有価証券報告書-第69期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績の状況
a.当連結会計年度の概況
世界経済は緩やかに回復しておりますが、中東や朝鮮半島における地政学的リスクもあり、不安定な状況となっております。先進国におきましては、米国の自国第一主義に伴う貿易摩擦や英国のEU離脱問題等、先行きに対する懸念が存在しております。一方、中国をはじめとする新興国の経済成長率も先進国と比較すると高いものの、その拡大テンポは緩やかになっております。
わが国経済は、世界経済の変調や急激な為替・株価の変動に伴う影響が懸念される一方で、生産や設備投資は緩やかに回復を続けており、企業収益や業況判断も改善してきております。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ても、製造業の機械受注額は、平成29年4~6月は1兆797億(前年同期比3.5%増)、7~9月は1兆1,467億円(同9.2%増)、10~12月は1兆1,873億円(同13.3%増)、平成30年1月は4,094億円、2月は4,423億円と、増加傾向が続いております。
このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度における受注高は前年同期比55億6千7百万円増(同32.7%増)の225億8千7百万円、受注残高は前年同期比24億5千万円増(同53.0%増)の70億7千5百万円となりました。また、売上高につきましては、自動車関連や電子部品関連の需要が堅調に推移したこと等により、前年同期比36億8千2百万円増(同
22.1%増)の203億3千6百万円となりました。
損益面では、売上高増加に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は前年同期比6億6百万円増(同117.1%増)の11億2千4百万円、経常利益は前年同期比5億8千4百万円増(同131.1%増)の10億2千9百万円となりました。
特別損益では2百万円以上の発生科目は無く、法人税、住民税及び事業税3億7千2百万円を計上し、法人税等調整額をマイナス2億5千9百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比6億9千8百万円増(同330.4%増)の9億9百万円となりました。
b.報告セグメント別の概況
日本におきましては、足元の受注高及び受注残高は前年同期を上回って推移しており、売上高も前年同期比16億7千3百万円増(同14.6%増)の131億4千5百万円となりました。損益面では、主に単体における販売構成比率の変化(標準機の構成比率が低下し海外向けの案件を中心に生産子会社からの仕入品の構成比率が増加)や、国内向けの案件における据付工事費用の増加により売上総利益率が低下(27.4%→25.8%)しましたが、売上高増加に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は前年同期比9千7百万円増(同11.5%増)の9億3千9百万円となりました。セグメント利益(経常利益)は、海外子会社からの受取配当金の減少等により前年同期比1千4百万円減(同1.5%減)の9億6千2百万円となりました。
東アジアにおきましては、中国において景気の持ち直しにより自動車関連や電子部品関連の設備投資に活発な動きが出始めたこと、台湾の電子部品関連の需要も回復しつつあること等により、売上高は前年同期比22億2千9百万円増(同52.9%増)の64億4千1百万円となりました。損益面では、売上高の増加に伴う売上総利益の増加に加えて、中国生産子会社の操業度が上がったことによる製造固定費単価の減少等による売上総利益率の改善(28.6%→32.5%)により、営業利益は3億5百万円(前年同期は2億4千4百万円の営業損失)、セグメント利益(経常利益)は2億5千2百万円(前年同期は2億7千7百万円の経常損失)となりました。
東南アジアにおきましては、フィリピンやベトナムなど引き続き好調な地域に加えて、ASEANの自動車産業の主力であるタイ、インドネシアの需要が緩やかに回復していること等により、売上高は前年同期比2億1千3百万円増(同11.6%増)の20億4千4百万円となり売上総利益率も改善(26.4%→27.4%)しましたが、人件費や経費の増加等もあって黒字化までの改善額には至らず、営業損失が5千4百万円(前年同期は1億1千4百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が5千9百万円(前年同期は1億2千5百万円の経常損失)となりました。
北中米におきましては、メキシコに新たに設立した販売会社の本格稼働が当年度の後半になったこと等により経費が先行して発生し、売上高は前年同期比1億5千5百万円減(同36.8%減)の2億6千6百万円となり、営業損失が7千7百万円(前年同期は5百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が7千8百万円(前年同期は5百万円の経常損失)となりました。
なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
c.資産、負債及び純資産の状況
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金、受取手形及び売掛金、仕掛品、原材料及び貯蔵品が増加したこと等により40億8千4百万円増加し、165億1千8百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、建物及び構築物、機械装置及び運搬具が減少しましたが、投資有価証券、繰延税金資産が増加したこと等により1億3千9百万円増加し、56億9千2百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて42億2千3百万円増加し、222億1千万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金、前受金が増加したこと等により35億5百万円増加し、96億1千万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、社債、長期借入金、繰延税金負債が減少したこと等により2億7千万円減少し、39億3千4百