有価証券報告書-第50期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組替えて比較分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、米中貿易摩擦に起因する景気の減速感が中国を中心に広がりを見せる中、世界経済の減速懸念が高まりました。国内においては、中国などの外需の減速を背景に輸出や生産に弱い動きが見られるなど、景気の先行きに不透明感が漂いました。
当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」と「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA(Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制の拡充に努めています。新規分野への展開では、自動車、医療機器、航空機、ロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野においても当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上収益の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大に努めています。
そのような中、当社グループでは、米中貿易摩擦の影響などにより全般的に需要に調整の動きが見られる中、それまで高水準に積み上がってきた受注残を着実に売上収益に繋げました。しかしながら、好調であった前期に比べて連結売上収益は701億1千9百万円(20.3%)減少し2,745億9千9百万円となりました。
コスト面では生産性向上に向けた取り組みをはじめとする各種改善活動を引き続き推進したことなどにより、減益幅の抑制を図りましたが、売上収益の減少幅が大きかったことなどにより、売上原価率は前期に比べて5.0ポイント上昇し、75.4%となりました。
販売費及び一般管理費は、各種費用の抑制や業務の効率化に努めたことに加え、売上収益が減少したことなどにより、前期に比べて20億7千4百万円(4.0%)減少し494億3千7百万円となりましたが、売上収益に対する比率は前期に比べて3.1ポイント上昇し18.0%となりました。
これらの結果、営業利益は前期に比べ345億7千1百万円(65.4%)減少し182億7千7百万円となり、売上収益営業利益率は8.6ポイント低下し6.7%となりました。
金融収益は10億1千万円、金融費用は11億1千9百万円となりました。
これらの結果、税引前利益は前期に比べて340億9千4百万円(65.2%)減少し181億6千8百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて244億9百万円(67.6%)減少し116億9千万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本では、米中貿易摩擦の影響による中国などの外需の減速を背景に、輸出や生産に弱い動きが見られる中、当社グループにおいては、それまで全般的に好調に推移していた需要を売上収益に繋げました。しかしながら、売上収益は前期に比べて401億9百万円(25.4%)減少し1,177億4千万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて302億1千8百万円(74.2%)減少し、104億8千3百万円となりました。
(米州)
米州では、内需を中心とした経済成長が続く中、当社グループにおいては製販一体となって既存顧客の深耕を図るとともに、自動車をはじめ医療機器や航空機、エネルギー関連など新規分野の開拓に努めました。しかしながら、エレクトロニクス向けを中心に需要に調整が見られたことなどにより、売上収益は前期に比べて60億4千5百万円(9.4%)減少し、584億8千万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、売上収益の減少に加え、輸送機器事業における材料価格の上昇やアルミ鍛造の新製品の立上げに伴い想定外の費用が発生したことなどにより収益性が悪化したことから、14億3千4百万円減少し、10億1千2百万円の損失となりました。
(欧州)
欧州では、米中貿易摩擦の影響などにより輸出や生産などに弱い動きが見られる中、当社グループにおいては製販一体となって既存顧客の深耕を図るとともに、自動車をはじめ医療機器や航空機、ロボットなどの新規分野の開拓に努めました。しかしながら、売上収益は前期に比べて43億3千9百万円(7.3%)減少し、551億4千3百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて12億4千9百万円(81.2%)減少し、2億8千8百万円となりました。
(中国)
中国では、米中貿易摩擦の影響により設備投資に幅広く調整の動きが見られる中、当社グループにおいては、それまで好調に推移していたエレクトロニクス関連、自動化・ロボット化関連などにおける需要を売上収益に繋げました。しかしながら、売上収益は前期に比べて162億5千4百万円(35.2%)減少し、299億6千9百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて61億2千2百万円(70.7%)減少し、25億3千7百万円となりました。
(その他)
その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、当社グループにおいては販売網の拡充に加え、既存顧客の深耕を図るとともに新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。しかしながら、一部地域で中国における需要の減少の影響を受けたことなどにより、売上収益は前期に比べて33億7千万円(20.3%)減少し、132億6千5百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて12億7千3百万円(52.0%)減少し11億7千5百万円となりました。
② 財政状態の状況
資産の部は、現金及び現金同等物が145億7千7百万円、有形固定資産が133億3千9百万円増加しましたが、営業債権及びその他の債権が288億2千6百万円、棚卸資産が19億4千4百万円、のれん及び無形資産が20億6千万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ24億2千4百万円減少の4,689億4千5百万円となりました。
負債の部は、社債及び借入金が277億円増加しましたが、営業債務及びその他の債務が167億5千3百万円、未払法人所得税が115億6千1百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ42億7千8百万円減少の1,778億1千3百万円となりました。
