有価証券報告書-第163期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響を受け経済活動が停滞し、個人消費の大幅な減少や設備投資の冷え込みなどにより、大きく景気が落ち込みました。海外では、当社グループの主要市場である中国は政府の財政出動や金融緩和策により、景気が回復傾向となりましたが、アセアン諸国では多くの国がマイナス成長から回復に向かいつつあるものの、そのペースにはばらつきが見られ、特にタイでは景気回復が遅れています。
当社グループが関連する主要市場の動向は次のとおりであります。
国内の電力会社向け市場は発送電分離に対応した機器や変電所の設備更新などが堅調に推移し、また、一般民需市場は老朽化した電力設備の更新需要が引き続き高水準であるものの、一部に新型コロナウイルス感染症の影響による設備投資の先送り傾向が見られます。中国の電力機器市場においては、電力投資の強化という政府方針に基づき、当社グループが注力している超高圧送電分野の投資が増加しました。また、タイ・ベトナムで展開している産業用装置・部品の製造受託の市場は、半導体製造設備の投資回復の影響を受け、堅調に推移しました。ビーム・真空応用事業の市場では、半導体製造用イオン注入装置の需要が増加しましたが、高精細・中小型FPD(フラットパネルディスプレイ)製造用イオン注入装置の需要は、世界的な消費の落ち込みを受けたパネルメーカーの投資計画の後ろ倒しにより減少しました。
こうした中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大により経済活動が広範に影響を受ける中、市場動向や顧客ニーズに対応した製品やサービスの開発と市場投入、コスト競争力強化などの対策を積極的に推進してきましたが、当期の受注高は前期比4.0%減少の127,903百万円となりました。
受注高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が67,320百万円(前期比3.1%増)、「ビーム・真空応用事業」が19,582百万円(前期比25.5%減)、「新エネルギー・環境事業」が13,151百万円(前期比3.8%減)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が27,848百万円(前期比0.4%減)であります。
「電力機器事業」の増加は中国・台湾の電力会社向けの増加によるもの、「ビーム・真空応用事業」の減少は高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の減少によるものであります。また、「新エネルギー・環境事業」の減少は太陽光発電用パワーコンディショナの減少によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の減少は国内でのアフターサービスの減少によるものであります。
売上高につきましては、前期比6.1%増加し、124,663百万円となりました。
売上高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が60,182百万円(前期比2.7%増)、「ビーム・真空応用事業」が24,010百万円(前期比22.3%増)、「新エネルギー・環境事業」が12,981百万円(前期比2.4%減)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が27,488百万円(前期比5.8%増)であります。
「電力機器事業」の増加は、国内一般民需の増加や中国・台湾の電力会社向けの増加などによるもの、「ビーム・真空応用事業」の増加は、高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の増加によるものであります。また、「新エネルギー・環境事業」の減少は太陽光発電用パワーコンディショナの減少によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の増加は国内の工事・現地調整及び海外でのアフターサービスの増加によるものであります。
営業利益は、すべてのセグメントで増益となり、全体で15,171百万円(前期比32.2%増)となりました。
特別利益につきましては、政策保有株式などの一部売却により投資有価証券売却益1,288百万円を計上しました。特別損失につきましては、PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理に必要となる環境対策費619百万円及び事業整理損失引当金繰入額72百万円を計上しました。
以上を踏まえ、法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10,978百万円(前期比30.2%増)となりました。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日公表分)等を当連結会計年度の期首から適用しています。詳細については、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](会計方針の変更)をご参照ください。
(注) 1 セグメントの業績の中の売上高は「外部顧客に対する売上高」で、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含まれておりません。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
②財政状態の状況
資産は、当期末で180,410百万円となり、前期末に比べ17,680百万円増加しました。これは、受取手形及び売掛金は減少しましたが、現金及び預金やたな卸資産が増加したことなどによるものです。
負債は、当期末で56,548百万円となり、前期末に比べ7,234百万円増加しました。これは、支払手形及び買掛金は減少しましたが、前受金や未払法人税等が増加したことなどによるものです。
