有価証券報告書-第162期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、前半は堅調な設備投資等が下支えし、緩やかながら景気回復傾向となりました
が、後半は個人消費が減少し、景気の落ち込みが大きくなりました。海外では、当社グループの主要市場である中国は米中貿易摩擦等の影響により景気が減速し、アセアン諸国の経済も同様に貿易摩擦等の影響による輸出不振で、景気は総じて減速傾向となりました。また、年明け後に全世界へ拡大した新型コロナウイルス感染症の流行により、世界経済は期末にかけて急激に悪化しました。
当社グループが関連する主要市場の動向は次のとおりであります。
国内の電力会社向け市場は発送電分離に対応した機器や変電所の設備更新などが堅調に推移し、また、一般民需市場は老朽化した電力設備の更新需要が引き続き高水準であるものの、人手不足の影響で客先での施工延期が発生しております。中国の電力機器市場においては、当社が主力事業としている超高圧送電分野の投資が回復しました。一方、タイ・ベトナムで展開している産業用装置・部品の製造受託の市場は、半導体製造設備の投資調整の影響を受け、伸び悩みの状況となりました。ビーム・真空応用事業の市場は、端境期にあった中国における高精細・中小型FPD(フラットパネルディスプレイ)製造用イオン注入装置の需要が回復しましたが、薄膜コーティングの需要は自動車市場の不振により落ち込みました。
こうした中で、当社グループは、市場動向や顧客ニーズに対応した製品やサービスの開発と市場投入、コスト競争力強化などの対策を積極的に推進してきました結果、当期の受注高は前期比12.2%増加の133,220百万円となりました。
受注高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が65,300百万円(前期比4.3%増)、「ビーム・真空応用事業」が26,287百万円(前期比55.1%増)、「新エネルギー・環境事業」が13,676百万円(前期比18.0%増)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が27,954百万円(前期比1.4%増)であります。
「電力機器事業」の増加は国内の一般民需向けの増加によるもの、「ビーム・真空応用事業」の増加は高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の増加によるものであります。また、「新エネルギー・環境事業」の増加は太陽光発電用パワーコンディショナの増加によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の増加は国内のアフターサービスの増加によるものであります。
売上高につきましては、前期比6.9%減少の117,500百万円となりました。
売上高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が58,579百万円(前期比2.2%増)、「ビーム・真空応用事業」が19,637百万円(前期比35.4%減)、「新エネルギー・環境事業」が13,303百万円(前期比5.4%増)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が25,979百万円(前期比0.6%増)であります。
「電力機器事業」は、国内一般民需向けの増加や中国の電力会社向けの回復などにより増収を確保しましたが、国内での人手不足による客先での施工延期や中国での新型コロナウイルス感染症による製品の出荷保留などの影響を受け、小幅な増加に留まりました。「ビーム・真空応用事業」の減少は、高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置が、前連結会計年度に受注が減少した影響に加え、新型コロナウイルス感染症により中国客先での現地調整業務に遅れが生じ、売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだこともあり、大幅な減収となったものであります。「新エネルギー・環境事業」の増加は、太陽光発電用パワーコンディショナの増加によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の増加は、国内のアフターサービスの増加によるものであります。
営業利益は、「新エネルギー・環境事業」・「ライフサイクルエンジニアリング事業」は増益となりましたが、高採算の高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の売上減少に伴う「ビーム・真空応用事業」の減益により、全体で11,478百万円(前期比30.2%減)となりました。
特別利益につきましては、中国の子会社での土地使用権の一部売却等により固定資産売却益249百万円を計上しました。特別損失につきましては、PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理に必要となる環境対策費62百万円を計上しました。
以上を踏まえ、法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,432百万円(前期比32.2%減)となりました。
(注) 1 セグメントの業績の中の売上高は「外部顧客に対する売上高」で、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含まれておりません。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
②財政状態の状況
資産は、当期末で162,730百万円となり、前期末に比べ303百万円増加しました。これは、投資有価証券は売却処分や株価下落により減少しましたが、固定資産の新規取得の他、たな卸資産や現金及び預金が増加したことなどによるものです。
負債は、当期末で49,314百万円となり、前期末に比べ2,468百万円増加しました。これは、前受金は減少しましたが、未払法人税等や短期借入金が増加したことなどによるものです。
純資産は、当期末で113,415百万円となり、前期末に比べ2,771百万円増加しました。これは、その他有価証券評価差額金の減少はありましたが、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により増加したことなどによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動による資金の増加は1,656百万円(前期は11,777百万円の増加)となりました。投資活動による資金の減少は5,815百万円(前期は6,070百万円の減少)となりました。フリーキャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は7,471百万円のプラス(前期は5,706百万円のプラス)となりました。財務活動による資金の減少は4,070百万円(前期は3,178百万円の減少)となりました。これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は15,938百万円(前期は12,937百万円)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主にビーム・真空応用事業で高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置が、前連結会計年度に受注が減少した影響によるものです。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは主にビーム・真空応用事業で前期は客先での投資の端境期となりましたが、当連結会計年度は端境期にあった中国における高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の受注が回復したことによるものです。
