有価証券報告書-第51期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/22 15:35
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、米中貿易摩擦の影響による需要の低迷が続く中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大の影響により、世界経済はマイナス成長に陥る懸念が高まりました。
当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」と「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA(Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制を拡充しています。新規分野への展開では、自動車、医療機器、航空機、ロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野においても当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上収益の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、IoT、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大を図っています。
そのような中、当社グループにおいては、産業機器事業では、米中貿易摩擦の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に先進国を中心に需要が低位に推移しました。輸送機器事業においては、自動車販売の低迷に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。これらの結果、連結売上収益は、556億1百万円(△20.2%)減少し、2,189億9千8百万円となりました。
コスト面では生産性向上に向けた取り組みをはじめとする各種改善活動を引き続き推進したことなどにより、減益幅の抑制を図りましたが、売上収益の減少幅が大きかったことなどにより、売上原価率は前期に比べて3.4ポイント上昇し、78.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、各種費用の抑制や業務の効率化に努めたことに加え、売上収益が減少したことなどにより、前期に比べて46億4百万円(△9.3%)減少し448億3千3百万円となりましたが、売上収益に対する比率は前期に比べて2.5ポイント上昇し20.5%となりました。
これらに加え、輸送機器事業を営む当社の連結子会社において、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による市場環境の悪化等に伴う収益の低下により、保有する固定資産について減損の兆候が認められたことから、国際財務報告基準(IFRS)に基づく減損テストを実施した結果、80億8千3百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上しました。一方で、収益改善に向けた構造改革に取り組んでおり、生産体制の再構築等に伴う構造改革費用7億3千8百万円をその他の費用に計上しました。また、輸送機器事業におけるクレーム対応に伴う一過性費用6億5千3百万円をその他の費用に計上しました。
これらの結果、営業損失は84億9千9百万円(前年同期は182億7千7百万円の営業利益)となりました。
金融収益は7億6千4百万円、金融費用は19億9千万円となりました。
これらの結果、税引前損失は97億2千5百万円(前年同期は181億6千8百万円の税引前利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は99億9千2百万円(前年同期は116億9千万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本では、産業機器事業において、工作機械向けの需要は引き続き低位に推移した一方、前期の後半から回復の兆しが見られたエレクトロニクス関連の需要が回復基調で推移しました。輸送機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。これらの結果、売上収益は273億6千1百万円(△23.2%)減少し903億7千8百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は売上収益の減少、及び操業停止の影響など加え、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHKリズム株式会社において、51億5千8百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上した結果、前期に比べて278億8千4百万円減少し、174億円の損失となりました。
(米州)
米州では、産業機器事業におけるエレクトロニクス関連の需要に回復の動きが見られた一方、輸送機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。これらの結果、売上収益は前期に比べて124億6千1百万円(△21.3%)減少し、460億1千9百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、売上収益の減少、及び操業停止の影響などに加え、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHK RHYTHM MEXICANA,S.A. DE C.V.において、9億9千4百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上した結果、前期に比べて22億2千6百万円悪化し、32億3千9百万円の損失となりました。
(欧州)
欧州では、産業機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、3月中旬から4月中旬にかけて一部の事業所で操業を停止しました。輸送機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。これらの結果、売上収益は前期に比べて158億6千8百万円(△28.8%)減少し、392億7千4百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は売上収益の減少、及び操業停止の影響などに加え、輸送機器事業を営む当社の連結子会社であるTHK RHYTHM AUTOMOTIVE GmbHにおいて、19億3千万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上した結果、前期に比べて62億7千1百万円減少し、59億8千3百万円の損失となりました。
(中国)
中国では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、産業機器事業、及び輸送機器事業の各事業所は春節(旧正月)休暇明けから2月中旬にかけて操業を停止しました。しかしながら、その後は中国において他の地域に先んじて経済活動が再開される中、需要が回復しました。これらの結果、売上収益は31億1千5百万円(10.4%)増加し、330億8千5百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の増加などにより、前期に比べて11億9千2百万円(47.0%)増加し、37億3千万円となりました。
(その他)
その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、当社グループにおいては販売網の拡充に加え、新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などにより、全般的に需要が低位に推移したことにより、売上収益は前期に比べて30億2千4百万円(△22.8%)減少し、102億4千万円となりました。セグメント利益(営業利益)は売上収益の減少などにより、前期に比べて5億2千8百万円(△45.0%)減少し、6億4千7百万円となりました。
② 財政状態の状況
資産は、現金及び現金同等物が97億4千7百万円増加しましたが、営業債権及びその他の債権が42億2千9百万円、有形固定資産が91億3千3百万円、のれん及び無形資産が26億6千1百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ87億7千1百万円減少の4,601億7千3百万円となりました。
負債は、営業債務及びその他の債務が25億3千1百万円減少しましたが、社債及び借入金が73億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ72億1千1百万円増加の1,850億2千4百万円となりました。
