四半期報告書-第74期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続くものの、総じて持ち直しの動きが見られました。一方で、秋以降は世界各国で感染が再拡大しており、先行き不透明感が強まる状況となりました。中国では、厳しいコロナ抑制策の効果もあり、景気回復が進みました。米国やその他のアジア地域では、感染再拡大で景気持ち直しの動きは鈍化しました。インドでは厳しい状況が続きましたが、ロックダウンの緩和により下げ止まりの兆しがみられました。日本では、経済活動が徐々に再開されましたが、感染再拡大による活動抑制策の強化で、景気回復のペースは緩慢なものとなりました。
昇降機業界におきましては、中国では新設工事の需要は台数ベースで堅調に推移しましたが、その他の国では、新型コロナ禍の影響により、総じて新設工事とモダニゼーション工事の需要が鈍化しました。昇降機の整備・維持を行う保守事業では、社会インフラとして影響は限定的となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、従業員や関係先の安全・安心を最優先に、在宅勤務や3密の回避などの感染症拡大防止策を継続的に行いました。また、「新しい生活様式」へ対応した、手をかざすだけでエレベータを操作できる非接触ボタン「エアータップ」、3密を避ける判断の一助となる「混雑度表示」、エレベータ内のウイルスの作用を抑制する空気浄化装置「イオンフル」や「抗菌ボタン」など、感染症対策に期待される当社独自の衛生面の機能を商品化しました。特に「エアータップ」は、既設エレベータへの適用拡大などを図り、国内外での販売を拡大しています。
以上の環境の中で、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績の状況は、以下の通りとなりました。
当第3四半期連結累計期間の国内市場は、新設事業では、ホテルや店舗向けを中心に需要が減少し、新設工事の受注は前年同四半期比で若干の減少となりました。アフターマーケット事業では、既設昇降機の更新を行うモダニゼーション工事で官庁向けなどが増加し、昇降機の整備・維持を行う保守は、お客様の要望を反映した提案による契約率の向上で、堅調に推移しました。
海外では、新型コロナ禍の影響が続きました。東アジアの受注は、香港や韓国ではモダニゼーション工事が増加しましたが、中国では新設工事の受注が減少しました。南アジアでは、インドの新設工事受注の減少が続きましたが、シンガポール、インドネシア、マレーシアでの大型新設工事案件やシンガポールのアフターマーケット事業の伸長により、受注は増加しました。北米・欧州の受注は、米国では大型案件の受注により新設工事が増加しましたが、モダニゼーション工事は低調に推移し、カナダでは新設工事が減少しました。なお、英国では、2020年2月に実施した企業買収により受注が増加しました。
以上の結果、国内受注高558億53百万円(前年同四半期比2.6%増)、海外受注高727億6百万円(同10.8%減、為替の影響を除くと8.0%減)となり、受注高合計は1,285億60百万円(同5.4%減)となりました。
売上高は、国内売上高501億85百万円(前年同四半期比5.9%減)、海外売上高738億1百万円(同9.0%減、為替の影響を除くと6.1%減)となり、合計で1,239億87百万円(同7.8%減)となりました。
受注残高は、国内受注残高714億24百万円(前連結会計年度末比8.7%増)、海外受注残高1,386億13百万円(同2.4%減、為替の影響を除くと0.2%増)となり、合計で2,100億38百万円(同1.1%増)となりました。
損益面では、営業利益は、北米・欧州の減少に対し、東アジアの増加により、100億37百万円(前年同四半期比2.5%増)、経常利益は、金融収支の支出増や為替差損の発生により、109億20百万円(同1.0%減)となりました。税金等調整前四半期純利益は、投資有価証券売却損や評価損の発生などで、110億22百万円(同1.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は70億98百万円(同2.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日 本)
売上高は、新型コロナ禍の影響による工期延伸や工事中断により、新設およびモダニゼーション工事の売上が減少し、521億39百万円 (前年同四半期比5.5%減)となりました。営業利益は、新設工事では売上の減少に対して、販売価格の改善に取り組み、アフターマーケット事業では、堅調な保守に支えられ、32億40百万円(同16百万円増)となりました。
(東アジア)
売上高は、香港の保守や修理工事が増加しましたが、中国の新設工事や輸出が減少したことにより、508億46百万円(前年同四半期比9.3%減、為替の影響を除くと6.0%減)となりました。営業利益は、新設工事が、台湾で大型案件の進捗により採算低下も、中国および香港で改善したことや香港のサービス事業売上高の増加により、46億90百万円(同5億78百万円増)となりました。
(南アジア)
売上高は、シンガポールの増加に対し、インドネシア、マレーシア、インドで新設工事が減少したことにより、102億69百万円(前年同四半期比14.7%減、為替の影響を除くと11.3%減)となりました。営業利益は、シンガポールのサービス事業伸長により、17億87百万円(同34百万円増)となりました。