c. 販売実績
当連結会計年度における外部顧客への販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
当連結会計年度におけるセグメント間の内部取引を含めた販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にビーム・真空応用事業で高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置が、前連結会計年度に受注が減少した影響に加え、新型コロナウイルス感染症により中国客先での現地調整業務に遅れが生じ売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだことによるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の分析
当社グループは、中期経営計画「VISION2020」において、経営上の目標の達成状況を、売上高、営業利益、ROA及びROEを重要な指標として測定することとしております。
当連結会計年度における売上高は117,500百万円(前期比8,687百万円減)、営業利益は11,478百万円(前期比4,965百万円減)、「ROA」は7.1%(前期比3.3ポイント低下)、「ROE」は7.7%(前期比4.2ポイント低下)と、いずれの指標も前連結会計年度を下回る結果となりました。
営業利益の前連結会計年度比での主な減少要因は、前期に高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の受注が減少した影響により売上の品種構成が変化したこと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだことによる売上減少、2019年3月に竣工した当社の日新アカデミー研修センターや合理化を目的とした建物・設備の更新及び子会社の日新電機ベトナム有限会社における産業用装置・部品事業における生産強化のための増改築・設備導入に伴い減価償却費が増加したことであります。
営業外収益は、受取保険金の入金等により前期比7百万円増の629百万円、営業外費用は、輸送事故による損失の発生や支払利息の増加等により前期比160百万円増の457百万円となり、経常利益は、前期比5,117百万円減の11,650百万円となりました。特別利益は、中国の子会社での土地使用権の一部売却等により固定資産売却益249百万円を計上しました。特別損失は、PCB廃棄物の処理に必要となる環境対策費62百万円を計上しました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期比4,093百万円減の11,836百万円となりました。ここから法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比4,012百万円減の8,432百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
電力機器事業は、売上高は58,870百万円(前期比1,230百万円増)となりました。営業利益は、6,864百万円(前期比33百万円減)となりました。売上高営業利益率は11.7%と△0.3ポイント低下しました。セグメント資産は、77,687百万円(前期比7,012百万円増)となりました。
ビーム・真空応用事業は、売上高は19,855百万円(前期比10,972百万円減)となりました。営業利益は、428百万円(前期比5,254百万円減)となりました。売上高営業利益率は2.2%と16.3ポイント低下しました。セグメント資産は、27,168百万円(前期比342百万円増)となりました。
新エネルギー・環境事業は、売上高は13,303百万円(前期比679百万円増)となりました。営業利益は、1,616百万円(前期比218百万円増)となりました。売上高営業利益率は12.2%と1.1ポイント上昇しました。セグメント資産は、11,081百万円(前期比1,055百万円増)となりました。
ライフサイクルエンジニアリング事業は、売上高は26,934百万円(前期比438百万円減)となりました。営業利益は、4,119百万円(前期比209百万円増)となりました。売上高営業利益率は15.3%と1.0ポイント上昇しました。セグメント資産は、24,586百万円(前期比2,102百万円増)となりました。
セグメントごとの経営成績の売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替額」を含めております。
各セグメントの営業利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ0.2%増加し、162,730百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末並みの、117,641百万円となりました。これは、短期貸付金は減少しましたが、その回収に伴い現預金が増加したことや新型コロナウイルス感染症拡大の影響により売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだことに伴いたな卸資産が増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、45,088百万円となりました。これは、投資有価証券は関係会社出資金の売却や新型コロナウイルス感染症拡大に伴う株価下落により減少しましたが、日本やベトナムにおいて建物及び構築物、機械装置の新規取得などにより減価償却費などとのネットで有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4.8%減少し、49,314百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ5.5%減少し、43,392百万円となりました。これは、前受金は対象案件の増加により増加しましたが、課税所得の減少により未払法人税等が減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、5,922百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ2.5%増加し、113,415百万円となりました。これは、その他の包括利益累計額が、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う株価下落によるその他有価証券評価差額金の減少及び円高推移による在外子会社の為替換算調整勘定の減少、当期発生した退職給付数理差異の影響により減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により利益剰余金が増加したことなどによるものです。