純資産は、当期末で123,861百万円となり、前期末に比べ10,446百万円増加しました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により増加したことなどによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動による資金の増加は22,517百万円(前期は1,656百万円の増加)となりました。投資活動による資金の減少は2,305百万円(前期は5,815百万円の増加)となりました。フリーキャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は20,211百万円のプラス(前期は7,471百万円のプラス)となりました。財務活動による資金の減少は3,987百万円(前期は4,070百万円の減少)となりました。これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は32,783百万円(前期は15,938百万円)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における外部顧客への販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
当連結会計年度におけるセグメント間の内部取引を含めた販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の分析
当社グループは、中長期計画「VISION2020」において、経営上の目標の達成状況を、売上高、営業利益、ROA及びROEを重要な指標として測定することとしております。
中長期計画の最終年である当連結会計年度における売上高は124,663百万円(前期比7,162百万円増)、営業利益は15,171百万円(前期比3,693百万円増)、「ROA」は8.8%(前期比1.7ポイント上昇)、「ROE」は9.5%(前期比1.8ポイント上昇)と、いずれの指標も前連結会計年度を上回る結果となりました。
また「VISION2020」の5年間平均における売上高は124,453百万円(前5年間平均比17,609百万円増)、営業利益は15,573百万円(前5年間平均比6,543百万円増)、「ROA」は9.9%(前5年間平均比2.4ポイント上昇)、「ROE」は11.7%(前5年間平均比4.0ポイント上昇)と、いずれの指標も前中長期計画「VISION2015」の5年間平均を上回る結果となりました。
営業利益の前連結会計年度比での主な増加要因は、売上高の増加に加えて、高採算の高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の売上増加等により売上原価率が改善したこと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い旅費交通費や交際費等の販管費が減少したことであります。
営業外収益は、受取保険金等の減少により前期比201百万円減の427百万円、営業外費用は、輸送事故による損失や支払利息の減少等により前期比2百万円減の455百万円となり、経常利益は、前期比3,493百万円増の15,143百万円となりました。特別利益は、政策保有株式などの一部売却により投資有価証券売却益1,288百万円を計上しました。特別損失は、PCB廃棄物の処理に必要となる環境対策費619百万円及び事業整理損失引当金繰入額72百万円を計上しました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期比3,904百万円増の15,741百万円となりました。ここから法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比2,545百万円増の10,978百万円となりました。
[ご参考] 「VISION2015」と「VISION2020」の5年間平均の比較
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
電力機器事業は、売上高は60,369百万円(前期比1,498百万円増)となりました。営業利益は、8,408百万円(前期比1,543百万円増)となりました。売上高営業利益率は13.9%と2.2ポイント上昇しました。セグメント資産は、79,063百万円(前期比1,375百万円増)となりました。
ビーム・真空応用事業は、売上高は24,020百万円(前期比4,164百万円増)となりました。営業利益は、2,208百万円(前期比1,779百万円増)となりました。売上高営業利益率は9.2%と7.0ポイント上昇しました。セグメント資産は、26,711百万円(前期比457百万円減)となりました。
新エネルギー・環境事業は、売上高は12,985百万円(前期比318百万円減)となりました。営業利益は、2,021百万円(前期比404百万円増)となりました。売上高営業利益率は15.6%と3.4ポイント上昇しました。セグメント資産は、10,672百万円(前期比409百万円減)となりました。
ライフサイクルエンジニアリング事業は、売上高は28,657百万円(前期比1,723百万円増)となりました。営業利益は、4,669百万円(前期比550百万円増)となりました。売上高営業利益率は16.3%と1.0ポイント上昇しました。セグメント資産は、23,546百万円(前期比1,040百万円減)となりました。
セグメントごとの経営成績の売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替額」を含めております。
各セグメントの営業利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ10.9%増加し、180,410百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ11.8%増加し、131,467百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金は減少しましたが、現金及び預金が増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ8.5%増加し、48,942百万円となりました。これは、退職給付に係る資産が増加したことや日本において建物及び構築物の新規取得などにより減価償却費などとのネットで有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ14.7%増加し、56,548百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ15.3%増加し、50,039百万円となりました。支払手形及び買掛金は減少しましたが、前受金や課税所得の増加に伴い未払法人税等が増加したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ9.9%増加し、6,509百万円となりました。これは、その他に含まれる環境対策引当金や退職給付に係る負債が増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ9.2%増加し、123,861百万円となりました。これは、収益認識に関する会計基準等の適用に伴う期首調整による減少はあったものの親会社株主に帰属する当期純利益の増加による利益剰余金の増加や、当期発生した退職給付数理差異の影響による増加などによるものです。
