有価証券報告書-第72期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 16:07
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績の状況
a.当連結会計年度の概況
当期の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により急激に悪化し、一部の先進諸国において段階的な経済活動再開に向けた動きは見られたものの、各国における感染再拡大を受けて依然として厳しい状況が続いております。
わが国経済も、2020年5月の緊急事態宣言の解除後は、徐々に経済活動再開の動きを見せておりましたが、2020年後半の大都市圏を中心とした感染再拡大により2021年1月には緊急事態宣言が再発出されるなど、先行き不透明感が強まっております。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ても、2020年4~6月は9,147億円(前年同期比19.9%減)、7~9月は9,418億円(同15.0%減)、10~12月は10,703億円(同0.8%増)、1月は3,624億円、2月は3,425億円と、10~12月及び1月では一旦回復の兆しが見られたものの、2月は前年同月比で2.8%減となるなど、予断を許さない状況であります。
このような環境下、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として、引き続き各セグメントが属する国の状況に応じて時差出勤や在宅勤務等を実施しながら、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度における受注高は年度後半から徐々に回復傾向ではあるものの、前年同期比では49億8千5百万円減(同24.6%減)の152億4千7百万円、受注残高は前年同期比12億5千2百万円減(同21.0%減)の47億6百万円となりました。また、売上高につきましては、前年同期比44億9百万円減(同20.8%減)の167億8千7百万円となりました。
損益面では、材料費を中心とした原価低減や諸経費の削減等に努めましたが、売上高の減少に伴う売上総利益の減少により、営業利益は前年同期比10億8千7百万円減(同68.2%減)の5億6百万円、経常利益は前年同期比10億4千2百万円減(同63.6%減)の5億9千7百万円となりました。
特別損益では、固定資産売却益1百万円、投資有価証券売却益1百万円を特別利益に、固定資産除売却損2百万円、減損損失4百万円、投資有価証券評価損2百万円、子会社清算損3千6百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税3億3千7百万円、法人税等調整額マイナス7千3百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比7億6千7百万円減(同72.1%減)の2億9千6百万円となりました。
b.報告セグメント別の概況
日本におきましては、新型コロナウイルスの感染状況は依然として収束の見通しが立たず、一服と再拡大を繰り返していることから経済活動再開の動きは緩やかで、日用雑貨や容器・物流関連は比較的堅調に推移したものの、自動車関連については引き続き低調であったことから、売上高は前年同期比27億円減(同18.8%減)の116億3千2百万円となりました。損益面では、売上高減少に伴う売上総利益の減少により、営業利益は前年同期比5億9千7百万円減(同38.5%減)の9億5千5百万円、セグメント利益(経常利益)は前年同期比5億8千5百万円減(同34.4%減)の11億1千5百万円となりました。
東アジアにおきましては、米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染拡大の収束に伴い中国国内では経済活動は回復傾向にあるものの、民間設備投資については回復するまでには至らず、売上高は前年同期比10億8千5百万円減(同19.1%減)の45億9千1百万円となりました。損益面では、操業度の低下に伴う製造固定費単価上昇による売上総利益率の低下(26.5%→20.9%)と売上高の減少に伴う売上総利益の減少等により、3億6百万円の営業損失(前年同期は1億3千8百万円の営業損失)、3億5千9百万円のセグメント損失(経常損失)(前年同期は1億6千1百万円の経常損失)となりました。
東南アジアにおきましては、前年度後半から続くタイ、インドネシアの自動車関連を中心とした設備投資意欲の減退に加え、依然として新型コロナウイルスの感染拡大が続いている地域が多いことなどにより、売上高は前年同期比9億8千5百万円減(同40.9%減)の14億2千4百万円となりました。損益面では、売上総利益率の低下(33.4%→29.5%)と売上高の減少に伴う売上総利益の減少等により、営業損失が1億1千3百万円(前年同期は2億2千9百万円の営業利益)、セグメント損失(経常損失)が1億9百万円(前年同期は2億3千3百万円の経常利益)となりました。
北中米におきましては、米中貿易摩擦の長期化及び新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の制限が続いていること等により引き続き低調に推移し、売上高は前年同期比1億2千3百万円減(同56.1%減)の9千7百万円となりました。損益面では、売上高の減少に伴う売上総利益の減少等により、営業損失が8千5百万円(前年同期は7千1百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が9千3百万円(前年同期は7千2百万円の経常損失)となりました。
なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおり、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.資産、負債及び純資産の状況
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金が増加しましたが、受取手形及び売掛金、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が減少したこと等により7億8千5百万円減少し、157億7千1百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、投資有価証券、繰延税金資産が増加しましたが、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、リース資産が減少したこと等により1億6千9百万円減少し、51億4千万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて9億5千4百万円減少し、209億1千1百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、短期借入金、その他の流動負債が増加しましたが、支払手形及び買掛金、1年内償還予定の社債、未払法人税等が減少したこと等により6億8千1百万円減少し、67億1千7百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、社債、長期借入金、リース債務、退職給付に係る負債が減少したこと等により2億1千8百万円減少し、35億7千3百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて9億円減少し、102億9千万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、その他有価証券評価差額金、利益剰余金が増加しましたが、自己株式が増加し、為替換算調整勘定が減少したこと等により5千4百万円減少し、106億2千1百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が5億5千5百万円となり、減価償却費3億4千9百万円、支払利息6千8百万円、子会社清算損3千6百万円、売上債権の減少12億8千7百万円、たな卸資産の減少8億6千万円の収入要因が、保険解約益3千9百万円、仕入債務の減少4億9千2百万円、利息の支払額6千8百万円、法人税等の支払額4億9千4百万円等の支出要因を上回り、18億7千4百万円の収入超過(前年同期は19億1千3百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1億1千8百万円、ソフトウェアの取得による支出3千2百万円、子会社清算による支出1千5百万円、保険積立金の解約による収入4千1百万円等により、1億5千9百万円の支出超過(前年同期は2億1千5百万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出5億2千7百万円、長期借入金の増加による収入5億円、社債の償還による支出2億3千7百万円、配当金の支払額2億1千2百万円等により、5億8千9百万円の支出超過(前年同期は6億3千4百万円の支出超過)となりました。