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて32億3千5百万円増加し、135億4千4百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したこと等により9億8千8百万円増加し、86億6千5百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が10億2千8百万円となり、売上債権の増加21億4千7百万円、たな卸資産の増加8億3千7百万円、法人税等の支払額3億4千5百万円等の支出要因が、減価償却費3億2百万円、仕入債務の増加8億8千8百万円等の収入要因を上回り、8億9千8百万円の支出超過(前年同期は11億2千8百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2億6千7百万円、ソフトウェアの取得による支出4千6百万円等により、3億4千8百万円の支出超過(前年同期は5億8千万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入11億8千1百万円、長期借入金の増加による収入3億8千1百万円等により、13億6千9百万円の収入超過(前年同期は2億3千3百万円の支出超過)となりました。
上記結果に加えて、換算差額がプラス5千5百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて1億7千7百万円増加して、43億9千1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針において行われる判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.売上の認識
売上高は、契約上、顧客の検収を要する製品については、進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。顧客の検収を要しない車上渡しの製品については出荷時に、輸出売上については船積時(配船の都合により船積が遅れる場合は港湾倉庫への輸出梱包入庫時)に計上しております。
b.貸倒引当金
顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績を勘案した率により、また、貸倒懸念債権については担保評価額控除後の債権額の100%の貸倒引当金を計上しております。しかし、貸倒懸念債権と認識していない顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.製品保証引当金
製品のアフターサービス費用・クレーム費用に備えるため、売上高を基準とした過去の実績率等に基づき、当連結会計年度に負担すべき将来の発生費用見積額を計上しておりますが、実際のアフターサービス費用・クレーム費用が見積りと異なる場合、追加引当が必要となる可能性があります。
d.たな卸資産
個別品目毎の陳腐化の算定による簿価切下げに加え、滞留在庫については滞留期間基準により一率の簿価切下げを行っておりますが、実際の販売価額等が算定価額を下回る場合、追加損失が発生する可能性があります。
e.固定資産の減損
事業におけるキャッシュ・フローの管理区分をグルーピングの単位として、固定資産に係る減損会計基準を適用しております。事業の収益性の低下等により投資額の回収が今後見込めないと判断された場合、帳簿価額から回収可能価額まで減損損失を計上する可能性があります。
f.投資の減損
時価のある投資有価証券については時価が取得価額に比べて30%以上下落した場合には全て減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化、又は投資先の業績の悪化により現在の簿価に反映されていない損失が発生した場合には、評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、個別財務諸表に計上している関係会社株式、関係会社出資金については、当該関係会社が業績悪化により債務超過等となった場合には減損処理を行っております。
g.繰延税金資産
将来の課税所得及び税務計画を検討した上で、実現可能性が高いと考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しておりますが、その全額又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
受注高は前年同期比32.7%増、売上高は前年同期比22.1%増となりました。日本セグメント及び東アジアセグメントにおきまして、自動車関連や電子部品関連をはじめとした受注が大きく増加した一年となりました。特に、中国においては電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池や、スマートフォンや車載用のカメラレンズ等の光学系部品関連の設備投資が、また、日本においては自動車や電子部品だけではなく、食品容器、物流、建築土木関連等、さまざまなプラスチック製品製造における設備投資が活況でありました。足元の見積り提出や受注の状況をみても、上記の傾向はしばらく継続するものと判断しております。東南アジアセグメントにおいては、主力のタイ、インドネシアでの景気が回復してきており、ベトナム、フィリピンへの日系企業の進出も活発であり、また、北中米セグメントにおいても、米国の輸入制限措置等の懸念はあるものの、米国内での景気やメキシコにおける日系企業の設備投資の状況等より、いずれのセグメントも翌年度の改善に期待が持てる状況と判断しております。
売上総利益率は、前年度29.4%→当年度29.7%とほぼ横ばいとなりました。日本セグメントにおいて売上総利益率が前年度比1.6%悪化いたしましたが、今後の成長分野の大型案件を戦略的に受注した影響もあり、今後は改善可能と考えております。東アジアセグメントにおいては、売上高の増加に伴って生産会社の製造固定費単価が低下したこともあり、売上総利益率は前年度比3.9%改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、前年同期比で12.4%増加しました。売上高の増加に伴い運賃諸掛、販売手数料、時間外手当等が増加するとともに、国内、海外ともに賃金改定や福利厚生費等の増加、業績拡大に伴う賞与等の増加がありました。