また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.0ポイント低下の67.1%、流動比率は前連結会計年度末に比べ、8.4ポイント低下の262.7%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15,741百万円及び減価償却費4,013百万円に、たな卸資産の減少2,626百万円、仕入債務の減少2,160百万円、前受金の増加1,999百万円、法人税等の支払い1,724百万円などの要因を加減算した結果、合計で22,517百万円の収入(前期比20,861百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得3,911百万円、投資有価証券の売却収入1,525百万円などにより、合計で2,305百万円の支出(前期比8,120百万円の支出増加)となりました。以上により、フリーキャッシュ・フローは20,211百万円のプラス(前期比12,740百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い3,419百万円などにより、合計で3,987百万円の支出(前期比82百万円の支出減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、32,783百万円(前期比16,845百万円の増加)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(短期借入金及び長期借入金)を対象としております。
4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源は、利益による積上げを継続的に行うことを基本方針とし、安定した配当の維持を図ってまいります。資金の流動性については、利益の確保、資産効率の向上による必要運転資金の増加抑制により、キャッシュ・フローの安定的な確保に努めております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入や、親会社である住友電気工業株式会社グループのキャッシュマネージメントシステムでの調達を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。負債と資本のバランスに配慮しつつ必要な資金需要に対応してまいります。
⑤重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(退職給付会計)
当社グループの退職給付費用及び債務の計算は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の優良社債の利回り等を参考に決定し、また年金資産の長期期待運用収益率は、年金資産の配分と年金資産を構成する多様な資産から期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済活動に少なからず影響を与える事象であると認識しており、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は収束時期等の不確定要素が多く、2021年度には収束していくと現時点では想定しておりますが、感染が再拡大した場合は2021年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響を受け経済活動が停滞し、個人消費の大幅な減少や設備投資の冷え込みなどにより、大きく景気が落ち込みました。海外では、当社グループの主要市場である中国は政府の財政出動や金融緩和策により、景気が回復傾向となりましたが、アセアン諸国では多くの国がマイナス成長から回復に向かいつつあるものの、そのペースにはばらつきが見られ、特にタイでは景気回復が遅れています。
当社グループが関連する主要市場の動向は次のとおりであります。
国内の電力会社向け市場は発送電分離に対応した機器や変電所の設備更新などが堅調に推移し、また、一般民需市場は老朽化した電力設備の更新需要が引き続き高水準であるものの、一部に新型コロナウイルス感染症の影響による設備投資の先送り傾向が見られます。中国の電力機器市場においては、電力投資の強化という政府方針に基づき、当社グループが注力している超高圧送電分野の投資が増加しました。また、タイ・ベトナムで展開している産業用装置・部品の製造受託の市場は、半導体製造設備の投資回復の影響を受け、堅調に推移しました。ビーム・真空応用事業の市場では、半導体製造用イオン注入装置の需要が増加しましたが、高精細・中小型FPD(フラットパネルディスプレイ)製造用イオン注入装置の需要は、世界的な消費の落ち込みを受けたパネルメーカーの投資計画の後ろ倒しにより減少しました。
こうした中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大により経済活動が広範に影響を受ける中、市場動向や顧客ニーズに対応した製品やサービスの開発と市場投入、コスト競争力強化などの対策を積極的に推進してきましたが、当期の受注高は前期比4.0%減少の127,903百万円となりました。
受注高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が67,320百万円(前期比3.1%増)、「ビーム・真空応用事業」が19,582百万円(前期比25.5%減)、「新エネルギー・環境事業」が13,151百万円(前期比3.8%減)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が27,848百万円(前期比0.4%減)であります。
