有価証券報告書-第56期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/18 16:58
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まり、インフレの継続、および米国の関税政策などの懸念材料がある中で、世界経済は先行きが不透明な状況が続きました。
当社は新たな経営方針として「ROE 10%超の早期実現」を掲げ、2025年2月の決算発表において経営指標とその実現に向けた施策を公表しました。新たな経営方針においては産業機器事業における「構造改革」と輸送機器事業における「選択と集中」に加えて、ROEの分母である自己資本のコントロールもより重視しています。
そのような中、輸送機器事業については、当社に期待される資本コストと投下資本利益率(ROIC)を将来的にも厳しく精査する中で、事業を譲渡することが相応しいとの判断のもと、2026年2月2日付で、株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドが間接的に出資する特別目的会社である株式会社AP87に事業を譲渡することを決定し、同事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に関する基本契約書を締結しました。当期より、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従った売却目的保有への資産の分類要件を満たすことから、輸送機器事業を非継続事業に分類するとともに、当期の表示形式に合わせ、関連する前期の連結財務諸表および注記を一部組替えて表示しております。
当期の業績につきましては、継続事業である産業機器事業において、主に中国や米国において需要が回復に向かったことなどにより、連結売上収益は前期に比べて、177億7百万円(7.9%)増加し、2,404億4千4百万円となりました。
コスト面では、新経営方針のもとに進めている構造改革に伴う費用や米国関税の影響を受けました。そのような中、売上原価率は前期に比べて1.3ポイント上昇し、70.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期に比べて7億2百万円(1.3%)増加し、543億4千1百万円となりました。売上収益に対する比率は、前期に比べて1.5ポイント低下し、22.6%となりました。さらに、持分法適用関連会社である三益THK株式会社において、市況の悪化に加えて、実施した投資案件にかかる損失見込み額の計上に伴い、持分法投資損失が15億8千7百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前期に比べて14億8千7百万円(△9.3%)減少し、144億3千6百万円となり、売上収益営業利益率は1.1ポイント低下し、6.0%となりました。
金融収益は30億4千8百万円、金融費用は17億3千8百万円となり、税引前利益は前期に比べて21億2千3百万円(△11.9%)減少し、157億4千6百万円となりました。
これらに加え、輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴い、事業整理損失として、816億3千9百万円を計上した結果、継続事業及び非継続事業合算の親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて803億3千1百万円減少し、698億9千1百万円の損失(前期は104億3千9百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本では、継続事業である産業機器事業において需要は概ね横ばいで推移しましたが、売上収益は前期に比べて20億4千6百万円(△1.8%)減少し、1,108億5千9百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、非継続事業である輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴う97億3千8百万円の事業整理損失に加え、持分法適用関連会社である三益THK株式会社の持分法投資損失を15億8千7百万円計上したことなどにより、前期に比べて114億6千4百万円悪化し、36億1千8百万円の損失となりました。
(米州)
米州では、非継続事業である輸送機器事業において需要が低位に推移したことなどにより、売上収益は前期に比べて15億8百万円(△1.6%)減少し、902億4千8百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、主に非継続事業である輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴う388億9千9百万円の事業整理損失を計上したことにより、前期に比べて386億8千7百万円悪化し、362億7千9百万円の損失となりました。
(欧州)
欧州では、継続事業である産業機器事業、非継続事業である輸送機器事業ともに需要が低位に推移したことなどにより、売上収益は前期に比べて8千3百万円(△0.1%)減少し、675億1千6百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、主に非継続事業である輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴う245億4百万円の事業整理損失を計上したことにより、前期に比べて258億1千1百万円悪化し、262億1千9百万円の損失となりました。
(中国)
中国では、継続事業である産業機器事業において需要が回復する中、売上収益は前期に比べて135億8百万円(21.6%)増加し、760億3千4百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、主に非継続事業である輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴う72億3千3百万円の事業整理損失を計上したことにより、前期に比べて53億2千8百万円(△74.0%)減少し、18億7千4百万円となりました。
(その他)
その他では、継続事業である産業機器事業におけるインド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、販売網の拡充に加え、新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。そのような中、売上収益は前期に比べて36億3千1百万円(20.2%)増加し、216億3百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、主に非継続事業である輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴う12億6千3百万円の事業整理損失を計上したことにより、前期に比べて6億3千4百万円(△85.0%)減少し、1億1千1百万円となりました。
② 財政状態の概況
資産は、現金及び現金同等物が282億8千5百万円、営業債権及びその他の債権が179億4千5百万円、棚卸資産が264億8千3百万円、有形固定資産が408億8千1百万円、のれん及び無形資産が60億1千万円、退職給付に係る資産が41億1千4百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ944億2千6百万円減少の4,729億9千2百万円となりました。
また、輸送機器事業の譲渡に関する基本契約書が締結されたことに伴い、譲渡が見込まれる輸送機器事業の資産として361億2千6百万円を売却目的で保有する資産へ振り替えています。
負債は、営業債務及びその他の債務が154億5千4百万円、退職給付に係る負債が44億5千万円減少しましたが、社債及び借入金が266億9千1百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ296億1千9百万円増加の2,072億4千2百万円となりました。
また、輸送機器事業の譲渡に関する基本契約書が締結されたことに伴い、譲渡が見込まれる輸送機器事業の負債として283億7千7百万円を売却目的で保有する資産に直接関連する負債へ振り替えています。