(北米・欧州)
売上高は、英国での新設工事の進捗および新規子会社の連結加入により増加しましたが、米国の新設工事減少が大きく影響し、174億68百万円(前年同四半期比8.6%減、為替の影響を除くと6.8%減)となりました。営業利益は、米国の新設工事採算低下により、3億47百万円(同4億19百万円減)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産額は、1,988億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億83百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少に対し、現金及び預金、仕掛品、英国での企業買収によるのれんが増加したことによります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億57百万円増加し、772億24百万円となりました。これは主に、短期借入金、賞与引当金の減少に対し、支払手形及び買掛金、工事損失引当金、前受金および信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)導入による長期借入金が増加したことによります。
純資産額は、1,216億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億25百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加と、配当金の支払いによる減少などによるものです。
なお、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)導入に伴い、2020年12月2日付で実施した第三者割当による自己株式の処分では、自己株式9億29百万円および自己株式処分差益(その他資本剰余金)4億49百万円を計上しています。また、2020年12月11日付の自己株式の消却55億18百万円の結果、負の値となるその他資本剰余金をその他利益剰余金から減額しています。
当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は55.0%(前連結会計年度末比0.2ポイント減)となり、1株当たり純資産額は1,347.66円(同29.07円増)となりました。
(2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループは、2020年12月4日に「当社の戦略的方向性について」を発表いたしました。2019年よりスタートしました3ヵ年の中期経営計画“Innovation, Quality & Speed”は初年度の2019年に3年後の計画を全て達成できました。一方で、その翌年は新型コロナウイルス感染症がグローバルで蔓延する厳しい事業環境を余儀なくされ、また、その後のWithコロナ、Afterコロナにおける事業環境は当初の想定と大きく変化することが予想されます。このような状況下において、今後当社が目指すべき方向性を検討し、発表をいたしました。当社はこの「新たな戦略的方向性」に記載の取組みを確実に実行し、グローバルで、お客さまの信頼に応える安全・安心な商品を継続的に提供し、持続的成長と企業価値向上を目指します。「新たな戦略的方向性」における重点領域は次の3点です。
〇アフターマーケット事業への注力:不透明な経済環境の下、アフターマーケット事業へ注力
〇成長市場での事業拡大 :新設事業の成長が期待される中国・南アジア市場での事業拡大
〇収益力向上 :業務革新・自動化推進等による収益力の向上
アフターマーケット事業への注力では、モダニゼーション事業の拡大と保守事業の拡大に取り組みます。
モダニゼーション事業の拡大は、開発・生産・販売・グローバル連携による以下の取組みによりモダニゼーション事業の拡大を図ります。
・モダニゼーションに特化した機器の開発
・対象機器を選ばないモダニゼーションパッケージ商品の市場投入
・グローバル生産・調達を活用したコスト競争力の向上
保守事業の拡大は、以下のようなスマートメンテナンスの推進とグローバル展開による保守事業拡大を目指します。
・地図データと連携した保守情報管理システムの機能向上
・ビッグデータ解析とAI活用による保守効率の向上
・IoTを用いた自動診断の高度化と次世代リモートメンテナンスの実現
成長市場での事業拡大では、中国市場と南アジア市場へ注力します。
中国市場では、販売体制強化とコストダウンによる継続的な成長を目指し、以下に取り組みます。
・機種統合と生産自動化によるコストダウン推進
・販売体制強化による新設事業拡大とアフターマーケット事業強化
・生産調達体制の拡充
南アジア市場では、インドおよびメコン地域の成長市場での事業拡大を以下の取組みで図ります。
・インドを生産供給拠点としたグローバル標準機種の拡販
・シンガポールを軸とした事業体制強化と拠点網拡充
・インド市場に特化した戦略商品の投入
収益力の向上では主に利益率拡大と据付コスト革新を図ります。
利益率拡大では、以下の設計・調達・生産革新による利益率拡大を目指します。
・グローバル供給体制の活用
・デザインシミュレータ、3D-CAD等を活用した設計・生産の自動化と省人化
・カスタム機種の設計・生産革新によるコストダウン
据付コスト革新は、以下の据付省力化によるコストダウンを図ります。