「電力機器事業」の増加は中国・台湾の電力会社向けの増加によるもの、「ビーム・真空応用事業」の減少は高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の減少によるものであります。また、「新エネルギー・環境事業」の減少は太陽光発電用パワーコンディショナの減少によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の減少は国内でのアフターサービスの減少によるものであります。
売上高につきましては、前期比6.1%増加し、124,663百万円となりました。
売上高の事業セグメント別内訳は、「電力機器事業」が60,182百万円(前期比2.7%増)、「ビーム・真空応用事業」が24,010百万円(前期比22.3%増)、「新エネルギー・環境事業」が12,981百万円(前期比2.4%減)、「ライフサイクルエンジニアリング事業」が27,488百万円(前期比5.8%増)であります。
「電力機器事業」の増加は、国内一般民需の増加や中国・台湾の電力会社向けの増加などによるもの、「ビーム・真空応用事業」の増加は、高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の増加によるものであります。また、「新エネルギー・環境事業」の減少は太陽光発電用パワーコンディショナの減少によるもの、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の増加は国内の工事・現地調整及び海外でのアフターサービスの増加によるものであります。
営業利益は、すべてのセグメントで増益となり、全体で15,171百万円(前期比32.2%増)となりました。
特別利益につきましては、政策保有株式などの一部売却により投資有価証券売却益1,288百万円を計上しました。特別損失につきましては、PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理に必要となる環境対策費619百万円及び事業整理損失引当金繰入額72百万円を計上しました。
以上を踏まえ、法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10,978百万円(前期比30.2%増)となりました。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日公表分)等を当連結会計年度の期首から適用しています。詳細については、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](会計方針の変更)をご参照ください。
(注) 1 セグメントの業績の中の売上高は「外部顧客に対する売上高」で、「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含まれておりません。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
②財政状態の状況
資産は、当期末で180,410百万円となり、前期末に比べ17,680百万円増加しました。これは、受取手形及び売掛金は減少しましたが、現金及び預金やたな卸資産が増加したことなどによるものです。
負債は、当期末で56,548百万円となり、前期末に比べ7,234百万円増加しました。これは、支払手形及び買掛金は減少しましたが、前受金や未払法人税等が増加したことなどによるものです。
純資産は、当期末で123,861百万円となり、前期末に比べ10,446百万円増加しました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により増加したことなどによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動による資金の増加は22,517百万円(前期は1,656百万円の増加)となりました。投資活動による資金の減少は2,305百万円(前期は5,815百万円の増加)となりました。フリーキャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は20,211百万円のプラス(前期は7,471百万円のプラス)となりました。財務活動による資金の減少は3,987百万円(前期は4,070百万円の減少)となりました。これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は32,783百万円(前期は15,938百万円)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 66,242 | △1.0 | |
| ビーム・真空応用事業 | 27,561 | 4.1 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 12,692 | △3.3 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 28,260 | 6.0 | |
| 合計 | 134,756 | 1.2 | |
(注) 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 67,320 | 3.1 | |
| ビーム・真空応用事業 | 19,582 | △25.5 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 13,151 | △3.8 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 27,848 | △0.4 | |
| 合計 | 127,903 | △4.0 | |
| 受注残高 | 138,991 | 10.6 | |
(注) 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における外部顧客への販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 外部顧客への販売高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 60,182 | 2.7 | |
| ビーム・真空応用事業 | 24,010 | 22.3 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 12,981 | △2.4 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 27,488 | 5.8 | |
| 合計 | 124,663 | 6.1 | |
