有価証券報告書-第49期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、2017年6月17日開催の第47期定時株主総会で「定款一部変更の件」が承認されたことを受け、2017年度より決算期を3月31日から12月31日に変更いたしました。従いまして、前連結会計年度は決算期変更の経過期間となるため、3月決算の連結対象会社は9ヶ月間(2017年4月1日~2017年12月31日)、12月決算の連結対象会社は12ヶ月間(2017年1月1日~2017年12月31日)を連結対象期間とした変則決算となっております。このため、対前期増減率を記載しておりません。
当連結会計年度においては、期の後半にかけて米中貿易摩擦に起因する景気の減速感が中国を中心に広がった一方、通年では欧米を中心とする先進諸国では内需主導の堅調な経済成長が続くなど、世界経済は底堅さを維持しました。
当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」と「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA (Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制の拡充に努めています。新規分野への展開では、自動車をはじめ免震・制震装置、医療機器、航空機、ロボット、再生可能エネルギーなど消費財に近い分野で当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上高の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大に努めています。
そのような中、当社グループでは、期の後半よりエレクトロニクス関連をはじめとする需要に調整の動きが見られたものの、それまで全般的に好調に推移していた需要を着実に売上高に繋げました。コスト面では生産性向上に向けた取り組みをはじめとする各種改善活動を引き続き推進しました。
これらの結果、連結売上高は3,534億7千9百万円、営業利益は498億3千2百万円となりました。
営業外損益では、営業外収益は、受取利息が7億7千2百万円、持分法による投資利益が6億1千4百万円となったことなどにより40億3百万円となりました。営業外費用は、為替差損が11億7千8百万円となったことなどにより、20億7千8百万円となりました。
これらの結果、経常利益は517億5千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は354億円となりました。
参考のため、前期業績を12ヶ月(2017年1月1日~2017年12月31日)として調整した金額と当期業績との比較は以下のとおりであります。
(単位:百万円、%)
| 2017年12月期 (2017年1月1日~ 2017年12月31日) (A) | 2018年12月期 (2018年1月1日~ 2018年12月31日) (B) | 増減率 (B-A)/A | |
| 売上高 | 318,800 | 353,479 | 10.9 |
| 営業利益 | 36,400 | 49,832 | 36.9 |
| 経常利益 | 38,100 | 51,758 | 35.8 |
| 親会社株主に帰属 する当期純利益 | 30,300 | 35,400 | 16.8 |
セグメントの業績は次のとおりであります。
日本
日本では、輸出の鈍化が続いた一方、設備投資は底堅く推移し、経済は緩やかに回復しました。そのような中、当社グループにおいては全般的に好調に推移していた需要を着実に売上高に繋げたことなどにより、売上高は1,607億4千2百万円、セグメント利益(営業利益)は384億6千万円となりました。
米州
米州では、好調な個人消費に牽引された経済成長が続く中、当社グループにおいては製販一体となって既存顧客の深耕を図るとともに、自動車をはじめ医療機器や航空機、エネルギー関連など新規分野の開拓に努めました。そのような中、エレクトロニクス向けや工作機械向けなどにおいて堅調に推移していた需要を着実に売上高に繋げたことなどにより、売上高は698億8千2百万円となりました。しかしながら、輸送機器事業において為替変動の影響などにより収益性が悪化しました。これらの結果、セグメント利益(営業利益)は3億9百万円となりました。
欧州
欧州では、堅調な設備投資を背景に緩やかな経済成長が続く中、当社グループにおいては製販一体となって既存顧客の深耕を図るとともに、自動車をはじめ医療機器や航空機、ロボットなどの新規分野の開拓に努めました。そのような中、一般機械向けや工作機械向けなどにおいて堅調に推移していた需要を着実に売上高に繋げたことなどにより、売上高は594億8千2百万円となりました。しかしながら、輸送機器事業において為替変動の影響などにより収益性が悪化しました。これらの結果、セグメント利益(営業利益)は7千4百万円となりました。
中国
中国では、期の後半にかけて米中貿易摩擦の影響により設備投資に幅広く調整の動きが見られた一方、当社グループにおいては、それまで好調に推移していたエレクトロニクス関連、自動化・ロボット化関連などにおける需要を着実に取り込み、売上高に繋げました。その結果、売上高は467億3千5百万円、セグメント利益(営業利益)は81億9千4百万円となりました。
その他
その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、当社グループにおいては販売網の拡充に加え、既存顧客の深耕を図るとともに新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。これらの結果、売上高は166億3千6百万円、セグメント利益(営業利益)は23億8千4百万円となりました。
② 財政状態の状況
資産の部は、現金及び預金が45億9千2百万円、電子記録債権が74億5千8百万円、商品及び製品が42億6千8百万円、機械装置及び運搬具(純額)が62億2千2百万円、建設仮勘定が92億6千7百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が18億2千1百万円、建物及び構築物(純額)が17億2千7百万円、のれんが14億4千5百万円、投資有価証券が17億1千2百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ266億8千5百万円増加の4,633億5千万円となりました。