資本は、利益剰余金が112億1千4百万円、その他の資本の構成要素が26億3千7百万円、非支配持分が21億2千9百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ159億8千3百万円減少の2,751億4千8百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費及び償却費186億7千5百万円、減損損失80億8千3百万円、営業債権及びその他の債権の増減額37億5千4百万円、棚卸資産の増減額6億8千7百万円、営業債務及びその他の債務の増減額13億8千1百万円、法人所得税の還付額1億5千8百万円などのキャッシュ・インに対し、税引前損失97億2千5百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、253億9千9百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は283億8千3百万円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出180億9百万円などのキャッシュ・アウトにより、184億6百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は300億4千万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入300億円のキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出21億8千5百万円、社債の償還による支出200億円、配当金の支払額19億9千万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、39億7千7百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は183億4百万円のキャッシュ・イン)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、97億4千7百万円増加し、1,588億3千9百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
連結売上収益は2,189億9千8百万円、営業損失は84億9千9百万円、税引前損失は97億2千5百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は99億9千2百万円となり、売上収益、各利益項目ともに前期に比べて減少しました。これに伴いROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は△3.7%、EPS(基本的1株当たり当期損失)は△78.95円となりました。
事業別の状況を見ると、産業機器事業においては米中貿易摩擦の影響が続く中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響などにより、主に先進国を中心に需要が低位に推移しました。輸送機器事業においては、自動車販売の低迷に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に大きな影響が生じました。これらの結果、売上収益は前期に比べて減少しました。
地域別の状況を見ると日本では、産業機器事業において、工作機械向けの需要は引き続き低位に推移した一方、昨年度の後半から回復の兆しが見られたエレクトロニクス関連の需要が回復基調で推移しました。輸送機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。米州では産業機器事業におけるエレクトロニクス関連の需要に回復の動きが見られた一方、輸送機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。欧州では産業機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、3月中旬から4月中旬にかけて一部の事業所で操業を停止しました。輸送機器事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、主に第2四半期連結会計期間における当社製品の生産、出荷に影響が生じました。中国では新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、産業機器事業、及び輸送機器事業の各事業所は春節(旧正月)休暇明けから2月中旬にかけて操業を停止しました。しかしながら、その後は中国において他の地域に先んじて経済活動が再開される中、需要は回復しました。アジア他地域では新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などにより、全般的に需要が低位に推移したことにより需要が減少しました。
コスト面では、産業機器事業においては、売上収益が減少する中、各種費用のコントロールにより減益幅の抑制を図りました。輸送機器事業においては、収益性改善への取り組みを継続する一方、輸送機器事業を営む当社の連結子会社において、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による市場環境の悪化等に伴う収益の低下により、保有する固定資産について減損の兆候が認められたことから、国際財務報告基準(IFRS)に基づく減損テストを実施した結果、80億8千3百万円を固定資産の減損損失としてその他の費用に計上しました。一方で、収益改善に向けた構造改革に取り組んでおり、生産体制の再構築等に伴う構造改革費用7億3千8百万円をその他の費用に計上しました。また、輸送機器事業におけるクレーム対応に伴う一過性費用6億5千3百万円をその他の費用に計上しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上に向けた資金を適切に調達、配分しております。加えて、パンデミック、自然災害、不測の事態の発生時においても事業を継続し、当社製品の供給責任を果たすべく、強固な財務基盤を堅持することを財務戦略の基本としております。財務基盤の堅持に関しては、安定的な資金調達を可能とするため、格付機関である格付投資情報センターおよび日本格付研究所からともに取得している「A+(シングルAプラス)」の維持向上を目指しております。主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務基盤を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は調達可能であると認識しております。
b.資金の調達と流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローとコマーシャルペーパー、社債の発行及び金融機関からの借入などの財務活動による資金調達になります。当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、253億9千9百万円であります。財務活動においては、普通社債の発行により300億円を調達しております。なお、主要な金融機関において、コミットメントライン300億円を設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しております。
また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ各社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金の効率化、流動性の確保を図っております。
c.資金需要
当社グループの主な資金需要は、製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費および一般管理費等の運転資金に加え、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資や技術革新に対応した研究開発のための資金ならびに配当金支払いなどを見込んでおります。
当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の321億9千6百万円に比べ158億3千9百万円(△49.2%)減少し、163億5千6百万円となりました。新型コロナウィルスの感染拡大にともなう需要の減少や生産工場の操業停止などの影響により、設備投資額は前連結会計年度に比べ大きく減少しました。研究開発費は、前連結会計年度の57億3千9百万円に比べ3億8千9百万円(△6.8%)減少し、53億4千9百万円となりました。配当金支払額は、19億9千万円となりました。
これらの設備投資、研究開発のための資金や、配当金の支払などの原資については、主に自己資金で賄っております。
d.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、将来の収益の獲得を目的とする設備投資や研究開発投資を実施すること、安定的な配当の継続を基本とするとともに業績に応じた積極的な利益配分を実施すること、そして内部留保を充実させて強固な財務基盤を堅持することが重要であると考えております。
利益配分につきましては、期間損益に対して連結配当性向30%を基本としておりますが、1株当たり配当金の下限を年間15円(中間・期末各7.5円)と設定しております。内部留保金につきましては、事業機会を的確に捉えるために必要となる水準を保持することを基本とし、当社グループの成長戦略の柱である「グローバル展開」、「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」の取り組みなどに有効活用してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.追加情報」に記載しております。

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