資本の部は、利益剰余金が45億6千8百万円増加しましたが、その他の資本の構成要素が24億3千3百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億5千4百万円増加の2,911億3千2百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益181億6千8百万円、減価償却費及び償却費180億8千5百万円、減損損失6億7千8百万円、営業債権及びその他の債権の増減額285億8千8百万円、棚卸資産の増減額16億1千5百万円などのキャッシュ・インに対し、営業債務及びその他の債務の増減額198億8千7百万円、法人所得税の支払額189億3千3百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、283億8千3百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は565億円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出291億9千2百万円などのキャッシュ・アウトにより、300億4千万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は329億7千1百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入200億円、社債の発行による収入200億円のキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出121億8千5百万円、配当金の支払額79億4千4百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、183億4百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は130億5千3百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、145億7千7百万円増加し、1,490億9千1百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
連結売上収益は2,745億9千9百万円、営業利益は182億7千7百万円、税引前利益は181億6千8百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は116億9千万円、ROEは4.2%となり、売上収益、各利益項目ともに前期に比べて減少しました。
地域別の状況を見ると、米中貿易摩擦の影響などにより全地域で需要の調整が続く中、それまで高水準に積み上がってきた受注残を着実に売上収益に繋げましたが、売上収益は前期に比べて減少しました。日本では、エレクトロニクス関連に加え、一般機械向けや工作機械向けなど、全般的に需要が減少しました。米州はエレクトロニクス関連向けを中心に需要が減少し、欧州では一般機械向けや工作機械向けを中心に需要が減少しました。中国ではエレクトロニクス関連に加え、自動化・ロボット化の加速を背景にそれまで好調に推移していましたが、全般的に需要は減少しました。アジア他地域では一部で中国の需要減少の影響を受けたことなどにより需要が減少しました。
コスト面では、産業機器事業においては、売上収益が減少する中、各種費用のコントロールにより減益幅の抑制を図りましたが、売上収益の減少幅が大きいものとなりました。輸送機器事業においては、世界的に自動車販売が低迷したことに加え、材料価格の上昇やアルミ鍛造の新製品の立上げに伴い想定外の費用が発生したことなどにより収益性が悪化しました。
これらの結果、営業利益は前期に比べて減少しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は1,490億9千1百万円となっており、前連結会計年度と比較して145億7千7百万円増加いたしました。営業活動によるキャッシュ・フローは283億8千3百万円のキャッシュ・インに、投資活動によるキャッシュ・フローは300億4千万円のキャッシュ・アウトに、財務活動によるキャッシュ・フローは183億4百万円のキャッシュ・インになりました。
b.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期資金需要と製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c.資金の調達と流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと社債の発行及び金融機関からの借入等による資金調達からなります。柔軟かつ効率的に資金を確保することにより、事業活動に必要な運転資金や事業の発展のための資金需要に対応しております。
また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金効率の向上を図っております。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」が3,459百万円減少し、「投資その他の資産」の「繰延税金資産」が3,040百万円増加しております。また、「流動負債」の「繰延税金負債」が7百万円減少し、「固定負債」の「繰延税金負債」が411百万円減少しております。
なお、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺して表示しており、変更前と比べて総資産が418百万円減少しております。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が840百万円減少しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、米中貿易摩擦に起因する景気の減速感が中国を中心に広がりを見せる中、世界経済の減速懸念が高まりました。国内においては、中国などの外需の減速を背景に輸出や生産に弱い動きが見られるなど、景気の先行きに不透明感が漂いました。
当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」と「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA(Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制の拡充に努めています。新規分野への展開では、自動車、医療機器、航空機、ロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野においても当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上収益の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大に努めています。
そのような中、当社グループでは、米中貿易摩擦の影響などにより全般的に需要に調整の動きが見られる中、それまで高水準に積み上がってきた受注残を着実に売上収益に繋げました。しかしながら、好調であった前期に比べて連結売上収益は701億1千9百万円(20.3%)減少し2,745億9千9百万円となりました。
コスト面では生産性向上に向けた取り組みをはじめとする各種改善活動を引き続き推進したことなどにより、減益幅の抑制を図りましたが、売上収益の減少幅が大きかったことなどにより、売上原価率は前期に比べて5.0ポイント上昇し、75.4%となりました。
販売費及び一般管理費は、各種費用の抑制や業務の効率化に努めたことに加え、売上収益が減少したことなどにより、前期に比べて20億7千4百万円(4.0%)減少し494億3千7百万円となりましたが、売上収益に対する比率は前期に比べて3.1ポイント上昇し18.0%となりました。
これらの結果、営業利益は前期に比べ345億7千1百万円(65.4%)減少し182億7千7百万円となり、売上収益営業利益率は8.6ポイント低下し6.7%となりました。
金融収益は10億1千万円、金融費用は11億1千9百万円となりました。