負債の部は、電子記録債務が30億1千5百万円、未払法人税等が105億9千7百万円増加しましたが、長期借入金が21億8千5百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ137億2千1百万円増加の1,686億3千1百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金が261億6千1百万円増加しましたが、為替換算調整勘定が107億4百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ129億6千4百万円増加の2,947億1千9百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益515億2千9百万円、減価償却費155億6千2百万円、為替差損益29億7千万円、仕入債務の増減額36億2千4百万円などのキャッシュ・インに対し、売上債権の増減額75億4千7百万円、たな卸資産の増減額79億5千8百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、551億7千7百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は256億1千6百万円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出314億1千2百万円などのキャッシュ・アウトにより、330億5千5百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は158億3千1百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入200億円のキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出21億8千5百万円、社債の償還による支出200億円、配当金の支払額93億2千6百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、116億4千5百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は178億2百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、45億9千2百万円増加し、1,345億1千3百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積りを必要とします。これらの見積りにつきましては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
連結売上高は3,534億7千9百万円、営業利益は498億3千2百万円、経常利益は517億5千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は354億円、ROEは12.8%となり、売上高、各利益項目ともに過去最高を記録しました。
地域別の状況を見ると、日本では、エレクトロニクス関連に加え、自動化・ロボット化の急速な進展を背景とした一般機械向けや工作機械向けなど、期の前半において需要が好調に推移しました。米州はエレクトロニクス関連や工作機械向けが好調に推移し、欧州では一般機械向けや工作機械向けの需要が堅調に推移しました。中国はエレクトロニクス関連に加え、自動化・ロボット化の加速を背景に期の前半において需要は全般的に好調に推移しました。さらにアジア他地域では一部で中国の需要拡大の影響を受けたことなどにより需要が拡大しました。
コスト面では、産業機器事業において旺盛な需要を取り込むべく、人員や設備を積極的に増強したことなどにより、固定費が増加しましたが、各種費用のコントロールにより増加幅を抑え、期初想定内の着地とすることができました。その他、連結調整における未実現利益の消去額が利益の押し下げ要因となったことに加え、輸送機器事業における為替変動の影響などにより欧米を中心に収益性が悪化しましたが、産業機器事業においてそれらの要因を上回る販売数量増加の効果を出すことで、過去最高益を記録することができました。
このように当連結会計年度は、2022年度の経営目標である連結売上高5,000億円、営業利益1,000億円、ROE17%、EPS560円に対して好調な滑り出しとなりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フロー
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は1,345億1千3百万円となっており、前連結会計年度と比較して45億9千2百万円増加いたしました。営業活動によるキャッシュ・フローは551億7千7百万円のキャッシュ・インに、投資活動によるキャッシュ・フローは330億5千5百万円のキャッシュ・アウトに、財務活動によるキャッシュ・フローは116億4千5百万円のキャッシュ・アウトになりました。
b. 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期資金需要と製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c. 資金の調達と流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと社債の発行及び金融機関からの借入等による資金調達からなります。柔軟かつ効率的に資金を確保することにより、事業活動に必要な運転資金や事業の発展のための資金需要に対応しております。
また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金効率の向上を図っております。