また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.6ポイント上昇の68.1%、流動比率は流動資産、流動負債ともに増加となった結果、前連結会計年度末に比べ、14.8ポイント上昇の271.1%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益11,836百万円及び減価償却費3,766百万円に、売上債権の増加4,535百万円、たな卸資産の増加3,889百万円、法人税等の支払い4,849百万円などの要因を加減算した結果、合計で1,656百万円の収入(前期比10,120百万円の収入減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、短期貸付金の減少11,263百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出6,032百万円などにより、合計で5,815百万円の収入(前期比11,885百万円の収入増加)となりました。以上により、フリーキャッシュ・フローは7,471百万円のプラス(前期比1,765百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済273百万円、配当金の支払い3,526百万円などにより、合計で4,070百万円の支出(前期比891百万円の支出増加)となりました。
これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は、15,938百万円(前期比3,000百万円の増加)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(短期借入金及び長期借入金)を対象としております。
4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源は、利益による積上げを継続的に行うことを基本方針とし、安定した配当の維持を図ってまいります。資金の流動性については、利益の確保、資産効率の向上による必要運転資金の増加抑制により、キャッシュ・フローの安定的な確保に努めております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入や、親会社である住友電気工業株式会社グループのキャッシュマネージメントシステムでの調達を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。負債と資本のバランスに配慮しつつ必要な資金需要に対応してまいります。
⑤ 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(貸倒引当金)
当社グループは、それぞれの顧客の財務状態等を含む多くの要素を考慮して、債権の回収可能性を推定しております。
当社グループは、過去の実績を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当を計上しております。顧客の信用状況は継続的に内外の情報を入手して分析を行い把握しております。なお、中国では契約上リテンション期間が定められ、回収条件が長期となっていることから、より慎重に政治情勢や経済情勢の影響の有無も勘案しております。これまで実際に発生した貸倒れは当社グループが予測し計上した引当金の範囲内であり、当社グループの見積りは妥当であると認識しておりますが、債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財務状態に変化が生じるような場合は、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付会計)
当社グループの退職給付費用及び債務の計算は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の優良社債の利回り等を参考に決定し、また年金資産の長期期待運用収益率は、年金資産の配分と年金資産を構成する多様な資産から期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済活動に少なからず影響を与える事象であると認識しており、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は収束時期等の不確定要素が多く、2020年度下期には徐々に回復していくと現時点で想定しておりますが、感染が再拡大した場合は翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、前半は堅調な設備投資等が下支えし、緩やかながら景気回復傾向となりました
が、後半は個人消費が減少し、景気の落ち込みが大きくなりました。海外では、当社グループの主要市場である中国は米中貿易摩擦等の影響により景気が減速し、アセアン諸国の経済も同様に貿易摩擦等の影響による輸出不振で、景気は総じて減速傾向となりました。また、年明け後に全世界へ拡大した新型コロナウイルス感染症の流行により、世界経済は期末にかけて急激に悪化しました。
当社グループが関連する主要市場の動向は次のとおりであります。
国内の電力会社向け市場は発送電分離に対応した機器や変電所の設備更新などが堅調に推移し、また、一般民需市場は老朽化した電力設備の更新需要が引き続き高水準であるものの、人手不足の影響で客先での施工延期が発生しております。中国の電力機器市場においては、当社が主力事業としている超高圧送電分野の投資が回復しました。一方、タイ・ベトナムで展開している産業用装置・部品の製造受託の市場は、半導体製造設備の投資調整の影響を受け、伸び悩みの状況となりました。ビーム・真空応用事業の市場は、端境期にあった中国における高精細・中小型FPD(フラットパネルディスプレイ)製造用イオン注入装置の需要が回復しましたが、薄膜コーティングの需要は自動車市場の不振により落ち込みました。
こうした中で、当社グループは、市場動向や顧客ニーズに対応した製品やサービスの開発と市場投入、コスト競争力強化などの対策を積極的に推進してきました結果、当期の受注高は前期比12.2%増加の133,220百万円となりました。
受注高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が65,300百万円(前期比4.3%増)、「ビーム・真空応用事業」が26,287百万円(前期比55.1%増)、「新エネルギー・環境事業」が13,676百万円(前期比18.0%増)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が27,954百万円(前期比1.4%増)であります。
