有価証券報告書-第100期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/16 16:30
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171項目

(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
(百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)
売上高36,34038,9682,6277.2
営業利益2,2241,910△314△14.1
経常利益2,2612,097△163△7.2
親会社株主に帰属する当期純利益1,794590△1,204△67.1
為替レート(対USD)152.56円150.77円△1.79円

当期における世界経済は、米国では個人消費を中心に景気は底堅く推移したものの、金融引き締めの長期化による影響が意識されました。欧州ではインフレ圧力の緩和を背景に持ち直しの動きがみられました。中国においては、不動産市場の低迷や内需の不振を背景に、景気は伸び悩みましたが、その他のアジア各国では外需の回復を受けつつ、総じて緩やかな改善傾向となりました。国内経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費や設備投資など内需の増加がけん引し、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、資源価格の高止まりや為替変動に伴う物価上昇の影響が継続しており、実質所得の伸び悩みなどから先行き不透明な状況が続きました。また、国内外において中東情勢の緊迫化や米国の通商政策の動向など、外部環境の変化が個人消費や企業活動を下押しするリスクとして懸念されております。
このような環境の中で、当社グループにおきましては、中期経営計画「Move! 2027」の初年度として、長期ビジョン「つくる歓びを伝える会社」の実現に向けて、事業運営に取り組みました。具体的には、シェア拡大に向けた積極的な販売活動や製品ラインナップの拡充、製造原価の低減を推進、収益性の向上に努めました。また、米国相互関税等の課題に対して迅速な対応を進めました。しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は厳しく、当社グループの当期の売上高は38,968百万円(前期比2,627百万円増)、営業利益は1,910百万円(前期比314百万円減)、経常利益は2,097百万円(前期比163百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は590百万円(前期比1,204百万円減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・家庭用機器事業
(万台、百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減
販売台数北米、欧州、大洋州5854△4
中南米、中東、アジア2519△6
日本782
8981△8
売上高28,77329,7871,013
営業利益2,1591,854△304

家庭用機器事業におきましては、市場ニーズを踏まえた新製品の市場投入および販売促進によりブランド力の向上を図るとともに、代理店への支援強化など積極的な販売活動を行いました。海外の地域別では、北米は中・高級機種の販売が堅調に推移した一方、アジア市場での前期好調の反動減がみられました。加えて、新興国における競争の激化や、欧州での消費の冷え込み、厳しい競争環境等の影響により、販売台数は伸び悩みました。しかしながら、足元では新興国市場への競争力ある製品投入に加え、販売体制の強化を一層推進したことにより、販売は回復傾向にあります。今後も市況環境の変化を踏まえ、機動的な施策展開により更なる販売拡大を図っていきます。
国内においては、代理店向け販売活動の強化に加え、各種イベントへの出展やSNSを活用した継続的な情報発信を通じて、潜在需要の掘り起こしに努めました。また、ジャノメ公式オンラインショップ「Sewing Marche(ソーイングマルシェ)」を開設し、販売チャネルの拡充を図りました。学校販売においては、継続的なサポート体制の構築とシェア拡大に向けた営業活動を推進し、ジャノメブランドの浸透に努めました。これらにより国内の販売は堅調に推移しており、今後も顧客ニーズを捉えた施策を適時適切に実施していきます。
この結果、家庭用機器事業全体の売上高は29,787百万円(前期比1,013百万円増)、営業利益は1,854百万円(前期比304百万円減)となりました。
・産業機器事業
(台、百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減
販売台数ロボット1,2952,8551,560
サーボプレス8651,045180
ロボット
サーボプレス
売上高2,7583,7621,004
営業利益△8588174
ダイカスト売上高2,0822,392309
営業利益△337△632△294
売上高4,8416,1551,314
営業利益△423△543△120

ロボット・プレス事業におきましては、国内外の展示会及び内覧会への積極的な出展や顧客ニーズに対応した製品提供を通じてラインナップの拡充を図り、付加価値の高い技術サービス及び製品の強化に取り組みました。その結果、中国を中心としたアジア市場における設備投資需要の増加を背景に受注は堅調に推移し、販売子会社「JIE-India」が事業を開始したインド市場においても受注は増加傾向となりました。今後も市場の設備投資需要の動向を踏まえ、環境変化に応じた最適な施策を戦略的に推進し、受注拡大を図っていきます。一方、ダイカスト事業におきましては、受注状況は改善傾向にあるものの、原材料価格の高止まり等に伴う原価率の上昇が継続していることから、厳しい収益状況となっております。そのため、販売価格の見直しや原価低減等の施策に着手し、収益構造の改善に努めております。
この結果、産業機器事業全体の売上高は6,155百万円(前期比1,314百万円増)、営業損失は543百万円(前期は、423百万円の営業損失)となりました。
・IT関連事業
(百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減
売上高2,5292,896366
営業利益401537136