・据付専用ツールの開発と据付工法の刷新
・据付機器のプレアッセンブルによる据付現場の効率化
・エキスパート人材育成と据付協力会社との連携強化
また、当社は中長期の方向性として、売上拡大では各国における市場成長性を上回る事業成長の確保を目指し、営業利益率は早期に10%以上とし、また、ROEは利益率の向上を通じて、10%以上を維持することを目指します。
更に当社では、指名・報酬諮問委員会の設置によるガバナンスの透明性向上と体制の強化を図ります。また、当社は「美しい都市機能を世界の国々で世界の人々と共に創る」という経営理念の下、ESGへも積極的に取り組み、環境負荷低減への取組みを加速し、すべてのステークホルダーの皆様と共に価値創造を継続してまいります。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、依然として、その収束時期は不透明であり、経済活動の停滞から昇降機市場の先行きも予断を許さない環境にあります。このような状況の中、今回発表をいたしました「新たな戦略的方向性」を確実に実行し、企業価値の向上に努めてまいります。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、17億73百万円であります。このうち、日本において17億30百万円、東アジアを中心とした海外において43百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、内部資金または借入により調達しています。このうち、運転資金の借入による調達は、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が運転資金として使用する現地通貨で調達することが一般的であります。2020年12月31日現在、短期借入金残高は19億18百万円であります。これに対して、生産設備などの長期資金の借入による調達は、原則として、長期借入金で行っています。2020年12月31日現在、長期借入金残高(1年内返済予定の長期借入金を含む)は円による借り入れで、9億30百万円であり、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)導入によるものであります。
当社グループは、営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび借入、必要に応じて資本市場等よりの調達により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および生産設備などの長期資金を調達することが可能と考えています。
なお、当社は現在、社債発行枠が100億円の発行登録を継続しています。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続くものの、総じて持ち直しの動きが見られました。一方で、秋以降は世界各国で感染が再拡大しており、先行き不透明感が強まる状況となりました。中国では、厳しいコロナ抑制策の効果もあり、景気回復が進みました。米国やその他のアジア地域では、感染再拡大で景気持ち直しの動きは鈍化しました。インドでは厳しい状況が続きましたが、ロックダウンの緩和により下げ止まりの兆しがみられました。日本では、経済活動が徐々に再開されましたが、感染再拡大による活動抑制策の強化で、景気回復のペースは緩慢なものとなりました。
昇降機業界におきましては、中国では新設工事の需要は台数ベースで堅調に推移しましたが、その他の国では、新型コロナ禍の影響により、総じて新設工事とモダニゼーション工事の需要が鈍化しました。昇降機の整備・維持を行う保守事業では、社会インフラとして影響は限定的となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、従業員や関係先の安全・安心を最優先に、在宅勤務や3密の回避などの感染症拡大防止策を継続的に行いました。また、「新しい生活様式」へ対応した、手をかざすだけでエレベータを操作できる非接触ボタン「エアータップ」、3密を避ける判断の一助となる「混雑度表示」、エレベータ内のウイルスの作用を抑制する空気浄化装置「イオンフル」や「抗菌ボタン」など、感染症対策に期待される当社独自の衛生面の機能を商品化しました。特に「エアータップ」は、既設エレベータへの適用拡大などを図り、国内外での販売を拡大しています。
以上の環境の中で、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績の状況は、以下の通りとなりました。
当第3四半期連結累計期間の国内市場は、新設事業では、ホテルや店舗向けを中心に需要が減少し、新設工事の受注は前年同四半期比で若干の減少となりました。アフターマーケット事業では、既設昇降機の更新を行うモダニゼーション工事で官庁向けなどが増加し、昇降機の整備・維持を行う保守は、お客様の要望を反映した提案による契約率の向上で、堅調に推移しました。
海外では、新型コロナ禍の影響が続きました。東アジアの受注は、香港や韓国ではモダニゼーション工事が増加しましたが、中国では新設工事の受注が減少しました。南アジアでは、インドの新設工事受注の減少が続きましたが、シンガポール、インドネシア、マレーシアでの大型新設工事案件やシンガポールのアフターマーケット事業の伸長により、受注は増加しました。北米・欧州の受注は、米国では大型案件の受注により新設工事が増加しましたが、モダニゼーション工事は低調に推移し、カナダでは新設工事が減少しました。なお、英国では、2020年2月に実施した企業買収により受注が増加しました。
