他2,3001.0
合計24,0134.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、165億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億1百万円減少いたしました。これは、主として仕掛品が2億4千4百万円、電子記録債権が2億3千万円増加した一方、受取手形及び売掛金が3億9千6百万円減少したことなどによります。
固定資産は、120億6千万円となり、前連結会計年度末に比べ5億9千1百万円減少いたしました。これは、主として有形固定資産が3億1百万円、退職給付に係る資産が1億4千万円減少したことなどによります。
この結果、総資産は、285億6千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9千2百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、113億2千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億9千6百万円減少いたしました。これは、主として短期借入金が2億9百万円増加した一方、未払金が7億4千4百万円減少したことなどによります。
固定負債は、42億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億3千3百万円減少いたしました。これは、主として長期借入金が6億8千4百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、156億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億2千9百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、129億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加いたしました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が増加したことなどによります。
この結果、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べ92円43銭増加し3,139円89銭となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の34.5%から36.4%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、国内事業の鋳物関連事業及びその他の事業が総じて堅調に推移し、海外子会社南通虹岡鋳鋼有限公司も好調に推移したことなどにより、240億1千3百万円(前年同期比 4.7%増)となりました。そのうち国内売上高は170億9千7百万円(前年同期比 0.5%増)、海外売上高は69億1千6百万円(前年同期比 16.6%増)となりました。
(営業利益)
売上原価は、海外子会社天津虹岡鋳鋼有限公司の稼働率低下や主要原材料価格の高止まりなどにより、199億4千万円(前年同期比 5.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、南通虹岡鋳鋼有限公司が開業2年目となり、年間を通じた営業活動を行ったことなどにより、27億8千8百万円(前年同期比 5.8%増)となりました。
これらの結果、営業利益は、12億8千4百万円(前年同期比 3.8%減)となりました。
(経常利益)
営業外損益は、前期の1百万円(純額)から1千5百万円(純額)となりました。
そのうち営業外収益は、前期の1億8千4百万円から2億9千5百万円に増加し、営業外費用は、前期の1億8千2百万円から2億7千9百万円に増加いたしました。
これらの結果、経常利益は、13億円(前年同期比 2.7%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益は、前期の3億5千3百万円から1億4千7百万円に減少したため、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億3千4百万円(前年同期比 11.6%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は221円52銭(前連結会計年度 198円64銭)に増加いたしました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりと認識しており、これらのリスクについては発生の回避に、また発生した場合の対応に万全を期すべく努力してまいります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金で調達しております。
借入金の一部は、変動金利であるため金利の変動リスクに晒されておりますが、金利スワップ取引を利用してヘッジしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は79億4千9百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は18億8千2百万円となっております。
当社は、将来の資金需要に対して安定的、機動的かつ効率的な資金調達を可能にするため金融機関10社と総額25億6千万円の特定融資枠契約を締結しております(借入実行残高10億5千3百万円、借入未実行残高15億6百万円)。
ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考え、株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標として位置付けております。
当連結会計年度における売上高経常利益率は5.4%(前期 5.8%)、総資産経常利益率は4.5%(前期 5.0%)であり、自己資本比率36.4%(前期 34.5%)となりました。
これらの要因については、売上高経常利益率は、海外子会社天津虹岡鋳鋼有限公司の稼働率低下や主要原材料価格の高止まりなどにより売上原価が増加したことなどで低下しております。
また、総資産経常利益率は、上記要因に加えて、海外子会社南通虹岡鋳鋼有限公司の事業活動により、事業開始前と比べて総資産が増加したことなどで低下しております。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ当連結会計年度末の総資産が減少したことで増加しております。
当連結会計年度の状況を認識した上で、引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1 鋳物関連事業
鋳型は、エネルギー関連の低迷で、鍛鋼、厚板用鋳型の需要は減少しましたが、自動車、航空機向けの特殊鋼用鋳型が好調で、売上高は、前期並みで推移しました。ロールは、国内高炉メーカー向け需要は回復したものの、電炉メーカー向け需要が伸び悩み、売上高は、前期並みで推移しました。自動車用プレス金型鋳物は、海外自動車メーカー向け案件の受注により、売上高は、前期を上回りました。大型産業機械用鋳物は、工作機械、鍛圧機向けが好調で、売上高は、前期を上回りました。小型鋳物は、機械鋳物が好調で、売上高は、前期を上回りました。デンスバーは、年度末に国内在庫調整の影響があったものの、第3四半期まで建設機械向けを中心に主要顧客先の需要が好調で、売上高は、前期を上回りました。中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司は、第1四半期における現地環境規制強化による稼働率の低下が影響し、売上高は、前期を下回りました。南通虹岡鋳鋼有限公司は、好調に推移し、その結果、海外事業トータルでは、売上高は、前期を上回りました。
この結果、当事業の売上高は197億2千5百万円(前期 174億3百万円)、セグメント利益は、10億2千4百万円(前期 11億8百万円)となりました。
2 環境関連事業
環境装置事業は、大型案件の工事進行基準による売上対象が昨年の3件から本年は2件となり、売上高は、前期を大きく下回りました。
この結果、当事業の売上高は、19億8千7百万円(前期 32億6千2百万円)、セグメント利益は、2億5千2百万円(前期 2億8千3百万円)となりました。
3 その他
送風機は、鉄鋼、化学、環境関連の大口案件があり、売上高は、前期を上回りました。環境・省エネ商品のトランスベクターは、半導体関連向け需要が好調で、売上高は、前期を上回りました。KCカーボンセラミックスは、アルミ関連向け需要が堅調でしたが、銅関連向け需要が伸び悩み、売上高は、前期並みで推移しました。KCメタルファイバーは、自動車向け需要が低水準にあり、売上高は、前期を下回りました。
この結果、当事業の売上高は、23億円(前期 22億7千6百万円)、セグメント利益は 2億1千5百万円(前期 2億5百万円)となりました。