「電力機器事業」の増加は国内の一般民需向けの増加によるもの、「ビーム・真空応用事業」の増加は高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の増加によるものであります。また、「新エネルギー・環境事業」の増加は太陽光発電用パワーコンディショナの増加によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の増加は国内のアフターサービスの増加によるものであります。
売上高につきましては、前期比6.9%減少の117,500百万円となりました。
売上高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が58,579百万円(前期比2.2%増)、「ビーム・真空応用事業」が19,637百万円(前期比35.4%減)、「新エネルギー・環境事業」が13,303百万円(前期比5.4%増)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が25,979百万円(前期比0.6%増)であります。
「電力機器事業」は、国内一般民需向けの増加や中国の電力会社向けの回復などにより増収を確保しましたが、国内での人手不足による客先での施工延期や中国での新型コロナウイルス感染症による製品の出荷保留などの影響を受け、小幅な増加に留まりました。「ビーム・真空応用事業」の減少は、高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置が、前連結会計年度に受注が減少した影響に加え、新型コロナウイルス感染症により中国客先での現地調整業務に遅れが生じ、売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだこともあり、大幅な減収となったものであります。「新エネルギー・環境事業」の増加は、太陽光発電用パワーコンディショナの増加によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の増加は、国内のアフターサービスの増加によるものであります。
営業利益は、「新エネルギー・環境事業」・「ライフサイクルエンジニアリング事業」は増益となりましたが、高採算の高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の売上減少に伴う「ビーム・真空応用事業」の減益により、全体で11,478百万円(前期比30.2%減)となりました。
特別利益につきましては、中国の子会社での土地使用権の一部売却等により固定資産売却益249百万円を計上しました。特別損失につきましては、PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理に必要となる環境対策費62百万円を計上しました。
以上を踏まえ、法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,432百万円(前期比32.2%減)となりました。
(注) 1 セグメントの業績の中の売上高は「外部顧客に対する売上高」で、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含まれておりません。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
②財政状態の状況
資産は、当期末で162,730百万円となり、前期末に比べ303百万円増加しました。これは、投資有価証券は売却処分や株価下落により減少しましたが、固定資産の新規取得の他、たな卸資産や現金及び預金が増加したことなどによるものです。
負債は、当期末で49,314百万円となり、前期末に比べ2,468百万円増加しました。これは、前受金は減少しましたが、未払法人税等や短期借入金が増加したことなどによるものです。
純資産は、当期末で113,415百万円となり、前期末に比べ2,771百万円増加しました。これは、その他有価証券評価差額金の減少はありましたが、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により増加したことなどによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動による資金の増加は1,656百万円(前期は11,777百万円の増加)となりました。投資活動による資金の減少は5,815百万円(前期は6,070百万円の減少)となりました。フリーキャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は7,471百万円のプラス(前期は5,706百万円のプラス)となりました。財務活動による資金の減少は4,070百万円(前期は3,178百万円の減少)となりました。これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は15,938百万円(前期は12,937百万円)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 66,879 | 11.0 | |
| ビーム・真空応用事業 | 25,206 | △36.2 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 13,126 | 8.1 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 27,908 | 2.1 | |
| 合計 | 133,121 | △4.4 | |
(注) 1 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主にビーム・真空応用事業で高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置が、前連結会計年度に受注が減少した影響によるものです。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 65,300 | 4.3 | |
| ビーム・真空応用事業 | 26,287 | 55.1 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 13,676 | 18.0 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 27,954 | 1.4 | |
| 合計 | 133,220 | 12.2 | |
| 受注残高 | 125,710 | 14.3 | |
(注) 1 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは主にビーム・真空応用事業で前期は客先での投資の端境期となりましたが、当連結会計年度は端境期にあった中国における高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の受注が回復したことによるものです。
c. 販売実績