ITソフトウェア開発、情報処理サービス及びシステム運用管理を行うIT関連事業では、DX需要の拡大を背景に、生産性の向上及び品質管理の強化に取り組み、幅広い顧客ニーズに対応したサービスの提供を進めました。また、新規顧客の開拓および既存顧客との信頼関係の強化により、安定した受注を確保し、営業利益は過去最高となりました。今後も受注の安定確保に向けた取り組みを継続し、着実な成長を図っていきます。
この結果、IT関連事業の売上高は2,896百万円(前期比366百万円増)、営業利益は537百万円(前期比136百万円増)となりました。
② 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2026年3月期から2028年3月期を対象とした中期経営計画「Move! 2027」において、「これからの100年に向けた持続可能な成長」を基本方針とし、売上高43,500百万円、営業利益率9.2%、ROE8.1%以上を最終年度のKPIとしております。
中期経営計画初年度にあたる2026年3月期は、家庭用機器事業では、欧州を中心とした厳しい競争環境の影響等から、販売台数は減少傾向となった一方、北米では中・高級機種の販売は好調に推移し、国内外で新機種の投入による販売拡大に努めました。産業機器事業につきましては、国内外の展示会への積極的な出展や顧客ニーズに合わせたカスタマイズ装置の提供によるラインナップの拡充等に取り組み、受注獲得に向けた活動を強化しました。アジア市場における設備投資需要の増加も追い風となり、ロボット・プレス事業、ダイカスト事業ともに足元の受注状況は回復傾向となっておりますが、高止まりする原価率等の影響をカバーする利益確保には至らず、事業環境は厳しい状況が続きました。その他、資本効率向上に向け、保有資産の見直しによる非事業用資産等の売却を前倒しで推し進めました。この結果、営業利益率は4.9%、自己資本利益率(ROE)は1.7%となり、2025年11月14日付「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」にて開示いたしました計画値は達成したものの、2025年5月9日付「2025年3月決算短信」にて開示いたしました当初計画値には届きませんでした。
今後の見通しにつきましては、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスク、米国の通商政策の動向、資源価格の高騰など外部環境の著しい変化は続くと思われます。
こういった状況を注視しつつ、当社グループは中期経営計画で掲げている各事業セグメントにおける施策の実行を加速させ、2027年3月期の計画値達成に向けて取り組んでまいります。
2026年3月期実績値および計画値ならびに2027年3月期計画値 (百万円、%)
売上高営業利益経常利益親会社株主に
帰属する当期純利益
2026年3月期実績値38,9681,9102,097590
当初計画値
(2025年5月9日開示)
40,0002,5002,4001,500
増減率△2.6△23.6△12.6△60.7
修正後計画値
(2025年11月14日開示)
35,0001,3001,200200
増減率11.346.974.8195.0

売上高営業利益経常利益親会社株主に
帰属する当期純利益
2027年3月期計画値42,0003,0003,0002,000
増減率7.857.043.0238.8

※増減率は2026年3月期実績値に対する割合
③ 財政状態
当社グループにおける財政状態の概況は次の通りであります。
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、50,621百万円(前期比991百万円増)となりました。
資産の部では、流動資産が現金及び預金の増加、売掛金の増加等により、29,066百万円(前期比3,206百万円増)となりました。固定資産は、土地の減少、建物及び構築物の減少等により21,554百万円(前期比2,214百万円減)となりました。
負債の部では、短期借入金の増加、支払手形及び買掛金の増加等により14,988百万円(前期比801百万円増)となりました。
純資産の部(非支配株主持分を含む)は、為替換算調整勘定の増加、自己株式の取得等により、35,632百万円(前期比190百万円増)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から1,069百万円増加し、8,150百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,367百万円、減価償却費903百万円、法人税等の支払額771百万円等により1,780百万円の資金の増加となりました。(前期は2,625百万円の資金の増加)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入1,607百万円、有形固定資産の取得による支出398百万円、定期預金の預入による支出417百万円等により、170百万円の資金の増加となりました。(前期は373百万円の資金の減少)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出1,406百万円、短期借入金の純増減額の増加887百万円、配当金の支払額812百万円等により1,423百万円の資金の減少となりました。(前期は2,906百万円の資金の減少)
⑤ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比(%)
家庭用機器事業(百万円)13,4821.1
産業機器事業(百万円)4,85425.0
合計(百万円)18,3366.5

(注) 金額は製造価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b 受注状況
当社グループの生産は、主として見込み生産によっているため、記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比(%)
家庭用機器事業(百万円)29,7873.5
産業機器事業(百万円)6,15527.1
IT関連事業(百万円)2,89614.5
報告セグメント計(百万円)38,8397.5
その他(百万円)128△34.3
合計(百万円)38,9687.2

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債または損益の状況に影響を与えるような会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、安定した財務基盤を確保した上で、有利子負債を効果的に活用し、資本構成のバランスを図ることで、財務の健全性と資本効率の向上の両立を図ることを財務戦略としています。資本の健全性を維持するとともに、銀行借入を有効に利用することで資本コストの低減を進め、ROEの向上を目指します。
主な資金需要には、部品原材料の購入及び製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用と売掛債権の回収までを繋ぐ運転資金や、生産能力・機能の維持・拡大を目的とする設備投資があります。また、新製品や新技術開発のための研究開発費も挙げられます。事業活動により得られた資金は、これらの運転資金の圧縮や生産性向上をもたらす設備投資、更には主力事業である家庭用機器事業と産業機器事業を市場競争力強化に導く研究開発に再投入いたします。
適正な手元現預金の水準につきましては、概ね月商の1.5ヶ月相当としております。これは、可能な限り資金活用の効率化を図ったものですが、当社は主力金融機関によるシンジケーション方式のコミットメントライン(総額80億円)を設定しており、緊急の資金需要が発生した場合も機動的な資金調達が可能なことから、流動性の確保については対処されております。現在、新規の資金調達は、短期資金の銀行融資のみとしておりますが、今後、これとは別に、大型の事業案件などのまとまった資金需要が発生した場合には、株式発行による調達や社債発行などの直接金融による市場からの長期資金調達も含め、資本構成や資本コストへの影響を踏まえて検討してまいります。
株主還元につきましては、2017年3月期決算期の再開以降実施しております配当を安定的に継続し、中長期的な利益成長に応じた増配を目指してまいります。累進配当を意識し、DOE3%以上かつ、連結配当性向40%以上を目安に配当を実施してまいります。また、資本市場の動向を踏まえ、機動的な自己株式の取得を実施してまいります。

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