以上の結果、国内受注高558億53百万円(前年同四半期比2.6%増)、海外受注高727億6百万円(同10.8%減、為替の影響を除くと8.0%減)となり、受注高合計は1,285億60百万円(同5.4%減)となりました。
売上高は、国内売上高501億85百万円(前年同四半期比5.9%減)、海外売上高738億1百万円(同9.0%減、為替の影響を除くと6.1%減)となり、合計で1,239億87百万円(同7.8%減)となりました。
受注残高は、国内受注残高714億24百万円(前連結会計年度末比8.7%増)、海外受注残高1,386億13百万円(同2.4%減、為替の影響を除くと0.2%増)となり、合計で2,100億38百万円(同1.1%増)となりました。
損益面では、営業利益は、北米・欧州の減少に対し、東アジアの増加により、100億37百万円(前年同四半期比2.5%増)、経常利益は、金融収支の支出増や為替差損の発生により、109億20百万円(同1.0%減)となりました。税金等調整前四半期純利益は、投資有価証券売却損や評価損の発生などで、110億22百万円(同1.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は70億98百万円(同2.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日 本)
売上高は、新型コロナ禍の影響による工期延伸や工事中断により、新設およびモダニゼーション工事の売上が減少し、521億39百万円 (前年同四半期比5.5%減)となりました。営業利益は、新設工事では売上の減少に対して、販売価格の改善に取り組み、アフターマーケット事業では、堅調な保守に支えられ、32億40百万円(同16百万円増)となりました。
(東アジア)
売上高は、香港の保守や修理工事が増加しましたが、中国の新設工事や輸出が減少したことにより、508億46百万円(前年同四半期比9.3%減、為替の影響を除くと6.0%減)となりました。営業利益は、新設工事が、台湾で大型案件の進捗により採算低下も、中国および香港で改善したことや香港のサービス事業売上高の増加により、46億90百万円(同5億78百万円増)となりました。
(南アジア)
売上高は、シンガポールの増加に対し、インドネシア、マレーシア、インドで新設工事が減少したことにより、102億69百万円(前年同四半期比14.7%減、為替の影響を除くと11.3%減)となりました。営業利益は、シンガポールのサービス事業伸長により、17億87百万円(同34百万円増)となりました。
(北米・欧州)
売上高は、英国での新設工事の進捗および新規子会社の連結加入により増加しましたが、米国の新設工事減少が大きく影響し、174億68百万円(前年同四半期比8.6%減、為替の影響を除くと6.8%減)となりました。営業利益は、米国の新設工事採算低下により、3億47百万円(同4億19百万円減)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産額は、1,988億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億83百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少に対し、現金及び預金、仕掛品、英国での企業買収によるのれんが増加したことによります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億57百万円増加し、772億24百万円となりました。これは主に、短期借入金、賞与引当金の減少に対し、支払手形及び買掛金、工事損失引当金、前受金および信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)導入による長期借入金が増加したことによります。
純資産額は、1,216億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億25百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加と、配当金の支払いによる減少などによるものです。
なお、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)導入に伴い、2020年12月2日付で実施した第三者割当による自己株式の処分では、自己株式9億29百万円および自己株式処分差益(その他資本剰余金)4億49百万円を計上しています。また、2020年12月11日付の自己株式の消却55億18百万円の結果、負の値となるその他資本剰余金をその他利益剰余金から減額しています。
当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は55.0%(前連結会計年度末比0.2ポイント減)となり、1株当たり純資産額は1,347.66円(同29.07円増)となりました。
