有価証券報告書-第95期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 14:10
【資料】
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【項目】
136項目
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
(百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)
売上高35,52143,8398,31823.4
営業利益1,1584,9313,773325.7
経常利益1,0495,0323,982379.4
親会社株主に帰属する当期純利益4243,9453,521830.3
為替レート(対USD)108.74円106.06円△2.68円

当期におきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、内外経済に深刻な影響を及ぼすなど、厳しい状況が続く中、ワクチン接種が進む先進国や、経済活動をいち早く再開させた中国など、一部で持ち直しの動きも見られました。しかしながら、欧州では感染再拡大により、再び経済活動を抑制する動きとなるなど、感染状況に左右される面も大きく、不安定な状況に終始いたしました。また、国内においては、当期中、2度にわたり緊急事態宣言が発出され、感染拡大と減少を繰り返すなど、不安定な経済状況が続きました。一方で、海外経済の改善とともに、製造業を中心に緩やかな回復傾向にあるものの、ワクチン接種の遅れや変異株の感染拡大など、懸念材料も多くあり、依然として予断を許さない状況となりました。
このような中、当社グループにおきましては、巣ごもり消費と言われる生活様式の変化に伴う消費者ニーズの変化を捉えることができ、ミシンの販売は大幅に増加いたしました。生産面では、こうしたミシンの需要増加に対応すべく、生産体制の強化に継続的に取り組みました。また、従業員の安全確保のため、引き続き徹底した感染対策を講じ、安定した事業の継続に注力いたしました。
この結果、当社グループの当期の売上高は43,839百万円(前期比8,318百万円増)、営業利益は4,931百万円(前期比3,773百万円増)、経常利益は5,032百万円(前期比3,982百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,945百万円(前期比3,521百万円増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・家庭用機器事業
(万台、百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減
販売台数北米、欧州、大洋州478235
中南米、ロシア、
中東・アジア
71710
日本163014
13318449
売上高26,85636,2829,426
営業利益1,2094,9853,775

家庭用機器事業におきましては、手作りマスクや巣ごもり消費をきっかけとしたミシン需要が高い水準を維持し、国内外で販売は好調に推移いたしました。
重要市場である北米・欧州では、ネット通販を中心にエントリーモデルの販売が引き続き好調に推移いたしました。また、中・高価格帯の高付加価値製品の販売も伸長し、幅広い層に需要が広がりました。その他の市場においても販売を伸ばしました。
国内市場においては、当社創業100周年記念モデル「エポルク」、「ハイパークラフト850」、人気キャラクターとコラボした「セシオ9720P」を相次いで発売するなど、市場の活性化に努めました。さらにはSNSやメディアを通じた情報発信、ワークショップの開講など、さまざまな形でお客様と積極的なコミュニケーションを図り、需要喚起に注力したことで販売台数は前期のおよそ2倍となる30万台となり、国内シェアトップを堅持いたしました。
海外生産拠点である台湾・タイでは、生産設備や人員の増強など、生産体制の強化に継続的に取り組み、製品の安定的な供給に努めました。
その結果、海外・国内ミシンの販売台数は184万台(前期比50万台増)、家庭用機器事業全体の売上高は36,282百万円(前期比9,426百万円増)、営業利益は4,985百万円(前期比3,775百万円増)となりました。
・産業機器事業
(台、百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減
販売台数ロボット2,9102,021△889
サーボプレス1,264905△359
ロボット
サーボプレス
売上高3,5002,618△881
営業利益△279△396△117
ダイカスト売上高2,2882,176△112
営業利益△5685141
売上高5,7894,794△994
営業利益△335△31123

産業機器事業におきましては、お客様のニーズに応えた新製品を投入し、ラインアップの充実を図るとともに、自動車関連企業を中心に製品の入れ替え需要が見込まれる中、積極的な営業活動を続けてまいりました。また、感染対策を意識し、オンラインでの展示会や面談等を随時実施し、サポート体制の強化を図るとともに販売台数の確保に努めました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による企業の設備投資抑制の傾向は根強く、各種施策も足踏み状態が続く現状を打開するには至らず、ロボットの販売台数は前期に比べ889台減少し、2,021台となり、サーボプレスは前期に比べ359台減少し、905台となりました。他方で、ダイカスト鋳造関連事業においては、当社ミシン部品の受注が好調に推移し、グループ全体の利益に寄与いたしました。
この結果、産業機器事業全体の売上高は4,794百万円(前期比994百万円減)、営業損失は311百万円(前期は335百万円の営業損失)となりました。
・IT関連事業
(百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減
売上高2,1802,100△80
営業利益247232△15