当連結会計年度における外部顧客への販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 外部顧客への販売高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 58,579 | 2.2 | |
| ビーム・真空応用事業 | 19,637 | △35.4 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 13,303 | 5.4 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 25,979 | 0.6 | |
| 合計 | 117,500 | △6.9 | |
当連結会計年度におけるセグメント間の内部取引を含めた販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 58,870 | 2.1 | |
| ビーム・真空応用事業 | 19,855 | △35.6 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 13,303 | 5.4 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 26,934 | △1.6 | |
| 合計 | 118,964 | △7.4 | |
(注) 1 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にビーム・真空応用事業で高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置が、前連結会計年度に受注が減少した影響に加え、新型コロナウイルス感染症により中国客先での現地調整業務に遅れが生じ売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだことによるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の分析
当社グループは、中期経営計画「VISION2020」において、経営上の目標の達成状況を、売上高、営業利益、ROA及びROEを重要な指標として測定することとしております。
当連結会計年度における売上高は117,500百万円(前期比8,687百万円減)、営業利益は11,478百万円(前期比4,965百万円減)、「ROA」は7.1%(前期比3.3ポイント低下)、「ROE」は7.7%(前期比4.2ポイント低下)と、いずれの指標も前連結会計年度を下回る結果となりました。
営業利益の前連結会計年度比での主な減少要因は、前期に高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の受注が減少した影響により売上の品種構成が変化したこと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだことによる売上減少、2019年3月に竣工した当社の日新アカデミー研修センターや合理化を目的とした建物・設備の更新及び子会社の日新電機ベトナム有限会社における産業用装置・部品事業における生産強化のための増改築・設備導入に伴い減価償却費が増加したことであります。
営業外収益は、受取保険金の入金等により前期比7百万円増の629百万円、営業外費用は、輸送事故による損失の発生や支払利息の増加等により前期比160百万円増の457百万円となり、経常利益は、前期比5,117百万円減の11,650百万円となりました。特別利益は、中国の子会社での土地使用権の一部売却等により固定資産売却益249百万円を計上しました。特別損失は、PCB廃棄物の処理に必要となる環境対策費62百万円を計上しました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期比4,093百万円減の11,836百万円となりました。ここから法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比4,012百万円減の8,432百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
| 売上高 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 電力機器事業 | 57,639 | 58,870 | 2.1 | 6,898 | 6,864 | △0.5 |
| ビーム・真空応用事業 | 30,828 | 19,855 | △35.6 | 5,682 | 428 | △92.5 |
| 新エネルギー・環境事業 | 12,624 | 13,303 | 5.4 | 1,398 | 1,616 | 15.6 |
| ライフサイクル エンジニアリング事業 | 27,373 | 26,934 | △1.6 | 3,910 | 4,119 | 5.4 |
| 合計 | 128,466 | 118,964 | △7.4 | 17,888 | 13,028 | △27.2 |
| 調整額 | △2,278 | △1,464 | - | △1,444 | △1,549 | - |
| 連結損益計算書 計上額 | 126,187 | 117,500 | △6.9 | 16,444 | 11,478 | △30.2 |
電力機器事業は、売上高は58,870百万円(前期比1,230百万円増)となりました。営業利益は、6,864百万円(前期比33百万円減)となりました。売上高営業利益率は11.7%と△0.3ポイント低下しました。セグメント資産は、77,687百万円(前期比7,012百万円増)となりました。
ビーム・真空応用事業は、売上高は19,855百万円(前期比10,972百万円減)となりました。営業利益は、428百万円(前期比5,254百万円減)となりました。売上高営業利益率は2.2%と16.3ポイント低下しました。セグメント資産は、27,168百万円(前期比342百万円増)となりました。
新エネルギー・環境事業は、売上高は13,303百万円(前期比679百万円増)となりました。営業利益は、1,616百万円(前期比218百万円増)となりました。売上高営業利益率は12.2%と1.1ポイント上昇しました。セグメント資産は、11,081百万円(前期比1,055百万円増)となりました。
ライフサイクルエンジニアリング事業は、売上高は26,934百万円(前期比438百万円減)となりました。営業利益は、4,119百万円(前期比209百万円増)となりました。売上高営業利益率は15.3%と1.0ポイント上昇しました。セグメント資産は、24,586百万円(前期比2,102百万円増)となりました。
セグメントごとの経営成績の売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替額」を含めております。