営業外損益全体では、9千5百万円の損失(前年同期は7千2百万円の損失)となりました。支払利息が前年同期比8百万円、訴訟関連費用が前年同期比1千万円減少しましたが、為替差損が3千4百万円発生(前年同期は6百万円の為替差益)いたしました。
特別損益全体では、0百万円の損失(前年同期は3千8百万円の損失)となりました。前年度は東南アジアセグメントにおいて事業用固定資産の減損損失3千6百万円を特別損失として計上いたしましたが、当年度は大きな特別損益は発生しませんでした。
海外子会社の所得に適用される税率と国内の法定実効税率との差異及び評価性引当額の増減額等により、法人税等合計の負担率は11.0%となりましたが、このうち当年度の特殊要因としては、当社において回収可能性のある繰延税金資産を2億3千万円計上しております。また、海外子会社の損益の内、非支配株主に帰属する利益として5百万円を計上いたしました。
b.財政状態
当社グループの経常運転資金(売上債権+たな卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度であり、機械製造業として適正であると考えております。現預金残高は、概ね月商の2~3か月程度ですが、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社の事業形態を考慮して適正であると考えております。また、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。当年度においては、受注高及び売上高の急増に伴い経常運転資金が増加しており、有利子負債の増加(主に短期借入金)により対応いたしました。また、受注高の増加に伴い、当社では作業の効率化や外注先の能力アップ等を図っておりますが、案件の大型化や当社機器以外の成形機等の納期遅れ、納入先における建物やユーティリティの建設・設置遅れにより、受注から売上までの期間がやや長くなるケースも発生しております。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると適正であると判断しており、今後も自己資本比率40%程度、現預金は月商の2~3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。
当社は、今後もたな卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。
一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも今後は選択肢の一つとして検討する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績の状況
a.当連結会計年度の概況
世界経済は緩やかに回復しておりますが、中東や朝鮮半島における地政学的リスクもあり、不安定な状況となっております。先進国におきましては、米国の自国第一主義に伴う貿易摩擦や英国のEU離脱問題等、先行きに対する懸念が存在しております。一方、中国をはじめとする新興国の経済成長率も先進国と比較すると高いものの、その拡大テンポは緩やかになっております。
わが国経済は、世界経済の変調や急激な為替・株価の変動に伴う影響が懸念される一方で、生産や設備投資は緩やかに回復を続けており、企業収益や業況判断も改善してきております。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ても、製造業の機械受注額は、平成29年4~6月は1兆797億(前年同期比3.5%増)、7~9月は1兆1,467億円(同9.2%増)、10~12月は1兆1,873億円(同13.3%増)、平成30年1月は4,094億円、2月は4,423億円と、増加傾向が続いております。
このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度における受注高は前年同期比55億6千7百万円増(同32.7%増)の225億8千7百万円、受注残高は前年同期比24億5千万円増(同53.0%増)の70億7千5百万円となりました。また、売上高につきましては、自動車関連や電子部品関連の需要が堅調に推移したこと等により、前年同期比36億8千2百万円増(同
22.1%増)の203億3千6百万円となりました。
損益面では、売上高増加に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は前年同期比6億6百万円増(同117.1%増)の11億2千4百万円、経常利益は前年同期比5億8千4百万円増(同131.1%増)の10億2千9百万円となりました。
特別損益では2百万円以上の発生科目は無く、法人税、住民税及び事業税3億7千2百万円を計上し、法人税等調整額をマイナス2億5千9百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比6億9千8百万円増(同330.4%増)の9億9百万円となりました。
b.報告セグメント別の概況
日本におきましては、足元の受注高及び受注残高は前年同期を上回って推移しており、売上高も前年同期比16億7千3百万円増(同14.6%増)の131億4千5百万円となりました。損益面では、主に単体における販売構成比率の変化(標準機の構成比率が低下し海外向けの案件を中心に生産子会社からの仕入品の構成比率が増加)や、国内向けの案件における据付工事費用の増加により売上総利益率が低下(27.4%→25.8%)しましたが、売上高増加に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は前年同期比9千7百万円増(同11.5%増)の9億3千9百万円となりました。セグメント利益(経常利益)は、海外子会社からの受取配当金の減少等により前年同期比1千4百万円減(同1.5%減)の9億6千2百万円となりました。
東アジアにおきましては、中国において景気の持ち直しにより自動車関連や電子部品関連の設備投資に活発な動きが出始めたこと、台湾の電子部品関連の需要も回復しつつあること等により、売上高は前年同期比22億2千9百万円増(同52.9%増)の64億4千1百万円となりました。損益面では、売上高の増加に伴う売上総利益の増加に加えて、中国生産子会社の操業度が上がったことによる製造固定費単価の減少等による売上総利益率の改善(28.6%→32.5%)により、営業利益は3億5百万円(前年同期は2億4千4百万円の営業損失)、セグメント利益(経常利益)は2億5千2百万円(前年同期は2億7千7百万円の経常損失)となりました。
