有価証券報告書-第20期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

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2019/12/24 13:35
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(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2018年10月1日から2019年9月30日まで)におけるわが国経済は、依然、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性に留意しつつも、好調な企業業績や雇用・所得環境の改善傾向を背景に、緩やかな回復基調の中で推移いたしました。しかし、米国と中国の貿易戦争や、相次ぐ国内自然災害が経済に与える影響を憂慮する状況が続いております。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造とメンテナンスを主な事業としております。東日本大震災の津波による東京電力福島第一原子力発電所事故以降、原子力発電所(以下、「原発」)を取り巻く環境が大きく変化し大幅な減収を余儀なくされ、震災以前の売上高100億円回復を目指し尽力しておりますが、既に8事業年度を経過するも依然厳しい状況で今日に至っております。
また今春、原発へのテロ対策として実施される特定重大事故等対処施設(特重施設)の工事遅れにより、再稼働を果たした原発においても今後、一定期間運転を停止することもあり得ることが明らかになり、当社グループの今後の業績に対する影響を現在評価しているところです。
このような中、当連結会計年度には、関西電力高浜原発3号機、関西電力大飯原発3号機、九州電力玄海原発3号機で定期検査を完了し売上を計上したほか、原発向け再稼働準備や安全対策でバルブ製品の売上が大幅に増え、原発関係の収益が前連結会計年度に比して増加しました。しかし火力発電所向けは、製品、サービスとも前連結会計年度に比して減少し、バルブ事業全体としてはほぼ前連結会計年度並みの売上高となりました。
バルブ事業以外の事業では、製鋼事業は主要顧客が国内調達へ転換した影響で売上は増加しましたが、除染事業は大型工事がほぼ一巡した状況から前連結会計年度を下回る売上高となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は82億39百万円(前年同期比1.7%増)で前連結会計年度に比して若干の増収となり、報告セグメント別の売上高ではバルブ事業が67億2百万円(同0.3%増)、製鋼事業が10億52百万円(同23.1%増)、除染事業が4億91百万円(同14.7%減)となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
報告セグメント種類別の売上高前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
バルブ事業バルブ(新製弁)2,5602,90713.6
バルブ用取替補修部品8551,02019.4
原子力発電所定期検査工事1,332894△32.9
その他メンテナンス等の役務提供1,9331,879△2.8
小計6,6816,7020.3
製鋼事業鋳鋼製品8541,05223.1
除染事業地域除染等575491△14.7
消去又は全社△7△7-
合計8,1058,2391.7

採算面においては、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に対し微増ながら、バルブ事業で採算の良い原子力向けが堅調であったことから変動比率が低下し基礎的収益力は改善いたしました。
赤字案件の受注に伴い計上される受注損失引当金の残高は、前連結会計年度末から1億30百万円増加し採算を圧迫いたしました。しかし翌連結会計年度の第1四半期連結会計期間に納期の到来する案件が一定程度あったため、特に第4四半期連結会計期間の稼働率が高レベルに推移し、たな卸資産が大幅に増加し受注損失引当金の影響を一部減殺した結果、営業利益5億20百万円(前年同期比4.4%減)、経常利益5億76百万円(同0.8%減)と前連結会計年度に比して微減に留めることができました。
報告セグメント別の損益では、採算性の改善したバルブ事業は15億40百万円(前年同期比15.4%増)、製鋼事業は材料高など変動費の増加で増収効果を活かせず2億12百万円の赤字(前年同期は2億9百万円の赤字)、除染事業は案件の小口化と案件内容の変化により固定費が増加し49百万円の赤字(同43百万円の黒字)となりました。
また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は7億14百万円(前年同期比48.8%増)となりました。当社グループはこれまで、東日本大震災以降の業績不安定化に伴い、繰延税金資産の全額に対し評価性引当額を引き当て、資産として計上しないこととしてまいりました。しかしようやく翌連結会計年度以降の課税所得の計上について一定の確実性を認めることができる状況となったため、当連結会計年度より繰延税金資産の一部である2億55百万円を計上したことから、当該利益の増加となったものです。
業績面以外では、2022年の創業100周年に向け、中期経営計画を全面改定いたしました。今回の「中期経営計画2019・創業100周年を超え「目指す将来像」の実現に向けて」では、目指す将来像を、『高品質弁と設備保全で、世界エネルギーインフラの安全安定運転に貢献するグローバルニッチトップへ!』に据え「人のチカラ」「つくるチカラ」「まもるチカラ」の結集で、技術力と高品質で一番必要とされるバルブメーカーを目指してまいります。
また、最大且つ積年の課題である原価低減のため、TAMES(ToA Management Evolving System)Projectを当連結会計年度より開始いたしました。このプロジェクトは、全社的経営効率向上のため全ての事業活動における生産性向上を目指し組織横断的に行われる活動で、マーケットイン発想への転換により、「納期」「コスト」「品質・サービス」で顧客に貢献できる企業へと変貌を目指すものです。名称のTAMES(タメス)には、「試す(Try)、Challenge」の意味を重ね合わせ、当社グループで働く全ての従業員が、「まずはやってみる」の精神で取り組むことにより、新しい視点・発想から経営効率の向上を実現し、会社業績の改善につなげていく目論見です。
このほか、BtoB型事業の既存概念を打破し、これまでのプル型からプッシュ型への顧客アプローチ転換を目指し、メールマガジンの発信を新たに開始しました。そしてその際の訴求情報として、当社ホームページに『バルブソリューション』、『鋳鋼技術ラボ』、『TEST LABO』を同時に開設いたしました。これらをさらにアピールすべく本年10月に大阪で開催された機械要素技術展へ出展いたしました。今後は東京で開催のこれらイベントへの出展を積極的に展開し、今後ますます攻めの営業へと転換を図ってまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は33億30百万円となり、前連結会計年度末に比して6億12百万円増加しました。
この内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却を2億92百万円実施した上で税金等調整前当期純利益を5億73百万円計上したところに、たな卸資産の増加が5億44百万円あったものの、売上債権の減少が7億23百万円、仕入債務の増加が2億27百万円などキャッシュ・インの要因が上回ったことから、11億69百万円のキャッシュ・イン(前年同期は6億72百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券、有形固定資産の取得を中心に5億60百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は3億46百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の純増額1億85百万円、および前連結会計年度に係る期末配当、当連結会計年度の中間配当の実施などにより16百万円のキャッシュ・イン(前年同期は3億72百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比(%)
バルブ事業(千円)2,497,5404.6
製鋼事業(千円)1,263,21238.5
合計(千円)3,760,75214.0

