有価証券報告書-第70期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 13:22
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156項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績の状況
a.当連結会計年度の概況
当期の世界経済は、緩やかながら回復基調でありましたが、中東や朝鮮半島における地政学的リスクや米国の自国第一主義に伴う貿易摩擦並びに英国のEU離脱問題等、景気減速の気配が徐々に強まってまいりました。更に、中国をはじめとする新興国の経済成長率も先進国と比較すると高いものの、その拡大テンポは緩やかになっております。年度後半は米中貿易戦争等により全般的に投資が冷え込み、その影響からアジア諸国や欧州でも景気が弱含みしました。
わが国経済は、生産や設備投資は回復基調であり、企業収益や業況判断も改善してきておりましたが、世界経済の景気の減速の影響を受け生産や設備投資には足踏みがみられ、不透明な状況となっております。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ても、製造業の機械受注額は、2018年4~6月は1兆2,835億円(前年同期比17.8%増)、7~9月は1兆2,583億円(同8.5%増)と増加傾向でありましたが、その後足元では10~12月は1兆1,999億円(同0.6%減)、2019年1月は3,750億円、2月は3,881億円と減少傾向にあります。
このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度における受注高は、年度前半は好調に推移しておりましたが年度後半では減速し、前年同期比15億8千5百万円増(同7.0%増)の241億7千2百万円、受注残高は前年同期比6億3千5百万円減(同9.0%減)の64億3千9百万円となりました。また、売上高につきましては、自動車関連や電子部品関連の需要が堅調に推移したこと等により、前年同期比42億3千9百万円増(同20.8%増)の245億7千6百万円となりました。
損益面では、売上高増加に伴う売上総利益の増加と売上総利益率の改善(29.7%→30.9%)等により、営業利益は前年同期比11億7千9百万円増(同104.9%増)の23億4百万円、経常利益は前年同期比12億9千3百万円増(同125.7%増)の23億2千3百万円となりました。
特別損益では、中国の生産子会社における旧工場売却時に概算計上した未払増値税等の取崩益(債務取崩益)3千9百万円を特別利益に計上し、投資有価証券評価損7百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税6億8百万円、法人税等調整額5千1百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比7億6千6百万円増(同84.3%増)の16億7千6百万円となりました。
b.報告セグメント別の概況
日本におきましては、自動車関連をはじめ製造業の設備投資が堅調に推移したこと等により、売上高は前年同期比20億6千9百万円増(同15.7%増)の152億1千4百万円となりました。損益面では、売上高増加に伴う売上総利益の増加と主に材料費を中心とした原価低減に努めたこと等による売上総利益率の改善(25.8%→27.8%)により、営業利益は前年同期比7億2千7百万円増(同77.4%増)の16億6千6百万円となりました。セグメント利益(経常利益)は前年同期比8億8百万円増(同84.0%増)の17億7千1百万円となりました。
東アジアにおきましては、中国における自動車関連、中国や台湾における電子部品関連の設備投資が堅調に推移したこと等により、売上高は前年同期比19億9千1百万円増(同30.9%増)の84億3千3百万円となりました。損益面では、売上総利益率は低下(32.5%→30.2%)したものの、売上高の増加に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は前年同期比1億9千6百万円増(同64.1%増)の5億1百万円、セグメント利益(経常利益)は前年同期比2億2千6百万円増(同89.9%増)の4億7千9百万円となりました。
東南アジアにおきましては、フィリピンやベトナムなど引き続き好調な地域に加えて、ASEANの自動車産業の主力であるタイ、インドネシアの需要が緩やかに回復していること等により、売上高は前年同期比4億4千1百万円増(同21.6%増)の24億8千6百万円となりました。損益面では、売上高増加に伴う売上総利益の増加と主に材料費を中心とした原価低減に努めたこと等による売上総利益率の改善(27.4%→32.2%)により、営業利益は前年同期比2億1百万円増の1億4千6百万円(前年同期は5千4百万円の営業損失)、セグメント利益(経常利益)は前年同期比2億2千3百万円増の1億6千4百万円(前年同期は5千9百万円の経常損失)となりました。
北中米におきましては、メキシコにおける自動車関連の受注は堅調に推移しておりますが、アメリカにおける前年度末のパートナーシップの解散に伴い、売上高は前年同期比2千3百万円減(同8.8%減)の2億4千2百万円となりました。損益面では、売上総利益率は大幅に改善(14.6%→29.8%)しておりますが、4千3百万円の営業損失(前年同期は7千7百万円の営業損失)、4千6百万円のセグメント損失(経常損失)(前年同期は7千8百万円の経常損失)となりました。
なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
c.資産、負債及び純資産の状況