各セグメントの営業利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ0.2%増加し、162,730百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末並みの、117,641百万円となりました。これは、短期貸付金は減少しましたが、その回収に伴い現預金が増加したことや新型コロナウイルス感染症拡大の影響により売上計上が翌連結会計年度にずれ込んだことに伴いたな卸資産が増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、45,088百万円となりました。これは、投資有価証券は関係会社出資金の売却や新型コロナウイルス感染症拡大に伴う株価下落により減少しましたが、日本やベトナムにおいて建物及び構築物、機械装置の新規取得などにより減価償却費などとのネットで有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4.8%減少し、49,314百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ5.5%減少し、43,392百万円となりました。これは、前受金は対象案件の増加により増加しましたが、課税所得の減少により未払法人税等が減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、5,922百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ2.5%増加し、113,415百万円となりました。これは、その他の包括利益累計額が、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う株価下落によるその他有価証券評価差額金の減少及び円高推移による在外子会社の為替換算調整勘定の減少、当期発生した退職給付数理差異の影響により減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により利益剰余金が増加したことなどによるものです。
また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.6ポイント上昇の68.1%、流動比率は流動資産、流動負債ともに増加となった結果、前連結会計年度末に比べ、14.8ポイント上昇の271.1%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益11,836百万円及び減価償却費3,766百万円に、売上債権の増加4,535百万円、たな卸資産の増加3,889百万円、法人税等の支払い4,849百万円などの要因を加減算した結果、合計で1,656百万円の収入(前期比10,120百万円の収入減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、短期貸付金の減少11,263百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出6,032百万円などにより、合計で5,815百万円の収入(前期比11,885百万円の収入増加)となりました。以上により、フリーキャッシュ・フローは7,471百万円のプラス(前期比1,765百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済273百万円、配当金の支払い3,526百万円などにより、合計で4,070百万円の支出(前期比891百万円の支出増加)となりました。
これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は、15,938百万円(前期比3,000百万円の増加)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 54.2 | 58.8 | 65.8 | 66.5 | 68.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 91.6 | 89.2 | 68.6 | 66.8 | 60.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 1.6 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 219.6 | 256.7 | 81.5 | 160.0 | 15.7 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(短期借入金及び長期借入金)を対象としております。
4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源は、利益による積上げを継続的に行うことを基本方針とし、安定した配当の維持を図ってまいります。資金の流動性については、利益の確保、資産効率の向上による必要運転資金の増加抑制により、キャッシュ・フローの安定的な確保に努めております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入や、親会社である住友電気工業株式会社グループのキャッシュマネージメントシステムでの調達を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。負債と資本のバランスに配慮しつつ必要な資金需要に対応してまいります。
⑤ 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(貸倒引当金)
当社グループは、それぞれの顧客の財務状態等を含む多くの要素を考慮して、債権の回収可能性を推定しております。
当社グループは、過去の実績を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当を計上しております。顧客の信用状況は継続的に内外の情報を入手して分析を行い把握しております。なお、中国では契約上リテンション期間が定められ、回収条件が長期となっていることから、より慎重に政治情勢や経済情勢の影響の有無も勘案しております。これまで実際に発生した貸倒れは当社グループが予測し計上した引当金の範囲内であり、当社グループの見積りは妥当であると認識しておりますが、債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財務状態に変化が生じるような場合は、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付会計)
当社グループの退職給付費用及び債務の計算は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の優良社債の利回り等を参考に決定し、また年金資産の長期期待運用収益率は、年金資産の配分と年金資産を構成する多様な資産から期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済活動に少なからず影響を与える事象であると認識しており、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は収束時期等の不確定要素が多く、2020年度下期には徐々に回復していくと現時点で想定しておりますが、感染が再拡大した場合は翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。