当連結会計年度におけるセグメント間の内部取引を含めた販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高 | ||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | ||
| 電力機器事業 | 60,369 | 2.5 | |
| ビーム・真空応用事業 | 24,020 | 21.0 | |
| 新エネルギー・環境事業 | 12,985 | △2.4 | |
| ライフサイクルエンジニアリング事業 | 28,657 | 6.4 | |
| 合計 | 126,032 | 5.9 | |
(注) 金額は販売価格によります。但し消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の分析
当社グループは、中長期計画「VISION2020」において、経営上の目標の達成状況を、売上高、営業利益、ROA及びROEを重要な指標として測定することとしております。
中長期計画の最終年である当連結会計年度における売上高は124,663百万円(前期比7,162百万円増)、営業利益は15,171百万円(前期比3,693百万円増)、「ROA」は8.8%(前期比1.7ポイント上昇)、「ROE」は9.5%(前期比1.8ポイント上昇)と、いずれの指標も前連結会計年度を上回る結果となりました。
また「VISION2020」の5年間平均における売上高は124,453百万円(前5年間平均比17,609百万円増)、営業利益は15,573百万円(前5年間平均比6,543百万円増)、「ROA」は9.9%(前5年間平均比2.4ポイント上昇)、「ROE」は11.7%(前5年間平均比4.0ポイント上昇)と、いずれの指標も前中長期計画「VISION2015」の5年間平均を上回る結果となりました。
営業利益の前連結会計年度比での主な増加要因は、売上高の増加に加えて、高採算の高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の売上増加等により売上原価率が改善したこと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い旅費交通費や交際費等の販管費が減少したことであります。
営業外収益は、受取保険金等の減少により前期比201百万円減の427百万円、営業外費用は、輸送事故による損失や支払利息の減少等により前期比2百万円減の455百万円となり、経常利益は、前期比3,493百万円増の15,143百万円となりました。特別利益は、政策保有株式などの一部売却により投資有価証券売却益1,288百万円を計上しました。特別損失は、PCB廃棄物の処理に必要となる環境対策費619百万円及び事業整理損失引当金繰入額72百万円を計上しました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期比3,904百万円増の15,741百万円となりました。ここから法人税等の計上を行った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比2,545百万円増の10,978百万円となりました。
[ご参考] 「VISION2015」と「VISION2020」の5年間平均の比較
| 「VISION2015」 年度平均 (2011年度~2015年度) | 「VISION2020」 年度平均 (2016年度~2020年度) | 増加(率) | |||||||
| 売上高 | (百万円) | 106,844 | 124,453 |
| |||||
| 営業利益 | (百万円) | 9,030 | 15,573 |
| |||||
| 経常利益 | (百万円) | 9,146 | 15,623 |
| |||||
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 5,141 | 11,570 |
| |||||
| 7.5 | 9.9 |
| ||||||
| 7.6 | 11.7 |
| ||||||
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
| 売上高 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 電力機器事業 | 58,870 | 60,369 | 2.5 | 6,864 | 8,408 | 22.5 |
| ビーム・真空応用事業 | 19,855 | 24,020 | 21.0 | 428 | 2,208 | 415.8 |
| 新エネルギー・環境事業 | 13,303 | 12,985 | △2.4 | 1,616 | 2,021 | 25.0 |
| ライフサイクル エンジニアリング事業 | 26,934 | 28,657 | 6.4 | 4,119 | 4,669 | 13.4 |
| 合計 | 118,964 | 126,032 | 5.9 | 13,028 | 17,307 | 32.8 |
| 調整額 | △1,464 | △1,368 | ― | △1,549 | △2,135 | ― |
| 連結損益計算書 計上額 | 117,500 | 124,663 | 6.1 | 11,478 | 15,171 | 32.2 |
電力機器事業は、売上高は60,369百万円(前期比1,498百万円増)となりました。営業利益は、8,408百万円(前期比1,543百万円増)となりました。売上高営業利益率は13.9%と2.2ポイント上昇しました。セグメント資産は、79,063百万円(前期比1,375百万円増)となりました。
ビーム・真空応用事業は、売上高は24,020百万円(前期比4,164百万円増)となりました。営業利益は、2,208百万円(前期比1,779百万円増)となりました。売上高営業利益率は9.2%と7.0ポイント上昇しました。セグメント資産は、26,711百万円(前期比457百万円減)となりました。
新エネルギー・環境事業は、売上高は12,985百万円(前期比318百万円減)となりました。営業利益は、2,021百万円(前期比404百万円増)となりました。売上高営業利益率は15.6%と3.4ポイント上昇しました。セグメント資産は、10,672百万円(前期比409百万円減)となりました。