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が増加したこと等により19億6千9百万円増加し、182億2千8百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、繰延税金資産が増加しましたが、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、投資有価証券が減少したこと等により2億3千3百万円減少し、55億5千2百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて17億3千5百万円増加し、237億8千1百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、1年内償還予定の社債が減少しましたが、短期借入金、未払法人税等が増加したこと等により7億4千7百万円増加し、103億5千7百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、社債、繰延税金負債、退職給付に係る負債が増加しましたが、長期借入金が減少したこと等により1億9千9百万円減少し、35億7千万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5億4千7百万円増加し、139億2千7百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が減少しましたが、利益剰余金が増加したこと等により11億8千8百万円増加し、98億5千4百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が23億5千7百万円となり、減価償却費2億9千7百万円、退職給付に係る負債の増加8千9百万円、支払利息8千1百万円、仕入債務の増加3千1百万円等の収入要因が、売上債権の増加15億5千万円、たな卸資産の増加4億6千2百万円、法人税等の支払額3億8千万円等の支出要因を上回り、6億9千4百万円の収入超過(前年同期は8億9千8百万円の支出超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2億8百万円、ソフトウェアの取得による支出5千7百万円等により、2億9千7百万円の支出超過(前年同期は3億4千8百万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入1億6千4百万円、長期借入金の減少による支出1億2千1百万円、社債の発行による収入1億5千万円、社債の償還による支出2億1千8百万円、配当金の支払額1億8千3百万円等により、2億6百万円の支出超過(前年同期は13億6千9百万円の収入超過)となりました。
上記結果に加えて、換算差額がマイナス8千7百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて1億2百万円増加して、44億9千3百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
日本13,233,81518.2
東アジア7,298,51820.7
東南アジア1,026,20212.8
合計21,558,53718.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
日本14,006,7645.44,025,6530.4
東アジア7,221,906△0.51,764,489△28.3
東南アジア2,663,55949.0564,6093.9
北中米280,55414.385,07035.5
合計24,172,7847.06,439,823△9.0

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
日本14,066,78716.7
東アジア7,854,11229.7
東南アジア2,430,29023.6
北中米224,820△13.8
合計24,576,01120.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針において行われる判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.売上の認識
売上高は、契約上、顧客の検収を要する製品については、進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。顧客の検収を要しない車上渡しの製品については出荷時に、輸出売上については船積時(配船の都合により船積が遅れる場合は港湾倉庫への輸出梱包入庫時)に計上しております。
b.貸倒引当金
顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績を勘案した率により、また、貸倒懸念債権については担保評価額控除後の債権額の100%の貸倒引当金を計上しております。しかし、貸倒懸念債権と認識していない顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.製品保証引当金
製品のアフターサービス費用・クレーム費用に備えるため、売上高を基準とした過去の実績率等に基づき、当連結会計年度に負担すべき将来の発生費用見積額を計上しておりますが、実際のアフターサービス費用・クレーム費用が見積りと異なる場合、追加引当が必要となる可能性があります。
d.たな卸資産
個別品目毎の陳腐化の算定による簿価切下げに加え、滞留在庫については滞留期間基準により一率の簿価切下げを行っておりますが、実際の販売価額等が算定価額を下回る場合、追加損失が発生する可能性があります。
e.固定資産の減損
事業におけるキャッシュ・フローの管理区分をグルーピングの単位として、固定資産に係る減損会計基準を適用しております。事業の収益性の低下等により投資額の回収が今後見込めないと判断された場合、帳簿価額から回収可能価額まで減損損失を計上する可能性があります。
f.投資の減損
時価のある投資有価証券については時価が取得価額に比べて30%以上下落した場合には全て減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化、又は投資先の業績の悪化により現在の簿価に反映されていない損失が発生した場合には、評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、個別財務諸表に計上している関係会社株式、関係会社出資金については、当該関係会社が業績悪化により債務超過等となった場合には減損処理を行っております。
g.繰延税金資産