東南アジアにおきましては、フィリピンやベトナムなど引き続き好調な地域に加えて、ASEANの自動車産業の主力であるタイ、インドネシアの需要が緩やかに回復していること等により、売上高は前年同期比2億1千3百万円増(同11.6%増)の20億4千4百万円となり売上総利益率も改善(26.4%→27.4%)しましたが、人件費や経費の増加等もあって黒字化までの改善額には至らず、営業損失が5千4百万円(前年同期は1億1千4百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が5千9百万円(前年同期は1億2千5百万円の経常損失)となりました。
北中米におきましては、メキシコに新たに設立した販売会社の本格稼働が当年度の後半になったこと等により経費が先行して発生し、売上高は前年同期比1億5千5百万円減(同36.8%減)の2億6千6百万円となり、営業損失が7千7百万円(前年同期は5百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が7千8百万円(前年同期は5百万円の経常損失)となりました。
なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
c.資産、負債及び純資産の状況
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金、受取手形及び売掛金、仕掛品、原材料及び貯蔵品が増加したこと等により40億8千4百万円増加し、165億1千8百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、建物及び構築物、機械装置及び運搬具が減少しましたが、投資有価証券、繰延税金資産が増加したこと等により1億3千9百万円増加し、56億9千2百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて42億2千3百万円増加し、222億1千万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金、前受金が増加したこと等により35億5百万円増加し、96億1千万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、社債、長期借入金、繰延税金負債が減少したこと等により2億7千万円減少し、39億3千4百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて32億3千5百万円増加し、135億4千4百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したこと等により9億8千8百万円増加し、86億6千5百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が10億2千8百万円となり、売上債権の増加21億4千7百万円、たな卸資産の増加8億3千7百万円、法人税等の支払額3億4千5百万円等の支出要因が、減価償却費3億2百万円、仕入債務の増加8億8千8百万円等の収入要因を上回り、8億9千8百万円の支出超過(前年同期は11億2千8百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2億6千7百万円、ソフトウェアの取得による支出4千6百万円等により、3億4千8百万円の支出超過(前年同期は5億8千万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入11億8千1百万円、長期借入金の増加による収入3億8千1百万円等により、13億6千9百万円の収入超過(前年同期は2億3千3百万円の支出超過)となりました。
上記結果に加えて、換算差額がプラス5千5百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて1億7千7百万円増加して、43億9千1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 11,192,189 | 15.2 |
| 東アジア | 6,049,284 | 39.4 |
| 東南アジア | 909,971 | 30.2 |
| 合計 | 18,151,446 | 23.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 13,295,095 | 20.2 | 4,008,926 | 38.9 |
| 東アジア | 7,259,710 | 66.8 | 2,460,679 | 84.5 |
| 東南アジア | 1,787,363 | 43.3 | 543,373 | 59.6 |
| 北中米 | 245,386 | △31.9 | 62,766 | △1.9 |
| 合計 | 22,587,555 | 32.7 | 7,075,746 | 53.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 12,052,131 | 13.1 |
| 東アジア | 6,057,058 | 58.4 |
| 東南アジア | 1,966,731 | 11.9 |
| 北中米 | 260,767 | △38.0 |
| 合計 | 20,336,689 | 22.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針において行われる判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.売上の認識
売上高は、契約上、顧客の検収を要する製品については、進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。顧客の検収を要しない車上渡しの製品については出荷時に、輸出売上については船積時(配船の都合により船積が遅れる場合は港湾倉庫への輸出梱包入庫時)に計上しております。
b.貸倒引当金
顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績を勘案した率により、また、貸倒懸念債権については担保評価額控除後の債権額の100%の貸倒引当金を計上しております。しかし、貸倒懸念債権と認識していない顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.製品保証引当金