ITソフトウェア開発や情報処理サービス、システム運用管理の受託等を行うIT関連事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、取引先や従業員の安全確保のため、リモートでの営業活動に注力いたしました。主力のソフト開発事業は、取引先の一部で計画の縮小や先延ばしがあったものの、多くは予定どおりの開発・保守作業を実施いたしました。また、お客様との意思疎通や品質管理をより一層徹底し、サービスの向上に努めました。
その結果、売上高は2,100百万円(前期比80百万円減)、営業利益は232百万円(前期比15百万円減)と減収減益となったものの、過去最高水準であった前期に次ぐ営業利益を計上いたしました。
② 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年3月期から2022年3月期を対象とした中期経営計画「JANOME 2021 Navigation for the Future」において、「企業価値の向上」を経営方針の一つに揚げ、営業利益率8%、自己資本純利益率(ROE)8%、総資産経常利益率(ROA)7%を中期目標としております。
中期経営計画2年目にあたる2021年3月期は、家庭用機器事業において、巣ごもり需要を契機としたミシン販売の広がりは年間を通して継続し、国内外で大きく販売を伸ばすなど好調を維持いたしました。一方で、産業機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感から、設備投資に慎重な傾向が続き、卓上ロボット・サーボプレスともに大幅な受注の減少となり、営業損失を計上いたしました。
しかしながら、好調に推移した家庭用機器事業がグループ全体の利益を押し上げ、2021年3月期の実績は、営業利益率11.2%、自己資本純利益率(ROE)14.6%、総資産経常利益率(ROA)9.8%となり、目標値を達成いたしました。
当社グループといたしましては、中期経営計画最終年度に当たる2022年3月期においても、引き続き目標値の達成を目指し、巣ごもり需要により拡大したミシン販売の広がりを一過性のものに終わらせることなく取り組んでいくとともに、産業機器事業の早期回復に向け、あらゆる施策を講じてまいります。
③ 財政状態
当社グループにおける財政状態の概況は次の通りであります。
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、53,674百万円(前期比4,314百万円増)となりました。
資産の部では、流動資産が現金及び預金の増加等により、27,016百万円(前期比4,937百万円増)となりました。固定資産は有形及び無形固定資産の減価償却、土地の減少等により26,658百万円(前期比623百万円減)となりました。
負債の部では、短期借入金の減少等により、23,357百万円(前期比621百万円減)となりました。
純資産の部(非支配株主持分を含む)は、利益剰余金の増加等により、30,316百万円(前期比4,935百万円増)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から3,498百万円増加し、9,985百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上等により6,475百万円の資金の増加となりました。(前期は1,512百万円の資金の増加)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出1,017百万円、製造子会社の機械設備や新機種に係る金型等の有形固定資産の取得による支出439百万円等により、648百万円の資金の減少となりました。(前期は677百万円の資金の減少)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額の減少、配当金の支払等により3,161百万円の資金の減少となりました。(前期は298百万円の資金の減少)
⑤ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
家庭用機器事業(百万円)17,66535.7
産業機器事業(百万円)3,769△14.1
報告セグメント計(百万円)21,43523.2
その他(百万円)1227.4
合計(百万円)21,55723.1

(注) 1.金額は製造価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注状況
当社グループの生産は、主として見込み生産によっているため、記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
家庭用機器事業(百万円)36,28235.1
産業機器事業(百万円)4,794△17.2
IT関連事業(百万円)2,100△3.7
報告セグメント計(百万円)43,17824.0
その他(百万円)661△4.8
合計(百万円)43,83923.4

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与えるような会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、安定した財務基盤を確保した上で、有利子負債を効果的に活用し、資本構成のバランスを図ることで、財務の健全性と資本効率の向上の両立を図ることを財務戦略としています。自己資本比率50%を目標とし、資本の健全性を維持するとともに、銀行借入を有効に利用することで資本コストの低減を進め、ROEの向上を目指します。
主な資金需要には、部品原材料の購入及び製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用と売掛債権の回収までを繋ぐ運転資金や、生産能力・機能の維持・拡大を目的とする設備投資があります。また、新製品や新技術開発のための研究開発費も挙げられます。事業活動により得られた資金は、これらの運転資金の圧縮や生産性向上をもたらす設備投資、更には主力事業である家庭用機器事業と産業機器事業を市場競争力強化に導く研究開発に再投入いたします。
適正な手元現預金の水準につきましては、概ね月商の1.5ヶ月相当としております。これは、可能な限り資金活用の効率化を図ったものですが、当社は主力金融機関によるシンジケーション方式のコミットメントライン(総額120億円)を設定しており、緊急の資金需要が発生した場合も機動的な資金調達が可能なことから、流動性の確保については対処されております。現在、新規の資金調達は、短期資金の銀行融資のみとしておりますが、今後、これとは別に、大型の事業案件などのまとまった資金需要が発生した場合には、株式発行による調達や社債発行などの直接金融による市場からの長期資金調達も含め、資本構成や資本コストへの影響を踏まえて検討してまいります。
株主還元につきましては、2017年3月期決算期の再開以降実施しております配当を、安定的に継続していく方針です。配当性向は、経常的かつ安定的な業績拡大を前提としたうえで、連結ベースの当期純利益の30%、個別の同40%を目標としております。なお、本質的な株主還元は、総資本を効率的かつ有効に活用することで事業の成長を図り、企業価値の向上、時価総額の増大を目指すことであると考えております。

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