これらの結果、税引前利益は前期に比べて340億9千4百万円(65.2%)減少し181億6千8百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて244億9百万円(67.6%)減少し116億9千万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本では、米中貿易摩擦の影響による中国などの外需の減速を背景に、輸出や生産に弱い動きが見られる中、当社グループにおいては、それまで全般的に好調に推移していた需要を売上収益に繋げました。しかしながら、売上収益は前期に比べて401億9百万円(25.4%)減少し1,177億4千万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて302億1千8百万円(74.2%)減少し、104億8千3百万円となりました。
(米州)
米州では、内需を中心とした経済成長が続く中、当社グループにおいては製販一体となって既存顧客の深耕を図るとともに、自動車をはじめ医療機器や航空機、エネルギー関連など新規分野の開拓に努めました。しかしながら、エレクトロニクス向けを中心に需要に調整が見られたことなどにより、売上収益は前期に比べて60億4千5百万円(9.4%)減少し、584億8千万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、売上収益の減少に加え、輸送機器事業における材料価格の上昇やアルミ鍛造の新製品の立上げに伴い想定外の費用が発生したことなどにより収益性が悪化したことから、14億3千4百万円減少し、10億1千2百万円の損失となりました。
(欧州)
欧州では、米中貿易摩擦の影響などにより輸出や生産などに弱い動きが見られる中、当社グループにおいては製販一体となって既存顧客の深耕を図るとともに、自動車をはじめ医療機器や航空機、ロボットなどの新規分野の開拓に努めました。しかしながら、売上収益は前期に比べて43億3千9百万円(7.3%)減少し、551億4千3百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて12億4千9百万円(81.2%)減少し、2億8千8百万円となりました。
(中国)
中国では、米中貿易摩擦の影響により設備投資に幅広く調整の動きが見られる中、当社グループにおいては、それまで好調に推移していたエレクトロニクス関連、自動化・ロボット化関連などにおける需要を売上収益に繋げました。しかしながら、売上収益は前期に比べて162億5千4百万円(35.2%)減少し、299億6千9百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて61億2千2百万円(70.7%)減少し、25億3千7百万円となりました。
(その他)
その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、当社グループにおいては販売網の拡充に加え、既存顧客の深耕を図るとともに新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。しかしながら、一部地域で中国における需要の減少の影響を受けたことなどにより、売上収益は前期に比べて33億7千万円(20.3%)減少し、132億6千5百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて12億7千3百万円(52.0%)減少し11億7千5百万円となりました。
② 財政状態の状況
資産の部は、現金及び現金同等物が145億7千7百万円、有形固定資産が133億3千9百万円増加しましたが、営業債権及びその他の債権が288億2千6百万円、棚卸資産が19億4千4百万円、のれん及び無形資産が20億6千万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ24億2千4百万円減少の4,689億4千5百万円となりました。
負債の部は、社債及び借入金が277億円増加しましたが、営業債務及びその他の債務が167億5千3百万円、未払法人所得税が115億6千1百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ42億7千8百万円減少の1,778億1千3百万円となりました。
資本の部は、利益剰余金が45億6千8百万円増加しましたが、その他の資本の構成要素が24億3千3百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億5千4百万円増加の2,911億3千2百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益181億6千8百万円、減価償却費及び償却費180億8千5百万円、減損損失6億7千8百万円、営業債権及びその他の債権の増減額285億8千8百万円、棚卸資産の増減額16億1千5百万円などのキャッシュ・インに対し、営業債務及びその他の債務の増減額198億8千7百万円、法人所得税の支払額189億3千3百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、283億8千3百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は565億円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出291億9千2百万円などのキャッシュ・アウトにより、300億4千万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は329億7千1百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入200億円、社債の発行による収入200億円のキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出121億8千5百万円、配当金の支払額79億4千4百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、183億4百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は130億5千3百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、145億7千7百万円増加し、1,490億9千1百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
連結売上収益は2,745億9千9百万円、営業利益は182億7千7百万円、税引前利益は181億6千8百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は116億9千万円、ROEは4.2%となり、売上収益、各利益項目ともに前期に比べて減少しました。
地域別の状況を見ると、米中貿易摩擦の影響などにより全地域で需要の調整が続く中、それまで高水準に積み上がってきた受注残を着実に売上収益に繋げましたが、売上収益は前期に比べて減少しました。日本では、エレクトロニクス関連に加え、一般機械向けや工作機械向けなど、全般的に需要が減少しました。米州はエレクトロニクス関連向けを中心に需要が減少し、欧州では一般機械向けや工作機械向けを中心に需要が減少しました。中国ではエレクトロニクス関連に加え、自動化・ロボット化の加速を背景にそれまで好調に推移していましたが、全般的に需要は減少しました。アジア他地域では一部で中国の需要減少の影響を受けたことなどにより需要が減少しました。