(2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループは、2020年12月4日に「当社の戦略的方向性について」を発表いたしました。2019年よりスタートしました3ヵ年の中期経営計画“Innovation, Quality & Speed”は初年度の2019年に3年後の計画を全て達成できました。一方で、その翌年は新型コロナウイルス感染症がグローバルで蔓延する厳しい事業環境を余儀なくされ、また、その後のWithコロナ、Afterコロナにおける事業環境は当初の想定と大きく変化することが予想されます。このような状況下において、今後当社が目指すべき方向性を検討し、発表をいたしました。当社はこの「新たな戦略的方向性」に記載の取組みを確実に実行し、グローバルで、お客さまの信頼に応える安全・安心な商品を継続的に提供し、持続的成長と企業価値向上を目指します。「新たな戦略的方向性」における重点領域は次の3点です。
〇アフターマーケット事業への注力:不透明な経済環境の下、アフターマーケット事業へ注力
〇成長市場での事業拡大 :新設事業の成長が期待される中国・南アジア市場での事業拡大
〇収益力向上 :業務革新・自動化推進等による収益力の向上
アフターマーケット事業への注力では、モダニゼーション事業の拡大と保守事業の拡大に取り組みます。
モダニゼーション事業の拡大は、開発・生産・販売・グローバル連携による以下の取組みによりモダニゼーション事業の拡大を図ります。
・モダニゼーションに特化した機器の開発
・対象機器を選ばないモダニゼーションパッケージ商品の市場投入
・グローバル生産・調達を活用したコスト競争力の向上
保守事業の拡大は、以下のようなスマートメンテナンスの推進とグローバル展開による保守事業拡大を目指します。
・地図データと連携した保守情報管理システムの機能向上
・ビッグデータ解析とAI活用による保守効率の向上
・IoTを用いた自動診断の高度化と次世代リモートメンテナンスの実現
成長市場での事業拡大では、中国市場と南アジア市場へ注力します。
中国市場では、販売体制強化とコストダウンによる継続的な成長を目指し、以下に取り組みます。
・機種統合と生産自動化によるコストダウン推進
・販売体制強化による新設事業拡大とアフターマーケット事業強化
・生産調達体制の拡充
南アジア市場では、インドおよびメコン地域の成長市場での事業拡大を以下の取組みで図ります。
・インドを生産供給拠点としたグローバル標準機種の拡販
・シンガポールを軸とした事業体制強化と拠点網拡充
・インド市場に特化した戦略商品の投入
収益力の向上では主に利益率拡大と据付コスト革新を図ります。
利益率拡大では、以下の設計・調達・生産革新による利益率拡大を目指します。
・グローバル供給体制の活用
・デザインシミュレータ、3D-CAD等を活用した設計・生産の自動化と省人化
・カスタム機種の設計・生産革新によるコストダウン
据付コスト革新は、以下の据付省力化によるコストダウンを図ります。
・据付専用ツールの開発と据付工法の刷新
・据付機器のプレアッセンブルによる据付現場の効率化
・エキスパート人材育成と据付協力会社との連携強化
また、当社は中長期の方向性として、売上拡大では各国における市場成長性を上回る事業成長の確保を目指し、営業利益率は早期に10%以上とし、また、ROEは利益率の向上を通じて、10%以上を維持することを目指します。
更に当社では、指名・報酬諮問委員会の設置によるガバナンスの透明性向上と体制の強化を図ります。また、当社は「美しい都市機能を世界の国々で世界の人々と共に創る」という経営理念の下、ESGへも積極的に取り組み、環境負荷低減への取組みを加速し、すべてのステークホルダーの皆様と共に価値創造を継続してまいります。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、依然として、その収束時期は不透明であり、経済活動の停滞から昇降機市場の先行きも予断を許さない環境にあります。このような状況の中、今回発表をいたしました「新たな戦略的方向性」を確実に実行し、企業価値の向上に努めてまいります。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、17億73百万円であります。このうち、日本において17億30百万円、東アジアを中心とした海外において43百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、内部資金または借入により調達しています。このうち、運転資金の借入による調達は、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が運転資金として使用する現地通貨で調達することが一般的であります。2020年12月31日現在、短期借入金残高は19億18百万円であります。これに対して、生産設備などの長期資金の借入による調達は、原則として、長期借入金で行っています。2020年12月31日現在、長期借入金残高(1年内返済予定の長期借入金を含む)は円による借り入れで、9億30百万円であり、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)導入によるものであります。
当社グループは、営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび借入、必要に応じて資本市場等よりの調達により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および生産設備などの長期資金を調達することが可能と考えています。
なお、当社は現在、社債発行枠が100億円の発行登録を継続しています。