有価証券報告書-第53期(2022/01/01-2022/12/31)

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2023/03/20 15:23
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響が続き、世界経済の先行きに強い不透明感が残る中でも、中国をはじめ、先進国を含む各地域において持ち直しの動きが続きました。
当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」、「新規分野への展開」及び「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA(Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制の拡充に努めています。新規分野への展開では、自動車、医療機器、航空機、ロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野においても当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上収益の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、IoT、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大を図っています。
そのような中、産業機器事業においては、中国をはじめとする各地域において、半導体関連や自動化、ロボット化の流れ、及びEV(電気自動車)関連などを中心に全般的に需要が好調に推移する中、これらの需要をこれまで推し進めてきた工場拡張や生産性向上に向けた取り組みなどにより、着実に売上収益へと繋げました。一方、輸送機器事業においては、半導体などの部品不足に加え、中国の一部地域におけるロックダウンやウクライナ情勢に伴う部品調達難による自動車の減産の影響が続きました。これらに加え、為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより、連結売上収益は前期に比べて754億9千8百万円(23.7%)増加し、3,936億8千7百万円となりました。
コスト面では、売上収益の増加や為替の円安の影響に加え、生産性向上に向けた各種改善活動を引き続き推進したことなどにより、売上原価率は前期に比べて1.6ポイント低下し、73.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、売上収益の増加などにより前期に比べて80億3百万円(15.7%)増加し589億9千1百万円となりました。売上収益に対する比率は、売上収益の増加に加え、各種費用の抑制や業務の効率化に努めたことなどにより、前期に比べて1.0ポイント低下し15.0%となりました。
これらに加え、輸送機器事業を営む当社の連結子会社において、顧客である自動車メーカーにおける半導体などの部品調達難や、中国の一部地域におけるロックダウンの影響による減産に伴う売上収益の減少、及び鋼材価格やエネルギー価格の上昇等による収益の低下により、保有する固定資産について減損の兆候が認められたことから、国際財務報告基準(IFRS)に基づく減損テストを実施した結果、40億2千1百万円を固定資産の減損損失として、その他の費用に計上しました。また、海外の輸送機器事業におけるのれんについて、国際財務報告基準(IFRS)に基づく減損テストを実施したところ、世界的な物価の高騰が続く中、各国の金融引き締め政策等による急激な金利の上昇を受けて割引率が上昇した結果、96億2千万円をのれん及び無形資産の減損損失として、その他の費用に計上しました。
これらの結果、営業利益は前期に比べて41億9千1百万円(13.8%)増加し344億6千万円となりましたが、売上収益営業利益率は0.7ポイント低下し8.8%となりました。
金融収益は33億3千5百万円、金融費用は21億9千9百万円となりました。
これらの結果、税引前利益は前期に比べて56億1千2百万円(18.7%)増加し355億9千6百万円となりましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて18億8百万円(△7.9%)減少し211億9千8百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本では、産業機器事業において、エレクトロニクス関連をはじめ、全般的に好調な需要が続きました。そのような中、これらの需要をこれまで推し進めてきた生産性向上に向けた取り組みなどにより、着実に売上収益へと繋げた結果、売上収益は前期に比べて208億1千6百万円(16.9%)増加し、1,441億8千9百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHKリズム株式会社において、12億8千6百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上した上、関係会社株式評価損を計上した結果、前期に比べて52億4千8百万円(△23.6%)減少し、170億1千4百万円となりました。
(米州)
米州では、産業機器事業において、エレクトロニクス関連を中心に全般的に好調な需要が継続する中、これらの需要をこれまで推し進めてきた生産性向上に向けた取り組みなどにより、着実に売上収益へと繋げました。これらの結果、売上収益は前期に比べて236億3千4百万円(41.3%)増加し、808億5千5百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、売上収益が増加した一方、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHK RHYTHM NORTH AMERICA CO., LTD.において、20億9千4百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上した結果、前期に比べて12億1千7百万円悪化し、23億5千1百万円の損失(前期は11億3千4百万円の損失)となりました。
(欧州)
欧州では、産業機器事業において、全般的に好調な需要が継続する中、これらの需要をこれまで推し進めてきた生産性向上に向けた取り組みなどにより、着実に売上収益へと繋げました。これらの結果、売上収益は前期に比べて124億6千7百万円(24.8%)増加し、627億1千5百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、売上収益が増加した一方、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHK RHYTHM AUTOMOTIVE CZECH a.s.において、96億2千万円をのれん及び無形資産の減損損失としてその他の費用に計上した結果、前期に比べて83億4千7百万円悪化し、96億8千4百万円の損失(前期は13億3千7百万円の損失)となりました。
(中国)
中国では、全般的に好調な需要が継続する中、これらの需要をこれまで推し進めてきた生産性向上に向けた取り組みなどにより、着実に売上収益へと繋げました。これらの結果、売上収益は前期に比べて162億3千9百万円(24.2%)増加し、833億1千2百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、輸送機器事業を営む当社の連結子会社である蒂業技凱力知茂(常州)汽車配件有限公司において、10億9百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上しましたが、売上収益が増加したことなどにより、前期に比べて43億1千4百万円(45.6%)増加し、137億7千3百万円となりました。
(その他)
その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、当社グループにおいては販売網の拡充に加え、新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。加えて、一部地域で中国における需要の回復の影響を受けたことなどにより、売上収益は前期に比べて23億4千万円(11.5%)増加し、226億1千4百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHK RHYTHM MALAYSIA Sdn. Bhd.において、1千2百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上しましたが、売上収益が増加したことなどにより、前期に比べて5億8千2百万円(25.6%)増加し、28億6千1百万円となりました。
② 財政状態の概況
資産は、のれん及び無形資産が94億2千3百万円減少しましたが、現金及び現金同等物が124億4百万円、営業債権及びその他の債権が103億7千2百万円、棚卸資産が132億5千2百万円、有形固定資産が142億6百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ442億1千8百万円増加の5,603億4百万円となりました。
