有価証券報告書-第117期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末における流動資産は272億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べて18億4千6百万円増加しました。また、固定資産は182億4千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて14億1千6百万円増加しました。
これにより、総資産は455億2千万円となり前連結会計年度末に比べて32億6千2百万円増加しました。
当連結会計年度末における負債は201億9千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて16億3千2百万円増加しました。
当連結会計年度末における純資産は253億2千2百万円となり、前連結会計年度末に比べて16億2千9百万円増加しました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて0.5ポイント減少し、49.7%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続き、鉱工業生産では、はん用・生産用・業務用機械工業などを中心に上昇し、前年度比穏やかな回復基調が続きました。
設備投資の増加幅は前年度を上回ると見込まれ、好調な企業業績と世界経済の回復を背景に、設備投資の緩やかな増加が維持されました。
中国では過剰生産能力の削減と環境規制に伴う重工業向け投資の減少により減速しましたが、世界的な景気拡大を受けて輸出が3年ぶりに増加し成長を牽引したため、実質GDP成長率が通年では+6.9%と7年ぶりに前年(+6.7%)を上回りました。
一方で、米国政権による経済政策動向の不確実性及び地政学的リスクの高まりに加え米中貿易摩擦が懸念されるなど、依然として景気の先行きは不透明感が強い状況が続きました。
このような中、当連結会計年度の売上高は、331億5千4百万円(前期比5.9%増)となりました。
利益面におきましては、営業利益18億2千2百万円(前期比95.9%増)、経常利益19億8百万円(前期比61.7%
増)となりました。特別損失にメカトロニクス事業において減損損失2億6千7百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8億6千8百万円(前期は13億7千6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業の売上高は前期比11.1%増の95億7千8百万円(総売上高の28.9%)となりました。
液晶製造装置向けや成膜装置向けの高電圧電源について、大型の設備投資需要があり伸長しました。
医療用・半導体用・環境対応等の高電圧電源について、上期は低調でしたが、新規需要および更改需要で下期は伸長しました。スマートフォンなどの無線基地局用電源装置は、首都圏および関西・九州エリアを中心に全国的に伸長しました。
[メカトロニクス事業]
メカトロニクス事業の売上高は前期比66.9%減の9億7千5百万円(総売上高の2.9%)となりました。
MDB(Mobile Display Bonder)の売上低迷及び光半導体用溶接機の市場縮小や価格競争の影響が大きく、新製品である車載・産業用DB(Display Bonder)は売上に至るも、全体では前期比大幅減となりました。
[ケミトロニクス事業]
ケミトロニクス事業の売上高は前期比7.2%増の117億9千5百万円(総売上高の35.6%)となりました。
主力の自動車関連分野において、国内海外共に市場が堅調なことにより、特に中国拠点が伸長し売上増となりました。
[コンポーネント事業]
コンポーネント事業の売上高は前期比23.8%増の108億4百万円(総売上高の32.6%)となりました。
金融機器関係は減少傾向に歯止めは掛かるも回復力は弱く、医療機器関係は、海外市場開拓は進みましたが国内市場は低調に推移し前期より若干減少となりました。一方、設備関係では半導体装置向けが売上増となり、更に新規用途である事務機器関係が大幅に増加しました。また車載関係も好調により売上増となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は50億7千5百万円となり、前連結会計年度末より5億2百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、9億9千2百万円(前期は12億の資金の獲得)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益16億4千5百万円、仕入債務の増加額14億9千万円、減価償却費11億2千8百万円、減損損失2億6千7百万円であり、主な減少要因は環境対策引当金の減少額14億9千8百万円、たな卸資産の増加額10億2千4百万円、売上債権の増加額6億1千万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、20億7千5百万円(前期は12億6百万円の資金の使用)となりました。主な増加要因は投資有価証券の売却による収入2億4千5百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出12億6千8百万円、定期預金の純増額3億6千7百万円、子会社設立による支出3億2千9百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって獲得された資金は、4億9千1百万円(前期は1億9千1百万円の資金の使用)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増額22億円であり、主な資金の減少要因は長期借入金の返済による支出11億9千7百万円、配当金の支払額2億3千3百万円、非支配株主への配当金の支払額1億9千9百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| エレクトロニクス事業 | 9,620,922 | 109.7 |
| メカトロニクス事業 | 1,800,350 | 61.6 |
| ケミトロニクス事業 | 11,050,260 | 107.6 |
| コンポーネント事業 | 8,425,557 | 137.7 |
| 合計 | 30,897,090 | 110.0 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| エレクトロニクス事業 | 9,347,695 | 100.3 | 1,738,907 | 88.3 |
| メカトロニクス事業 | 7,159,753 | 713.1 | 6,477,099 | - |
| ケミトロニクス事業 | 11,781,531 | 107.2 | 443,825 | 96.9 |
| コンポーネント事業 | 11,040,283 | 126.0 | 1,465,574 | 119.2 |
| 合計 | 39,329,263 | 130.8 | 10,125,405 | 256.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
