有価証券報告書-第117期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

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2021/09/29 17:00
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【項目】
154項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの世界的流行が継続している影響や米中貿易摩擦も長期化している状況などにより、未だに先行き不透明感が拭いきれておりませんが、各国の経済対策や新型コロナウイルスの感染拡大防止策などにより、一部の国や産業において持ち直しの動きが見られました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界において、ファウンドリーやロジックメーカーによる先端投資の活発化やメモリ投資再開の動きがみられます。エレクトロニクス業界では、中国の国産化に向けた投資が活発化しています。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、パネル需要の増加に対応して液晶パネル投資が活発化するとともに、スマートフォンやタブレットなどにおいて液晶から有機ELディスプレイ(OLED)へのシフトに対応した投資が継続しています。また、OLEDに関しては、タブレットやPC、医療用・車載用・ゲームといった広い用途に対応すべく、大型基板量産開発への取組みも見られます。
なお、新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大の継続による各国の移動制限や事業活動の制限などにより、世界各地で事業を展開している当社グループの事業にも一部影響が出ております。各国の要請も踏まえた感染拡大防止対策を講じながら、可能な限り事業活動への影響を最小限にとどめるよう努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度につきましては、受注高は1,989億9百万円(前年同期比423億38百万円(27.0%)増)、売上高は1,830億11百万円(同23億91百万円(1.3%)減)となりました。また、損益面では、営業利益は171億97百万円(同12億38百万円(7.8%)増)、経常利益は179億66百万円(同86百万円(0.5%)減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は148億30百万円(同40億61百万円(37.7%)増)となりました。
企業集団の事業セグメント別状況は次のとおりであります。
「真空機器事業」
真空機器事業を品目別に見ますと下記のとおりです。
(FPD製造装置)
FPD製造装置は、スマートフォン用有機ELパネル投資や大型液晶パネル投資により、受注高は前年同期を上回りました。売上高は前連結会計年度の受注高減少の影響により前年同期を下回りました。
(半導体及び電子部品製造装置)
半導体製造装置は、メモリ投資の再開やロジック向け投資の活発化により、電子部品製造装置は、パワーデバイスやオプトデバイス、通信デバイスなどの投資活発化に加え、中国のエレクトロニクス国産化に向けた商談活発化などにより、受注高、売上高ともに前年同期を上回りました。
(コンポーネント)
コンポーネント事業は、当連結会計年度第1四半期の自動車関連投資停滞の影響などにより、売上高は前年同期を下回りましたが、同第2四半期以降、半導体電子業界を中心に景気回復の動きがみられたことにより、真空ポンプ、計測機器などの受注が増加したことから、受注高は前年同期を上回りました。
(一般産業用装置)
自動車部品製造用真空熱処理炉や高機能磁石製造装置、漏れ検査装置、医療用凍結真空乾燥装置などの受注が増加したことから、受注高、売上高ともに前年同期を上回りました。
その結果、真空機器事業の受注高は1,655億78百万円、受注残高は791億79百万円、売上高は1,512億69百万円となり、155億57百万円の営業利益となりました。
「真空応用事業」
真空応用事業を品目別に見ますと下記のとおりです。
(材料)
主にFPD用スパッタリングターゲットを中心に受注高、売上高ともに前年同期を上回りました。
(その他)
高精細、高機能ディスプレイ向けマスクブランクス関連は減少しましたが、表面分析機器関連が増加し、受注高は前年同期を上回り、売上高は前年同期並みとなりました。
その結果、真空応用事業の受注高は333億31百万円、受注残高は68億69百万円、売上高は317億42百万円となり、21億46百万円の営業利益となりました。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
また、当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりとなりました。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ104億11百万円増加し、2,927億61百万円となりました。これは、当社グループの中期経営計画の施策のひとつであるキャッシュ・フローマネジメントの強化により、営業キャッシュ・フローが改善したことで現金及び預金が108億50百万円、受注増加を主な要因としてたな卸資産が20億52百万円それぞれ増加した一方で、資産の効率化及び財務体質の強化を目的とした保有上場株式の売却を主な要因として投資有価証券が45億9百万円減少したことなどによります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ21億94百万円減少し、1,190億62百万円となりました。これは、返済により短期借入金及び長期借入金が103億92百万円減少した一方で、受注増加を主な要因として支払手形及び買掛金が46億34百万円、前受金が10億90百万円それぞれ増加したことなどによります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ126億5百万円増加し、1,736億99百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上を主な要因として利益剰余金が110億2百万円、円安の影響により為替換算調整勘定が47億4百万円それぞれ増加した一方で、保有上場株式の売却を主な要因としてその他有価証券評価差額金が31億27百万円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べて2.4ポイント増加し、57.0%となりました。今後もキャッシュ・フローマネジメントの強化等により、財務基盤の更なる強化を目指してまいります。
②キャッシュ・フロ-の状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費等の計上に加え、受注が増加傾向にある中で、資金効率改善を目標としたキャッシュ・フローマネジメントの強化により運転資金を圧縮したことで、255億20百万円の収入となりました。中期経営計画において2023年度の目標として掲げている営業キャッシュ・フロー290億円の実現に向けて、キャッシュ・フローマネジメントの一層の強化に努めてまいります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出などの減少要因に対し、投資有価証券の売却による収入などの増加要因により、69億25百万円の支出となりました。
その結果、フリー・キャッシュ・フローは185億95百万円のプラスとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、創出したフリー・キャッシュ・フローを短期借入金及び長期借入金の返済、配当金の支払などに充当し、160億61百万円の支出となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ51億14百万円増加し、830億61百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高
(百万円)
前年同期比
(%)
真空機器事業154,19496.3
真空応用事業31,767103.5
合計185,96197.4