負債は、未払法人所得税が7億9千5百万円、退職給付に係る負債が14億4千5百万円減少しましたが、営業債務及びその他の債務が16億4千7百万円、社債及び借入金が191億1千9百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ212億2千6百万円増加の2,230億2千3百万円となりました。
資本は、自己株式の増加で59億2千2百万円、非支配持分が43億4千万円減少しましたが、利益剰余金が123億3千3百万円、その他の資本の構成要素が212億4千万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ229億9千1百万円増加の3,372億8千1百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益355億9千6百万円、減価償却費及び償却費208億3千4百万円、減損損失136億4千1百万円、営業債務及びその他の債務の増減額24億7千7百万円などのキャッシュ・インに対し、営業債権及びその他の債権の増減額94億8千1百万円、棚卸資産の増減額97億1千4百万円、法人所得税の支払額138億3千万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、375億6千1百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は156億4千3百万円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出294億7百万円などのキャッシュ・アウトにより、300億8千1百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は191億2千5百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入200億円のキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出21億8千5百万円、自己株式の取得による支出59億5千8百万円、配当金の支払額95億8千2百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、36億4千9百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は127億2千5百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、124億4百万円増加し、1,638億3千5百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
連結売上収益は3,936億8千7百万円、営業利益は344億6千万円、税引前利益は355億9千6百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は211億9千8百万円となり、売上収益、営業利益、税引前利益は前期に比べて増加したものの、輸送機器事業における減損損失の計上の影響などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて減少し、EPS(基本的1株当たり当期利益)は172.67円、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は6.7%となりました。
事業別の状況を見ると、中国をはじめとする各地域において、半導体関連や自動化、ロボット化の流れ、及びEV(電気自動車)関連などを中心に全般的に需要が好調に推移する中、これらの需要をこれまで推し進めてきた工場拡張や生産性向上に向けた取り組みなどにより、着実に売上収益へと繋げました。一方、輸送機器事業においては、半導体などの部品不足に加え、中国の一部地域におけるロックダウンやウクライナ情勢に伴う部品調達難による自動車の減産の影響が続きました。これらに加え、為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより、売上収益は前期に比べて増加しました。
地域別の状況を見ると日本では、産業機器事業において、引き続き回復基調で推移しているエレクトロニクス関連をはじめ、全般的に需要に回復の動きが見られた一方、輸送機器事業においては自動車の減産の影響を受けました。米州では産業機器事業におけるエレクトロニクス関連を中心に需要に回復の動きが見られた一方、 輸送機器事業においては、自動車の減産の影響を受けました。欧州では産業機器事業においては、全般的に需要の回復が見られた一方、輸送機器事業においては、自動車の減産の影響を受けました。中国では産業機器事業において全般的に需要の回復が続いたものの、輸送機器事業においては、自動車の減産の影響を受けました。アジア他地域では産業機器事業において、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、一部地域で中国における需要の回復の影響を受けました。
コスト面では、輸送機器事業において自動車の減産や鋼材価格の上昇、そしてこれらに伴う減損損失の影響を受けましたが、産業機器事業における売上収益の増加や為替の円安に加え、生産性向上に向けた各種改善活動を引き続き推進したことなどにより、営業利益、税引前利益については前期に比べて増加しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上に向けた資金を適切に調達、配分しております。加えて、パンデミック、自然災害、不測の事態の発生時においても事業を継続し、当社製品の供給責任を果たすべく、強固な財務基盤を堅持することを財務戦略の基本としております。財務基盤の堅持に関しては、安定的な資金調達を可能とするため、格付機関である格付投資情報センターおよび日本格付研究所からともに取得している「A+(シングルAプラス)」の維持向上を目指しております。主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務基盤を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は調達可能であると認識しております。
b.資金の調達と流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローとコマーシャルペーパー、社債の発行及び金融機関からの借入などの財務活動による資金調達になります。当期の営業活動によるキャッ
シュ・フローは、375億6千1百万円であります。財務活動においては、普通社債の発行により200億円を調達しております。なお、主要な金融機関において、コミットメントライン300億円を設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しております。
また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ各社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金の効率化、流動性の確保を図っております。
c.資金需要
当社グループの主な資金需要は、製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費および一般管理費等の運転資金に加え、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資や技術革新に対応した研究開発のための資金ならびに配当金支払いなどを見込んでおります。
当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の217億2千9百万円に比べ103億6千6百万円(47.7%)増加し、320億9千5百万円となりました。需要が回復基調で推移する中、工場拡張や自動化、ロボット化による生産性向上に向けた取り組みなどにより、設備投資額は前連結会計年度に比べ大きく増加しました。研究開発費は、前連結会計年度の55億6千万円に比べ7億7千7百万円(14.0%)増加し、63億3千8百万円となりました。配当金支払額は、95億8千2百万円となりました。
これらの設備投資、研究開発のための資金や、配当金の支払などの原資については、主に自己資金で賄っております。
d.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、将来の収益の獲得を目的とする設備投資や研究開発投資を実施すること、安定的な配当の継続を基本とするとともに業績に応じた積極的な利益配分を実施すること、そして内部留保を充実させて強固な財務基盤を堅持することが重要であると考えております。
利益配分につきましては、期間損益に対して連結配当性向30%を基本としておりますが、1株当たり配当金の下限を年間15円(中間・期末各7.5円)と設定しております。内部留保金につきましては、事業機会を的確に捉えるために必要となる水準を保持することを基本とし、当社グループの成長戦略の柱である「グローバル展開」、「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」の取り組みなどに有効活用してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

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