将来の課税所得及び税務計画を検討した上で、実現可能性が高いと考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しておりますが、その全額又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
受注高は前年同期比7.0%増、売上高は前年同期比20.8%増となりました。日本セグメント及び東アジアセグメントにおきまして、自動車関連や電子部品関連をはじめとした売上高が大きく増加した一年となりました。中国において電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池や、スマートフォンや車載用のカメラレンズ等の光学系部品関連の設備投資が、また、日本においては自動車や電子部品だけではなく、食品容器、物流、建築土木関連等、さまざまなプラスチック製品製造における設備投資が活況でありました。東南アジアセグメントにおいては、フィリピンやベトナムなど引き続き好調な地域に加えて、ASEANの自動車産業の主力であるタイ、インドネシアの需要が緩やかに回復していること等により、受注、売上が大きく増加しました。また、北中米セグメントにおいても、米国の輸入制限措置等の懸念はあるものの、米国内での景気やメキシコにおける日系企業の設備投資の状況等より、翌年度の改善に期待が持てる状況と判断しております。
売上総利益率は、前年度29.7%→当年度30.9%と改善しました。日本セグメントにおきましては、売上高の増加に伴う売上総利益の増加と主に材料費を中心とした原価低減に努めたこと等により、前年度25.8%→当年度27.8%と2.0%改善しました。東アジアにおきましては、製造諸経費の増加等により、前年度32.5%→当年度30.2と2.3%悪化しましたが、売上高の増加に伴う売上総利益は前年度比21.7%増加しました。東南アジアにおきましては、売上高増加に伴う売上総利益の増加と主に材料費を中心とした原価低減に努めたこと等により、前年度27.4%→当年度32.2%に改善しました。
販売費及び一般管理費は、前年同期比で7.7%増加しました。売上高の増加に伴い運賃諸掛、時間外手当等が増加するとともに、国内、海外ともに賃金改定や福利厚生費等の増加、業績拡大に伴う賞与等の増加がありました。
営業外損益全体では、1千9百万円の利益(前年同期は9千5百万円の損失)となりました。支払利息が前年同期比2百万円減少し、為替差益が5千9百万円発生(前年同期は3千4百万円の為替差損)いたしました。
特別損益全体では、3千4百万円の利益(前年同期は0百万円の損失)となりました。中国の生産子会社における旧工場売却時に概算計上した未払増値税等の取崩益(債務取崩益)3千9百万円を特別利益に計上し、投資有価証券評価損7百万円を特別損失に計上しました。
また法人税、住民税及び事業税6億8百万円を計上し、法人税等調整額を5千1百万円計上し、海外子会社の損益の内、非支配株主に帰属する利益として2千1百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比7億6千6百万円増(同84.3%増)の16億7千6百万円となりました。
b.財政状態
当社グループの経常運転資金(売上債権+たな卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度であり、機械製造業として適正であると考えております。現預金残高は、概ね月商の2~3か月程度ですが、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社の事業形態を考慮して適正であると考えております。また、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。当年度においては、受注高及び売上高の急増に伴い経常運転資金は増加しましたが、その他の営業キャッシュ・フロー等でカバーしました。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると適正であると判断しており、今後も自己資本比率40%程度、現預金は月商の2~3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。
当社は、今後もたな卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。
一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも今後は選択肢の一つとして検討する可能性があります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、自己資本利益率(ROE)を安定して8%以上確保できる事業構造の構築並びに長期的かつ継続的な剰余金の配当を実施することを目的として、当連結会計年度より、自己資本配当率(DOE)2.5%以上の安定的な確保を新たな指標として追加いたしました。
当連結会計年度におきましては、年度後半における景気減速はあったものの、自動車関連や電子部品関連等の生産や設備投資の堅調な推移を背景とした売上高増加(前期同期比20.8%増)と主に材料費を中心とした原価低減及び量産効果による収益性の向上に伴う売上総利益の増加(同25.8%増)等により、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅な増加(同84.3%増)となりました。
報告セグメント別の業績については、売上面で北中米を除く他のセグメントで増収、利益面では全てのセグメントで増益となり、結果、自己資本利益率(ROE)は11.3%→18.4%に改善いたしました。また、当社利益配分の基本方針である「従来の安定的な配当維持に加え、業績に連動した株主の皆様への還元」に沿った利益還元を実施し、剰余金の配当を増額(同11円増加)したことにより、自己資本配当率(DOE)は1.6%→2.3%に改善いたしましたが、当面は2.0%を維持しつつ、中長期的には2.5%以上を安定的に確保できるよう、適正な販売価格の維持と製造工程における更なる業務効率化並びに重点戦略の着実な推進により、事業体質の更なる強化に努めてまいります。

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