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
3.バルブ事業のメンテナンス等及び除染事業については、事業の性格上生産実績の概念は馴染みませんので金額及び前年同期比を記載しておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
バルブ事業8,207,21010.95,746,98735.7
製鋼事業1,091,2423.6527,5397.9
除染事業510,731△5.198,08224.3
合計9,809,1839.16,372,61032.7

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比(%)
バルブ事業(千円)6,702,1150.3
製鋼事業(千円)1,052,67923.1
除染事業(千円)491,574△14.7
消去又は全社(千円)△7,310-
合計(千円)8,239,0591.7

(注)1.金額には消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先別前連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
三菱商事パワーシステムズ株式会社1,563,37019.32,774,90933.7
三菱商事株式会社1,847,25722.81,177,11114.3
西華産業株式会社1,201,98314.8781,8959.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は117億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億26百万円増加(前年同期比8.6%増)いたしました。
うち流動資産では、受取手形及び売掛金が6億52百万円減少となりましたが、一方で現金及び預金が6億12百万円、仕掛品が4億82百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4億49百万円増加(前年同期比5.4%増)となりました。
また、固定資産では投資有価証券が1億65百万円、繰延税金資産が2億53百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4億77百万円増加(前年同期比20.0%増)の28億61百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は34億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億73百万円増加(前年同期比16.1%増)いたしました。
うち流動負債では、主に支払手形及び買掛金が2億9百万円、受注損失引当金が1億30百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4億41百万円増加(前年同期比23.1%増)となりました。
また、固定負債では繰延税金負債が1億34百万円減少しましたが、長期借入金、リース債務の増加もあり、前連結会計年度末に比べ32百万円増加(前年同期比3.2%増)となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は82億93百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億53百万円増加(前年同期比5.8%増)いたしました。
これは主にその他有価証券評価差額金が1億34百万円減少しましたが、利益剰余金が6億34百万円増加したこと等によるものであります。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は82億39百万円となり、前連結会計年度と比べ1億33百万円増加(前年同期比1.7%増)いたしました。
当連結会計年度では、バルブ事業の原子力発電所定期検査工事が4億37百万円、その他メンテナンス等の役務提供で54百万円の減少と除染事業も84百万円減少となりましたが、一方で、バルブ(新製弁)が3億47百万円、バルブ用取替補修部品が1億65百万円それぞれ増加し、また、製鋼事業の鋳鋼製品も1億97百万円増加したことで、前連結会計年度の売上高を上回ることができました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は5億20百万円となり、前連結会計年度と比べ23百万円減少(前年同期比4.4%減)いたしました。
当連結会計年度では、バルブ事業での受注損失引当金の増加もありましたが、翌連結会計年度の第1四半期連結会計期間納期案件の対応等により当連結会計年度の第4四半期連結会計期間での稼働率が高く仕掛品が大幅に増加したこと等から前連結会計年度並みの営業利益を確保することができました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の営業利益に営業外損益の純額56百万円を加算し、これに特別損益の純額3百万円を減算し、次に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純損失を加減算した結果、7億14百万円(前年同期比48.8%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入によっており、金融機関からの借入金については適宜に長期・短期の借入金により資金調達を行うほか、取引金融機関と特定融資枠契約、コミットメントライン契約を締結することで必要な財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
当社グループの事業は主に完全受注生産型であることから、売上時期の偏重や製品の仕掛期間長期化による影響が、営業活動によるキャッシュ・フローの変動につながりがちであることから、これら事象について、キャッシュ・フローへの影響を十分に考慮した業務運営を社内に指示・徹底しております。
またこれら事象へ対応する目的も含め、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、機動的な資金調達体制を維持するとともに、運転資金の効率的な運用を図っております。

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