(注)1.金額は、販売価格をもって表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
真空機器事業165,578130.579,179129.0
真空応用事業33,331112.46,869132.6
合計198,909127.086,048129.3

(注)上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高
(百万円)
前年同期比
(%)
真空機器事業151,26997.7
真空応用事業31,742103.6
合計183,01198.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な品目別販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
セグメントの名称品目当連結会計年度
販売高
(百万円)
割合
(%)
真空機器事業FPD製造装置45,29930.0
半導体及び電子部品製造装置56,48137.3
コンポーネント26,91417.8
一般産業用装置22,57514.9
151,269100.0
真空応用事業材料14,98747.2
その他16,75552.8
31,742100.0

3.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの経営成績については、売上高は1,830億11百万円(前年同期比1.3%減)となりました。FPD製造装置においては、パネル需要の増加によりLCD向け投資が活発化したこと、スマートフォンに加えてタブレット等のOLED投資が継続したことにより受注高が増加した一方で、前連結会計年度の低受注高の影響で、売上高が前年同期を下回る水準となりました。半導体及び電子部品製造装置においては、メモリ投資の再開やロジック向け投資の継続に加え、電子部品関連ではパワーデバイス、オプトデバイス、通信デバイスなどの受注増により、売上高が前年同期に比べて増加しました。
営業利益率は9.4%(前年同期比0.8ポイント増)となり、前年同期を上回りました。これは主に、中期経営計画の取組みであるモノづくり力強化の成果が出始めていることが要因です。
なお、研究開発費の総額は83億75百万円となり、前年同期から22百万円増加しました。研究開発費の売上高に対する比率は、売上高の減少により、前年同期から0.1ポイント増加し4.6%となりました。新型コロナウイルスの影響による移動制限等も継続し、前年同期並みとなりましたが、将来の成長に向けた投資を引き続き強化しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社グループは2021年6月期を初年度とする3年間の中期経営計画「Breakthrough 2022」を推進しております。この中期経営計画において、「成長に向けた開発投資(選択と集中)」及び「体質転換による利益重視の経営」の2つの基本方針を掲げております。この方針のもと、売上高、売上総利益率、営業利益率、ROE(自己資本利益率)、営業キャッシュ・フローを中期経営計画上の財務モデルにおける指標としております。
中期経営計画3年目の数値目標について、好調な市場環境を背景にして、2021年8月に修正を行いました。売上高2,350億円(修正前目標2,100億円)、営業利益380億円(修正前目標340億円)の2つの目標を上方修正しております。この他、売上総利益率35%以上、営業利益率16%以上、ROE13%以上、営業キャッシュ・フロー290億円は2020年8月公表値を継続しております。この財務モデルの達成に向けて、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した具体的取組みにより、中長期の視点で更なる成長を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
・真空機器事業
当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上高は、前年同期比2.3%減の1,512億69百万円となりました。FPD製造装置において、前連結会計年度のLCD装置及びOLED装置の受注減少の影響により、売上高が前年同期を下回ったことが主な要因です。一方で、半導体及び電子部品製造装置においては、メモリ向け、ロジック向けの受注回復と、電子部品関連ではパワーデバイスやオプトデバイス、通信デバイス向け受注が増加したことなどにより、売上高が前年同期を上回りました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は10.3%と、前年同期の8.8%から改善しました。これは、FPD製造装置や電子部品製造装置において、中期経営計画の取組みであるモノづくり力強化の成果が出始めていることが主な要因であります。
・真空応用事業
当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上高は、前年同期比3.6%増の317億42百万円となりました。マスクブランクス関連が減少したものの、表面分析装置の売上高増加や、液晶ディスプレイ用スパッタリングターゲットにおいて、パネル需要増加による顧客工場の稼働率回復に伴う売上高増加により、当セグメントの売上高が増加しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は6.8%と、前年同期の5.4%から改善しました。これは、利益率の高い製品の売上高増加が主な要因であります。
財政状態の分析は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、新たな成長戦略の足がかりとなる研究開発投資や設備投資、事業により生じる運転資金に基づくもので、とりわけ成長事業として強化を図っていく半導体や電子分野の開発投資を拡大する予定です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金などにより対応し、資金調達にあたっては、リファイナンスリスクの低減や返済負担の軽減を図るために、年度別の返済額の平準化に努めております。
また、新型コロナウイルス感染症等により先行きが不透明な中、不測の事態に備え十分な手元流動性資金を確保するとともに、コミットメントラインを設定し追加資金を確保できる体制を整えており、当面安定的な経営が可能な状態にあります。事業環境の急激な変化にも対応できるよう、引き続き、適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

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