ライフサイクルエンジニアリング事業は、売上高は28,657百万円(前期比1,723百万円増)となりました。営業利益は、4,669百万円(前期比550百万円増)となりました。売上高営業利益率は16.3%と1.0ポイント上昇しました。セグメント資産は、23,546百万円(前期比1,040百万円減)となりました。
セグメントごとの経営成績の売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替額」を含めております。
各セグメントの営業利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ10.9%増加し、180,410百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ11.8%増加し、131,467百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金は減少しましたが、現金及び預金が増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ8.5%増加し、48,942百万円となりました。これは、退職給付に係る資産が増加したことや日本において建物及び構築物の新規取得などにより減価償却費などとのネットで有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ14.7%増加し、56,548百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ15.3%増加し、50,039百万円となりました。支払手形及び買掛金は減少しましたが、前受金や課税所得の増加に伴い未払法人税等が増加したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ9.9%増加し、6,509百万円となりました。これは、その他に含まれる環境対策引当金や退職給付に係る負債が増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ9.2%増加し、123,861百万円となりました。これは、収益認識に関する会計基準等の適用に伴う期首調整による減少はあったものの親会社株主に帰属する当期純利益の増加による利益剰余金の増加や、当期発生した退職給付数理差異の影響による増加などによるものです。
また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.0ポイント低下の67.1%、流動比率は前連結会計年度末に比べ、8.4ポイント低下の262.7%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15,741百万円及び減価償却費4,013百万円に、たな卸資産の減少2,626百万円、仕入債務の減少2,160百万円、前受金の増加1,999百万円、法人税等の支払い1,724百万円などの要因を加減算した結果、合計で22,517百万円の収入(前期比20,861百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得3,911百万円、投資有価証券の売却収入1,525百万円などにより、合計で2,305百万円の支出(前期比8,120百万円の支出増加)となりました。以上により、フリーキャッシュ・フローは20,211百万円のプラス(前期比12,740百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い3,419百万円などにより、合計で3,987百万円の支出(前期比82百万円の支出減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、32,783百万円(前期比16,845百万円の増加)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 58.8 | 65.8 | 66.5 | 68.1 | 67.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 89.2 | 68.6 | 66.8 | 60.8 | 73.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 1.6 | 0.1 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 256.7 | 81.5 | 160.0 | 15.7 | 337.8 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(短期借入金及び長期借入金)を対象としております。
4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源は、利益による積上げを継続的に行うことを基本方針とし、安定した配当の維持を図ってまいります。資金の流動性については、利益の確保、資産効率の向上による必要運転資金の増加抑制により、キャッシュ・フローの安定的な確保に努めております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入や、親会社である住友電気工業株式会社グループのキャッシュマネージメントシステムでの調達を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。負債と資本のバランスに配慮しつつ必要な資金需要に対応してまいります。
⑤重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(退職給付会計)
当社グループの退職給付費用及び債務の計算は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の優良社債の利回り等を参考に決定し、また年金資産の長期期待運用収益率は、年金資産の配分と年金資産を構成する多様な資産から期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済活動に少なからず影響を与える事象であると認識しており、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は収束時期等の不確定要素が多く、2021年度には収束していくと現時点では想定しておりますが、感染が再拡大した場合は2021年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。