資本は、利益剰余金が1,319億4百万円、その他の資本の構成要素が26億6千9百万円、非支配持分が17億3千3百万円減少、自己株式が13億4千1百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,240億4千5百万円減少の2,657億4千9百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益157億4千6百万円、売却目的で保有する処分グループを売却コスト控除後の公正価値で測定したことにより認識した損失816億3千9百万円、減価償却費及び償却費243億1百万円、棚卸資産の増減額54億8千1百万円などのキャッシュ・インに対し、非継続事業からの税引前損失798億7千1百万円、営業債権及びその他の債権の増減額13億9千4百万円、営業債務及びその他の債務の増減額8千1百万円、法人所得税の支払額62億9千8百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、427億4千8百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は284億1千2百万円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出188億9千5百万円などのキャッシュ・アウトにより、197億9千8百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は342億2千3百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入300億円、短期借入れによる収入200億円などのキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出21億8千5百万円、社債の償還による支出200億円、自己株式の取得による支出365億1千9百万円、配当金の支払額293億5千9百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、420億5千5百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は226億5千2百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、177億5千8百万円減少し、1,205億3千4百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
連結売上収益は2,404億4千4百万円、営業利益は144億3千6百万円、税引前利益は157億4千6百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は698億9千1百万円の損失となり、売上収益は主に中国や米国において需要が回復に向かったことなどにより、前期に比べて増加しましたが、各利益項目はそれぞれ前期に比べて減少し、EPS(基本的1株当たり当期損失)は△618.66円、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は△21.7%となりました。
売上収益については地域別の状況を見ると、日本では、産業機器事業における需要が低調に推移し減収となりました。米州では、産業機器事業における需要が回復に向かったことにより増収となりました。欧州では、主に為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより増収となりました。中国では、産業機器事業における需要が回復に向かったことにより増収となりました。アジア他地域においても、産業機器事業における需要が回復に向かったことにより増収となりました。
コスト面では、新経営方針のもとに進めている構造改革に伴う費用や米国関税の影響を受けました。さらに、持分法適用関連会社である三益THK株式会社において、市況の悪化に加えて、実施した投資案件にかかる損失見込み額の計上に伴い、持分法投資損失を計上しました。これらに加え、輸送機器事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡に伴い、事業整理損失として、816億3千9百万円を計上しました。これらの結果、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて減少しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上に向けた資金を適切に調達、配分しております。加えて、パンデミック、自然災害、不測の事態の発生時においても事業を継続し、当社製品の供給責任を果たすべく、強固な財務基盤を堅持することを財務戦略の基本としております。財務基盤の堅持に関しては、安定的な資金調達を可能とするため、格付機関である格付投資情報センターおよび日本格付研究所からともに取得している「A+(シングルAプラス)」の維持向上を目指しております。主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて安定した財務基盤の構築につとめてきたことから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は調達可能であると認識しております。
b.資金の調達と流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと社債等の発行及び金融機関からの借入などの財務活動による資金調達になります。当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、427億4千8百万円であります。財務活動では、主要な金融機関との間でコミットメントライン500億円を設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しております。
また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ各社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金の効率化、流動性の確保を図っております。
c.資金需要
当社グループの主な資金需要は、製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費および一般管理費等の運転資金に加え、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資や技術革新に対応した研究開発のための資金ならびに配当金支払などを見込んでおります。
当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の318億4千3百万円に比べ108億1百万円(33.9%)減少し、210億4千1百万円となりました。研究開発費は、前連結会計年度の70億5千7百万円に比べ4億6千4百万円(6.6%)減少し、65億9千2百万円となりました。配当金支払額は、293億5千9百万円となりました。
これらの設備投資、研究開発のための資金や、配当金の支払などの原資については、主に自己資金で賄っております。
d.経営資源の配分に関する考え方
当社は「ROE 10%超の早期実現」を経営方針として定めております。
この方針のもと、収益性と資本効率を重視した経営を推進するため、事業の選択と集中を行い、主に「ITを含めた生産性向上に資する設備投資」、「人財投資」、「研究開発投資」について、規律性の高い投資を実行します。
また、構造改革によって創出した利益は、事業の競争力強化につながる成長投資に割り当ててまいります。
利益配分につきましては、資本効率向上を目的に、必要となる自己資本の水準を設定するとともに、より積極的な株主還元を実施するため、「ROE 10%超の早期実現」を達成するまで自己資本配当率(DOE)8%を継続することを配当方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

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