コスト面では、産業機器事業においては、売上収益が減少する中、各種費用のコントロールにより減益幅の抑制を図りましたが、売上収益の減少幅が大きいものとなりました。輸送機器事業においては、世界的に自動車販売が低迷したことに加え、材料価格の上昇やアルミ鍛造の新製品の立上げに伴い想定外の費用が発生したことなどにより収益性が悪化しました。
これらの結果、営業利益は前期に比べて減少しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は1,490億9千1百万円となっており、前連結会計年度と比較して145億7千7百万円増加いたしました。営業活動によるキャッシュ・フローは283億8千3百万円のキャッシュ・インに、投資活動によるキャッシュ・フローは300億4千万円のキャッシュ・アウトに、財務活動によるキャッシュ・フローは183億4百万円のキャッシュ・インになりました。
b.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期資金需要と製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c.資金の調達と流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと社債の発行及び金融機関からの借入等による資金調達からなります。柔軟かつ効率的に資金を確保することにより、事業活動に必要な運転資金や事業の発展のための資金需要に対応しております。
また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金効率の向上を図っております。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2018年12月31日) | 当連結会計年度 (2019年12月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 284,881 | 271,764 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 129,695 | 143,200 |
| 無形固定資産 | 28,106 | 24,946 |
| 投資その他の資産 | 20,248 | 19,997 |
| 固定資産合計 | 178,049 | 188,144 |
| 資産合計 | 462,931 | 459,909 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 98,230 | 77,298 |
| 固定負債 | 69,982 | 88,381 |
| 負債合計 | 168,212 | 165,679 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 281,811 | 283,557 |
| その他の包括利益累計額 | 1,794 | △202 |
| 非支配株主持分 | 11,113 | 10,873 |
| 純資産合計 | 294,719 | 294,229 |
| 負債純資産合計 | 462,931 | 459,909 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
| 売上高 | 353,479 | 277,900 |
| 売上原価 | 251,181 | 210,423 |
| 売上総利益 | 102,298 | 67,477 |
| 販売費及び一般管理費 | 52,465 | 50,211 |
| 営業利益 | 49,832 | 17,265 |
| 営業外収益 | 4,003 | 3,263 |
| 営業外費用 | 2,078 | 1,589 |
| 経常利益 | 51,758 | 18,940 |
| 特別利益 | 88 | 34 |
| 特別損失 | 316 | 2,502 |
| 税金等調整前当期純利益 | 51,529 | 16,471 |
| 法人税等合計 | 15,511 | 6,652 |
| 当期純利益 | 36,017 | 9,819 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 617 | 217 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 35,400 | 9,602 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
| 当期純利益 | 36,017 | 9,819 |
| その他の包括利益 | △13,762 | △2,086 |
| 包括利益 | 22,255 | 7,733 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 21,969 | 7,605 |
| 非支配株主に係る包括利益 | 286 | 127 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 255,675 | 15,272 | 10,806 | 281,754 |
| 当期変動額 | 26,135 | △13,478 | 306 | 12,964 |
| 当期末残高 | 281,811 | 1,794 | 11,113 | 294,719 |
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 281,811 | 1,794 | 11,113 | 294,719 |
| 当期変動額 | 1,746 | △1,996 | △239 | △489 |
| 当期末残高 | 283,557 | △202 | 10,873 | 294,229 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 55,177 | 27,177 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △33,055 | △30,000 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △11,645 | 19,470 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △5,883 | △2,069 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 4,592 | 14,577 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 129,920 | 134,513 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 134,513 | 149,091 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」が3,459百万円減少し、「投資その他の資産」の「繰延税金資産」が3,040百万円増加しております。また、「流動負債」の「繰延税金負債」が7百万円減少し、「固定負債」の「繰延税金負債」が411百万円減少しております。
なお、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺して表示しており、変更前と比べて総資産が418百万円減少しております。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が840百万円減少しております。