製品のアフターサービス費用・クレーム費用に備えるため、売上高を基準とした過去の実績率等に基づき、当連結会計年度に負担すべき将来の発生費用見積額を計上しておりますが、実際のアフターサービス費用・クレーム費用が見積りと異なる場合、追加引当が必要となる可能性があります。
d.たな卸資産
個別品目毎の陳腐化の算定による簿価切下げに加え、滞留在庫については滞留期間基準により一率の簿価切下げを行っておりますが、実際の販売価額等が算定価額を下回る場合、追加損失が発生する可能性があります。
e.固定資産の減損
事業におけるキャッシュ・フローの管理区分をグルーピングの単位として、固定資産に係る減損会計基準を適用しております。事業の収益性の低下等により投資額の回収が今後見込めないと判断された場合、帳簿価額から回収可能価額まで減損損失を計上する可能性があります。
f.投資の減損
時価のある投資有価証券については時価が取得価額に比べて30%以上下落した場合には全て減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化、又は投資先の業績の悪化により現在の簿価に反映されていない損失が発生した場合には、評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、個別財務諸表に計上している関係会社株式、関係会社出資金については、当該関係会社が業績悪化により債務超過等となった場合には減損処理を行っております。
g.繰延税金資産
将来の課税所得及び税務計画を検討した上で、実現可能性が高いと考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しておりますが、その全額又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
受注高は前年同期比32.7%増、売上高は前年同期比22.1%増となりました。日本セグメント及び東アジアセグメントにおきまして、自動車関連や電子部品関連をはじめとした受注が大きく増加した一年となりました。特に、中国においては電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池や、スマートフォンや車載用のカメラレンズ等の光学系部品関連の設備投資が、また、日本においては自動車や電子部品だけではなく、食品容器、物流、建築土木関連等、さまざまなプラスチック製品製造における設備投資が活況でありました。足元の見積り提出や受注の状況をみても、上記の傾向はしばらく継続するものと判断しております。東南アジアセグメントにおいては、主力のタイ、インドネシアでの景気が回復してきており、ベトナム、フィリピンへの日系企業の進出も活発であり、また、北中米セグメントにおいても、米国の輸入制限措置等の懸念はあるものの、米国内での景気やメキシコにおける日系企業の設備投資の状況等より、いずれのセグメントも翌年度の改善に期待が持てる状況と判断しております。
売上総利益率は、前年度29.4%→当年度29.7%とほぼ横ばいとなりました。日本セグメントにおいて売上総利益率が前年度比1.6%悪化いたしましたが、今後の成長分野の大型案件を戦略的に受注した影響もあり、今後は改善可能と考えております。東アジアセグメントにおいては、売上高の増加に伴って生産会社の製造固定費単価が低下したこともあり、売上総利益率は前年度比3.9%改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、前年同期比で12.4%増加しました。売上高の増加に伴い運賃諸掛、販売手数料、時間外手当等が増加するとともに、国内、海外ともに賃金改定や福利厚生費等の増加、業績拡大に伴う賞与等の増加がありました。
営業外損益全体では、9千5百万円の損失(前年同期は7千2百万円の損失)となりました。支払利息が前年同期比8百万円、訴訟関連費用が前年同期比1千万円減少しましたが、為替差損が3千4百万円発生(前年同期は6百万円の為替差益)いたしました。
特別損益全体では、0百万円の損失(前年同期は3千8百万円の損失)となりました。前年度は東南アジアセグメントにおいて事業用固定資産の減損損失3千6百万円を特別損失として計上いたしましたが、当年度は大きな特別損益は発生しませんでした。
海外子会社の所得に適用される税率と国内の法定実効税率との差異及び評価性引当額の増減額等により、法人税等合計の負担率は11.0%となりましたが、このうち当年度の特殊要因としては、当社において回収可能性のある繰延税金資産を2億3千万円計上しております。また、海外子会社の損益の内、非支配株主に帰属する利益として5百万円を計上いたしました。
b.財政状態
当社グループの経常運転資金(売上債権+たな卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度であり、機械製造業として適正であると考えております。現預金残高は、概ね月商の2~3か月程度ですが、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社の事業形態を考慮して適正であると考えております。また、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。当年度においては、受注高及び売上高の急増に伴い経常運転資金が増加しており、有利子負債の増加(主に短期借入金)により対応いたしました。また、受注高の増加に伴い、当社では作業の効率化や外注先の能力アップ等を図っておりますが、案件の大型化や当社機器以外の成形機等の納期遅れ、納入先における建物やユーティリティの建設・設置遅れにより、受注から売上までの期間がやや長くなるケースも発生しております。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると適正であると判断しており、今後も自己資本比率40%程度、現預金は月商の2~3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。
当社は、今後もたな卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。
一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも今後は選択肢の一つとして検討する可能性があります。