上記結果に加えて、換算差額がマイナス9千4百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて10億3千万円増加して、66億3千万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
日本10,329,804△18.0
東アジア3,501,655△34.1
東南アジア407,686△55.8
合計14,239,146△24.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
日本9,939,001△23.32,751,786△27.9
東アジア3,936,815△25.41,626,176△14.4
東南アジア1,247,938△33.7268,11826.3
北中米123,29513.760,24998.4
合計15,247,051△24.64,706,331△21.0

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
日本11,021,761△17.6
東アジア4,268,455△18.3
東南アジア1,402,031△41.3
北中米95,684△53.7
合計16,787,932△20.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
受注高は年度後半から徐々に回復傾向ではあるものの年度全体では前年同期比24.6%減、売上高は前年同期比20.8%減となりました。日本セグメントにおきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて経済活動が停滞する中、日用雑貨や容器・物流関連分野は比較的堅調に推移しましたが、自動車関連分野を中心に総じて設備投資は低調に推移しました。東アジアセグメントにおきましては、VRレンズ等の光学関連分野は堅調に推移しましたが、中国では米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の収束により経済活動が再開されたものの、民間設備投資が回復するまでには至らず、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連等は低調でありました。東南アジアセグメントにおいては、前年度後半からASEANの自動車産業の主力であるタイ、インドネシアでの設備投資意欲が減退していることに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず経済活動の制限が続く地域が多いことから、民間設備投資は減退いたしました。また、北中米セグメントにおいても、米中貿易摩擦の長期化、新NAFTAの発効遅れ等の輸入制限措置に加え新型コロナウイルス感染拡大の影響等により低調に推移しました。
売上総利益率は、全てのセグメントにおいて、主に材料費を中心とした原価低減並びに変動諸経費の削減等に努め、北中米では、前年度30.8%→当年度33.1%と2.3%改善しましたが、他のセグメントにおきましては、操業度の低下に伴う製造固定費単価の上昇等をカバーするまでには至らず、日本では、前年度28.0%→当年度27.0%と若干の低下、東アジアでは、前年度26.5%→当年度20.9%と5.6%低下、東南アジアでは、前年度33.4%→当年度29.5%と3.9%低下しました。
販売費及び一般管理費は、国内、海外ともに人件費や諸経費の削減等に努め、前年同期比で14.5%減少しました。
営業外損益全体では、保険金解約返戻金3千9百万円、助成金収入4千8百万円等の計上により9千万円の利益(前年同期は4千5百万円の利益)となりました。
特別損益全体では、子会社清算損3千6百万円等の計上により4千2百万円の損失(前年同期は3百万円の利益)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税3億3千7百万円、法人税等調整額マイナス7千3百万円を計上し、海外子会社の損益の内、非支配株主に帰属する損失として5百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比7億6千7百万円減(同72.1%減)の2億9千6百万円となりました。
b.財政状態
当社グループの経常運転資金(売上債権+たな卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度であり、機械製造業として適正であると考えております。現預金残高は、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社の事業形態を考慮して、概ね月商の2~3か月程度を適正水準としております。また、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。ただし、当年度においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて手元流動性を重視し、通常期より現預金残高を増額しております。また、受注高及び売上高の減少に伴い経常運転資金が減少したことにより、有利子負債(短期借入金及び社債)が減少しております。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると適正であると判断しており、今後も自己資本比率45%程度、現預金は月商の2~3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。
当社は、今後もたな卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。
一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも今後は選択肢の一つとして検討する可能性があります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、中長期的には、自己資本利益率(ROE)を安定して8%以上確保できる事業構造の構築と、自己資本配当率(DOE)を安定して2.5%以上確保することを目標しております。
当連結会計年度におきましては、自己資本比率(前連結会計年度47.9%→49.9%)は改善いたしましたが、売上高の減少による売上総利益の減少等により収益性(売上高当期純利益率:前連結会計年度5.2%→1.7%)が低下し、自己資本利益率(ROE)は2.8%と前連結会計年度の10.6%と比較して7.8%低下いたしました。配当については、中長期的な需要予測や自己資本配当率を安定して確保する観点から1株当たり年間30.0円(中間配当15.0円、期末配当15.0円)の配当を実施することにより、自己資本配当率(DOE)は2.0%(前年度は2.1%)となりました。
中長期的な目標の達成に向け、適正な販売価格の維持と製造工程における業務効率化並びに中期経営計画、優先的な対処課題の着実な推進により、継続的な企業価値の向上と事業体質の更なる強化に努めてまいります。

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