2.セグメント「メカトロニクス事業」における受注残高の前年同期比は1,000%を超えているため記載しておりません。
3.セグメント「メカトロニクス事業」における受注高及び受注残高の主な変動理由は、MDBの受注獲得によるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| エレクトロニクス事業 | 9,578,367 | 111.1 |
| メカトロニクス事業 | 975,232 | 33.1 |
| ケミトロニクス事業 | 11,795,786 | 107.2 |
| コンポーネント事業 | 10,804,637 | 123.8 |
| 合計 | 33,154,023 | 105.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、過去の実績、法令や会計制度等の変更など様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確定要素が内在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は455億2千万円と前連結会計年度末に比べて32億6千2百万円増加しました。
流動資産は272億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べて18億4千6百万円増加しました。これは主に現金及び預金が10億5千万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が7億9千8百万円、仕掛品が5億4千8百万円、商品及び製品が2億9千2百万円、原材料及び貯蔵品が2億2千8百万円、流動資産のその他が9億6千5百万円増加したことなどによるものであります。
固定資産は182億4千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて14億1千6百万円増加しました。これは主に繰延税金資産が1億5千9百万円、無形固定資産が1億7百万円減少しましたが、投資有価証券が10億6千1百万円、有形固定資産が2億2千1百万円増加したことなどによるものであります。
負債は201億9千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて16億3千2百万円増加しました。これは主に環境対策引当金が14億9千8百万円、長期借入金が9億1千5百万円、支払手形及び買掛金が6億6千8百万円減少しましたが、短期借入金が22億円、電子記録債務が21億9千5百万円増加したことなどによるものであります。
純資産は253億2千2百万円と前連結会計年度末に比べて16億2千9百万円増加しました。これは主にその他有価証券評価差額金が6億7千5百万円、利益剰余金が6億3千3百万円、非支配株主持分が2億円、為替換算調整勘定が1億7千2百万円増加したことなどによるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて0.5ポイント減少し、49.7%となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、メカトロニクス事業のMDB(Mobile Display Bonder)の売上低迷による減収を他事業がカバーすることにより、前期比5.9%増の331億5千4百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は売上高の増加により前期比3.2%増の242億7千8百万円となりました。国内外グループ全体で原価低減に努めた結果、売上原価率は73.2%となり、前期比2.0%減となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、国内外グループ全体で経費削減に努めましたが、売上高の増加による運賃・梱包費等の増加により、前期比3.2%増の70億5千2百万円となりました。
(営業利益、経常利益)
上記要因により、営業利益は前期比95.9%増の18億2千2百万円、経常利益は前期比61.7%増の19億8百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は投資有価証券売却益1億2千8百万円及び受取保険金7千5百万円の計上により、2億5百万円となりました。
特別損失は主にメカトロニクス事業において、第2四半期に主力製品のMDBの売上減少に伴い、固定資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、2億6千7百万円の減損損失を計上したことにより、4億6千8百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は上記要因の他、主に法人税等4億5千8百万円の計上により、8億6千8百万円となりました。(前期は13億7千6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)
また、セグメントにおける分析につきましては次のとおりであります。
[エレクトロニクス事業]
無線基地局要電源が全国的に伸長したこと等により、売上高は前期比11.1%増の95億7千8百万円(総売上高の28.9%)、セグメント利益は前期比489.1%増の10億2千1百万円となりました。
[メカトロニクス事業]
MDBが大幅に減少し、売上高は前期比66.9%減の9億7千5百万円(総売上高の2.9%)、セグメント損失は
6億7千2百万円(前期は6千6百万円のセグメント損失)となりました。
[ケミトロニクス事業]
主力の自動車関連分野を中心に堅調に推移し、売上高は前期比7.2%増の117億9千5百万円(総売上高の35.6%)、セグメント利益は前期比11.5%増の19億9千8百万円となりました。
[コンポーネント事業]
車載部品関係が好調に推移し事務機器関連も大幅に伸長し、売上高は前期比23.8%増の108億4百万円(総売上高の32.6%)、セグメント利益は前期比47.2%増の12億9千7百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、エレクトロニクス、メカトロニクス、ケミトロニクス、コンポーネントの4事業を有しており、その各市場において、世界経済の動向に伴う需要の増減や、為替変動、価格競争の激化などにより影響を受けております。特にメカトロニクス事業の製造装置関連については需要変動の動向が激しく、業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、新製品開発、製造及び生産性向上、品質向上のための設備投資などの設備投資需要及び新製品開発及び製造のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
これらの資金需要に対して当社グループは、自己資金のほか、銀行借入等の間接金融により賄っております。また、当社は機動的な財務戦略をとり、資金の効率的な調達を行うため、特定融資枠契約(シンジケーション方式によるコミットメントライン)を締結しております。